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“14年目で1枚目のようなピュアさが出た”
Czecho No Republic・武井優心、“らしさ”を意識した
最高傑作『Mirage Album』を語る

武井優心(vo.&g)、山崎正太郎(ds)、タカハシマイ(vo.&syn)、砂川一黄(g)、からなるCzecho No Republic(以下、チェコ)が11月1日に9枚目のアルバム『Mirage Album』をリリースした。2020年6月に8thアルバム『DOOR』をリリース後、ファン投票によるベストアルバム『Czecho No Republic 2010-2020』を発表。そこから3年後の2023年にシングル3枚(『emotional girl(2023年2月10日)』、『STORY(2023年3月1日)』『Journey(2023年3月24日)』)を連続リリース。そしてアルバムとしては4年ぶりの発表となった今作は、チェコらしさの詰まった全14曲が収録された。今回ぴあ関西版WEBではボーカルギターの武井に、前作から今作に至るまでの経緯やアルバム制作について話を聞いた。

5人で鳴らす音が、居心地が良い



ーーバンド結成10周年の2020年に8thアルバム『DOOR』を作られてから、少し喪失感があったそうですね。

「その瞬間は一生懸命やっていたんですけど、元々5人で作品を出してて、俺も曲を作る時に5人でのアンサンブルを軸に考えるのが得意で。そこから2018年に4人になって、今度は4人でのアンサンブルの曲を作っていて。新曲は4人用なので成立するんですけど、過去の曲をライブでやった時に、どうしても物足りないなという想いが気付かないうちに溜まってて。バンドでこれからどうしていこうか、だんだんわからなくなっていきました。わからなかったけど、当時はそれでも頑張ってるみたいな状況だったと思います。コロナで身動きが取れなくなった時に答えが出ないまま止まったので、わからなくなっちゃったというか。それで、時間をかけて答えを探していった感じです」

ーー5人で鳴らす音へのこだわりというか想いの強さは、どういうところにあったんですか?

「ライブでのハッピーで賑やかな感じは、物理的に1人足りないだけですごく穴が開いた感じがして。音数を多く作っていたので、4人だとトゥーマッチな音楽に感じたりもして。ライブでは人間が鳴らす音と、プラスでシーケンスが鳴っていたりして、それは5人だと居心地が良いんですけど、4人だとなんか居心地が悪く感じました。5人がちょうどいいんだよなという、居心地の話です」

ーー武井さんご自身の感覚でそう思われたんですか?

「そうです」

ーーメンバーさんは?

「"頑張ってやるしかないっしょ"という感じだと思います」

ーー10周年の時はおめでたムードで、すごく前向きなお話もされていて。それはそれで本心だったけど実は......ということですか?

「本心は本心なんですけどね。後ろめたさというか、自信のなさみたいなものはどこかにあるけれど、活動はやろうとしてる状態でした」

ーーサポートベースのオオナリヤスシ(SISTERJET)さんが入られたのはいつ頃ですか?

「2021年になるぐらいかな」

ーーそれで変わった部分があったという。

「そうですね。やっぱり5人でステージで音を鳴らすことに今一度戻った感覚がありました。僕ら合唱する曲も多いので、やっぱり1人増えるだけで全然違って感じるんですよね。5人の時の高揚感が戻ってきているというか、良いなと感じました」

ーーナリさんは元々のお付き合いがあって入ってもらうことになったんですか?SISTERJETとは昔対バンもされていましたよね。

「対バンしてるんですけど、特に仲が良いとかじゃなくて。共通の友達にコロナ禍でライブを誘われて見に行った時に、SISTER JETじゃないけどナリさんがサポートで弾いていて、なんか良いなと思ったんですよ。その後飲んで喋ってた時も居心地が良くて。俺ら、全員末っ子なんですよ。ナリさんが年上だったので、俺、年上の人に甘えるのが好きなんだろうなというのがその時に見えて。こういう人がバンドに1人サポートでもいたら、俺らめちゃくちゃ力を発揮するかもしれないなと思って。当時は4人でバラバラになる感じが多かったので、"物静かだけど愛と頼りがいのある人に褒められ続けると、俺ら多分良いぞ"と思っていて。ナリさんはみんなと波長が合いそうだと思って、メンバーに"サポートで入れてみない?"と提案してみたんです」

ーーメンバーさんの反応は?

「もちろん最初は"えっ"という感じはあったんですけど、"そう言うならやってみようか"と。案の定みんなめっちゃ懐いてたので、わかりやすいな~みたいな(笑)。空気感がちょうど良くて、知らないうちに超溶け込んでた。空気感もバンドも良くなりました」



"チェコらしさ"を引き連れて、現在のベストを出す



ーー時間をかけて答えを探していったとお話いただきましたが、2023年のシングル『emotional girl』『STORY』『Journey』を出した時はまだ模索中だったんですか。

「そうですね」

ーーライブはしていたけど、新曲はない状態だったんですよね。とりあえず曲を書いてみよう、みたいな?

「はい。このままいったらもう一生出さないぞという感じがしたので、何か出していかないとなって」

ーーその時は曲はスッとできたんですか。

「いや、トライしました。No BusesのCwondoくんに1曲プロデュースで入ってもらってるんですけど、『emotional girl(2023年2月)』が2023年にパッとできたので、じゃあ出そうと思えて。『STORY』と『Journey』は止まってる期間になんとなく書いてた曲たちで、『emotional girl』ができたからもう1回やろうと思えました」

ーーアルバムを出そうという目標はあったんですか。

「この5人でのライブが仕上がってきていたので、ちょうど1年前の11月に"ちゃんとアルバムを作ってやろうよ"ということで話がまとまって、そこから集中して作りました」

ーーテーマやコンセプトは決めておられたんですか?

「今までは毎回進化していると思いたかったので、過去にやってきた手法は2度使わないのがクールだと思ってたんです。でも今回は"前にトライしたチャレンジでも、もう1回やってもいいじゃん"と、自分で勝手に決めてた制約は取っ払って。一緒にシンガロングできる曲や、無条件にハッピーで高揚できるちょっと可愛い曲とか、"チェコって結局こういうとこは強いよね"というのが、5人でライブを始めた時に見えてきていたので、もう1回それを意識して作ってみようかなと」

ーーなるほど。

「ただ、意識することで歩み寄ってダサくなったりクサくなったら嫌だなと思っていたので、そこの塩梅だけ難しかったです。フレッシュな気持ちで、過去のものを意識しながらも今のベストを尽くしたいという感じ。だから昔に寄せているわけではないというか、ひっさげている。縁は切っていない。"過去のものもしっかり引き連れてやりたい"という気持ちでした」



アルバムに入っている曲は、全部楽しめている



ーー実際の楽曲制作はいかがでしたか?

「去年の11月から1ヶ月に3~4曲ぐらいの勢いで、結構ハイペースで曲を書いてたんです。曲が溜まれば溜まるほど心に余裕が生まれてくるので、"ここでふざけてみよう"とか、遊べるようになってくる。アルバムに入っている曲は全部楽しめてる曲だと思います」

ーーmurffin discsレーベルヘッドの志賀(正二郎)さんがコメントで、デモ曲がまだまだあると書いてらっしゃいましたね。

「そうですね。デモをひたすら作って送っていました」

ーーリード曲の『Bad Dreams(M-2)』は、武井さんの広島のお祖父さまお祖母さまのお家で書いたというエピソードがあるそうですが、アルバムの最後のピースだったんですよね。

「そう。シンガロングの曲を書きたかったんですけど、そこまで曲がなかったんですよね。でもやっぱりそれがないと今回のピースは完成しない。"チェコはシンガロングで復活するんだ"と志賀さんも言ってたので。俺も"わかってはいるんですけど、待ってください"状態で。"じゃあシンガロングってどんな曲なんですか。メロディー1個ください"ぐらいの感じで迷ってて。結局メロディーが出てこないと始まらないので、もうどんなキッカケでも曲になればいいと思って。自分を孤独に追いやれば追いやるほど曲ができるなというのは、今回の制作でわかったので」

ーーというのは?

「逃げ場がないと結局それしかできないので。早く解放されたいから追い込んだ方がいい。あとは切ないとか悲しい、寂しい時の方がピュアな曲が生まれる気はします。例えば飲みに行って"えへへ"とやってる時とか、満たされて楽しいとそれだけで幸せなので、曲は書けないですね」

ーーそれで、1人になれる環境で書いたと。

「じいちゃんばあちゃんの家は好きな場所でもあって、その場所がなくなると聞いたので、そこに行ったらどう考えても切ないじゃないですか。だからそこに行けばできるんじゃないかなと。できなくても、人生の中で良い思い出になるからいいかみたいな。行ってみたら、なんとかサビとその後に続くイントロ部分ができて。そこが象徴的だったので、多分これは大丈夫だなと思って家に帰って、ゆっくり書きあげました」

ーー『Introduction(Into The Bad Dreams)(M-1)』の子どもの歌声から始まるイントロもどこかノスタルジックでしたが、アイデアはどこから?

「アイデアはどこから生まれたんだっけな。でも入ってたら絶対良いよなと俺は思っていて。歌ってくれたのはタカハシマイさんのいとこの子どもです。『DOOR』に収録の『Dong Dong』でもサビを歌ってもらって、その子たちの声が可愛いので今回も歌ってもらったら、すごくサイケデリックな良い雰囲気になって。このアルバムはまさしく変な世界に足を踏み入れるような感じにしたかったのでピッタリでした」

ーージャケットもサイケデリックですね。

「これはnico itoさんという、すっごくカッコ良いデザインをする女性のデザイナーさんに作ってもらいました。元々展示会に行ったりしてタカハシも繋がってる方で、今回はハッピーだけどそれだけじゃない、気持ち悪い部分やふわふわしたところを表現したかったのでお願いしました」



武井が素材から作り上げたアニメーションMV



ーー『Go!Go!Juliet(M-3)』は拍が面白い楽曲ですね。MVは武井さんが作られたんですか。

「そうなんです」

ーーなぜ?

「曲ができた時にアニメーションのMVにしたいなと思ってたんです。その時は先行で出すことも決まっていなかったから、単なる妄想で言ってたんですけど、『Go!Go!Juliet』を先行で出そうという話になって。じゃあアニメーションのビデオが欲しいなと思ったけど、期間的に2ヶ月とかしかなくて、ここから誰かにオファーして、全然思った通りにならなくて直しして、なんとなく出すなら嫌だなと思って。俺の頭の中にアイデアはあるし、"描くか"みたいな感じで」

ーーアニメーションを作るのは初めてですよね?

「落書きしたりグッズのデザインもしたことはありますけど、アニメーションは作ったことないです」

ーーパーツも武井さんが描かれたんですか?

「全部描きました」

ーーすごい。

「やってみたら意外と描けるんですよね。昔から絵を描いてはいるけど、この1~2年でIllustratorを使うようになって。そしたらこれ相当いけるなと思って。手描きより向いてました」

ーータブレットで描いているんですか?

「いや、マウスで描いてます」

ーーマウスですか! パス取るの難しくないですか?

「例えば鉛筆ツールだと、90%補正とか100%補正できるんです。ガタガタしても自動で滑らかになる。まっすぐになって困る時もありますけど、時間をかければ良い絵が描ける。トレースも結構楽しかったです。MVにマグカップが出てくるんですけど、それはリアルにアンティークのマグカップをトレースして顔を描いたので。模写するより楽じゃないですか」

ーー確かに、なぞる感じですもんね。

「そうそう。対のものはコピペで反対にすりゃいいし、俺にすごく合ってるなと。手描きだと几帳面なので、左右対象になってないと嫌だとかで書くのが嫌になっちゃうんですけど、イラレはめっちゃ丁寧に修正できるので、性格に合ってました」

ーー主人公の女の子は?

「あれもタカハシマイを走らせてムービーで撮って、1個1個トレースして描きました。それをPremiere Proに並べて、描いて並べてを2ヶ月ずっとやってて。しかもMVの展開をその都度考えていったんです。だからゴールまでいけました。最初に"こういうのを描きたい"というのがあったら、多分"そんなん描けねえよ"って途中で嫌になったと思うんですけど、"次はこの歌詞だからこんな感じかな"みたいな感じでやってたので。背景失敗したら"もうこの場面は背景なしでいいや"みたいな。妥協とやりたいことを精査していきました」

ーー全部イラレで作っているとは思わなかったです。

「ほんとによくやったなと感じますね」

ーー曲も作りながら作業されていたんですか?

「曲は早めに完成していたので、レコーディングする前からMVに取り掛かってました。MVのリズムから何から、全部デモで作ってたんです。レコーディングも同じく、リズムと尺を何の編集もなしで録音して、最後にはめて」

ーーまたやってみようとなりましたか?

「今後もやるのはやりたいですよね。ただ大変だったなって(笑)」

ーー本当にすごいです。ちなみに歌詞に<Bad Dreams>と入っているのはたまたまですか。

「たまたまなんですよね。ぎゅっとした期間で書いていたので、曲同士が被ってくるものも面白いなと思って。結構色々繋がってるんですよね」



感性のままに紡いでいった歌詞



ーー『Happy Birthday(M-5)』は昔あったネタを完成させたそうですが、今作に入ることでチェコ再スタートのイメージがすごくあるなと思いました。

「これは昔作った曲で、フックのメロディーが良いからいつか完成させたいなと思って、何回かトライしたことあるんですけど、<ラララ......ハッピーバースデー>以降が思い浮かばなくて。どんな展開にしたいんだろうと思っていたけど、今回たまたまできたんです。この歌はメロディーができたらもう完成するなというのが見えたので、難しいことは抜きで、とにかくハッピーで可愛いままゴールしたいと駆け抜けました。歌詞はメロディーと同時に書いたので、あまりよくわかってないです(笑)」

ーー<ラブラブラブ 僕らエイリアン ブラブラブラ>と言葉遊びも面白いですね。口をついて出てきた言葉が、そのまま歌詞になったんですか?

「そうそう。あまり大それたことを言いたくないモードだったので、響きが良ければ多分意味は勝手に生まれてくるなというか。逆にこの何だかよくわからない部分が好きという人もやっぱりいるので。"『Happy Birthday』で最後になぜ宇宙に帰るんだろう"みたいな。それもスピリチュアルで良い気もするし、誕生日の先を行ってるじゃないですか(笑)。歌詞を"書こう"として書いてないから良かったのかもしれない。ライブでも映えそうだし、できて良かったですね」

ーーバースデーソングとして使ってもらうのもいいですよね。

「ほんと定番にしてほしいです。テレビとかで<ラララ...>って流れてほしいです」

ーー個人的には『Hope(M-8)』が好きです。ギターソロがカッコ良くて。

「カッコ良いですよね。これはもうデモのまんまです。Tame Impalaとかオーストラリアのサイケデリックバンドが好きなので、その影響ですね」

ーーこの曲に関しては?

「これは2022年ぐらいに作った曲です。特にこの曲をどうしようという意識がなく、チェコでやってもいいし、違うものでやってもいいし、という感じで作ってて。でも砂川さんが"良い"と言ってて。確かにこういう曲が今回のアルバムに入ってたら、奥行きとして説得力が出るよなと思って、ギターソロ辺りを整理したんです。最初はもっと長かったので、飽きないぐらいの尺にして。歌詞はまるまる変えました。結構響きで書いていたので、あまり思想とかは乗ってはない。いや、きっと乗ってるんですけど、やっぱり大それたことは言いたくない感じでした」

ーー『Hope』というタイトルはどこから出てきたんですか?

「多分最初から<I Hope So>というメロディーだったんですよ。"それで何を言おうかな"ぐらいの大喜利だっただけ。"Hope"とあるからどうしようかなーって外堀を埋めていった感じかな。画は見えていて、曲を作ったり聴いてる時にそれを何となく文字にしてるだけですね」



タカハシマイが弾くエレキギターはカッコ良い



ーー『Pony Bambi(M-10)』はチェコらしい曲ですね。

「チェコらしいアルバムを作ろうと思った時は、まだ『Bad Dreams』も『Psychedelic Night(M-4)』もない状況だったので、賑やかで可愛い感じの曲が意外とないなと思って慌てて足したんです。確か『Pony Bambi』と『Psychedelic Night』を同じ日に送ったんですよ。"明るい曲を2曲増やしました"みたいな。その2曲がすごく好評で、そのうちの1曲です」

ーーどういうことを歌いたかったんですか。

「これも作ってる時は考えてなかったんですよね。多分歌詞を1〜2日で書いちゃってるので、スピード感が出りゃいいかなぐらいの感じ。もちろん、見えてる景色や好きなもので構築してるんですけど、聴いた人が各々感じてくれたらいいかな」

ーー深読みしたくなるような歌詞でもある気がします。

「してほしいんです、結局は(笑)。今回はそのぐらいの余白を残したい感じなんです。歌詞をどう捉えても成立するような感じ」

ーー『Life To Me(M-11)』は、その中でもメッセージ性は強い。<何を想う最後の最後に>という歌詞が印象的でした。

「これだけ歌詞が真面目になっちゃってた。アルバム制作の1曲目にできた曲で、"良いの作るぞ!"みたいな感じで肩に力がめっちゃ入ってるから。気合いも不安もある中でこの曲ができて。ドラムの正太郎に"良いけどちょっと重いね"という話をされて。あまり思い詰めた歌詞はやめて気軽に書こうというので、セクションによって少し変えました」

ーー武井さんは、人生の最後の最後に何を思えたら満足ですか?

「何ですかね。笑える方がいいですよね。後悔したくないですからね。"あれやっときゃ良かったな"だけはやだなって感じ。オリジナリティに溢れていたいですね」

ーー<変われずに でも僕なりに愛しているんだ>という一節は、人生を肯定していますね。

「と思った次の日に、最悪だなと思ったりするじゃないですか。だからその繰り返しなんだなって。変われてるんですけど、それが結局<Awake in Bad Dreams>だなって感じ。悪い夢の中で目覚めるんだけど、結局また悪い夢に戻っていく。でも変わったふりして転がっていって、変わっていって。"何度目の朝だよこれ"っていう」

ーー1曲目の『Bad Dreams』と繋がるんですね。

「そう。結局ゴールしてないんですよ」

ーー『Wonderland(M-12)』からラストの『Bad End(M-14)』までの上昇感と壮大さはものすごいですね。

「『Wonderland』がこのアルバムの1番の覚醒ポイントかもしれないです。主人公は常に揺れているので、『Wonderland』で突然無の境地に行っちゃうみたいな。で、また忘れて戻っていくんですけどね」

ーーエレキギターを3本使った1発録りなんでしたっけ。

「はい。タカハシがエレキギターを弾いてるんですけど、それが実はめちゃくちゃカッコ良いんですよ。すげえ男勝りというか。カッコ良くて砂川さんが負けじと超デカい音出して戦ってたんですよ。でもタカハシマイがカッコ良い部分で超えちゃうんですよね。ギタリストは1番そういうのが辛いらしい。テクニックでどうこうできない相手だから。"技術者 VS 才能で良い音鳴らしちゃう女"みたいな。俺は良いせめぎ合いを見せてもらいました」

ーーそれは1発録りだからこそのもの?

「いや、タカハシマイはギターを持ったら結構性格が変わる」

ーーそうなんですか! キーボードを弾いてる時とはまた違う。ライブでも弾かれますか?

「『Wonderland』では弾くし、あれを見ちゃうと今後もうちょいギターを弾いてもらわないとなって。もう1個やってるLiving Rita(武井とタカハシによる音楽ユニット)で発見しました。何か憑依するんですよ。めちゃめちゃオルタナティブですよ。いざライブで見たら、みんな結構痺れると思います」

ーー改めて最高傑作の今作、チェコの歴史においてどんな1枚になりましたか?

「14年目でこんなに1枚目のようなキラキラした感じが出るもんかねと思いました(笑)。良くも悪くも出せないと思うんですよね。みんな成長していくし、14年もやっていたら重みも出てくるし。だけどピュアな感じが出てるのが笑えるなって。見ようによっちゃ相当面白いと思います。14年目で初期衝動みたいな感じ」

ーー来年1月11日(土)大阪心斎橋・Live House ANIMAからはワンマンツアーがスタートします。気合いのほどをお聞かせください。

「このアルバム、みんな曲順も良いと言ってくれるので、このままの曲順でやってみても面白いなと思うし、でも過去曲をうまい具合に入れ込んだらそれはそれでめっちゃ楽しそう。まだセットリストを組み立ててないんですよ。個々に曲の練習は始まってるけど、"ライブだったらここもっといきたいね"とか、既に改造が入ってる曲もあって。最近そういうアレンジもかなり柔軟に取り入れてるので、楽しいライブになりそうです」

Text by ERI KUBOTA




(2024年12月17日更新)


Check

Release

4年ぶりの9thアルバム『Mirage Album』発売中!

3800円(税込)
MDMR-2065

【収録曲】
01. Introduction (Into The Bad Dreams)
02. Bad Dreams
03. Go!Go!Juliet
04. Psychedelic Night
05. Happy Birthday
06. Friend
07. emotional girl
08. Hope
09. STORY
10. Pony Bambi
11. Life To Me
12. Wonderland
13. Journey
14. Bad End

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Profile

Czecho No Republic(チェコ・ノー・リパブリック)…2010年結成、多幸感溢れる男女ボーカルバンド。2013年にアルバム「NEVERLAND」でメジャーデビューし、メンバーチェンジを経て2018年5月より現体制にて活動。深夜ドラマやバラエティー番組等に楽曲が多数使用される他、2014年には「オールナイトニッポン0」のパーソナリティーを1年間務める。「ドラゴンボール超/改」のEDテーマに二度起用されたこともあり、国内の他に韓国・台湾・中国・シンガポールなどでのライブ活動も行う。2020年に結成10周年を迎え、8月19日にフルアルバムを「DOOR」、ファン投票で収録曲を決定した全39曲を収録したオールタイムベスト、BEST ALBUM「Czecho No Republic 2010-2020」を発売。2023年はじめには新曲「emotional girl」「STORY」「Journey」を3作連続でリリース。2024年5月から3ヶ月連続年代別コンセプトワンマン『Past To The Future』を開催。2024年11月には9thアルバム「Mirage Album」をリリース。2025年に結成15周年を迎える。

Live

「つぎはぎのMirage Tour」

PICK UP!!

【大阪公演】

▼2025年1月11日(土) 18:00
Live House Anima
オールスタンディング-3900円(ドリンク代別途要)
※6歳以上はチケット必要。お客様都合でのチケットの払い戻しは致しかねます。予めご了承ください。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【東京公演】
▼2025年1月19日(日) duo MUSIC EXCHANGE
【名古屋公演】
▼2025年1月25日(土) ell.SIZE
【福岡公演】
▼2025年2月8日(土) TOONICE
[ゲスト]SAKANAMON
【広島公演】
▼2月9日(日) 広島Cave-Be
[ゲスト]SAKANAMON
【福岡公演】
▼2月11日(火) LIVE HOUSE OP’s
[ゲスト]SAKANAMON
【新潟公演】
▼2月23日(日) GOLDEN PIGS BLACK STAGE
[ゲスト]the shes gone
【仙台公演】
▼3月1日(土) 仙台ROCKATERIA
[ゲスト]ANTENA

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