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HALLEYとOchunismが愛を込めて、luvのシングルリリースを祝福
『luv 5th sg.「Jamlady」release party OSAKA』
ライブレポート

5月30日(木)、大阪発のバンド・luvがMusic Club JANUSにて『luv 5th sg.「Jamlady」release party OSAKA』を開催した。本パーティーは5月29日に配信リリースされたluvの5thシングル『Jamlady』のリリースを記念して行われるもので、HALLEYとOchunismが駆けつけ、luvへの愛と祝福をたっぷりと伝えた、あたたかでグルーヴィな夜となった。ぴあ関西版WEBでは、そんな一夜の模様をレポートしよう。

【HALLEY】

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トップバッターを飾ったのは、早稲田大学の音楽サークルThe Naleioの出会いをキッカケに結成された5人組の新世代R&Bバンド・HALLEY。メロウなSEが流れ、張太賢(チャン・テヒョン/vo)、登⼭晴(gt)、⻄⼭⼼(key)、⾼橋継(ba)、清⽔直⼈(ds)が登場すると、フロアを埋めたオーディエンスの高揚感がじわり高まったことが伝わってきた。

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1曲目は『Cause It's Too Cold To Walk Alone』。テヒョンの歌い出しから始まったクールなグルーヴが気持ち良く会場を満たす。喋るように歌う滑らかなボーカルとミドルテンポのサウンドの融合が素晴らしく、テヒョンの歌声が徐々に熱を帯びると、4人の奏でるアンサンブルも呼応してステージに音の塊が生まれる。全身で歌うテヒョンのソウルフルなボーカル、ボトムを支える高橋と清水のリズム、楽曲を美しく彩る西山のキーボード、感情移入させられる登山のギター。のっけから見事な演奏にオーディエンスは大喝采。続く『Set Free』ではクラップやプチョヘンザでフロアを巻き込み、またひとつ熱量を上げる。今年3月には、東京と大阪で初のワンマンツアーを成功させた彼ら。大阪でのライブは今回で4回目ながら、テヒョンのフロントマンとしての存在感はぐんと増し、4人のグルーヴ感たっぷりの演奏にも余裕が感じられるようになっていた。5人はオーディエンスとのコミュニケーションも楽しみながら、その距離を近づけていった。

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MCでは「我らが愛すべきluvのリリースパーティーです。おめでとうー!」と会場全体で盛大にお祝い。テヒョンは「人多いね〜。名前の通り愛されてるね。最初、"ラブ"ってR&Bにおける主人公みたいな名前だから、バンド名に入れるってヤバいなと思ってたけど、本当に良いバンド。健気で優しくて最高ですね。今日は全力で祝っていきましょう!」とluvへの愛を溢れさせた。

630MT0530-42.jpg情景が浮かぶ『Whim』に続いては、テヒョンの弾き語りから始まった『Daydream』を最高のライブアレンジも交えて披露。さらにテヒョンのボーカル力と彼らが得意とするセッション力が遺憾なく発揮された『Lemonade』では、細胞が喜ぶほどの没入空間を作り出し、そのままシームレスに『Clear Mind』へ。あまりの心地良さに、フロアも歓声とともに身体を揺らし、手を振ってひとつになる。ラストは今年3月にリリースされた1stアルバムのタイトルチューン『From Dusk Till Dawn』をパワフルに演奏。最高潮のグルーヴで山場を作り、会場をこれでもかと巻き込んだ後、静かに音をおさめていった。ライブがこそ彼らの真骨頂と思わせる、濃厚な35分で魅了したHALLEYだった。

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【Ochunism

630MT0530-3.jpg続いては関西発の6人組バンド・Ochunism。現在うえのたいち(key)が休養中のため、凪渡(vo)、ちゅーそん(gt)kakeru(ba)、イクミン(ds)okada(MPC)5人編成で臨むライブとなる。舞台幕が閉まった状態で、メンバーの円陣を組む声が聞こえたかと思えば刻まれるドラムビート。やがてゆっくりと幕が開き、5人の姿があらわになるとオーディエンスは大興奮! 凪渡は「踊りにきたんだろ大阪ー!」と叫び、『SHOUT』からライブスタート。ファンキーで圧のあるビート、ループする中毒性のあるギターリフに自然と身体が揺らされる。早口でパワフルなラップから高音ファルセットまで響かせる、凪渡の表現力はさすが。続く『Masamitsu』でもセクシーにクールに、そしてファンキーに会場を巻き込んでいった。

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さらに勢いよく『Mongoose』を投下して「手ぇ上げな!」とプチョヘンザを誘う。高まるグルーヴでフロアとの一体感は加速。ものすごい迫力で魅了した後、kakeruとちゅーそんのソロプレイも心地良い『rainy』では、切なく柔らかな音の波に包み込んだ。

630MT0530-45.jpg凪渡は「大阪超最高ですね! Ochunismです。luvの皆さんリリースおめでとうございます」と祝福。たいちの休養に触れつつ、「音楽が好きで活動を始めたけど、最近は音楽やってるんじゃなくてOchunismやってるんやなと思って」と、これからも6人でやっていきたいと力強く想いを口にする。「メンバーの代わりはいないってことよ!」と叫んだ時に他のメンバーも力強く頷いていたのが印象的だった。そして、自分の弱さに負けそうになる時、存在価値を見失って荒んでしまう時があると言葉を続け、「僕はそういう時に音楽が寄り添ってくれると思う。世界に1人しかいない人がここに集まってるわけでしょ?僕は一対一で向き合ってるつもりというか、全員と遊びたい。そんな気持ちです」と述べ、「弱い気持ちを受け入れた新曲をやるので、歌詞を聴きながら感じ取ってくれたら嬉しいです」と新曲を披露した。<誰も信じられない>と魂を込めて歌う凪渡の気迫に圧倒される。歌謡曲の要素を感じるメロディーから徐々に加速し、ダンサブルにステージを揺らす。まっすぐに突き刺さる言葉と演奏はきっと、見る者の心に刻み込まれたに違いない。

630Ochunism-2.jpg後半戦、重ためのサウンドに寂しげな感情がまとわりつくボーカルが印象的な『Daydream』で壮大な空気を作り上げ、続けざまに『ぐわんぐわん』で熱を増す。パワフルな歌声は心を、アーティスティックで個性的な曲展開は身体を動かす。ラストチューンは『Ghost Ninja』。凪渡が「たいち!」と叫んだ後に同期でキーボードソロが入り、6人でステージに立っていることを改めて感じさせた瞬間はハイライトのひとつ。まるで遊ぶように音楽を奏でたOchunism。いつまでも鳴り止まぬ拍手が、素晴らしいライブであったことを示していた。

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【luv

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トリは本日の主役で関西発の5人組バンド・luv。全員が2003年生まれで、20236月に始動した、今要注目のバンドだ。SEが流れ、青く染まったステージに一等星のような光が幾つも瞬くと、Rosa(key)Zum(ba)Sho(ds)Ofeen(DJ)が登場。フロアは待ってましたとばかりに拍手と歓声で迎え入れる。

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Zumの低音ベースラインが響き渡り、まずは4人でセッション。ファンクネスなサウンドが超絶気持ち良く、初見の人の耳と心を鷲掴む。やがてHiyngt.vo)がギターを持ってジョインすると、滑らかでキレのある歌声が会場の空気を動かしていく。冴え渡るShoのビートを支えるZumのプレイ、そこに重なるRosaの鍵盤とHiynのギター。個々の演奏力の高さは一聴しただけでわかるほど。Hiynは「JANUS 僕のバイト先でございまーす!」と笑顔で叫び、早くも最高の熱を宿して『Stevlay』へ。喋っている時はぴかぴかの陽のオーラを纏うHiynだが、歌い出せば雰囲気が一変。セクシーで繊細で、ほんの少しかすれた歌声の奥深さが素敵だ。ファンキーでグルーヴィなアンサンブルはただただ気持ち良く、2曲目ながらすっかり惹き込まれてしまった。

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MCHiynはふにゃっとした笑顔で「皆さんどうも初めまして、luvと申します〜! あざっすあざっす〜」と挨拶。そして「HALLEY様、Ochunism様、あざっす〜! 僕シフトめっちゃ薄いのにやらせてくれた店長のコージさん、ありがとうございます」とフランクに感謝を述べると「次はゆるゆるでノッてもらえたら嬉しい曲となっております」と『Gum i』へ。彼らもセッションを得意とするバンド。積み重ねてきた経験と実力を惜しみなく披露して楽曲の世界観を広げていった。それぞれのパートの音もよく聴こえ、オーディエンスはゆったりと身を任せてゆらゆら揺れる。MCとのギャップが本当に魅力だ。そしてまだ音源化前の『Fuwa Fuwa』も披露。どっしりした土台の上に、アーバンで浮遊感のあるメロディアスなボーカルが贅沢に響きわたる。ミラーボールでフロアがキラキラ輝く中、オーディエンスはスウィングするエネルギーに抗えず、まさしくふわふわと踊らされるのだった。

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ステージは暗いままで4本のピンスポがステージ後方を照らす演出が集中力を高めた『Cooen』はジャジーで色気たっぷり。息遣いすら楽器にして、ムーディーな空気を醸成してゆく。すっかりオーディエンスを釘付けにし、ステージが明るくなったところに披露されたHiynのギターソロの存在感といえばもう、最高の一言だった。

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いよいよライブもラストスパート。Hiynが「今からダンスナンバー続くんで、バチバチアガってもろて?おなしゃーす!」と高めて『Back in R』と『R.Wiseman』を連投し、身体が喜ぶダンサブルなセッションで華やかに満たしながら、没入空間を作り上げた。

ここで、リリースされたばかりの最新曲『Jamlady』を披露。ここまでの熱量が乗算されたダンスチューンとあれば、フロアは大歓喜で踊りまくる。OfeenのスクラッチやRosaの美しいソロタイムを経て、素晴らしい躍動感で会場全体を包み込んだ。そして「皆さん踊って自由に! ノリノリで熱々で!」と本編ラストの『Lee Un Vile』へ。ヒップホップやジャズをクロスオーバーさせた華やかなサウンドで牽引し、ラストにふさわしい高まりでフィニッシュ!

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630MT0530-25.jpgすぐさま起こったアンコールに応えて登場したメンバーは、物販紹介を挟み、アシッドジャズの要素を感じる、スタイリッシュな『Motrr』でもう一発踊らせた。Zumがスラップを炸裂させると、言わずもがなフロアは大盛り上がり。そこからキーボード、DJ、ギター、ドラムとそれぞれのソロの見せ場をしっかり作り、最高潮のテンションでナイスグルーヴを響かせた。あっという間に駆け抜けた大迫力の全10曲で、その場にいた人の心の中に入り込んだluvだった。

630MT0530-56.jpgR&Bやファンク、ネオソウルといったブラックミュージックにルーツを持つ3組のハイクオリティなライブは、それぞれに個性があって最高だった。それに加えて対バンだからこその熱量と、luvへの愛情のあるバトンが生み出した空気感がとてもハッピーで、ひたすら気持ち良かった。今後も3組の活動を見守っていきたいと思える夜になった。

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Text by ERI KUBOTA
Photo by 松本いづみ




(2024年7月 5日更新)


Check

Release

5th single『Jamlady』

配信中
01. Jamlady

視聴はこちら


Set List

●HALLEY
01. Cause It's Too Cold To Walk Alone
02. Set Free
03. Sugary
04. Whim
05. Daydream
06. Lemonade
07. Clear Mind
08. From Dusk Till Dawn

●Ochunism
01. SHOUT
02. Masamitsu
03. Mongoose
04. rainy
05. Shelter(新曲)
06. Daydream
07. ぐわんぐわん
08. Ghost Ninja

●luv
01. luv's Funk
02. Stevlay
03. Gum i
04. Fuwa Fuwa
05. Cooen
06. Back in R
07. R.Wiseman
08. Jamlady
09. Lee Un Vile

EN. Motrr

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HALLEY Lit.Link
https://lit.link/halley

Ochunism Official Site
https://ochunism.com/

luv Official Site
https://luv-band.studio.site/