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ミナミの街でアジアの風を感じた3日間
『Eggs presents FM802 35th Anniversary
"Be FUNKY!!" MINAMI WHEEL 2024 ASIAN WAVES』
ライブレポート

10月12日(土)、13日(日)、14日(月・祝)の3日間、大阪ミナミで開催された『Eggs presents FM802 35th Anniversary “Be FUNKY!!” MINAMI WHEEL 2024』。450組以上のアーティストが出演したこのライブショーケースフェスティバル、実は登場したのは日本人アーティストだけではなかった。「ASIAN WAVES」と題し、アジアから7組のアーティストが来日。そんな「ASIAN WAVES」の当日の様子を、FM802の学生サポーター 802wannabesがレポート。

ASIAN WAVESのアーティストが登場した会場は2つ。Pangeaは心斎橋の中心地にあり、ミナホの会場の中でもキャパシティが大きいことが特徴的なライブハウス。そして、CONPASSはアーティストと観客の距離が近く、直接その熱気を感じられることが特徴だ。
実際に、Pangeaでは、お目当てのアーティストの前後や、BIGSTEPから散歩がてら足を運ぶ人も多く見られた。CONPASSでは、その距離の近さから、終演後にアーティストと写真撮影や会話をする観客の姿が印象に残った。ライブ以外の面でも、ASIAN WAVESを堪能する姿が素敵だった。

また、若いアーティストと若い観客が多いのがミナホの特徴。しかし、ASIAN WAVESの観客は若年層だけでなく、比較的年齢層の高いコアな音楽ファンや、外国人のリスナーの割合が高かった。そのため、会場全体の盛り上がり方やノリ方も通常のミナホとは異なり、大人な印象を受けた。

ここで、ワナビーズメンバーによる、各アーティストのライブレポートを紹介!

・Soft Pine from Bangkok(バンコク)

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独特なドラムとベースが織りなす中毒性の高いサウンドが耳から離れません。いつのまにか頭、そして体ごと音に乗っていった感覚でした。ほかの観客も同じように、体ごと音に乗っていたという印象です。
(16期 こうへい)

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ASIAN WAVESの一組目のアクトは、オルタナティブロックバンド、Soft Pine。一曲目から驚いた点は、バンドサウンドの心地よさ! ツインギター、ベース、ドラムで構成されるサウンドは、しなやかで自由でした。耳に残るメロディとボーカルは、日本のオルタナティブに共通する点が多くあり、日本のリスナーとの親和性の高さを強烈に感じました。終演後は、観客とともに集合写真を撮影! 彼らにとっても日本のファンと触れ合う機会となったことを祈るとともに、すぐに彼らのライブを観れることを楽しみにしています。
(14期 かねさか)

【Set List】
01. Another Half
02. Forestictronic
03. I Thought I Could Be Alone
04. Baby Gotta Go
05. Skinky
06. Volca
07. XTC of Yesterday
08. Another Coast Ride

撮影:キシノユイ

・cotoba from Seoul(ソウル)

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白黒はっきりとした静と動の音が飛び交う、まさに目の離せないステージでした。日本のロックバンドやライブシーンに大きな影響を受けたというcotoba。残響系のマスロックサウンドは、たしかにその影響を色濃く継ぎ、あわせて彼女たちならではの空気感とマッシュアップして独自の空間を作り出していました。

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不安定ながら確実なところに届く変拍子や儚げなギターの掛け合いなど、投げ続けられる技巧の数々にフロアも熱狂。この日のためにたくさん練習してきたという日本語で、MCも大盛り上がり。音楽以外の部分でもオーディエンスの心をガッチリ掴んでいました。
(15期 わかな)

【Set List】
01. syhi
02. reyn
03. water blue indigo
04. Next movement
05. Warm salad
06. Melon

撮影:haseung

・9001 from Seoul(ソウル)

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今回のミナホが大阪初ライブとなった9001! 私自身も韓国語のポップスバンドの音楽は初めてだったので少し緊張しつつライブハウス「Pangea」へと足を運びました。登場すると同時に体を動かさざるを得ない軽快なリズムがライブハウス全体に響き、観客は彼らの音楽の沼へと導かれました。私が実際に聴いて感じたのは「各楽器の音が鮮明に届いていた」ということ。埋もれがちな楽器がどうしても出てきてしまう生演奏でここまでハッキリとベース、キーボードからメロディラインまでしっかり届けられることに感動を覚えました。加えて楽器隊に負けないボーカルの力強く繊細な歌声。ラスト前で演奏された『By your side』では言語の壁を超えた音楽の豊かさを肌で感じることができました。
(14期 さっさー)

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【Set List】
01. Zinnia
02. Plastic Love
03. Unforgettable
04. By your side(Pokemon OST)
05. Digital Hello
06. Leave Me Alone
07. Mannequin
08. Upside Down

撮影:ハヤシマコ

・拍謝少年 Sorry Youth from Kaohsiung(高雄)&Taichung(台中)

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スリーピースバンドである彼らのライブでは、ドラム、ギター、ベースそれぞれの音が際立ち、どの音が主役と言っても過言ではないサウンドが印象的でした。日本でのライブも多い彼ら、またすぐに足を運びたいと強く思う圧巻のパフォーマンスでした。
(16期 こうへい)

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【Set List】
01. 噪音公寓
02. 共身軀完全放予去
03. 歹勢中年
04. 暗流
05. 你咱的無仝款

撮影:ハヤシマコ

・Bell Warisara & Miteennn from Bangkok(バンコク)

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まず初めに登場したのはMiteennn。透き通った美しい声は、ライブハウス中をすぐに彼女の世界観に染め上げていました。心地よい空気感に包まれる中、オーディエンスも左右に揺れながらその歌声に酔いしれているようでした。ラストには日本語詞を交えた楽曲を披露し、やさしい彼女の佇まいと表現力にとても胸を打たれました。

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続いて登場したのはBell Warisara。笑顔あふれるとてもハートフルなステージングに、一瞬で胸を掴まれる。明るくはじけるような歌声に、一瞬でライブハウスは彼女の世界に引き込まれました。簡単なフリをオーディエンスにレクチャーしながら、会場全体をひとつにしてつくりあげるライブは、その場にいた人を残らず虜にしていました。客席ひとりひとりと目を合わせるかのような距離の近いあたたかい彼女たちの振る舞いは、国境を超えてつながる音楽と人のあたたかさを感じることができました。
(15期 わかな)

【Set List】
01. กลิ่นไอฝน(Klin Ai Fhon)/Miteennn
02. สำคัญแต่สำรอง(Sum Khan Tae Sum Rong)/Miteennn
03. กลางใจไกลจัง(Klang Jai Klai Jang)/Miteennn
04. คนหรือไมโครเวฟ(Microwave)/Bell Warisara
05. โคตรเท่ห์(Khoad Tae)/Bell Warisara
06. เอาปากกามาวง(Ao Pagga MaWong)/Bell Warisara

撮影:キョートタナカ

・壞特 / ?te from Taipei(台北)

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まさに心地良い空間とはこのこと、と言わざるを得ない素敵な空間を作り上げていました。三曲目からのキーボード&男性ボーカルを交えた構成は、重なる2人の声がとても魅力的。浮遊感がありゆったりと美しく流れるサウンドに、まるで身体が癒やされていくような感覚がしました。フィンガースナップやハミングなど、会場全体を巻き込みながら自由に音楽を作り上げていく彼女の空気感に圧倒されました。それを受けたオーディエンスも自由に身体を動かしながら楽しんでいる様子で、音楽がつなぐとても愛おしい時間を過ごすことができました。
(15期 わかな)

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壞特 / ?te(Whyte)のワンマンライブが開演した、そう感じるほど、異国の地で、一瞬にして自らの世界観を作るパフォーマンスの高さに驚愕しました。R&Bのほかにジャズやポップなどを織り込んだ楽曲は、国内外問わず親しみやすく、誰でも簡単にリズムに乗っていました! 実際に、彼女が英語で促したハミングやスナップを、観客が簡単に理解し、一体感のあるライブが生まれたのがその証拠だった。改めて、「音楽は海を超える」という状況を体感することができるライブとなりました。
(14期 かねさか)

【Set List】
01. Cazzo
02. You Say Goodbye Easily
03. En Mi Cuarto
04. Lost My Way(Dew's song)
05. Wake Up(Dew's song)
06. Let Go
07. Oh Bob

撮影:キョートタナカ

・ゲシュタルト乙女 Gestalt Girl from Tainan(台南)

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台南出身のバンドでありながら、日本語で歌う特異なロックバンド、ゲシュタルト乙女。日本語詞の耳馴染みの良さと幻想的なサウンドの音源を聴き、期待感を抱きながら会場のLiveHouse Pangeaに向かうと、目に飛び込んできたのは超満員のオーディエンス。彼らのパフォーマンスを一目見ようと入場規制がかかるほど多くの人が詰めかけていました。そんな中始まったゲシュタルト乙女のライブは、ただただ素敵な空間でした。最新EP「仕事」に収録されている幻想的で高揚感溢れる魅力的な楽曲が中心となったセットリストでしたが、私のように初めて生で見た観客一人一人の心をがっちり掴み、徐々にフロアの温度が高くなっていったことが如実に感じられました。

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ギターの歪み、Mikan(vo&g)の情感たっぷりの伸びやかな歌声は、よりライブでの彼らの魅力を存分に感じさせるものでした。それに応えるように暖かい歓声を上げるオーデイエンス、さらにMCでその喜びを流暢な日本語で伝えくれたゲシュタルト乙女のメンバー達。これほどまで愛の溢れたステージを目撃できたことは、自分の音楽体験の中でも特に貴重なものになりました。より多くの日本人リスナーに彼らの音楽が届くことを信じてやみません。
(15期 くろちゃん)

【Set List】
01. 生まれ変わったら
02. 空気
03. 仕事
04. 蜃気楼
05. EEヨ
06. 神様

撮影:ハヤシマコ

今回、ライブレポートを届けたメンバー全員が、初めて海外アーティストを観覧する機会となりました。アジアのロック、オルタナティブに強く関心があるものの、日本で生のパフォーマンスを見る機会がなかった というメンバーにとって、とても貴重な企画でした。そして、観客の方々の表情からも、その満足度の高さを伺うことができました。間違いなくミナホの中で強烈な存在感を放ち、ミナミにアジアの風を吹かせていた3日間でした。

写真提供:FM802、撮影:ハヤシマコ、キシノユイ、キョートタナカ、haseung




(2024年11月18日更新)


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『Eggs presents FM802 35th Anniversary "Be FUNKY!!" MINAMI WHEEL 2024 ASIAN WAVES』

10月12日(土)
・Pangea
Soft Pine from Bangkok(バンコク)

・CONPASS
cotoba from Seoul(ソウル)

10月13日(日)
・Pangea
9001 from Seoul(ソウル)
拍謝少年 Sorry Youth from Kaohsiung(高雄) & Taichung(台中)

・CONPASS
Bell Warisara & Miteennn from Bangkok(バンコク)
壞特 / ?te from Taipei(台北)

10月14日(月・祝)
・Pangea
ゲシュタルト乙女 Gestalt Girl from Tainan(台南)

802wannabes(エイトーツーワナビーズ)とは

FM802の学生サポーター。FM802の番組やイベントでスタッフとして活動。ラジオ・音楽が大好きな関西の大学生・専門学生によって構成されており、現在は12期生から16期生、約90名のメンバーが所属。MINAMI WHEELではPASS得WHEELやPHOTO WHEELといった企画を実施。そのほかオフィシャルブログ『WANNA LAB.(ワナラボ)』やSpotifyのポッドキャスト番組『FM802学生研究部』、XやInstagramの運営まで、活動内容は多岐に渡ります!

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