ホーム > インタビュー&レポート > “新たな出会いや刺激で、やりたいことがどんどん増える” んoonが1stフルアルバム『FIRST LOVE』で得た“始まり”の予感
外部との仕事や経験が、んoonにとっての新しいスパイスになっている
ーー3年ぶりのインタビューですね。最近のんoonはどんな感じですか?
JC「最近はずっと制作をしてます。2023年はアジアツアーをしたり、割とライブで遠征していて、ライブ活動の隙間を縫って制作という感じでしたね。メンバーも環境が変わったりしたので、皆アジャストしながらバンド活動をしてました」
ーーコロナ禍はどうされてました?
積島「ライブが減ったけど、ちょっとずつ集まって音を鳴らしてたよね。あとYOSHIROTTENさんとのコラボ曲『Dream'ん』『今夜出会えて(共に2022年6月)』やEテレの音楽といった案件的な制作はやっていました。やっぱりライブで色々な場所に行くにつれて、新曲に至る色んなネタというか、バンド内でできること、やってみたいこと、実験したいことは増えていきましたね。ただネタは溜まっていくけど、次の音源が全然出なかったから、今回のアルバムは今年の夏に、本当に徹底的にみちみちに詰めて作りました」
ーーついに1stフルアルバム『FIRST LOVE』発売ということで、おめでとうございます!
積島・JC「ありがとうございます!」
ーー夏にガッと制作をされたんですね。
積島「1番暑い時期に毎日スタジオに行って」
ーー今回もこれまでの制作と同じように、まとわりついていたものを形にしたり、遊びをどんどん曲にしていった感じですか?
積島「確かにやってることは変わらないんですけど、さっきも言ったように、生きてるからどんどんネタが増えるというか。新しいバンドや人に会うと、やってみたいことも増えていくんですよね。だから今回もまとわりついてたものを曲に昇華していく気持ちなんですけど、出し切ってもまた出会いや刺激でまとわりつく何かはどんどん出てきちゃうものっぽいなというのは、気付いたところですね」
JC「メンバーもそれぞれ個人活動をしていて、彼(積島)はプロデュースや他のバンドのサポート、ユウコはchelmicoの鈴木真海子さんと一緒にやったり、私もGEZANやtoeと一緒にツアーを廻らせてもらったり、外部で触れる音楽の幅が広がっていて。それがバンドに戻った時に新しいスパイスになっているなと、音を鳴らしてる上でも感じますね」
初のフルアルバム制作で、1個殻を破れた
ーーアルバムが完成してみていかがですか?
JC「一旦は今のものをキャプチャーしたんですけど、私たち全員多動で、完成した後に良い意味で"やっぱりこれはこうなるね。こういうことができるよね"みたいな違うイメージやビジョンが出てきちゃって。完成だけど完成じゃない感じがすごくします」
積島「できあがったものに不満はないし、完パケして"良いな"って聴いてるんだけど、ライブでも何曲か演奏すると、"ここはこうした方が良かった、ライブ用にこうしよう"とか色々出てきてますね」
JC「今までEPで5〜6曲でやってきたので、"フルアルバムを作ろう"というよりも、"閾値を超えよう"というタイミングだったというか」
積島「1個殻が破れたというか、突破した感覚。これまではやれる範囲でやっていたけど、"意外と絞ればまだ味が出るな"みたいな感じでした。大変でしたけど」
ーー単純にEPの2倍の曲数ですもんね。
積島「おっしゃる通り。"EPだと2枚出せるじゃん"みたいな」
JC「今までは、割とスピーディーに最初にネタをマッシュアップしていたんですけど、今回は出たネタは最後まで形にしようという気持ちがあったね」
積島「途中でウエスから"やっぱりEPじゃダメ?"という意見も出たり、そこまでじゃなくても1曲削ったり、曲を分解してどこかに混ぜちゃおうかという意見もあったんですけど、もう"ここまで来たらやろう"と。1曲1曲やりきろうというモードになってたから、とにかく皆で育てあげる時間が長かったね」
JC「そうだね。デモ忠の曲ってほぼないもんね」
ーーデモちゅう?
積島「んoon用語で、"デモ忠、ノリ忠"という言葉があって。デモに忠実か、ノリに忠実かということなんですけど。誰かの指示を一応1言1句聞くという行動と、ノリを優先してお互い好きにやっちゃうよという行動があるんですけど」
JC「メンバーが作ってきた元ネタをそのまま演奏するのではなくて、元ネタがキッカケで変に咲いていったのが12個みたいな感じです」
積島「今までは曲ができたら試しにライブでやってみて、だんだん変えていくプロセスだったけど、今回はそれをほぼやらず、前段階の話し合いの時間が多かったですね」
ーー資料に、んoonの制作の本質は闘争で、"ナイフを右手に持ってモッシュのようなポルカを踊る"というコメントがありましたが、ぶつかり合いながらの制作だったんですか?
積島「基本皆誰かを立てるような配慮はあまりしないので。"どう言われようとこれがいい"と主張したり、"やってください"と言われて"わかりました"と言いつつ無視したり。陣取りゲームじゃないけど、おしくらまんじゅうみたいにしてるのをカッコつけて言ってます(笑)。合意が取れない感じはずっと続いてますね」
ーーその中で、前作からの変化は何かありましたか?
JC「個人的には、個々が他の人の音を意識するようになったなと思って。今まではそれこそ誰も引かないぶつかり稽古みたいだったけど、今回はミックス環境も変わったので、曲の仕上がりの個性を考える時に、自分の陣地外のところも意見やアイデアをより出したかな。曲数が多かったのもあるかもしれないけど、音全体の像を少しずつ意識できるようになってきてるのかも。皆ちょっと俯瞰しているような印象はありました」
積島「それは多分、俺以外ですね(笑)。俺はずっと"自分が、自分が"でやっていたので」
JC「これは希望的観測なんですけど、今後制作を重ねることで、もっと曲全体の捉え方が俯瞰できて、作り方や音の鳴らせ方を工夫してぶっとくできたらいいなと思ってます。」
島田智朗さんとのミックス作業は実験室のよう
ーーミックス環境が変わったというのは?
JC「今回、ミックスをシングル『NANA(2024年4月リリース)』からお世話になってる島田智朗さんと一緒にやったんですけど、音楽での共通言語が多くて。キャッチボールしながらミックスの時も"閾値を超えよう"みたいな感じになって。自分たちが聴いていて気持ちの良い音を一緒に模索する作業で、面白かったです」
ーーそれはこれまでになかった感覚ですか?
積島「すごく大雑把に言うと、ミックスエンジニアさんは素材を綺麗に録ってくださるタイプの方と、録った後の調理の幅が広いタイプの方がいらっしゃって、島田さんは後者。"こういうのもできますよ"と自分たちの引き出しにない部分を出してくださって、我々も"そっちも良いね"となる。楽器は大体1週間で録りきって、ミックスもずっと立ち合いしてました」
JC「結局10日以上缶詰でしたね。今回は私たちのやってみたいことが増えたタイミングでミックスを島田さんと一緒にやって。本当に実験室みたいでした」
ーー良い経験でしたか。
積島「すごく良かったです。例えばハープの音をキラキラにしたいけど、何を使うかまではわからないという時に、島田さんが"これも、これもありますよ"とアイデアを出してくれて"これヤバいっすね"というのがすごくあって。"ライブで弾けるかどうかは置いといて、やっちゃってください"という感じで、色んなミックスをお願いしましたね」
ーー『FIRST LOVE』というタイトルはどのように決まったんですか?
積島「『Gary(M-8)』の制作中に、急にJCがブラジル・リオデジャネイロのコルコバードのキリスト像みたいにプリーチング(教えを説くこと)してる画がパッと浮かんだんですよ。で、JCがずっと"ラブラブ"繰り返して歌ってるのが面白いんじゃないかと言って、そのJCのマネをしてる動画をウエスさんがJCに送ってて。その1~2週間後に、誰からともなく"『FIRST LOVE』面白いね"という話が出ました」
JC「私以外の3人は『FIRST LOVE』が良いと言ってて、私は絶対やだと言ってたんですけど、ちょうど私が海外に行ってる時に詰めの話をやってて。"『FIRST LOVE』になります。なりました!"って連絡がきて。でもだいぶ洗脳されて、悔しいけどしっくりきたというか(笑)」
ーー良いタイトルですよね。素直と言えば素直な感じもしますし。
JC「素直すぎて恥ずかしいみたいな時期もあったんですけど(笑)」
積島「ずっと連呼してると、だんだん"そういうものか"となってくるんですよね」
ACE COOLの音楽に対する実直さから学んだ姿勢
ーーでは楽曲のお話を聞かせてください。収録された12曲には、皆さんの"好き"が詰まっているということですね。
積島「どの曲にもいっぱい詰まってます。『Forest feat. ACE COOL』は好きなラップとか好きなビートとか、皆の"好き"をモリモリに入れました」
ーー元々ACE COOLさんと一緒にやりたいと思っておられたんですか?
JC「はい。彼の曲を聴いていて、声の流れ方や遊び、体幹強い感じがすごく好きで。最新アルバム『明暗(2024年5月)』を聴いて"これは一緒にやりたいな"と思ってからすぐ連絡してデモも送ったら、"ぜひ"ということでやってもらえた感じですね。面識は全くなくて、ただのファンだったんですけど」
積島「SNS時代の距離感だよね。普通に話しかけちゃうみたいな(笑)」
ーー今回も完全お任せで、ACE COOLさんからの眼差しという形でコラボされたんですよね。
JC「そうです。"その人が見るんoon"で出してきたものを私たちが楽しむ、というコラボ手法なので、自分のパートの歌詞やメロディーは送ったけど、他の指定は何もしてないです。リリックも彼に任せました」
ーーただ<I wanna play with you>という歌詞は、JCさんからACE COOLさんへの気持ちなのかなと思ってしまいました。
JC「あははは(笑)。そう取ってもいいのかもしれないけど、走り回ってるイメージがあったので」
ーーだからMVもメンバーさんの顔をしたアバターが走ってるんですか。
JC「それもMVを作ってくれた谷口(暁彦)さんに伝えてないんですよね。一応歌詞に<Now you're it(=次はあなたが鬼ね )>とか、鬼ごっこっぽいことを書いてはいるんです」
積島「それは今初めて聞いた。面白いけど、2人で歌詞を作る時、僕は相手側の意図やワーディングはそんなに気にしないので。だけど谷口にはイメージを伝えてないのに伝わったりする。彼の作るものは予想外の変なことが起きますね。だからやっぱり信頼ですよね。すごく尊敬してる人たちと一緒にやりたい時には、何も言わない方が新たなものができるんです」
ーー今回はいかがでした?
JC「一緒にできて嬉しくて、狂喜乱舞する反面、すごく学ぶ姿勢をもらったというか。思っていた以上にACE COOLが音楽に対して実直な人でした。本当にピュアな人で、声が小さくて、サングラスを取ったら目がキラッキラしてるの」
積島「ラッパー特有のオラつきじゃなくて、もう本当に小動物みたい」
JC「EVOEL STUDIOというスタジオをやってる彼のパートナーのOzzy Otakiさんが、今HIPHOP界でも重要人物だな、と思っていて。制作中にはOzzyとACE COOLの信頼関係も見れて。音の1個1個にすごく丁寧に向き合っていて、"2人のいつもの感じなんだろうな"と思いました」
積島「確かに。俺らは注文を出さないから1発OKかと思って、レコーディングでも"すげえ、ヤバい!"と言ってたけど、Ozzyだけ"ここの滑舌が気になるから、もう1回いいですか"と言って歌い直したりしてくれましたね」
ーーサウンド面ですが、"ラップのフロウをベースで弾く"という積島さんのプレイは、かねてから練習されていたんですか?
積島「個人的にかっちりした音になるのが嫌で、メトロノームに合わせてベースを弾くことをずっとしてなくて。喋るような発音のリズム感を出したくて、ラップのタイミングに合わせて弾いてるんです。今回も俺にマイクが回ってきた体で、"ACE COOLとラップバトル"みたいな形でほぼ一発で弾き切りました。これに関しては、皆呆れて何も言ってこなかった(笑)」
バンドとして兄弟を見つけたような気分。I'm Difficult・アーネストの音楽への眼差しや向き合い方
ーーアーネスト・リンさんとの『Pillow feat. 凌元耕 Ernest Ling』もカッコ良いですね。
JC「アーネストは台湾のI'm Difficultというバンドのフロントマンで、彼らが日本に来た時に対バンをしたんですけど、メンバー全員人となりがすごく良くて、オープンに会話もしやすくて。『Pillow』は誰かと歌いたくて、"アーネストじゃない?"とメンバーも満場一致でした」
積島「I'm Difficultはマンダリン表記で"我是機車少女"と書くんです。直訳すると"私はスクーターガール"で、スラングで"こじれてめんどくせえやつ"みたいな意味らしくて」
JC「確かにメンバー個々にこじれてるんですけど、それがすごく良くて。人間性が歪んでるわけじゃないんだけど、ピュアだけど鬱屈とした何かを抱えてる雰囲気が魅力的に感じました。」
積島「すっごく人は良いのに」
JC「音像はすごく気持ち良いし綺麗だけど、どこか執念を感じるというか。特にアーネストは、眼差しや向き合い方もバンドとして兄弟を見つけたような感じがあって、本当にいいやつで。台湾にツアーで行った時も対バンして、日中は一緒に遊んでました」
積島「ずっとアテンドしてくれて。あいつらが高校生の時にデートした界隈の牛肉麺に連れて行ってもらいました」
JC「すごく良い出会いでしたね」
ーーアーネストさんからはどんなふうに眼差されましたか?
JC「メールでのやり取りだけでしたけど、最初に私の鼻歌レベルのデモをアーネストに送って、それを聴いて"めちゃくちゃイマジネーションが湧く。色んな言語で歌ってみたい"と言ってくれて」
ーー歌詞に日本語、英語、 マンダリンが混ざっていますね。
JC「彼もそこでスイッチが入ったぽくて、リリックを作ったり、メロディーラインを後ろの音に合わせて遊んだり、コーラスを追加したり、だいぶ調理して上げてくれたので、"めっちゃ良いじゃん"となって」
積島「結構アイデアを送ってくれたよね」
JC「シンパシーは元々ある中で、一緒にやったらどうなるのかなと思っていたけど、個人的にはストレートに返してこなかった感はすごく"らしいな"というか。ああいう曲だと、ふわっと歌ったら終わりみたいな感じもあるけど、メロディーラインや歌詞の使い方で一癖二癖入れて、ちゃんと考えてくれたので嬉しかったです」
ーー<あやういVerseに浮かぶ>の前の間奏は面白かったです。
JC「あれも不思議だったよね。最初打ち込みのドラムで作ってたんですけど、今サポートドラムをしてもらってる岸田(佳也)さんもだいぶ......」
積島「とち狂ってる。彼も"こういうデモなんです"と言ったら、嬉々として色んなことを持ってきてくださるんですよね。ドラム録りの時に"使わなくてもいいから1回やってみるね"と色んなパターンをバーッと叩いてくれて。その時に同じテンポなんだけど3連符系で録って、少しグルーヴの脈動を変えるみたいなアイデアを出してくれました」
JC「全部打ち込みだったから、より血は通ったよね。岸田さんにサポートに入ってもらったのも大きくて。元々彼(積島)とは旧知の仲で、色んなバンドをやられてる、もうド先輩で。引き出しも多いし、現場の乗りこなし方も経験値があるから、いるだけでありがたい。ホッとする」
ーー本当に良いご縁が広がっているんですね。
JC「今思ったけど、今作は本当に、ここ数年で出会えた人たちとメンバー個々のインスピレーションが詰まった1枚だよね。制作は自分たちだけど、それを押していったのは色んな人との出会いや新しい経験。そういうのが初恋に近いという......」
全員「おお~~~」
JC「(笑)。いや、わかんないですけど(笑)」
さまざまなアイデアや試行錯誤が作品に昇華した
ーー他に制作していて印象的だった曲はありますか?
積島「自分は『Conversation Piece pt.3(M-6)』。元々1と2がJCが加入する前にあって、本当に初期の頃に3人でやってたリフを今やったらどうなるだろうというところで、ちゃんと作れたんですよね。3で完結した感じがあってすごく好き。期せずして1番んoonらしいエグみのある構成になっているのと、歌詞と基本のメロディーは僕の頭の中にあったけど、それが単調だからってJCがレコーディング当日に全然違う歌を歌い出して。でも急ごしらえの割に良いじゃんと思いましたね」
JC「私、あれ頑張った。だって歌詞の文字量が全然メロディーに合わなかった。本人(積島)は鼻歌でごまかしながらハマってるふうに歌うんですけど、"めっちゃ文字多いやん"となって。レコーディング日数も限られていて、"今日録れなかったらダメ"みたいな背水の陣状態だったけど、圧もあってあのメロディーラインができたから良かったなと」
積島「あとは俺目線で言うと、それこそ今回JCの鼻歌系の曲は多くなったと思ってて。『Age(M-3)』『Sunde(M-5)』『Sherry(M-10)』辺りは、JCの呪詛みたいな鼻歌から付け加えていってるから」
JC「私は印象的だったのは『Touch(M-9)』かな。すごく素直に歌えたかなと思って。皆の音がちゃんと聴こえるのもいいですね」
積島「これこそ変拍子で作ってるんですけど、そんなの気にしないで聴けるから」
ーーメロディーと歌詞も綺麗ですね。
JC「ありがとうございます。この曲はお気に入りです。デモの状態でずっとリピートしていたのは『Touch』で、過去とも未来とも取れる感覚が自分の中にはあったので、これを聴きながら生活してた(笑)。それで最後にふと出てきた歌詞とメロディーを録ったので、言葉にしづらいけど思い入れはある曲ですね」
東名阪ツアーでは、狂乱のるつぼに落とせるような演奏を。
ーー改めて初のフルアルバム、どんな1枚になりましたか?
JC「"始まり"かな。バンドなので、良い時もあれば悪い時もあるんですよ。個人的にはテクニック的なことよりも、この作品に引っ張っていってもらいたかった部分はちょっとあって。その時の自分たちの感覚が次に繋がるだろうなという予感は漠然とあったので、制作に関してより諦めたくない気持ちだった」
積島「J-WALKの『何も言えなくて...夏』の歌詞みたい。<私にはスタートだったの。あなたにはゴールでも>ってことでしょ」
JC「そうなの?」
積島「知らない」
ーー(笑)。
積島「頑張って出し切ったけど、これを持ってしたら"パァ"という感じ」
JC「"パァ!"だよね」
積島「やれることや才能が枯渇したと思ってないんだけど、"まだまだこういうのもできるな"という。すると色んな組み合わせができて、"アルバム2兆枚できるじゃん"みたいな」
ーー2兆枚!?
JC「2兆枚って怖いね。それぞれどう思ってるかはわからないけど、少なくとも今作を作り終えた段階で"こうもできる、ああもできる"というアイデアの"パァ"は多分個々にあるのかなと」
積島「タスクとしてはやりきったけど、"出し切ったからもう満足です"という感覚には誰も持ってないと思う。多分そこはメンバー全員共通してると思います」
ーー2月と3月には東名阪ツアー『FIRST LOVE TOUR 2025』が行われますね。
JC「まずはアレンジで印象は変わってくると思います。多分ライブの作り方も、今までやってこなかったことをやらざるを得ない状態になっているので、また新しい引き出しが増えそうだなという感覚はします」
積島「音源ではベースもハープも2重3重に重ねてるから、物理上無理なことも出てきてる。だけど音源は音源で、ライブは狂乱のるつぼに落とせるような演奏ができればいいから。だから今はそこを目指して、ヤバい感じでやり方を変えていこうと思っています」
ーー楽しみにしております!
Text by ERI KUBOTA
(2024年12月 9日更新)
¥3000(税込)
FLAKES-289
[Track List]
01. To Dog
02. Kaiya
03. Age
04. Forest feat. ACE COOL
05. Sunde
06. Conversation Piece pt.3
07. Pillow feat. 凌元耕 Ernest Ling
08. Gary
09. Touch
10. Sherry
11. NANA
12. Billion
配信リンクはこちら
んoon(フーン)…2014年結成、ハープ、ベース、キーボードのインスト編成でスタート。2016年よりボーカル、サポートパーカッションが加入し、現体制になる。バンド名の由来は、感嘆(あるいは無関心)を表す日本語の擬態語「ふーん」から。(ただし発音アクセントは「不運」と同じ。)表記は"hoon"の頭文字をひらがなの「ん」にしている。サウンドやワーディングはそれぞれメンバーが思いつくままに持ち寄りセッションによりつくりあげる。ジャンルに対して特定の文脈を特に意識はしていないが、それぞれの楽器の持つ音色の文化的な土着性はなるべく迂回するようにはしている。インスト期はプログレやジャズを起点に歯車のような精緻なアンサンブルを志向していたが、ボーカルJC加入を期に音楽のフレキシビリティが爆発。ボーカルJCのハイパーメロウなささやきが、シリアスな楽器隊の変拍子も転調も優しく結わえる。ジャンルを無駄にクロスオーバーさせるより、その境界面に揺蕩うことを重視する。
▼2025年1月5日(日) 18:00
心斎橋JANUS
オールスタンディング-4200円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]imai/んoon [DJ]DAWA
※保護者同伴の場合のみ未就学児童入場可 (小学生以上要チケット)。出演者が許可した場合を除き、写真撮影、録音・録画禁止。
[問]JANUS■06-6214-7255
▼2025年2月28日(金) 19:00
Shangri-La
スタンディング-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
[問]SMASH WEST■06-6535-5569
Web Site
https://hoon.tokyo/
Instagram
https://www.instagram.com/hoon_jp_/
YouTube
https://www.youtube.com/@oon665