ホーム > インタビュー&レポート > 8ottoの20周年を祝して味園ユニバースで開催された 8otto 20th anniv. 『Galaxy Express 888』ライブレポート
●COMEBACK MY DAUGHTERS
開場よりフロアにゴキゲンな音楽をぶつけてくれたMIXX BEAUTY WESTから、この日出発の汽笛を任されたのは、COMEBACK MY DAUGHTERS。彼らも8ottoに並ぶロングキャリアのバンドである。
穏やかで煌びやかなアルペジオが味園の銀河を彩り始まったのは『WEEKEND』。COMEBACK MY DAUGHTERSの真骨頂である、郷愁を煽るドリーミーなサウンドで、時に抒情的に、時に小気味よくフロアを揺らしていく。
「ファーストアルバムを出した2004年にSPACE SHOWER TVでどこかのかっこいい海外のバンドのMVだと思って観ていたバンドが8ottoで、そこから速攻で連絡取って2マンをしたのが最初で。そこから20年後も一緒にやっている仲です。」
「これからも8ottoがやり続ける限り俺たちもやり続けますんで!」という熱いMCから、この日最後の≪Bore Rigid≫まで、彼らの煌びやかで郷愁を煽るステージを味園のステージで観るのが最後であるという事実に寂しさを覚えつつも、目の前で鳴る心地よい音に身体を揺らさずにはいられないステージであった。
●五味岳久(LOSTAGE)
続いてフロアの後方に立ち上げられたステージでおもむろに始まったのは、五味岳久(LOSTAGE)による弾き語り。
味園ユニバースのレトロモダンな空間に五味の歌声と緩急のついた繊細なアコースティックギター、時にブルースハープを震わせながら、ソリッドに音楽を紡いでいく、なんとも贅沢な空間。オーディエンスも思い思いのスタンスで聴き惚れる。
LOSTAGEも8ottoとは20年来の関係である。
「10周年くらいだと祝い感あるけど、20周年やと悲哀も、、、」という長い付き合いだからこそのシニカルなMCに笑いを起こしつつも、「僕らもやっていくんで、8ottoの皆さんも末長く活動を続けていってください」としっかり締めるところは締め、新曲≪光の街≫をはじめ、リラックスした様子でアコースティックアレンジされたLOSTAGEの楽曲を歌い上げた。
●DENIMS
再びメインステージに戻り、サウンドチェックから既にこの祝いの日をぶち上げるに相応しいゴキゲンっぷりを垣間見せたDENIMS。「8otto 20周年おめでとうございます!」と声高らかに始まったのはゴキゲンなキラーチューン『DAME NA OTONA』。Gt.&Vo.釜中の声に呼応して早速シンガロング響き渡る快調な発進。なんとDENIMS、本日最も若手である。10年以上のキャリアがある彼らが"若手"という歴戦のツワモノが揃うステージにも関わらず、一切怯むことなくフロアをDENIMSの世界に引き込んでいく。
「大阪に8ottoがいて、オルタナティブを突き詰めてくれてやってくれている先輩がいてくれて本当にありがとうございます」「僕らも20周年30周年とやっていきます、今日は本当にありがとうございます」と祝砲を放ち、『Life is good』『わかってるでしょ』とキラーチューンを叩き込み、最後は8ottoのライブでもお馴染みの会場の照明をジャックした演出で魅せる『たりらりら』で8ottoへのリスペクト溢れるステージの幕を閉じた。
●TGMX(FRONTIER BACKYARD)
再びステージ後方に現れたのは既にすっかり祝い酒に浸されたTGMX(FROMTIER BACKYARD)。冒頭より空前絶後なラフスタイルで会場にゴキゲンっぷりをお裾分けしながら、彼だからこそできる距離感で次々にゲストをステージに呼び込んでいく。
早速CHABE(LEARNERS)を招いてのBooker T Jones『Jamaica Song』カヴァーに始まり、コイチ(ex.Sawagi)を招いての『Parties & our music echoes』、そしてCOMEBACK MY DAUGHTERSの高本を招き、彼と共に活動をしているTHE DEKITSの『Cuba Libre』を(ほんの気持ちだけ)演奏など、奔放なステージながらもフロアからはクラップと笑いが絶えないハッピーな時間を創り上げ、この日の主役である8ottoへと線路を繋いでいった。
●8otto
フルスロットルで飛ばしてきたこのパーティもいよいよターミナルが見えてきた。これまでの出演者が焚きつけた蒸気に満ちたフロアに、いよいよ8ottoが現れる。
早速ミラーボールを煌々と輝かせ、『Mr. David』を投入。狂乱のダンスフロアと化した味園ユニバースに、Drs. Vo.マエノソノの「How are you everybody, we are 8otto!!!」「楽しい夜を!」という声が響き、オルタナティブなリフがシビれる『HYPER, HYPER, HYPER』が炸裂。地を揺るがすようなベースでフロアが飛び跳ねる。
続けてカッティングとエイトビートのキックが効いた、これまたオルタナティブな『Classic』と立て続けにキラーなダンスチューンを連発。
「2秒くらいと思ってたら気づけば20年も経ってて」「こうやって今でも皆が駆けつけてくれること、幸せに思います」「愛してるぜ!!!」というマエノソノのはち切れんばかりのラブ・シャウトからヘヴィでダンサブルな『CHINA』『0zero』と畳み掛けていく。
ここで今日の出演者たちがサプライズで登場し、この演目のタイトルとなっているDEATH SURF 2000の『Galaxy Express 666』をカヴァー。自由な出演者たちのパフォーマンスに、まるで終演後の打ち上げのようなフリーダムさと底抜けのハッピーさをふりまいた。
これで大団円かと思いきや、出演者たちをステージに乗せたまま列車はなおも爆走を続ける。
「お前たちはなんて贅沢もんなんだ、俺たちはなんて贅沢もんなんだ!」「まだまだいけるだろ!」という声から『赤黒』へ。フロアのボルテージも最高潮になり誰も彼もが踊り狂う。踊り狂うだけでは飽き足らず、マエノソノがフロアに降り立ち、誰も彼もが満面の笑みの中、コール&レスポンスの渦を生み出していく。
最高潮に達したかと思いきやさらにバンドはギアを上げて『SRKEEN』へ。ステージ上からTGMXがフロアに放り投げた8ottoのネオンランプが客席の頭上で踊り狂う。
いよいよ最後の『Say』では、Ba.TORAの「DENIMSよりも派手に」という要望にしっかり応えるように、1234のカウントと共に照明が燦然と輝き、味園の会場をひとつにまとめ上げた。
なおも鳴り止まなぬ歓声と拍手の中、「世界一のアンコールありがとう!」とアンコールで披露されたのは、あまりの超特急っぷりに、本編のセトリですっ飛ばされたらしい『Generation 888』。文句なしの代表曲で味園の銀河を8otto色に染め上げ、最後までフルスロットルのライヴを魅せた。
8ottoの迸るエネルギー、それはこの日まで共に走り続けた仲間のバンドマンたち、ライヴを作り上げたスタッフ、そしてこの日味園に集まったミュージック・ラヴァーへの揺るぎない愛が燃料だった。そしてなおも探究を続ける彼らのサウンドは、20周年という記念日はあくまで通過駅のひとつであり、これからも8ottoの音楽を求める人々に新しい景色を見せ続けてくれるであろうことを示してくれた。
Photo by 平琴音
Text by 伊藤博明
(2025年1月15日更新)
●COMEBACK MY DAUGHTERS
01. WEEKEND
02. 21 years old
03. YOURS TRULY
04. The Weatherman
05. I was Young
06. WHY
07. SLOW DOWN
08. Bore Rigid
●五味岳久(LOSTAGE)
01. HARVEST
02. ポケットの中で
03. 楽園
04. ひかりのまち
05. 紡ぐ
06. NAGISA
●DENIMS
01. DAME NA OTONA
02. Song For You & Me
03. INCREDIBLE
04. そばにいてほしい
05. I’m
06. Mick’s Blessings
07. Life is Good
08. わかってるでしょ
09. たりらりら
●TGMX(FRONTIER BACKYARD)
01. Jamaica Song(Booker T Jones cover) with CHABE (LEARNERS)
02. Party & our music echoes with コイチ(ex. Sawagi)
03. Cuba Libre(THE DEKITS) with 高本和英(COMEBACK MY DAUGHTERS)
●8otto
01. Mr. David
02. HYPER, HYPER, HYPER
03. Classic
04. CHINA
05. 0zero
06. Galaxy Express 888(DEATH SURF 2000/Galaxy Express 666 cover) with All Guests
07. 赤黒
08. SRKEEN
09. Say
En. Generation 888
「NEW KICKS GREENSPIA 2025」
▼4月5日(土) 15:15
服部緑地野外音楽堂
自由席-5900円(整理番号付、ドリンク代別途要)
KIDS TICKET(小学生)-1500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]Keishi Tanaka(Band Set)/THE BAWDIES/COMEBACK MY DAUGHTERS/眞名子新
※小学生以上は有料。KIDS TICKETも保護者同伴でのみ入場可能。
※KIDS TICKETの整理番号は、同伴の保護者の整理番号に準じます。未就学児童は保護者同伴に限り、ドリンク代のみで入場可能です。
※雨天決行。荒天の場合は主催者判断のもと中止。
※客席最後方エリアでの傘の使用は可能とさせて頂きますが、天候に合わせて、カッパ、帽子等をご用意ください。
※パラソル/テント類は持ち込み禁止となりますのでご注意下さい。
※イベント専用駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用下さい。
※客席を含む会場内の映像・写真が公開される場合があります。予めご了承ください。
[問]GREENS■06-6882-1224
「ODD SAFARI vol.7」
▼4月13日(日) 14:00
味園 ユニバース
全自由-6000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]DENIMS/他
※再入場時1ドリンク代別途要。飲食物持ち込み不可。飲酒される方は年齢の分かる身分証を必ずご持参下さい。
[問]GREENS■06-6882-1224
▼3月13日(木) 19:30
LIVE HOUSE Pangea
一般-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
学割-2500円(当日要学生証、整理番号付、ドリンク代別途要)
※小学生以下は無料、中学生以上は有料。
※学割チケットをご購入の方は、入場時に学生証をご提示いただきます。学生証をお忘れの場合は該当チケットの差額を頂戴いたしますのであらかじめご了承ください。
※客席を含む会場内の映像・写真が公開されますので予めご了承ください。公演の中止または延期、及び開場開演時間の変更以外による理由のチケット代払い戻しは致しかねます。
[問]GREENS■06-6882-1224
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