インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 音楽に酔いしれる空間をオーディンスと共有したツアー初日 「ドミコワンマンツアー2024」ライブレポート


音楽に酔いしれる空間をオーディンスと共有したツアー初日
「ドミコワンマンツアー2024」ライブレポート

2024年は、既発曲をリアレンジ、再録、リミックス、リマスタリングしたEP『異(上)』『異(下)』を、それぞれ1月と4月に配信リリースしたドミコ。この日は全国8ヶ所を回るワンマンツアーの初日を名古屋CLUB QUATTROで迎えた。今ツアーでも0円で入場できる中高生限定枠が設けられ、会場には学生と思しき若い世代から会社帰りらしいスーツ姿の社会人まで、さまざまな世代の人が集まる。開演前のフロアにはドミコへの期待に満ちた熱気が立ち込めていた。

domico241107-1.jpg

定刻になり、拍手の中ふらりと登場した長谷川啓太(ds)とさかしたひかる(g&vo)。ステージには食虫植物をモチーフにした、毒々しい色のバックドロップが掲げられている。暗転した場内で、アンプの上に置かれた"Domico"のネオン管も存在感を放っていた。

domico241107-4.jpg

演奏が始まると、じっくりスローなテンポで、しかし着実に場内の温度を上げるパフォーマンスで惹きつけていく。ルーパーを使ってリアルタイムで音を重ね、二人編成とは思えない迫力とサウンドの多彩ぶりを生み出すのはお手の物だ。リフだと思っていたものは次の瞬間には楽曲の土台になり、そこに鮮烈なギターの音色、空気を切るような長谷川のドラムが合わさって、サイケデリックでありロックンロールであり、一言では形容しがたい、ドミコならではの音像を描き出す。また、音源とは異なるアプローチもドミコの大きな魅力だろう。曲間のつなぎ目もはっきりさせず、エフェクターを多用したサウンドメイクは、時折嵐の中のような感覚にもさせ、自分が今どこにいるのかわからなくなるトリップ感をもたらした。生演奏だからこそのアレンジが聴けるという、ライブの醍醐味を体感させてくれるアーティストだ。

domico241107-2.jpg

domico241107-3.jpg

ライブが進むにつれ、さかしたは長い髪を振り乱して天井を仰ぎ、長谷川は時折立ち上がりながらの演奏でオーディエンスのテンションも自ずと上がっていく。「なんて日々だっけ?」ではさかしたのアッパーな歌声がフロアを沸かせた。赤や緑、紫といった原色のライトはドミコのイメージによく似合うが、この曲でもビートに合わせて明滅する照明がそのフレーズを強く印象付ける。イントロからエスニックな雰囲気漂う「のらりつらり」は、抜け感のあるサビやパーカッションの音が気持ちいい。デジタルEP『異(下)』に収録されている「ユナイテッドパンケーキ」も披露され、黄色く染まった舞台の上で繰り出されるロックンロールに、客席からは一際大きな歓声と拳が上がった。

domico241107-7.jpg

domico241107-8.jpg

ライブも佳境に差し掛かると、ステージを上手下手に移動し、さらに自由度を増したさかしたのパフォーマンス。長谷川のほうに手を向けてドラムソロを促すような仕草を見せると、追いつけ追い越せといわんばかりに二人のセッションが繰り広げられた。ドラムとギター、それぞれのフレーズの応酬にオーディエンスもヒートアップ。心から音楽を楽しんでプレイする二人の姿にオーディエンスが夢中になるという理想的な光景だ。彼らの音楽がリスナーを惹きつけるのは、テクニカルな要素はもちろんのこと、こういった部分が本質的な理由なのではないかと思わされるシーンだった。

domico241107-10.jpg

この日MCらしいMCはほとんどなかったが、終盤になり「名古屋、ツアーのスタート切らしてくれてありがとう。今年いっぱい回るので、他の場所も来れたら来てください!」と話した長谷川。さかしたは「名古屋、楽しかったですか?」とオーディエンスに問いかけ、当たり前のような大歓声の返答に「それが聞けただけで...。今日は楽しかったです、ありがとうございました!」とうれしそうな表情を見せていた。最後の最後まで容赦なくたたみかけてフロアを揺らしたドミコは、演奏を終えるとさかしたがギターを掲げ「センキュー!」とフィニッシュを迎えた。

domico241107-5.jpg

終演後しばらくは、興奮さめやらぬ空気が残った名古屋CLUB QUATTRO。自由なパフォーマンスで音楽への愛を体現する二人と、そんなドミコの生み出すグルーヴに酔いしれるオーディエンスという関係性が、この先も全国各地で繰り広げられることを確信させる、そんなツアー初日だった。

domico241107-6.jpg

Text by 松永美穂(エディマート)
Photo by 元




(2024年11月 8日更新)


Check

「ドミコワンマンツアー2024」

2024.10.31 Thu at 名古屋CLUB QUATTRO

Live

「ドミコワンマンツアー2024」

【北海道公演】
▼11月8日(金) mole
【広島公演】
▼11月14日(木) Reed
【香川公演】
▼11月15日(金) DIME

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:273-895
▼11月22日(金) 19:30
味園 ユニバース
オールスタンディング-4800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※4歳以上は有料。3歳以下は保護者同伴の元、鑑賞可能な場合は無料で入場可能。
※スタッフの指示に従って頂けない方は入場をお断り致します。
※会場内の写真や映像が公開される可能性がございますのでご了承ください。
[問]GREENS■06-6882-1224

【東京公演】
▼12月5日(木) Zepp Shinjuku(TOKYO)

チケット情報はこちら


『年末調整GIG 2024』

▼12月8日(日) ダイアモンドホール

チケット情報はこちら


オフィシャルサイト