ホーム > インタビュー&レポート > WITHDOMの7周年を記念したツアー 『WITHDOM 7th Anniversary Tour LUCKY 7』の ファイナル公演、東京・duo MUSIC EXCHANGEをレポート
関西発の4人組ボーカルグループ・WITHDOMが7周年を記念したツアー『WITHDOM 7th Anniversary Tour LUCKY 7』のファイナル公演を東京・duo MUSIC EXCHANGEで開催した。
今年1月に大阪・Zepp Nambaでワンマンライブを開催。1月から12月にかけて12か月連続で新曲をリリース(現在までに「KILALI」「VENUS」「All my life」「Independent」「友達」を配信)するなど、アニバーサリーイヤーを彩る活動を継続している彼ら。ゴスペラーズの黒沢薫がゲストシンガーとして登場したこの日のライブでWITHDOMは、卓越したボーカル/ハーモニー、エンタメ性に溢れたステージング、そして、"武道館を目指してさらに進んでいくんだ"という強い意志をダイレクトに示してみせた。
会場の照明が落とされ、リーダー&ボーカルのSMOOTH、ボーカルのRyo、ROY、ラッパーのSHVNYAがステージに登場。90'sテイストのダンスチューン「VENUS」でライブは幕を開けた。軽快なダンスとソウルフルなボーカル/コーラスによって観客のテンションは一気にアップ。さらに高揚感溢れるポップナンバー「Popcorn」、「激しく声を要求するグループ、WITHDOMです!」(SHVNYA)という言葉に導かれた「Vampire」、「おまえら全員、ロックオンしてやるよ!」(Ryo)という煽りからはじまった「Lock on」へ。ビートを強調したサウンドとメンバーの解放感溢れるパフォーマンスによって、会場は早くも心地よい一体感で包まれた。
自己紹介とツアーファイナルに対する思いを表明したMC、そして、〈Hey,Let's stand up for myself〉という強いメッセージを放つ「Independent」の後も、グループとしての強みと魅力を存分に発揮。色彩豊かな表現力で楽曲の軸を担うSMOOTH、ややハスキーな声質から厚みのあるボーカリゼーションを響かせるROY、しなやかなグルーヴと幅広い音域で魅了するRyo、そして、強い感情を反映したラップで楽曲に彩りを与えるSHVNYA。そう、個性とスキルを併せ持った4人が生み出すケミストリーこそがWITHDOMの核であり、そのスタイルは確実に向上を続けているようだ。
ここでメンバーはバックステージへと移動し、スクリーンには新曲「友達」のMVが映し出される。"友達"だからこそ伝えられない気持ち、"友達"だからこそ理解できる想いを描いた楽曲に浸った後、爽やかな衣装に着替えた4人が再びステージに登場。〈この世界からいっそ逃避行/君がいれば/もう何も怖くないかも〉と歌い上げる「Escape」でさらに深い歌の世界へとオーディエンスを誘い込む。さらに黒沢薫(ゴスペラーズ)の作曲・ボーカルプロデュースによるバラードナンバー「All my life」。
ROY、Ryo、SMOOTHと歌い継がれる、切なさと洗練を共存させた旋律。そして、SHVNYAを交えた4声による珠玉のハーモニー。R&BとJ-POPを絶妙なバランスで結びつけたこの曲は、WITHDOMの歌の魅力をさらに幅広い層のリスナーに浸透させることになりそうだ。
事前に告知されていた通り、ここで黒沢薫がゲストボーカルとして登場。「『All my life』、どうでしたか? 長く愛していただければうれしいです」とコメント、会場からは大きな拍手が送られた。さらに「All my life」のレコーディング時のエピソードを語り合った後、ゴスペラーズの「ミモザ」を披露。奥深い表現力と優れたテクニックを共存させた黒沢のボーカル、WITHDOMのメンバーによる歌声とハーモニーが共鳴する貴重なコラボレーションが実現した(涙を拭く観客も多数)。「学生の頃からたくさん聴かせてもらっていて。一緒に歌わせてもらえて本当に光栄です」(SMOOTH)「歌って踊ってハーモニーもできるグループはとても貴重だと思ってます」(黒沢)というやり取りも心に残った。さらにBoyz II Menの「On Bended Knee」を一緒にカバー。WITHDOMのメンバーにとって大きな経験になったことはまちがいないだろう。
「ここから後半。盛り上がっていけますか!?」(SHVNYA)というシャウトからはじまった「ICE CREAM」からライブはクライマックスへと向かう。楽曲の途中でブレイクし、Ryoが〈キミノナカデ〉とセクシーに歌い上げるシーンも最高だ。さらにシティポップ的なサウンドと際どい恋愛関係を描いたリリックが一つになった「Hey Girl」、「WITHDOMにとって初めて作った曲。いろいろあったけど、ここまでついてきてくれてありがとう!」(SHVNYA)とアナウンスされた「Tell me」を続け、気持ちいい高揚感へと結びついた。
ここでSMOOTHはオーディエンスに向けてゆっくりと語りかけた。10代の頃から音楽を初めて、7年前に4人でWITHDOMを始めたこと。音楽をやめていく仲間を何人も見送ってきたこと。「あいつらの分までがんばろう」「自分たちは大丈夫だろうか」と思いながらここまで来たことーー。
「ライブでみんなの顔を見ると、ここまで続けてきたよかったなとマジで思う。みんなのおかげで、WITHDOMというグループは存在できています」「これからも武道館を目指して進んでいきます。みんなの存在が俺達が生きる糧になっています」という言葉に続いたのは、「声を枯らして」。あなたのために歌を歌い続けたいーーそんな真摯な思いが響き渡り、会場全体に大きな感動が広がっていった。
アンコールの1曲目はエレクトロスウィングを取り入れたアッパーチューン「Magic number」。観客も楽しそうに飛び跳ね、祝祭的なムードが産まれた。さらに黒沢薫も登場し、なんとWITHDOMの「Trippin'on you」を披露。「最後の黒沢さんのフェイクをそばで観たくて、ずっと黒沢さんほうを向いてました」(SMOOTH)というメンバーのうれしそうな姿も印象的だった。
ラストは「Unbreakable」。〈賭けるなら全てを掴めGlowly days〉というポジティブなラインとともにライブはエンディングを迎えた。
2025年2月23日には東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)公演が決定。結成当初から掲げている"日本武道館"に向けて4人は、ここからさらにスピードを上げていくことになりそうだ。
(2024年6月14日更新)
「-PREMIUM LIVE- SUITS vol.14」
9月15日(日) ビルボードライブ大阪
「WITHDOM ONE MAN LIVE」
2025年2月23日(日) Zepp Shinjuku