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“夢がひとつ叶いました”
WITHDOM、Billboard Live Osakaで初の『-SUITS-』を開催
『WITHDOM PREMIUM LIVE -SUITS- Vol.14』ライブレポート

9月15日(日)、Billboard Live Osakaにて『WITHDOM PREMIUM LIVE -SUITS- Vol.14』が行われた。WITHDOMは、SMOOTH(leader.vo)、Ryo(vo)、ROY(vo)、SHVNYA(rap.cho)からなる、京都発4人組ヴォーカル“パフォーマンス”グループ。今年結成7周年のアニバーサリーイヤーを迎えた彼らは、1月にZepp Nambaで自身最大規模のワンマンライブ『STARDOM』をチケットソールドアウトの大盛況で終え、12ヶ月連続シングルリリースに挑戦するなど精力的な活動を続けている。今回行われた『-SUITS-』は普段のライブとは異なり、“メンバーも来場者もオシャレに着飾って、歌と音楽を楽しもう”というコンセプトで2019年から行われているもので、昨年12月に大阪グランドサロン十三で行われて以来、約9ヶ月ぶりの開催となる。WITHDOMにとっては初のBillboard Live Osaka、しかも長年の夢だったステージだ。今回ぴあ関西版WEBでは、喜びと笑いにあふれた1部の模様をレポートする。

開場時間になり、Billboard Live Osakaにはドレスアップしたオーディエンスが続々と入場していた。WITHDOMにとっては初めてのBillboard Live Osakaであることに加え、Billboardでこの『-SUITS-』を開催することを目標にしていたため、ファンにとっても記念すべき公演ということで、見事チケットは完売。オーディエンスはそわそわとワクワクが入り混じったような顔で席につき、開演の時を待っていた。ステージには楽器が置かれ、グループロゴのネオンが光っていた。

定刻を少し過ぎた頃、先にバンドメンバーの難波大介(g)、仲 郷流(b)、荒川泰治(ds)、Okada Tomoya(key)、関真哉(sax)が登場し、軽く音を出して雰囲気を高めていく。やがて、バシッとスーツに身を固めたSMOOTH、Ryo、ROY、SHVNYAが登場、大きな拍手で迎えられた。

Billboardといえば、座ってしっとり音楽を聴く......というイメージがあるかもしれないが、WITHDOMの手にかかればそうはいかない。ステージに現れるやいなやRyoがパワフルに「We are WITHDOM! Listen to the our music!」と煽り、SHVNYAは「全員立ち上がって遊んでいきましょう!」とオーディエンスを立たせる。1曲目は『VENUS』。ソウルフルでダンサブルなビートに乗せて、ステージを右へ左へ動き回り、軽くステップを踏んだりダンスしながら美声を響かせていった。楽曲終わりでSMOOTHは、気合いを入れるかのように力強く「Everybody Make Some Noise!」と叫び、会場の熱をまたひとつ引き上げた。

続けて12ヶ月連続リリースシングル第8弾で8月に配信リリースされた『Who Are You?』を投下。SHVNYAは「14回目にしてこのBillboard Live Osakaにやってきましたー! 声出していけますか! 全員手拍子!」とクラップを誘って会場をひとつに導く。グルーヴィなサウンドに絡まるサックスフレーズが印象的だ。セクシーな雰囲気でRyoとSMOOTHが歌声を放つ。SHVNYAのクールなラップも冴え渡り、ROYは早口英詞ボーカルに加えてラップも担う。パワフルなメンバーの姿に牽引されて、サビでは客席も躍動感たっぷりにプチョヘンザ。勢いは高まるばかりだ。

サックスのムーディーなソロから始まる『Ring Ring Ring』では、4人が順番にボーカルをスイッチ。SMOOTHは感情を込めてがなりを見せる。サビでは一斉に手が左右に振られ、電話をかけるような振付も良いアクセント。さらに『LOVE』では、ダンスやアクティングの要素が詰まったパフォーマンスを披露。オートチューンも使って楽しそうに歌声を乗せてゆく。くるくると縦横無尽に動き回る4人を追うだけで目が忙しい。

畳み掛けるように4曲を披露し、MCではSHVNYAが「『-SUITS- Vol.14』@Billboard Live Osaka、お集まりいただきありがとうございます! 最高じゃないですか~」と挨拶、嬉しそうに笑顔を見せる。『-SUITS-』の歴史はほぼ5年になるとして、ずっと共に走り続けているバンドメンバーを紹介する。そして今回初ジョインとなったサックスの関(せき)を紹介すると、Ryoが突然咳をし出すというボケをかます。さすが関西人だ。そういえば、SMOOTHとRyoはボケずにいられない性分だと、以前のインタビューで話していたことを思い出す。SMOOTHは「『-SUITS-』はBillboard Live Osakaでさせてもらうを目標としてやってきたわけですよ。立たせていただいてありがとうございます!」と感謝を述べるも、マイクスタンドに手をかけ、キメキメのポーズでマイクを握る。Ryoは「それやるの、永ちゃんかスムちゃんや」とツッコみ、会場を笑いに包んでいた。歌うとカッコ良いのに喋ると面白い。そんな親しみやすいギャップは彼らの魅力のひとつだ。

ここからはグッと大人っぽく、4人の美しいハーモニーの広がりを聴かせていく。SHVNYAのラップとSMOOTHのコーラスの絡み方が唯一無二の『Escape』、ROYとRyoの高音が秀逸な『Delete』、切なく美しい王道メロディーが観る者の感情を揺さぶった『友達』を連続で披露。ブルーに染まるステージの照明が、より楽曲の世界観を引き立てているようだった。

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軽くMCを挟み、ここでリクエストコーナー。事前に募っていた「Billboard Live OsakaでWITHDOMに歌ってほしい曲」の中から、小田和正の『ラブストーリーは突然に』をカバー。誰もが知る大名曲を、WITHDOMなりのアレンジを踏まえて歌い上げていく。2番のAメロではSHVNYAもボーカルを担当。コーラスのバリエーションの多さもさすがで、各々が磨き上げてきたキャリアと実力を感じさせられた。グランドピアノの伴奏でしっとりと聴かせた『この夜が明ける前に』。ドゥーワップのようなコーラスも気持ち良い。

ここからはソロコーナー。1部はSHVNYAとROYが、2部はSMOOTHとRyoがそれぞれ楽曲を披露した。一発目はSHVNYAの番。「認知症になった男性の目線から書いた楽曲をお送りしたいと思います。もし皆さんの愛する人が認知症になって、あなたの名前を忘れた時、皆はどう言葉をかけてあげますか。悲しい気持ちや忘れたくないという気持ち、葛藤を描いた曲です。皆さんの心に届くように歌います」と想いを述べて『わすれびと』を歌唱。SHVNYA自身が介護をしていた時に感じたことを書いたリアルな歌詞と、感情を乗せながら紡がれるラップの迫力に思わず釘付けになる。彼の強い想いと優しい気持ちが痛いほど伝わってきた。

続いてはROY。静かにステージに現れると、パワフルに『君の』を歌い上げる。歌い終えてから「感慨深いです。もともと皆ソロで活動してて、Billboard Live Osakaさんはシンガーだと目指すべき場所というか、絶対に歌いたい場所。こうやってWITHDOMを組んで、皆とここに立てて、ひとつ夢が叶いました。本当にありがとう」と深々とお辞儀した。

ちなみに2部では、SMOOTHが『Honey bee』をファンキーに、Ryoは『I Believe』をピアノバラードでしっとりと歌い上げた。緊張していた様子も見られたが、それぞれの個性と実力を存分に感じられる素敵な時間だった。

わちゃわちゃとMCを挟み、『-SUITS-』ではお馴染みの即興コーナーも。TATSUYA社長からの「音楽家ならステージで曲作れるんじゃないの?」という無茶ぶりがキッカケで初回開催の時から始まったコーナーだそう。やり方はこうだ。ファンから募集したワードを歌詞に盛り込み、その場で即興でワンコーラスを作ってしまうというもの。1部のお題は「WITHDOMに言いたい一言」。まずは2つのビートから、オーディエンスにどちらが良いかを選んでもらう。このビートもバンドメンバーによる即興だ。なお、この日はRyoのエアーサックスも聞くことができた。

1部で選ばれたのはアッパーなビート。そこからメンバーがジャンケンをし、勝った人から「A・A'・B・サビ」のどこを担当するかを選択、さらに箱の中に入ったお題を引いてワードを決める。結果、Aメロ「好きですが、好きですか(SHVNYA)」、A'「私は頑張らない。お前が頑張れ(SMOOTH)、Bメロ「東海来てね(ROY)」、サビ「世界で一番愛してるー(Ryo)」に決定。

ここからしばしのシンキングタイム。とはいってもその時間は約1分程度。「それではいきましょうか!」とSHVNYAがラップで歌い出し、続くメンバーもバース多めでサビに向けてメロディーを繋いでいく。そしてメロディアスなサビの後、バンドメンバーの即興ソロパートも挟み、見事楽曲ができあがった。このスピード感と瞬発力、完成度の高さには毎度感服してしまう。

メンバーはホッとした表情を浮かべ、「後半戦、立ち上がって楽しんでいきましょう!」と盛り上げて後半戦へ。パワフルに疾走するビートが気持ち良いウィンターソング『KILALI』で一気にアゲると、コール&レスポンスを挟んで『Vampire』へ。サビの<Hey! 調子のんじゃねえ>ではキックする振付もあり、大きく身体を使ってステージの空気を動かし、さらにクラップでひとつになった『ICE CREAM』を連投して一気に駆け抜けた。

「早いね~」と感慨深げな表情で、近付く終わりを惜しみつつ、全員で記念撮影。SMOOTHは「改めてありがとうございました」と感謝を述べて、2019年11月14日の初回からの『-SUITS-』の歴史を振り返る。「4年10ヶ月経って、このBillboard Live Osakaのステージに立てました。僕も音楽を始める前に来させていただいたこともあって、"こんなとこで歌えたら気持ち良いやろな~"と思いながら......いつのまにか皆のおかげで立つことができました。これって当たり前のことじゃないし、ありがとうの気持ちと初心を忘れちゃあかんなと思ってます。日本武道館を目指して活動するのも、一切ブレることなく続けられています。それは強い意志と確かな自身と不確かな未来なんですけど、本気でやってる証拠だと思ってます。そこに皆がいることで完成するこの空間が本当に大好き。ごめんな、待たせてるなーと思ってる。でも"やるまでいくぞ"という気持ちでやってます。必ず皆を夢の舞台に連れていけるように歌い続けるので、これからも応援お願いします」と力強く想いを述べた。

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そして最後に「俺たちの人生をかけて気持ちを届けます」と言葉を添えて、ゴスペラーズの黒沢 薫作曲&ボーカルプロデュースで、結成7周年記念シングルの『All my life』をじっくりしっとり、大切そうに心を込めて歌い上げた。黒沢節のきいた上質なメロディー、柔らかく力強いボーカルとハーモニーがバンドのアンサンブルの上で大きく広がり、溶けていった。

「素敵な時間になりました! ありがとう!」と挨拶し、1階席の通路を練り歩いて会場を去った4人の表情は、充実と自信でキラキラと輝いていた。こうして『WITHDOM PREMIUM LIVE -SUITS- Vol.14』は1部2部ともに大盛況で終了した。SMOOTHもMCで話していたように、全ての音楽家が目指す場所であるといっても過言ではないBillboard Live Osakaだからこそ、感じられる音楽の喜びがあったと思う。1部と2部ではセットリストが半分以上変更されており、両方参加した人もそれぞれに違ったステージを楽しむことができたのではないだろうか。1人ひとりがマルチプレイヤーとして実力をつけつつあるWITHDOMの、これからの進化が楽しみでならない。

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Text by ERI KUBOTA




(2024年10月 2日更新)


Check

Set List

『WITHDOM PREMIUM LIVE -SUITS- Vol.14』
2024.9.15 Sun at Billboard Live Osaka

【1部】
01. VENUS
02. Who Are You?
03. Ring Ring Ring
04. LOVE
05. Escape
06. Delete
07. 友達
08. ラブストーリーは突然に(小田和正カバー)
09. この夜が明ける前に
10. わすれびと/SHVNYA
11. 君の/ROY
12. 即興コーナー
13. KILALI
14. Vampire
15. ICE CREAM
16. All my life

【2部】
01. Baddy
02. Who Are You?
03. Tetris
04. Universe
05. Escape
06. Delete
07. 千歳
08. ラブストーリーは突然に(小田和正カバー)
09. Trippin on you
10. Honey bee/SMOOTH
11. I believe / Ryo
12. 即興コーナー
13. Green flash
14. Hey’girl
15. ICE CREAM
16. コトノハ

Release

12ヶ月連続デジタルシングルリリース第九弾「Lemonade」各サイト配信中
(10月 福島中央テレビ「二畳半レコード」エンディングテーマ)

12ヶ月連続デジタルシングルリリース第十弾「YULA YULA」10月21日(月)リリース
(10月~12月 日本テレビ系列「NNNストレイトニュース」ウェザーテーマ)

Live

「WITHDOM presents WITH YOU」
▼12月7日(土) 京橋BERONICA

「PRIDOM」
▼2025年2月23日(日)
Zepp Shinjuku(TOKYO)


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