ホーム > インタビュー&レポート > 1stフルアルバムに向けて挑戦モードのKID PHENOMENON、 ドームやスタジアムでの初パフォーマンスを振り返る
JSB3へのリスペクトも込めた、京セラドーム大阪でのオープニングアクト
2024年も残すところわずかとなった12月21日、京セラドーム大阪。三代目J SOUL BROTHERS のツアー『ECHOES OF DUALITY』もセミファイナルを迎えた。KID PHENOMENONがドームに立つのは、同ツアーの福岡公演のO.Aが初めてだ。4本目となるこの日はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、筆者もワクワクしながら会場に足を踏み入れた。
最大5万5000人が収容できる巨大なドーム。中に入ってみるとやはりその大きさに圧倒される。開演時間の約30分前、客席は徐々にオーディエンスで埋まりつつあった。ライブ前特有の高揚感が漂う中、ステージに設けられたビジョンにKID PHENOMENONのアー写が映されると、客席のあちらこちらに紫色のペンライトが灯る。『存在証明』のイントロが流れ、ステージ中央に7人が登場。早速ボーカルの山本と遠藤が力強くも美しい歌声を響かせていく。ラップパートを担う夫松、岡尾、佐藤、鈴木もクールにフロウを放ち、ダンスパートではメリハリのきいたパフォーマンスで表現力の幅を見せつける。楽曲後半では7人が大きくステージに広がり、プチョヘンザ。開場中のパフォーマンスながら、会場の上までペンライトが揺れていて、彼らを応援する人の存在がしっかりと感じられた。
続いては佐藤が「初めましてKID PHENOMENONです! 大阪にお集まりのMATE(JSB3のファンネーム)の皆さん! 一緒に声出して盛り上がっていきましょう!」と挨拶し、デビュー曲『Wheelie』を投下。ステージを右に左にと走り回り、<Wheelie Boom Boom!>とバイクのハンドルを握るキャッチーな振りで会場を巻き込んでいった。
MCでは、リーダーの夫松がステージに立てたことへの感謝を丁寧に述べ「僕たちはオーディション時からNAOTOさんにプロデュースしていただき、2023年8月にデビューすることができました」と、1人ずつ自己紹介。客席からはメンバーの名前を呼ぶ声も多く聞かれた。1stアルバム『PHENOMENON』については「自分たちとファンの皆さんの道のりはもちろん、僕たちを知らない方でも、夢や目標に向かって取り組んでおられる皆さんの心の支えになる作品になっていますので、よろしくお願いします」と想いを伝え、ラストに2024年10月にリリースされた『Unstoppable』を披露した。夫松が雄雄しく「Make some noise!」と叫ぶと、7人はこれまでで1番躍動し、パワフルにエネルギーをぶつけていった。切なくもクールなメロディラインに、ダークな低音ボイスのラップ、息ぴったりのフォーメーションと細部までキレのあるダンス。それぞれが血の滲むような努力の末に獲得した高いスキルを存分に発揮し、内に秘めたる熱き想いをしっかりと打ち立てた。わずか3曲ながら7人の存在感が伝わる、堂々たるパフォーマンスで魅せてくれた。
三代目の皆さんがかましているからこそ、僕たちももっとかまさなきゃいけない(佐藤)
ーーライブお疲れ様でした! 京セラドームでパフォーマンスをされてみて、いかがでしたか?
川口「三代目さんもライブ中に言っておられたんですけど、大阪の皆さんがすごくあったかくて。ファンの皆さんは三代目さんを見に来られていたにも関わらず、すごい上や端の方まで拍手したり、ペンライトを振ってくださったりして嬉しかったです。個人的に京セラドームは、僕が初めてEXPGの生徒の頃にサポートダンサーとして立たせていただいた舞台でもあるんです。当時先輩方の後ろで踊っていた僕が、今回O.Aとして立たせてもらえたのは、本当に感慨深いし嬉しかったですね」
ーーストーリーがあるんですね。
川口「小学生の頃にドームに立たせてもらって素敵な景色を見て、その時に僕はアーティストになろうと決めたので。1つ夢が叶いました」
遠藤「福岡は2日間、大阪は3日間出させていただくというので、より三代目のファンの方々に届くパフォーマンスができたらいいなと思って、毎回更新できるように心がけているんですけど、しっかりペンライトを振ったり歓声をあげてくださったのがすごく嬉しくて。本当に貴重な場で、毎回自分的にも成長できてるなと思います」
ーー今日も成長できたと思いましたか?
遠藤「そうですね。毎回ライブの映像を見返すんですけど、パフォーマンスだけじゃなくてカメラに抜かれることもあるので、そこでどれだけ自分をアピールできるかを考えて臨みました」
ーー『Unstoppable』の後半のがなりが良かったですね。
遠藤「あそこは1番エネルギーを出せる場所で、普段あまりやらない印象に残るパフォーマンスをできるかどうかも、自分の中での勝負なので、毎回頑張ってます」
山本「僕は、地元大阪でパフォーマンスをさせていただいて。僕らのイメージカラーが紫色なんですけど、MATEの皆さんも最初からペンライトを紫色にして振ってくださってあたたかかったです。先輩の舞台に出させていただくことはなかなかない経験なので、僕たちのことを知ってもらったり、純粋に音楽を楽しんでいただきたくて3曲やったんですけど、1曲1曲にしっかり想いを込めて届けることができました」
ーー届いたなという実感はありました?
山本「公演後にSNSに感想を載せてくださってる方がいて、"初めて見てめっちゃ良かった"とか、"歌声が響いてて感動した"、みたいなコメントがたくさんあって。届いたんだと実感しましたし、もっともっとたくさんの人に知っていただけるチャンスがあるんだという可能性もすごく感じました」
鈴木「僕たちのことを知らない人の目に触れるチャンスなので、セットリストも僕たちを1番魅せられる3曲で臨んだり、挑戦もあって。皆さんの反応も良くて、ペンライトを振ってくださる方も、立ってくださる方も少しずつ増えてきて、嬉しくてさらにパフォーマンスに気合いが入りました。シンプルに自分たちのライブでまたここに戻ってきて、この綺麗な景色をもう1回見たい。大きなステージで満員のお客さんが輝いてる景色は、相当頑張らないと見れないので、これからのモチベーションになりましたし、自分たちもドーム単独公演が1つの夢なので、そこに向かって頑張ろうと思いました」
ーーライブで心がけていることはありますか?
鈴木「LDHの先輩からアドバイスをもらって、お客さん1人1人と目を合わせる意識でやりました。そうすることでより伝わることはちゃんとわかっているので、もう奥の人まで上の人まで、全員に目を向けてパフォーマンスしました」
岡尾「三代目さんのライブで初めてドームに立たせていただいて、福岡を入れて今日で4日目なんですけど、ステージの規模感に全然慣れなくて。その分、毎日試行錯誤できる部分もありますし、当たり前やけど勉強になっています。個人的には、僕が人生で初めてライブを見に来たのがこの京セラドーム。実は今日お母さんとお父さんが見に来てくれてて、めちゃめちゃ感慨深いです。いつかこの目に見えているファンの方々を全員SPINEL KIDS(キドフェノのファンネーム)にしたいという想いもどんどん積み重なっているので、現実にできるよう頑張ります」
佐藤「僕は三代目さんがキッカケでアーティストを目指して、ずっとライブも行っていて、今も憧れの存在なので、今回O.Aではあるんですけど、ライブという作品を一緒に作り上げられていることが本当に嬉しいです。何より三代目の皆さんがどれだけライブでかますか、どれだけのパワーをファンの皆さんに届けるか、僕は実感しているので。三代目の皆さんがかましているからこそ、僕たちも背中を押されて、もっとかまさなきゃいけないという責任や、自分たちのギアに繋がるので。MATEの皆さんの前でパフォーマンスできたことが楽しくて仕方なかったです」
ーー落ち着いてクールにやっておられるように見えましたが、内心は楽しい気持ちで。
佐藤「とんでもなく楽しいです。最後にやった『Unstoppable』は3曲分ぐらいの体力を使うので、もう頭からケツまで全てを出し切るぐらい。ドームの大きな会場で自分たちが自信を持てる楽曲をパフォーマンスできて、とても楽しいです」
夫松「僕らはNAOTOさんのプロデュースだとMCでも言ってる分、勝手にNAOTOさんの名前も背負っているので、MATEの皆さんに"NAOTOさんがプロデュースしてるチームはさすがだ"と思っていただけるパフォーマンスをしたいですし、O.Aを任せてもらえたからにはその期待を超えようと毎回思ってます。三代目さんは会場全体を一体となって動かしてる感じがして、それを今の自分たちの実力でやるのは難しいなと実感するので、改めて三代目さんのすごさを痛感しますし、"自分たちならどうやって盛り上げられるだろう?"って、この規模の舞台で勉強できているのは、本当に贅沢でありがたいですね」
先輩方と同じステージで、同じアーティストとして音楽を表現する身になって、感じることもすごくあった(川口)
ーーここからは、近況やアルバムについてお聞きしたいと思います(インタビューは12月22日に実施)。デビューして1年以上が経ちましたが、最近のキドフェノはどんなモードですか?
遠藤「それこそアルバムのリリースがあるので、それに向けてのモードになってます」
岡尾「確かに。アルバムモード」
夫松「戦闘モードです」
遠藤「アルバムに向けて身体を鍛えてるし、各々が自分でできることをやってますね」
佐藤「大きく言うと、4thシングル『Unstoppable』から、今までになかった新しい世界観に挑戦してるんです。アルバム『PHENOMENON』のリード曲『Party Over There』もその感じで、4thシングルと今作のアルバムの期間は、チームとして色々なことに挑戦しているので、挑戦的なモードだと思います」
夫松 健介
ーー『Unstoppable』はジャケットもMVも新しい世界観で、キドフェノに合っていますね。カッコ良くて大好きです。
全員「あざ~す!!」
夫松「NAOTOさんのおかげでこんなに贅沢なことをさせてもらえてると思います。"LOVE NAOTOさん"です」
ーーNAOTOさんにはオーディションの時から見てもらっていますもんね。では現在は挑戦モードで、2024年は春に3rdシングル『ONE DAY』が出ましたが、その時とはまた違う感じですか。
岡尾「全然違いますね」
佐藤「3rdと4thの差がすごかったです」
遠藤 翼空
ーー2024年で印象に残った活動はありました?
佐藤「NAOTOさんの単独ライブ『HONEST HOUSE 2024』(4~8月に全国9都市全12公演を廻ったツアー)の全公演に帯同させてもらったのは、とても素敵な経験になりました」
ーー刺激になりましたか?
佐藤「リハからずっとNAOTOさんと一緒にいて、毎回リハ終わりに"NAOTOさんヤベえ!、NAOTOさんうま!"って言うぐらい、めちゃくちゃ刺激を受けました」
夫松「NAOTOさんはライブへのこだわりが強くて、演出にストイックさを感じました。自分たちがリハに入る前から、もうNAOTOさんが練習されてるんです」
岡尾 琥珀
ーーキャリアを重ねてもなお、ストイックなんですね。
夫松「僕らは今YouTubeで『Pre-Production』というコンテンツを投稿してるんですけど、それもNAOTOさんの『HONEST HOUSE』の世界観やライブの作り方から学んでいますし、MCでのファンの皆さんとの交流の仕方も『HONEST HOUSE』から学びました。長い期間色んなキャパの会場でパフォーマンスをさせていただいたことが、今の自分たちの活動にも活きているなとすごく感じます。自分たちはパフォーマンスをウリにしていきたいけど、今はボーイズグループがめっちゃ多い時代で、メディアにずっと出続けるって難しい。だからより自分たちの良さを引き出すために、色んな方に届くYouTubeで出していこうと『Pre-Production』が始まって。"映像作品だからこそできるパフォーマンスをやろう"となって、"『HONEST HOUSE』を参考にしよう!"となってたどり着きました。引き出しはめちゃめちゃ増えてますね」
ーー蒼真さんは、2024年印象に残った活動はありますか?
川口「『LDH LIVE-EXPO 2024 -EXILE TRIBE BEST HITS-(2024年10月26日・27日@大阪・ヤンマースタジアム長居)』ですかね。人生初のスタジアムで、EXILE TRIBEの一員として大きなステージに立たせてもらえて、改めて僕たちも本当に夢見てたEXILE TRIBEになったんだって実感しました。先輩方と楽曲をパフォーマンスする機会もあったので、普段見れない先輩方の姿がリハの段階から見れたり、同じステージで同じアーティストとして音楽を表現する身になってみて、感じることもすごくあって。スタジアムでのあの機会はすごく貴重で、今後の自分たちの活動にも大きな影響を与えてくれると思いました」
川口 蒼真
ーー2日間で10万人が来場(会場、配信視聴含めて11万5千人を動員)されたそうで、良い景色だったでしょう。
川口「びっくりしましたよ。リハの時も"うわ、ヤバ!"と言って、皆写真撮りまくってたんですけど、いざ1曲目の『AKANEGUMO』で"わくわくする~"と出て行って、会場が人で埋まってる景色を見た時、びっくりしすぎて。リハの何倍も大きく感じましたよね」
夫松「出ていきながら"多!"って言うてもうたもん」
岡尾「なんかもう世界が違うんですよ」
鈴木「歓声が"キャー"じゃなくて"ゴオー"。揺れてる感じです」
リルがいるから僕らも映えるし、僕らがいるからリルが映える(夫松)
佐藤 峻乃介
ーーお聞きしたかったのが、皆さんはLIL LEAGUEの公式ライバルで、最初は背中を追いかけていたと思いますが、デビューして1stアルバムのリリースが決まって、今はリルのことをどんなふうに見ておられますか。
夫松「NEO EXILEの中では1番意識してますね。でも同世代でめちゃめちゃ仲は良いので、会った時は普通にめっちゃ仲良くしてます。もちろんリルの活動がすごく刺激になって、"自分たちももっとやりたいな"と思いますし、でも純粋にリルが頑張ってる姿を見ると応援したいなとも思いますし。今となってはグループ感やキャラクターの方向性も真逆なので、リルがいるから僕らも映えるし、僕らがいるからリルが映える感じになってきてると思います。ライバルなので、お互いの結果が出るたびに、悔しい想いや嬉しい想いもすると思うけど、すごく切磋琢磨してやれてると思います」
山本 光汰
川口「良い関係だ」
遠藤「お互いがめっちゃ通じ合うというか、お互いが良いところを伸ばし合って、それが最終的にすごくいい場所になっているというか。お互い様ですかね。まあ、動向はずっとうかがってます」
岡尾「真虎(琥珀の実弟でLIL LEAGUEのメンバー)に会ったら聞きますもん。"最近どう?"って」
鈴木「今単独ツアーもしてるし、すごいなと思います。僕たちもしたいな」
岡尾「単独はデカいですよね」
夫松「俺ら、2024年は単独やりたいとめっちゃ言ってたんですけど、リルの『LIVE TOUR 2023 "LIL GATEWAY"』を見て1番そう思いました。正直めっちゃ悔しかった。でも刺激になったので、リル嫌いとかにはならないですけど。多分最新曲の情報収集はお互いめっちゃ早い。リリースされて、次会った時にはもう皆聴いてるので」
鈴木 瑠偉
遠藤「新曲の『1番星(2024年12月22日先行配信リリース)』、めっちゃ良いですよ」
夫松「歌ってるの、ボーカル2人(岩城星那、中村竜大)だよね」
遠藤「あと『15分』とか。素敵な曲です」
夫松「でもこの2人(遠藤・山本)が歌ったらかませると思う。そこは自信あります」
岡尾「僕達のボーカルへの絶対的信頼(笑)」
Text by ERI KUBOTA
後編に続く
(2025年1月22日更新)
【完全生産限定盤 MOVIE Ver.】
■CD+BD 透明スリーブ付き
※全形態共通封入特典
フォトカード全8種中ランダム1種
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5500円(税込)
通常盤(CD)
※全形態共通封入特典
フォトカード全8種中ランダム1種(通常盤は初回仕様のみ)
SRCL-13107
3000円(税込)
【収録曲】
01. 存在証明
02. Unstoppable
03. Party Over There
04. Trendsetter
05. Underrated
06. Cinderella
07. Purple Dawn
08. Ace In The Hole
09. OMW
10. C'mon
11. Wheelie
12. Show U Light
13. ONE DAY
14. 雨上がりのDiary
KID PHENOMENON(キッドフェノメノン)…2021年に行われたLDHのオーディション『iCON Z~Dreams For Children~』男性部門から誕生したKID PHENOMENON。平均年齢18歳ながらに抜群の表現力と歌唱力、高いパフォーマンス力に定評があり、LDHの新世代アーティスト=NEO EXILE(ネオエグザイル)として躍進中。ファン待望の1stフルアルバム『PHENOMENON』は、新録3曲を含む全14曲収録。
Official Site
https://www.kidphenomenon.jp/
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https://x.com/_KID_PHENOMENON
Instagram
https://www.instagram.com/kid_phenomenon/
TikTok
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