ホーム > インタビュー&レポート > “誇れる作品になった” 初のフルアルバム『ひとりごと』に込めたリアルと想い UNFAIR RULE・山本珠羽が音楽を奏でる理由
幼い頃の環境で、自然にバンド活動の道へ
ーーUNFAIR RULEを結成されたのは学生の時ですか。
「中3か高1の夏ですね。私、小学生の時からドラムでバンドをやっていて、中1から2年ぐらいギターボーカルで弾き語りをしてたんですよ。それを見てくれた前のドラムが"良いじゃん、バンドやろうよ"と言ってくれて、前のベースを誘ってUNFAIR RULEが始まりました」
ーー珠羽さんは元々ピアノもされていたんですよね。
「そうです」
ーーバンドをやりたいという気持ちはいつ頃芽生えたんですか?
「バンドをやりたいというより、幼稚園の年長さんで鼓笛隊でドラムに選ばれたので、ドラムを習いに行ってて。小1の時に東日本大震災が起きて、ママがチャリティーイベントを開いたんです。小学生から高校生ぐらいまでのバンドをやってる子を集めた無料フェスみたいなもので、そこで知り合った高校生のお兄ちゃんと小1か小2の時にバンドを組んでもらって。それからずっと仲良くさせてもらっていたので、気づいたらバンドをやっていました。バンドを組みたいというよりかは、バンドをやる環境にずっといたという方が正しいかもしれないです」
ーー楽曲制作はいつからされていたんですか?
「岡山のIdolPunchというパンクバンドのZillow(gt)さんが作詞作曲講座を開いていて、仲良くしてもらっていたので小2から小4ぐらいの時に通っていて。Zillowさんが"好きなバンドのコードを真似したらいいんだよ"と言ってくれて。その時フクロウを飼いたかったので、"フクロウ飼いたい"という曲を作ったんです。それが曲作りのキッカケですかね。でもそれから曲を作ってなくて、高校生の時に『スクールズアウト』というバンドコンテストがあって、岡山の高校生が足りないから出てくれないかと言われて、弾き語りでコピーしたら優勝しちゃって。"中四国大会ではオリジナル作っていきなよ"とライブハウスの店長と副店長に言ってもらって、初めて曲を作りました。それから何回か弾き語りをやって、それを見てくれた前のドラムとUNFAIR RULEを組んだ感じですね」
ーー歌を歌うことも好きだったんですか。
「好きだったんじゃないですかね。多分、目立ちたかったんだと思います(笑)。ギターを始めたキッカケも目立ちたかっただけなので。ドラムは動けないじゃないですか。"なんで前に行けないんだ"と思ってたので」
ーー鼓笛隊は歩けますもんね(笑)。"フクロウ飼いたい"という率直な自分の気持ちを表現したのが、作詞作曲における原体験ですか?
「そうですね。中1の時に組んでたバンドで初めて"キラキラステージ"という曲と"ナンバーワンスター"という曲を出したんですけど、それはママやメンバー、高校生のお兄ちゃんにも考えてもらって書いたんです。初めて1人で曲を書いたのは完全オリジナルで、実体験じゃなかったんですけど、恋愛ちっくな曲を書いてみたくて書いたりもしました。ちゃんと作曲をやり出したのは、UNFAIR RULEを始めた時ですかね」
ーー今は実体験を書かれていますが、やはり実体験が書きやすいですか?
「私が嘘をつけないからかもしれないですね。エンターテイメントみたいなのがあまり好きじゃなくて、ライブでも嬉しいとかしんどいとか、"今思ってること"をぶつけてくれるバンドが好きだったので。1回TVドラマを見て曲を書いてみようとした時もありましたけど、その時は無理でした。"誰を歌ってるんだ"となって、力が入らないというか」
ーー自分自身を歌うことが1番力が入るんですね。
「そうですね。しんどい時によく曲が書けるんですけど、曲を書けた時に救われるのが自分なので。結局自分のために音楽をやってるんです。逆にポジティブな時は書けなくて。幸せな自分が気持ち悪くて、ネガティブな方が心地良いので」
"お客さんの言葉にできない感情を代弁できたら、少しでも味方になれたらいいな"
ーーいつもどういう感じで作曲されているんですか?
「ギターを持ってみて、何もない状態から口ずさむんですけど、パッと出てきた一文は"今思ってることなんだな"と思って広げていったりします。あとは日常で言葉を思いついた時はスマホにメモして、それを広げることもあります」
ーー詞先、曲先でいうとどちらですか?
「どちらもありますね。良いメロディーができてから歌詞を書く時もあるし。先に歌詞があった方が、歌詞に沿ったメロができるのでいいんですけど」
ーー実体験を書くということは自分をさらけ出すことになると思いますが、そこに対しての抵抗や恥ずかしさはないですか?
「全くないですね。むしろ飾ったりする方が、お客さんにも自分にも嘘をついてるみたいで嫌ですね」
ーー今後タイアップのお話が来たら、お題に沿って曲を書かないといけないですよね。
「でも私、そのために作るという前提があるなら書ける気がします。前にドラムの崇が彼女にフラれて、メンバーで集合してご飯に行ったことがあって。話を聞いて"お前のために曲作ったらあ!"と言って曲を作ったことがあるんですけど、その時は"崇を救ったろう。あいつの言葉を代弁してあげよう"という気持ちで崇の話に基づいて作れたけど、今はもう歌えないですね。そんな気持ちがあまりないので(笑)」
ーー気持ちの新鮮さも大事にされるんですね。
「そうですね」
ーーでは、曲のストックはあまりないタイプですか?
「ないんです。前に作ってた曲を掘り起こそうとしても、感情が乗ってないから作りたくなくて」
ーー過去の恋愛を振り返って今書く、みたいなこともあるんですか。
「あんまりないかも」
ーー1人の人とのことをいっぱい書いたりもする?
「そうですね。多分メンバーは、曲を聴いたら相手の顔が浮かんでくるはずです(笑)」
ーー珠羽さんの歌詞は余白が多くて、"2人はこういう状況なのかな"と想いを馳せたり考察したくなるというか。先ほど自分のために音楽をやっているとおっしゃいましたが、リリースして自分の手を離れたり、ライブで歌って目の前のお客さんに届けたら、もう人の曲になる感じですか?
「不思議なんですけどね。今までは誰にもわかるはずないと思ってたし、なんで伝わってるのか、共感して泣いてくれてるのかわからなかったんですけど、20歳になって高校生の子や年下の子が聴いてくれるようになってきて。"最近こういうことがあって別れて、曲を聴いて救われました"みたいなDMをくれる子も多くて。一言一句恋愛体験が同じじゃなくても、共感できるところがあって救われてる子がいるんだって。タイトル曲の『ひとりごと(M-1)』の最後に<君と私のひとりごと>という歌詞があるんですけど、私が悩んでるように恋人も悩んでくれてたらいいなと思って書いたし、お客さんの言葉にできない感情を代弁できたら、ちょっとでもこのアルバムで味方になれたらいいなと思って、その歌詞にしました。背負うものや守るものが増えたというか、20歳になってやっとそう思うようになりましたね」
ーー20歳になったことが大きかったんですか。
「はい。20歳になるまで、例えばライブで"頑張ろうぜ"と言ったとするじゃないですか。言わないですけど。言ったとして、お客さんは年上の人がほとんどで、18歳の女の子に"頑張れとか言われてどう思うんだろう"と思ってなにも言えなくて。20歳になって若いお客さんが増えたので、どうにかしてあげたいし、味方でいてあげたいなと思いました」
ーー人生の先輩みたいな感じですね。
「ちょっとデカめに出てますけど(笑)」
"ずっとやりたいことをやって、嘘をつかずに正直にライブしていたい"
ーー少し話を戻しますが、バンドを組んだ時はメジャーデビューを目標にされていたんですか?
「いや、目標ではなかったですね。一緒にやりたい人がメジャーレーベルだったわけで、別にメジャーデビューしたいとめっちゃ思ってたわけでもないし、なんならメジャーアーティストって言葉があまり好きじゃなかったというか。私が好きなバンドはインディーズが多いのでちょっと抵抗はあったけど、今となってはメジャーに行って良かったなと思います。今回のアルバムもそうですけど、エンジニアさんと色々話し合って作れたリズムもあったので。そこが1番ありがたいかもしれないですね。やれることが単純に増えました」
ーー珠羽さんはどんな音楽家でありたいですか。
「ずっとやりたいことをやれたらいい。ここがブレなかったら、多分お客さんは好きでいてくれるだろうなと思ってます。嘘をつきたくない性格だから、今やりたいことをやらないと気が済まないし、やりたくないことをやらなきゃいけないのもわかるけど、できるだけしたくないので。やりたいことをずっとやって、嘘をつかずに正直にライブできてたら、私は大丈夫です」
ーーライブは年間200本以上されているそうで。
「らしいですね。私ライブがめっちゃ好きで、ないと病んじゃいますね。疲れて部屋にいても"なんで私今こんなゴロゴロしてるんだろう。ライブハウスにいた方が輝けるのに、暗い部屋で何の光も浴びない自分がすごい嫌だな"と思って病んじゃう。だからライブはあればあるだけいいです。200本やっても全然苦じゃないです」
ーー2024年はフェスも増えたと思いますが、いかがでした?
「フェスに出て、"こういう曲が書きたいな"って浮かんできて書いた曲もあります。やっぱりライブハウスとは全く違って、閉鎖的ではないし、空の下で歌うのがめっちゃ気持ち良かったし、ライブハウスと違うやり方でいかないとダメなんだなと思いましたね。バンドにとっても、このアルバムを作るにとってもすごく必要な経験でした」
できることの幅を増やすための入口のアルバムにしたかった
ーーアルバム『ひとりごと』は、構想があって作り始めたんですか?
「録った時期はバラバラなんです。1年ぐらいかけて、今やりたい曲を詰めたらこうなりました。その時その時でやりたいことをやれて良かったし、最後にこういう曲にしようというのが固まった時に、"このアルバムは挑戦にしよう"と思って。一応メジャーだし、できることの幅を増やすための入口のアルバムにしたくて。ずっとシンプルなことをしてたんですけど、アコギを入れてみたり、リズムにこだわってみたり、特にコーラスを考えたりしましたね」
ーーエンジニアさんとも話し合いながら制作されたんですね。
「挑戦をしました。食べ物もですけど、食わず嫌いが多くて全部毛嫌いしてたんですよ。でも意外とやってみたら良いものだなと思いましたし、理想通りのアルバムを作れたなと思ってます。『思い出になっても(M-3)』は1年前に録ったのでシンプルなんですけど、急に新しいことばかりするよりは、シンプルな曲も混ざってて逆にいいだろうなと思いました。やりたいことは変わってないし、変わりたくはないので」
ーー『消しゴム(M-6)』に<変わらないために変わっていく選択をしていて>という歌詞がありますね。
「まさにそれです」
ーー先ほどおっしゃられた、フェスで作りたいと思った曲は?
「アルバム収録曲で、フェスで歌いたいなというイメージで作ったのは『曖昧(M-4)』と『内緒(M-12)』ですね。もう1曲未発表の曲があります」
ーー挑戦した部分というのは?
「『曖昧』は、アルペジオというのかな。Bメロに単音でギターを弾いてるんですけど、初めてパワーコードを使った曲なんですよ。パワーコードはメロコアのものだと思ってて、ずっと開放コードで弾いてたんですけど、使ってみたら意外と面白かった。ドラムのリズムも今までにはなかったし、コーラスもこれまでそんなに入れてなかったけど、綺麗だったり」
ーーフェスの広々とした景色を撫でていくような曲ですね。
「あまり言葉を詰めずに広がっていくようなメロディーにしたくて、サビはそんなイメージで作りました」
ーー『曖昧』の歌詞はどういうことがキッカケで書かれたんですか?
「恋愛で縛られるというか、何かにとらわれるのがすごく嫌になっちゃって。お互い付き合っているわけじゃない認識の相手で、彼氏ではないけど、どうしても求めちゃう部分があって。私の中にもその距離感の心地良さは絶対にあるんだけど、不安になったりする。結局"それでもいいや"となるんですけど、"縛られないのに不安になる"という2つの感情がずっとモヤモヤしていて、そんな気持ちの一部を切り取りました」
ーーこの恋愛は、他の曲の歌詞にもなっているのかなと思いました。
「ちょっと卑屈にひねくれちゃいましたから(笑)」
ーーフェスで鳴らしたいというのは、サウンド面が大きいですか?
「メロディーですかね。歌詞を詰め込まないのもそうだし、ライブハウスだとエイトビートがカッコ良いんですけど、『曖昧』はエイトビートじゃないんですよ。ちょっとテクニカルなことをした方が伝わるなと思いました」
ーー『内緒』はどうでしたか?
「『内緒』はあまり難しいことをしてないので、結構すんなりできた気がします。これはアコギを入れてみた曲で。私、ライブでできないことをやりたくなくて、バッキングとソロ以外の3本目のギターを入れたくなかったんですけど、エンジニアさんに"入れてみない?"と言われて入れてみたら、"めっちゃええやん"と思って。イントロに聴こえるか聴こえないかぐらいで入ってます。それぐらいの音量にしてくださいと言いました。ライブでそれがないと違和感になっちゃうのが嫌だったので」
ーーライブでは同期は使わないんですね。
「絶対嫌です。テンポにとらわれるんだったら、ライブする意味ないなと思っちゃいます」
ーー『内緒』は明るい楽曲で、アルバム全体を通して色んな恋愛模様が入っているので、最後にこの曲がきて少しホッとした気持ちになりました。
「暗くてひねくれた歌詞が多かったと思うので、最後に明るい気持ちになってほしいと思いました」
ーー『君にさよならを言わない(M-2)』などは、歌詞にもメロにも感情が乗っているから、歌っていて苦しいというお話を拝見しました。
「曲ができたということは、バンドが進むし嬉しいことではあるけど、できてしまったことに悲しくなる時もあります。"ギターボーカル山本珠羽"としては気分が晴れるけど、山本珠羽のプライベートとしては、"しんどい曲書いちゃったな"となっちゃいますね」
ーー歌うことで癒されているんでしょうか。
「最近歌ってて思うのは、忘れたくないんだろうなと思うんですよ。常に思い出したいわけじゃないけど、消えてしまいそうで怖いから曲を書いてるのかもしれない。私の人生にその人がいたことを記録したいというか、忘れたくないんだなと」
楽曲に込めた、切実で繊細な感情と思考
ーー『Clone(M-11)』の<自分である前に私は此処に立つ人間だから>という歌詞はとても印象的でした。
「それこそ"UNFAIR RULEのギターボーカル珠羽"と、"普段の珠羽"が分かれちゃってたというか。去年すごく考えすぎちゃって、自分しか見えてなくて。普通の話し声でも脳に響いちゃうぐらい、頭がうるさくて。どこに行くにもイヤホンをして、音楽を聴いてないとしんどかったんですよ。そんな時期に作った曲です。『Clone』では音楽と恋人の話を書きました。<please keep loving me>は"私を好きでいてくれるか不安"という意味なんですけど、この先もずっと音楽を好きでいれるか不安だし、お客さんが私のことを好きでいてくれるかも不安だし、恋人に関してもその両方が不安で、なんかすごく自信がなくなっちゃって。私自信なくなることがあまりないので、それが違う自分みたいで、タイトルを『Clone』にしたんです。"ギターボーカル珠羽"で言おうとするとしんどくなるから、"思い出せ。ちゃんと珠羽は珠羽だよ"って自分で振り返ろうと思って書きました」
ーーしんどい時に書いていたんですね。
「そうですね。<足りない言葉で私を踊らせて 足りない言葉で私を苦しめて>のところは、例えば好きなバンドのボーカルが何を思って書いたか、言ったかはわからないけど、歌詞やMCの言葉で頑張れたり悲しくなったり、踊らされてるわけだし。それと同じように、恋人にも本人が言ったことも覚えてないような小さい言葉で揺さぶられたり、しんどくなったりする。これからも私は言葉に騙されていくんだろうな、音楽にも言葉にも騙されていたいなと思って書いた歌詞です」
ーー騙されていたい、か。『嘘(M-10)』にもちょっと繋がる思考でしょうか。
「そうですね。曲を書いた時期は多分一緒だと思います。"騙されていたい"と思うのも、知らない方が幸せでいられるから。自分の中だけで完結してるので良いと思うんですよ」
ーーもし相手が嘘をついていた場合、嘘をつかれること自体はいいんですか?
「本当のことを知らなかったら、私はそれを本当だと受け取っていられるじゃないですか。私は浮気されて『嘘』を書いたんですけど、向こうが浮気してたのもちゃんと隠して、今後もバレないように嘘をつき続けてくれていたら、私は何も知らずにのほほんと一緒にいれたわけだし、一緒にいたかったし。嘘って都合良いなと思っちゃって。まあ、私が"嘘をついていてほしい"と願う理由も、"私は嘘をつくから"なんです。でもそれは相手のためを思った嘘であって、バレてないから向こうは幸せになれている。"私も嘘をつくからそっちもついた方がいいんじゃない"と思って書いたんですよ」
『たからもの』を超えられるか不安だったけど、『たからもの』よりも自信作になった
ーー恋愛の曲が多い中で、『消しゴム』は少し毛色が違いますね。
「香川に免許合宿へ行った時、久しぶりに消しゴムを使って文字を消したんです。そしたらめっちゃ綺麗に消えちゃって、それがすごく寂しかったんですよ。小学生の時は力任せに消しても消えなかったり、黒くなったり紙が破れたりがむしゃらだったのに、今は消し方の加減を覚えたから綺麗に消せちゃうんだと思ったら、"私はがむしゃらに消せていたいな"と思ったんですよ。お客さんで就活や進路に悩む子、"仕事がしんどいけどライブ来ました"と言ってくれる子もいて。初めて元カレや友達、対象の1人以外の人に、"大人になる過程で迷ったら聴いてほしいな"と思って、手紙みたいな気持ちでこの曲を書きました」
ーー大人目線で歌詞を読むと、大人になることへの切なさも感じました。大人だから耐えないといけないというか。
「でも耐えた方がややこしくならないことも覚えるじゃないですか。大人になるって、言わなかったり我慢することなのかなと思ったんですよ。『消しゴム』の中では、2人の大人を仮定してるんです。例えば1個の問題があって、"これを解決したら良くなるから立ち向かおう"とがむしゃらに一緒に頑張ってくれる大人と、問題に首を突っ込むとしんどくなることを知ってるから、"無理だよ"って最初から跳ねのける大人。でも私はもし問題があるなら、ずっとガミガミ言い続ける大人になりたいし、私の周りにいる大人がこういう大人であってほしいなと思って書きました」
ーー大人の対応や、しんどいことを避けるのは処世術で賢いけれど、そればかりになると寂しいというか、諦めている感覚も少しあって。
「面白くない気がしちゃいますよね。最後の<わかってるんだ 悲しまないように生きる術を 長い日々で覚えるんだ>に込めたのは、大人になることが"こうだ"とは言いたくないけど、首を突っ込まない方がしんどい思いをしない気持ちもわかる。どっちもわかるけど、私は戦っていきたいなと思った。そんな歌ですね」
ーー改めて今作は、理想通りの作品になったということですね。
「2022年に『たからもの』という1stミニアルバムを出したんです。2023年に出した2ndミニアルバム『いつものこと』は初めての全国流通盤だったので、UNFAIR RULEを知ってもらおうと思って、とにかく前の作品の曲を入れてたんですけど、私『たからもの』を超えたくて。制作中、超えられるかずっと不安だったんですよ。でも『たからもの』は『たからもの』で良いし、『ひとりごと』は『ひとりごと』でまた違った良さがあるなと思ったし、今までやってきたことが顕著に出てて、『たからもの』よりも自信作になったし、誇れるなと思いました。何も言うことはないですね。これ以上もこれ以下もなかったし、これしかなかったです」
Text by ERI KUBOTA
(2024年12月14日更新)
1st Full Album『ひとりごと』
2750円(税込)
VICL-65905
【収録曲】
01. ひとりごと
02. 君にさよならを言わない
03. 思い出になっても
04. 曖昧
05. 悲しくないよ、
06. 消しゴム
07. 新宿歌舞伎町
08. このままでいいのさ
09. if
10. 嘘
11. Clone
12. 内緒
配信&購入リンクはこちら
UNFAIR RULE(アンフェアルール)…山本珠羽(Gt/Vo)から放たれる、優しく且つ芯のある歌声と、"今っぽさ"が濃縮された10代の目線で歌われた歌詞は聴くものを魅了している。見た目や歌声とは裏腹に、ダイナミックなライブは今ライブハウスへ通う若者達から人気を集めている。「京都大作戦2022前夜祭」への出演や「FM802 MINAMI WHEEL 2022」ほか、各地のサーキットフェスでは入場規制が続出!さらに2024年には「JAPAN JAM 2024」、「VIVA LA ROCK 2024」など大型春フェスへの出演を決めるなど着々と知名度を拡大中! 2024年10月16日には待望の1st Full Album『ひとりごと』をリリース。現在、リリースツアー真っ只中!
【宮城公演】
▼12月18(水) 仙台MACANA
[共演]Hakubi
【岡山公演】
▼12月21(土) CRAZY MAMA 2nd ROOM
※ONE MAN
Web Site
https://unfairrule.fanpla.jp/
Instagram
https://www.instagram.com/unfair_rule/
YouTube
https://www.youtube.com/@UNFAIR_RULE