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「こんなことDENIMSしかやってないでしょ!」
4人の男たちによる、“やめられない本気の遊び”
大阪港を巡るクルーズ船・サンタマリア号船上ライブレポート

街中に星の数ほど“プレミアム”と名のついた商品やサービスは溢れているけれども、『DENIMS CRUISE』こそプレミアムだと言い切りたい。通常は全国のライブハウスをバンドワゴンで走り回り、目まぐるしい本数のライブを行っている大阪出身&在住の4人組バンド・DENIMS。そんな彼らが年に大阪港を周遊するクルーズ船のデッキをステージに年に1度だけ繰り広げるスペシャルライブ、それが『DENIMS CRUISE』だ。2019年の初開催以降も着々と公演を重ね、今年4回目の開催となった。なんと今年はこの『DENIMS CRUISE』を皮切りに、“おもしろい場所で・おもしろい人たちと・おもしろいことを”を合言葉にした『ええあそびばtour』がスタート(クルーズ船以外ではカフェやボウリング場、診療所などがライブ会場となるのも超斬新)。ここでは2024年10月20日に開催された船上ライブの模様をプレイバックしていきたい。レポートの終わりにメンバーからの「乗船のお礼」もあるので、そちらもお見逃しなく。

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サンタマリア号は船上MCの板東さえか(FM802 DJ)のカウントダウンを合図に出航、夜の大阪港をグングン進みはじめる。大阪ベイエリアの景色が目に馴染んてきた時、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「Sing A Simple Song」が流れ始めた。いよいよプレミアムライブのスタートだ。この夜のステージは彼らがAWAYOKUBA時代から歌い続けてきた「たりらりら」で幕を開ける。目の前にはキラキラと光る夜景と気持ちよく吹き抜ける風、デッキをステージにしたジャケットスタイルに身を包んだDENIMSの面々、彼らと最前列のお客さんの距離は1メートルもない。稀有な場所での演奏のせいか、船上のライトに照らされて浮かび上がるお客さんのいい笑顔のおかげか、1曲目で既に高揚しまくっているメンバーの演奏が胸を躍らせる。

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途中で釜中健伍(Vo&Gt)が放った「ジャンプしたら床抜けるから、俺の合図でなんでもいいから叫んで!」という一言はここが船上であること、特別な夜であるということをひしひしと感じさせた。「Life Is Good」、「Syotyu mimai」と観客のご機嫌を伺う曲が続くと、フロアから「最高!」という大きな声が飛ぶ。この夜のバンドも曲も、シチュエーションも何もかも、最高という言葉以外にハマるものが見当たらない。

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ユラユラと気持ちよく体を揺らした「Runnin'」から岡本悠亮(Gt)が叫んだ「ロックンロール!」が耳にガンッと届いた「Too dry to die」を経て、釜中がギターを置いてピアノの前に移動し、スタイル・カウンシルの「Mick's blessing」のカヴァーを披露、そして「夜にとけて」へとつないでいく。「夜にとけて」が始まるとグッとゆったりとしたモードへと雰囲気が変わり、船上に吹く風は10月に入っても暑い日が続いていたけれど今年の秋がいよいよ始まったと感じさせてくれる。特にこの曲中の岡本のギターの鳴きが秋の切なさを加速させるものですごく沁みた。

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ジャンプはできなくても曲のノリに観客たちの体が大きく上下した「INCREDIBLE」、そして船上の気持ちよさをグッと増幅させる「ゆるりゆらり」へ。その後のMCで「いろいろあるけど(この数日前、酔っ払った釜中は道で寝てリュックをごっそり盗まれたとSNSで報告していた)、音楽は素晴らしいと感じさせてくれるのは聴いてくれる人がいるからです。世の中が耐え難いほど変な感じになっていくけど、どんなにカッコ悪くてもみんな生き延びてほしいなと思うし、幸せで元気でみんなと会えたらうれしいです」と釜中が感謝を伝え、ギターの弾き語りで曲名を歌うところから始まる「おたがいさま」を届ける。 "やめられないな本気の遊び"という歌詞が、この『DENIMS CRUISE』のコンセプトだよなぁといつも思わせてくれる「fools」、この船が進んでいくこともまるで旅のように思える歌詞に天を仰いだ「Journey to begins」、そしてラストソングだとわかるとiPhoneのレンズが多数彼らに向けられた「Song For You & Me」まで、本編13曲。

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船上パーティー! イェー! というノリは影をひそめ、ユラユラと聴ける曲が目立った今年の『DENIMS CRUISE』。本編が終わると、一旦退場する時間を惜しんでそのままアンコールへと突入する。「Goodbye Boredom」、「わかってるでしょ」(もちろんこの日乗船していた坂東さえかが曲のラストでステージに進み出て、釜中をビンタ...ではなく今年はまさかの岡本の頬を張り飛ばすという恒例のビンタ演出も。岡本が殴られた後の江山真司/Drと土井徳人/Baの笑いを噛み殺した顔が忘れられない)という、パーティーソングで終わるところにDENIMSらしさも光った。

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これらが全て大阪港の煌めく夜景を見ながら、そして秋のいい夜風を感じながらの出来事だったわけで、プレミアムとはまさにこのことだとおわかりいただけただろうか。彼らの"やめられない本気の遊び"は、まだまだ続く。DENIMSが音楽を鳴らし続ける限り、彼らがいるところに"あそびば"ができるのだ。

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取材・文/桃井麻依子
撮影/えす郎




(2024年11月13日更新)


Check

Set List

01. たりらりら
02. Life Is Good
03. Syotyu mimai
04. Runnin'
05. Too dry to die
06. Mick's blessing
07. 夜にとけて
08. INCREDIBLE
09. ゆるりゆらり
10. おたがいさま
11. fools
12. Journey to begins
13. Song For You & Me

-EN-
01. Goodbye Boredom
02. わかってるでしょ

Live

DENIMS『ええあそびばtour』

【福岡公演】
▼11月24日(日) como_es
[DJ]SHOTA-LOW
【和歌山公演】
▼12月1日(日) バール・ヌメロオンセ
[DJ]Market Wakayama/Fitam
【東京公演】
▼12月8日(日) 笹塚ボウル
[DJ]FREE THROW
【滋賀公演】
▼12月21日(土) 14:20
くわくわ診療所
[共演]烏兎 -uto-
[DJ]yup

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PICK UP!!

【大阪公演】

▼12月6日(金) 18:00
味園 ユニバース
一般-5000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
学割-2500円(当日要学生証、整理番号付、ドリンク代別途要)
[共演]COMEBACK MY DAUGHTERS/DENIMS/五味岳久/TGMX
[DJ]MIXX BEAUTY WEST(CHABE、TA-1、TANK)
※小学生以下は無料、中学生以上は有料。
※再入場時、1ドリンク代別途要。
※飲食物持ち込み不可。
※飲酒される方は年齢の分かる身分証を必ずご持参下さい。
※客席を含む会場内の映像・写真が公開されますので予めご了承ください。公演の中止または延期、及び開場開演時間の変更以外による理由のチケット代払い戻しは致しかねます。
※学割チケットご購入の方は、入場時に学生証をご提示いただきます。学生証をお忘れの場合は該当チケットの差額を頂戴いたしますのであらかじめご了承ください。
[問]GREENS■06-6882-1224

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PICK UP!!

【大阪公演】

▼2025年1月13日(月) 18:00
CONPASS
オールスタンディング 一般-3800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
オールスタンディング 22歳以下-2000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※22歳以下のチケットをご購入の方は来場当日に年齢確認のできる身分証明書をご持参ください。
[問]elevatormusic■info@elevatormusic.rgr.jp

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