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「覚悟を持って適当に生きてきたから(笑)」
真心ブラザーズがデビュー35周年にささげたメッセージ
出会いの嗅覚が導いた『SQUEEZE and RELEASE』という処世術を
YO-KING×桜井秀俊が語るインタビュー!

 ’89年にデビューし今年で35周年を迎えた真心ブラザーズが、2年ぶりにして19枚目のアルバム『SQUEEZE and RELEASE』をリリースした。彼らの長いキャリアの中でも転機の一枚であり、90年代の日本のロックの名盤と言える『KING OF ROCK』(’95)の荒ぶる衝動を世紀をまたいで令和へと受け継いだ今作は、変わらぬ信念と遊び心で鳴らされるメッセージと、シーンへのカウンターのごとく更新され続けるサウンドが結実。ラップもファンクもフォークロックもありのみずみずしさで、まだまだこの旅は続いていくことを示唆している。現在は自身のリリースツアーの真っ最中、関西圏は12月12日(木)兵庫・チキンジョージ、同22日(日)京都・磔磔公演のほか、12月18日(水)には大阪・大阪城ホールで『PLUMCHOWDER 20th ANNIVERSARY SPECIAL 20/25グランドチャウデーション』に、来年2月11日(火・祝)には大阪・Zepp Osaka Baysideで『SMA50th Anniversary×ライブナタリー“真心ブラザーズ×銀杏BOYZ”』に出演と、この冬は真心ブラザーズとのコンタクトの場も多々。リリックさながらユーモアに名言をさらりと忍ばせたYO-KINGと桜井秀俊の何とも興味深い裏話の数々に、耳を傾けてほしい。いや~やっぱり面白い!



音楽はアートでもあるんだけど
エンタメだということをすごく意識するようになった


――9月にはデビュー35周年記念公演『古稀1/2』が行われましたが、東京・大阪での2公演を終えてどうでした?

桜井「お客さんが喜んでくれていた様子は、次につながる記念ライブ以上の手応えがありました。皆さんがこんなにもフィジカルで楽しんでくれる音楽でもあるんだなと思ったし、"いい曲ばっかじゃん!"みたいな(笑)」

YO-KING「すごく楽しかったし、バンドのメンバーもみんな絶好調で、かみ合ったなって」

――ここ数年の2人のムードも、充実しているのが毎作品から伝わってきます。

YO-KING「お客さんを楽しませたい気持ちが強くなったのが、かえって表現にいい影響を与えている気がして。音楽はアートでもあるんだけど、エンタメだということをすごく意識するようになったのはここ数年かもしれないです。エンタメ=目の前の人を喜ばせることだから、出てくる曲も変わってきて...より開かれていったという」

桜井「今のインターネット時代、SNS時代と90年代の全盛期とで大きく違うのが、いわゆるマスコミを通じて宣伝するとき、当時は"グレーゾーンにも届くマーケティングを!"みたいな難しいことも考えなくちゃいけないんじゃないかという思いから、ちょっと中途半端になっちゃったなと悔いることもあったんです。でも、今世紀になってからは、"はやっているからやらなきゃいけない"とかじゃなくて、真心に関しては目の前の人をまず喜ばせる=思ったことをバーンと言う。そうやって、やるべきことがぼやけなくなった結果、どんどん楽になってきて、今は"イエイイエイ~!"っていう感じ(笑)。時代の流れの都合のいい部分を使って、健康的にチェンジできているのは大きいと思う」

――『古稀1/2』を見ても思いましたけど、『素晴らしきこの世界』('97)や『人間はもう終わりだ!』('01)etc...真心は、言ったら初期の曲が"時代錯誤で今はちょっと聴いてられないな"、というようなことがない。今の時代でも通用するメッセージだとうならせる曲が何曲もありましたよ。

YO-KING「確かに『サティスファクション』なんかは'99年リリースだけど、今の方が共感を得られると思う」

――楽曲に信念があれば、どの時代でも響くんだなと思いますね。

YO-KING「特にコロナでいろいろ考えた人もいるだろうからね。それで自分も、"人生とか快適さとか幸福とか、本当に好きなことって何だろう?"と考える時間になった。人生ってやっぱり"時間"だから。その時間をどう使うのか」

――35周年ともなると、周年のインタビューがこれまでに何回もあったじゃないですか。それらを改めて読み返したら、"好き"とか"楽しい"という気持ちを最優先にやってきたと言っていて。コロナ禍で世の中がひっくり返って、みんなが根源的な喜びを求め始めたとき、真心はずっと前からそう言っていたんだなと思いました。

YO-KING「そうだね、俺は覚悟を持って適当に生きてきたから(笑)。コロナなんかでその看板を下げる必要もなかったし、どんな状況でも楽しく生きる覚悟があった。だから必要以上にビビったりはしなかったし、コロナの中でもできる限り楽しく生きていましたよ」

桜井「この35年はツイていた要素もたくさんあったとは思うんですが、何事にも遊び心を持って生きてきたことはうまく作用した気もするし、自分の精神衛生上においても役に立っているところはありますね」

――『古稀1/2』のMCでさらっと、「40周年ライブのセットリストは時系列でやるか!」みたいなことを言っていましたけど、ああいう何気ない約束がファンにとってはうれしかったと思いますよ。

YO-KING「いや~俺はあと35年ぐらいやるつもりだけどね(笑)」

――そうなるとデビュー70周年だから、2人は91~92歳とかですね(笑)。

桜井「去年、仲代達矢さんの一人芝居を見に行ったら91歳だと聞いて...すげぇなと!」

YO-KING「素晴らしい! キース・リチャーズも最近のインタビューで、ギターが弾けなくなってきたと言っていて。でも、"そこがいいんだよ"って(笑)」

――全てを受け入れるスタイルね(笑)。

YO-KING「俺もそれが楽しみ(笑)」


俺は人と会うのが仕事であり遊びだと思っているので


――『SQUEEZE and RELEASE』では新たに大橋哲(b)さん、古市健太(dr)さんを迎えて制作されています。一見、接点がなさそうな若手ミュージシャンと出会って、しっかり物作りやツアーをするのも真心の特徴ですね。

桜井「リズムセクションをはじめ、いろんなジャンルの人とやれるのは編成的な利点だと昔から意識していて。ただ、こんなに広い世代の人とやることになるとは想像もしていなかったけど。今回のレコーディングも本当に驚きの連続で、(年齢が離れているので)うまくいかなくて当たり前だから、そのうまくいかない加減をどう楽しもうかなと思っていたら、全く問題なくうまくいっちゃって(笑)」

YO-KING「リズム隊の2人は若いし、何ならちょいヘタでも勢いがある音を出してくれたらという気持ちでセッションしたら、めちゃめちゃうまかったという(笑)。それはそれでいい裏切りで、うまくてガッツもあったからこういうアルバムになったし、素晴らしい演奏を残してくれて感謝しています」

桜井「2人の持っているポップミュージックの情報量がすごくて、なおかつ高い解像度と速いスピードで返してくれる。こんな体験は初めてだったね。どうかなと思って一か八かで投げて大成功、大当たりみたいな」

YO-KING「俺は人と会うのが仕事であり遊びだと思っているので。それは俺の性格にも合っていて、広く浅く会うんだよ(笑)。そうすると時々面白い人がいて刺激になるし、今回はあの2人と出会って話がトントン進んで」

――まず古市健太さんは、古市コータロー(THE COLLECTORS)さんのご子息であり、DOGADOGA(ドガ)のドラマーとして去年、YO-KINGさんと対バンをして。そして、そのバンドのフロントマンである江沼郁弥(ex.plenty)さんが、かつて真心の『LOVE IS FREE』('22)や、YO-KINGさんが楽曲提供した20th Centuryの『君の笑顔につられて』のアレンジをしていたのもあってつながった。とは言え、そもそもYO-KINGさんと江沼さんとの出会いが謎だなと思っていたら、"友達の友達"みたいなよく分からない理由なんですね(笑)。

YO-KING「そこはやっぱり人と会う=仕事であり遊びだと思っているから、とにかく遊んで出会わなきゃダメだろうと(笑)。その日の気分で、"仕事だから遊ぼう"と思うし、次の日は次の日で、"遊びだから仕事をしよう"と思う。その日の自分に都合よく考えるのは、楽しく生きるためにはすごく大事な能力だから」

――YO-KINGさんってその辺が昔から一貫していますよね。そういう人生の極意というか生き方のスタンスを、いつどうやって見つけられたんですか?

YO-KING「幼稚園、小中高大と通じて、"楽しく生きるにはどうしたらいいんだろう? しかも、なるべく努力とか苦労をしないで楽しくなりたい"とずっと考えていて(笑)。それにはいろんな人と会って、いろんな遊び方を知るのが一番で、一生食いっぱぐれがないんじゃないかなと思って」

――楽をしようと思うと、工夫が要りますもんね。

YO-KING「そうそう! 楽するために文明は進歩して、洗濯機だってクーラーだってできたわけですから」

――ベースの大橋哲さんは、『古稀1/2』でサポートを務めたオヤイヅカナル(key)さん共々、木(KI)というバンドのメンバーで、DOGADOGA同様、去年YO-KINGさんと対バンをして。木(KI)の音源もめっちゃ良くて、取材に向けて真心を聴かなきゃいけないのに、木(KI)のYouTubeばっかり見ちゃって(笑)。

YO-KING「アッハッハ!(笑) でも、そういうのはすごくうれしいね」

桜井「カッコいいよね、僕もすごく好き」

――でも、"大橋哲"でググっても全然情報が出てこないなと思っていたら、以前とあるアーティストのサポートをしているところを見て、めちゃくちゃ個性的で面白いなと思った"闇日本5000"というべーシストと同一人物だと気付いて。改めて、真心の出会いの嗅覚はすごいなと思いましたよ。


新しい価値を提供するのがポップスだから


――今作を、名盤『KING OF ROCK』('95)のような、今一度ああいうプリミティブな衝動に溢れたアルバムにしようと思ったきっかけは昨年、大阪で怒髪天、ピーズ、フラワーカンパニーズ、錦鯉と共演したライブイベント『OYZ NO YAON!Re:6 ~朱夏の逆襲~』だったと。

桜井「とにかくライブも盛り上がったし、楽屋受けもすごく良くて。それって『KING OF ROCK』が出る前の'94年に、事務所のイベント(=『SMAちゃん祭り ~ロケンローラーは年末もお好き?~』)で、『スピード』('95)をやったらスパゴー(=SPARKS GO GO)が異常に食いついてきた現象にも近いというか...。あの感じに周年も重なって、真心は元来そういうバンドだったし、"ちょっとぶちかまさせてもらいます!"みたいにふっ切れたのもありますね」

――『KING OF ROCK』はキャリアにおける重要作ですが、当の本人にとっても思い出深い作品ですか?

桜井「元々フォークという体裁でデビューして、"それで何枚もアルバムを作れないよ"と思っていた頃に、『KING OF ROCK』が突破口になったというか」

YO-KING「当時、"ブランディング"という言葉はまだなかったけど、『KING OF ROCK』を作る前まではそれがヘタだったんだよね。『KING OF ROCK』を作るときにディレクターとかエンジニアとか同好の士が集まってきて...そのグルーヴごと見せる大切さは、ビースティ・ボーイズとかレッチリ(=レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)が好きだったし、海外から入ってくる情報のカッコ良さから分かっていたんだけど、『KING OF ROCK』ぐらいからようやくそれができてきて。うまく発信できればもっと自由に、好きなことができるぞと思ったんですよね」

――確かにその時期から、YO-KINGさんに今で言うインフルエンサー感みたいなものが出てきた気がします。

YO-KING「古着とかも好きだったから、そういうところも面白がってもらえるんだなと思って。90年代のニルヴァーナとかもそうだけど、あの頃はファッション込みの話で、大きく言っちゃうと全部"おしゃれ"だったんだよ(笑)。他にもRun-D.M.C.とかさ。言っちゃえばハードコアな感じもおしゃれだったし」

――そんな『KING OF ROCK』を現代に受け継いだ今作は、ほぼ一発録りだったみたいで。

桜井「例えば『あたまの中は大自由』(M-1)とかは、哲くん&健太くんと初めて音を出した世田谷の街スタで1回、レコーディングでも3回は弾いていないと思う。だからあんまり覚えていないけど(笑)」

YO-KING「それはやっぱりボブ・ディランが好きだから。ボブ・ディランもだいたい一発というか」

――ディランのライブでも、あまりに演奏がフリー過ぎて途中まで何の曲だか分からないときがありますよね(笑)。

YO-KING「あるある(笑)。歌詞を一枚一枚落としていくMVの『サブタレニアン・ホームシック・ブルース』('65)とかも、拍が間違っているのにバンドがよくついていっているなと。そういう未完成なところにすごく魅力を感じちゃう。もっと詰めたらいいんだけど、そこがカッコいいんだよね。不協和音とかを削っちゃったらつまらないし」

――『あたまの中は大自由』の冒頭で唐突にギターが鳴っていますけど、あれって要らない音じゃないんですか?

桜井「カウントの"ワン・ツー、ワン・ツー・スリー・フォー"の最初のツーで、なぜか"ギャーン!"って(笑)」

――でも、何事もなかったようにちょっとしたら曲が始まる(笑)。

YO-KING「そうね。言うならば、ドレスダウンした音楽なんだよ(笑)」

――めちゃめちゃいい風に言った(笑)。

YO-KING「最近はドレスアップした音楽ばっかりだから、ドレスダウンの方がカッコいいじゃんと」

――『あたまの中は大自由』を、通勤のときにみんなに聴いてほしいですよ。これを聴きながら出社して、TM NETWORKの『Get Wild』('87)で退勤するともう完璧(笑)。今作の幕開けとなる『あたまの中は大自由』~『オレは音楽』(M-2)の流れを聴いたとき、この音楽が'24年に鳴っていること自体がメッセージだなと思いました。

YO-KING「その通りだよ。新しい価値を提供するのがポップスだから。10代のとんがりキッズの100人に1人がこういう曲に反応するんだよ。そいつが部活で、"ちょっと聴いて、すげぇおじさんたちがいる"って(笑)」

――最近は"このコード進行が売れる"とか、サブスク対応でサビから始まるとか、市場をしっかり分析して曲を作る知能派のバンドが割といるんですけど、まさに真逆だなと。そんなことを考えていたらこんな音楽は生まれない。

YO-KING「逆張りしないと面白くないからね。あと、こっちはパッと作れるし(笑)」


みんなが自分の人生をプライオリティNo.1にしてほしい
それぐらい大切にして生きてほしいんだよね


――『古稀1/2』でもいち早く新曲として披露されていた『オレは音楽』は、言い切っちゃうこの境地に達するのがすごいなと。"NO FUTURE"ならぬ"NO CHUU CHOO"="NOちゅうちょ"というパンチラインにもやられました。今のSNS時代とかいろんなことにおびえていたら言えないし、この投げっぱなしジャーマン感というか(笑)。



YO-KING「言い切らないとユーモアが出ないというか、自分でもすごいなと思うのは、こういうことを本当にちゅうちょなく発表しちゃうんです(笑)。『拝啓、ジョン・レノン』('96)のときもそうで、後々ちょっと怒られたりして、でも"まぁいっか"ってすぐに立ち直る。おめでたい性格で良かったよ。今ならすぐ炎上すると思うし(笑)」

桜井「しかも最初の歌詞は...(と、あるエピソードを暴露)、さすがにそれはやめましょうと」

YO-KING「こらこら、余計なことを言うんじゃないよ(笑)」

――せっかく当時は炎上を免れたのに、四半世紀を越えてここで無駄に炎上してもね(笑)。

(一同爆笑)

YO-KING「ホントそうだよ(笑)。こんなに自由そうに見える俺でさえ正直、言いたいことの6割ぐらいしか言っていない。でも、年々自由になる予定だから、最終的には全部言って死んでいこうかな(笑)。俺から見たらすごく自由な人も、"本当にSNSには気を付けている"と言っていたけど、それはあくまで今後の自分の楽しい人生をプライオリティNo.1にしているから。逆に言えば、みんなが自分の人生をプライオリティNo.1にしてほしい。それぐらい大切にして生きてほしいんだよね。うまくやるのはダメとか、裏表をなくせとかいう言説は、今の時代を生きるには無責任過ぎると思う。うまくやっていいんだよ。もっとうまくやって、うまく幸せになってほしいな」

――今作にも生きるヒントがいっぱい詰まっていますね。そして、『KING OF ROCK』に収録されている『スピード』が壮大な前振りのように、今作には対照的な『急がない人』(M-10)をあえて入れたのかと思ったら、たまたまだったと(笑)。アルバムを締めくくるにふさわしい迫力のある曲ですね。

YO-KING「思い出した、俺は泳いでいるときにこの曲のことをよく考える。ジムでこれ見よがしに速く泳ぐ人とかがいるんですよ。だから俺は、"できる限り ゆっくり できる限り 力を抜いて できる限り 美しく"...この3つを心の中で考えながら泳ぐ。しかも、この3つはいろんなことに当てはまって、朝に軽く1キロ走るときもこれを考える」

――1キロという名の800メートルを走るときに(笑)。

YO-KING「さすがだな~情報収集がすごい(笑)」

――ちなみに今作のタイトルはSQUEEZE=絞る、握る。で、RELEASE=離す。ということは、『SQUEEZE and RELEASE』="結んで開いて"なのか? 『Mic Check』(M-5)にも"ぎゅーっと詰め込んで わーっとでかくして"という一節がありますが、何か意図はあるんですか?

YO-KING「これは深いよ。一番デカいことを言おうか。宇宙って...」

――デカっ!(笑)

YO-KING「"宇宙って何で生まれたんですか?"という話なんだけど、それがビッグバンでしょ。ビッグバンって"どかぁぁぁぁー"って音らしいんですよ。今もまだ広がっている最中で、限界までいくとなくなって宇宙が終わる。それを"神の息吹"と言って、神の一呼吸で宇宙はできていると。こま犬の一方は口を開いていて、一方は口を閉じているのも、"あうん"なのよ。だから"あうん"=ビッグバンなのよ。そういうことを歌っています(笑)」

――アハハハハ!(笑)

YO-KING「"結んで開いて"もそうだし、お笑いの"緊張と緩和"も一緒。どの例えかだけの話で、みんな本質的には同じことを言っている。真心的に言うと『空にまいあがれ』('96)が、幸せを空に舞い上がらせることで、また新たな幸せを読み込むスペースを生むというか...そういうことも頭にありましたね」

――深いなぁ。『カンナ』(M-6)の"かんながら たまち はえませ"という言葉も初めて聞いたので、こんなフレーズを音楽に乗せた人が今までにいるのかなと思いました。

YO-KING「俺も歌うまで知らなかった」

桜井「"おまじない"でサビを作ろうと思ったら、いい言葉があったんで」

――『Mic Check』も"いく百の苦楽に泣く めくるめく僕ら狂う"とか、普通のラッパーからは出てこないであろう念仏感がいいなと(笑)。なお、リリースツアーも開催中ですが、関西圏はファイナルの京都・磔磔はありがたいことに売り切れて、12月12日(木)には兵庫・チキンジョージでライブがあります。

YO-KING「初めて哲くん&健太くんと人前でやるツアーだし、アルバムを作って2人の力量は分かっているけど、お客さんの前で演奏するとどうなるのか? 未知数だから楽しみ」

桜井「このアルバム以外の既存の曲も、どれを2人とやったら楽しいかを考えて...でも、絶対フィジカルな内容のライブにはなると思う。あと、チキンジョージは昔はよく出ていましたけど、新しくなってからは初めてかな?」

YO-KING「それこそデビューの頃のツアーは、チキンジョージと磔磔でよくやっていたよ」

――今回のフレッシュなメンツでまたそこに行ったら、ちょっと感慨深いライブになりそうですね。

YO-KING「確かにグッとくるわ。今風に言うと"エモい"だね(笑)」

Text by 奥"ボウイ"昌史




(2024年12月11日更新)


Check

Release

コラージュアーティスト河村康輔作の
ジャケットも話題の19thアルバム!

 
Album
『SQUEEZE and RELEASE』
発売中 3300円
日本コロムビア
COCP-42333

<収録曲>
01. あたまの中は大自由
02. オレは音楽
03. DIVIDE
04. 大崎の次は五反田だよ
05. Mic Check
06. カンナ
07. ぬかよろこび
08. ジングルベル
09. おれんち
10. 急がない人

Profile

まごころブラザーズ…写真左より、桜井秀俊(vo&g)、YO-KING(vo&g)。大学在学中の’89年に、音楽サークルの先輩のYO-KINGと1年後輩の桜井秀俊で結成。TVバラエティ番組『パラダイスGoGo!!』内の“勝ち抜きフォーク合戦”にて見事10週連続で勝利し、同年9月にシングル『うみ』でメジャーデビュー。『どか~ん』(’90)『サマーヌード』(’95)『拝啓、ジョン・レノン』(’96)など数々の名曲を世に送り出す。’14年には自身のレーベル、Do Thing Recordingsを設立。’24年にはデビュー35周年を迎え、10月9日に19枚目となるニューアルバム『SQUEEZE and RELEASE』をリリースし、それに伴うライブツアーを開催するなど精力的に活動している。

真心ブラザーズ オフィシャルサイト
https://www.magokorobros.com/

Live

リリースツアーで神戸&京都へ
さらには大阪でのイベント出演も!

 
『真心ブラザーズ ライブ・ツアー
「SQUEEZE and RELEASE」』

【神奈川公演】
▼11月4日(月・休)SUPERNOVA KAWASAKI
【北海道公演】
▼11月13日(水)cube garden
【宮城公演】
▼11月15日(金)仙台Rensa
【岡山公演】
▼11月23日(土・祝)YEBISU YA PRO
【香川公演】
▼11月24日(日)高松festhalle
【東京公演】
▼12月7日(土)THEATER MILANO-Za

Pick Up!!

【兵庫公演】

チケット発売中 Pコード274-217
※チケットは、インターネットのみで販売。
▼12月12日(木)19:00
チキンジョージ
スタンディング7000円
清水音泉■06(6357)3666
(info@shimizuonsen.com)
※4歳未満は入場不可。4歳以上は有料。出演者が許可した場合を除き、写真撮影、録音・録画禁止。

チケット情報はこちら


【長崎公演】
▼12月14日(土)DRUM Be-7
【福岡公演】
Thank you, Sold Out!!
▼12月15日(日)DRUM Be-1


【大阪公演】
『PLUMCHOWDER
 20th ANNIVERSARY SPECIAL
 20/25グランドチャウデーション』
~グランデーションDAY~
チケット発売中
※販売期間はインターネット販売のみ。チケットの発券は12/15(日)10:00以降となります。
▼12月18日(水)18:00
大阪城ホール
全席指定 一般12500円
全席指定 Under25チケット9500円
[出演]岡崎体育/GOING UNDER GROUND/ズーカラデル/真心ブラザーズ/
又吉直樹(ピース)/Mr.Children
プラムチャウダー■06(6357)6969
※6歳未満入場不可、小学生以上チケット必要。開催時間は変更になる場合がございます。出演者の変更・キャンセルに伴う払い戻しはいたしません。お客様都合でのチケットの払い戻しはいたしかねますので、予めご了承ください。
※Under25チケットは、公演当日に25歳以下のお客様対象が対象です。ご入場時に、ご年齢が確認できる顔写真付き身分証明書(運転免許証/パスポート/マイナンバーカード/学生証など)のご提示をお願いいたします。ご年齢が確認できない場合(身分証明書等お忘れの場合)は指定席との差額をお支払いいただきますので予めご了承ください。
※その他詳細は、プラムチャウダー ホームページをご確認ください。

チケット情報はこちら

 
 
【愛知公演】
▼12月21日(土)ボトムライン

Pick Up!!

【京都公演】

Thank you, Sold Out!!
▼12月22日(日)16:30
磔磔
スタンディング7000円
清水音泉■06(6357)3666
(info@shimizuonsen.com)
※4歳未満は入場不可。4歳以上は有料。出演者が許可した場合を除き、写真撮影、録音・録画禁止。

 
 
【東京公演】
『目黒フォーク村』
▼1月30日(木)
めぐろパーシモンホール 大ホール
[ゲスト]アイナ・ジ・エンド/曽我部恵一/仲野太賀


【大阪公演】
『SMA50th Anniversary×ライブナタリー
 “真心ブラザーズ×銀杏BOYZ”』
一般発売未定
▼2月11日(火・祝)17:30
Zepp Osaka Bayside
1F立見6500円 2F指定7500円
[出演]真心ブラザーズ/銀杏BOYZ
GREENS■06(6882)1224
(https://www.greens-corp.co.jp/)
※3歳未満入場不可、3歳以上はチケット必要。


Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「真心のサポートをしていた“ハル”こと岡部晴彦とは長い付き合いなんですが、自分にとっては35周年にして今回が初取材。90年代のCSA~SMA所属の多くのアーティストに魅了された世代としては、会話に出てくるワードがいちいちたまらんものがありましたよ。桜井さんの“今世紀になってからは…”という発言も、なかなか聞けない言葉です(笑)。それも世紀をまたぐほど長い間サヴァイブしている真心だからこそで、キャリアを重ねた今でも、こんなにも自由に音楽で遊んでいるのは素直にカッコいい。むしろ当時より今の自分の方が歌詞が刺さるし、聴けば聴くほど、話せば話すほど、どんどん真心のすごさが分かってくる。あの頃の俺はちゃんと若造だったんだな(笑)。次々と押し寄せる真心の魅力にほれ直したインタビュー、読んだ皆さんにもそう思ってもらえたら最高です。そして関西公演が多いこの冬、ぜひライブにも足を運んでください~!」