ホーム > インタビュー&レポート > 「各公演にスペシャルなシークレットゲストをお招きして、 お祭りみたいな楽しいステージにしたい」 歌手デビュー25周年記念ツアーを開催 夏川りみインタビュー
ニューシングル『詩、歌、唄』は
私の25年の思いが入っている
――デビュー25周年おめでとうございます。
「ありがとうございます。皆さんのおかげで25年迎えることができて、本当に素直にすごく嬉しいなと感じています。デビュー当時のアルバムのジャケットをインスタにアップしたりしてて。どういう思いで作ったのか自分で振り返りながら説明していると、やっぱり25年ってすごいことだなって、あらためて実感します」
――夏川さんといえば、2001年に3rdシングルとしてリリースされた『涙そうそう』との出会いが大きかったのではと思いますが。
「もうほんとに、この曲に出会わなかったら今の私は無い...と、ずっと言ってるんですけども。『涙そうそう』に出会ってから、沖縄色がすごく強くなったというか...。それまでは沖縄出身ということをあまり出さずにやってきたので、沖縄の曲を堂々と歌えるっていうのが1番大きかったですね。『涙そうそう』に出会ってから自分で三線もやりたいなって思ったし。(自分は)島で生まれたのに民謡も歌えないっていうのが、ちょっと恥ずかしいなって思っていて。沖縄民謡とか、石垣の八重山古典民謡とかも少しずつレパートリーを増やしていけるかなっていう感じではあるんですけども。だから、『涙そうそう』をきっかけに、沖縄音楽や自分のふるさとの歌を世界中の人に届けられることが幸せなことだなって思ってます」
――この25周年の間には、いろんなターニングポイントがあったと思いますけれども、国内に留まらず、アジアから南米まで海外にもライブに行かれてますね。
「日本だけじゃなくて、最近はいろんなところから来てほしいという声がかかることが多くなっていて。台湾では10回くらいコンサートをさせていただいてますし、ブラジルやペルーにも呼んでいただいて。沖縄音楽というのは、本当にどこの国に行ってもすごく愛されるなって、自信を持って言えます。ライブで私が三線を持ってると興味を持ってくれて、"三線教室に行ってます"っていう方もすごく増えてますし。静かな曲もあるんですけども、みんなと盛り上がれるような曲もあるので。沖縄の踊りを簡単に教えて、"みんなで踊りましょう"っていうと、そこが一瞬で沖縄にいるかのような雰囲気になるので。みんなも一緒に楽しく踊ってくれて、ひとつになれるのはすごくいいことだなって思います。だから、呼ばれたらすぐに飛んでいきたいなと思ってますね。私が生まれた沖縄にはこんな音楽があるよって...」
――国内で歌う時と海外で歌う時って何か違いはあるんですか?
「日本だとすごく緊張するんですけど、海外では日本ほどじゃないかな...、国によって言葉は違うけど、なんくるないさ、なんとかなるみたいな感じで(笑)」
――海外では現地の言葉で歌ったりも?
「はい、例えば台湾だったら台湾語の曲だったりとか、中国では中国語で歌うとか、ブラジルではポルトガル語とか、少しずつチャレンジをしてます」
――そんなふうに海外の言葉で歌うときよりも国内で歌う時のほうが緊張されるんですか?
「そうですね。特に沖縄の地元でのコンサートが1番緊張しますね。それなのに、コンサートの時に1曲目から古典民謡をセレクトしたりして、なんでこんな曲選んじゃったんだろうって、めちゃくちゃ震えながら歌ってます(苦笑)。沖縄は音楽が生活の中に普通にあるので、みなさん耳が肥えてますから。先輩方には、"まだまだだな"みたいに言われて。でもそうやって言われることが嬉しかったりして。別になんとも思わなかったら何も言われないじゃないですか。だからそうやってちゃんと言ってくれることが、すごい愛されてるなって思って。ちゃんと叱るときは叱ってくれるし、(沖縄には)いい人がいっぱいいるなと思います」
――25周年を迎えた夏川さんでもまだまだだと?
「まだまだですね。ライブでお客さんに、"今日、夏川りみの生の声を初めて聴くよっていう人、拍手お願いします!"ってあっちこっちで聞いてるんですけど。毎回、初めての方が結構いらっしゃるので、その度にまだまだだなって。沖縄の方言で歌ってる民謡とかは、こういう歌だよって、歌詞の内容をちょっと説明しながらとか歌ってるので。初めての人でも、歌の意味がわかって、すごく聞きやすかったって言われますね」
――そんなライブを通して沖縄の文化や音楽の魅力がみなさんに伝わっていきますよね。
「そうですね。昔から愛されてる曲もたくさんあるので、民謡だけのアルバムを作りたいなっていうのが最近の目標でもあるんですけど。いつ頃出来上がるのか、まだ全然決めてはいないんですけどね。本当に自分の声で残したいなっていう思いはありますね。そうやって歌っていかないと忘れられちゃうので。方言もそうなんですけど、最近の沖縄の若い子たちはぜんぜんわからないみたいなことを言ってて。そういうのは寂しいなと思うので、無くさないように次の世代に繋げて行きたいなって思ってます」
――5月にはニューシングル『詩、歌、唄』がリリースされましたね。この曲にも夏川さんの伝えたい思いが感じられて、メッセージソングのようだと感じました。
「そうですね。すごく優しい気持ちになれる歌でもあるなって思うし、伝えたい思いみたいなものを作詞家の先生と何度もやり取りして。最終的にその歌詞に曲をつけてもらったっていう感じなんです。今まで挫折もあって、もう歌はもうダメなのかなと...、歌が嫌いになりそうな時もあったんですけど、やっぱり歌しかなくて、歌を歌ってると、まだまだ頑張らないといけないなみたいな気持ちにもなります。結局は歌に救われて今の自分があるなと、自分自身に言い聞かせてる部分もすごくあるんですけども。歌がみんなにとっての元気の素じゃないですけど、そういうすごく力もあると信じてるし、私の歌がみんなの背中を押してあげるじゃないですけど、大丈夫だよみたいに感じてもらえたらと。いつもついてるよ、見守ってるよって包んであげてる、そんな思いがみんなに届いてくれたらいいなって思いますね」
――この曲は25周年を迎えた今だからこそできた1曲なんですね。
「そうですね。レコーディング時もそうなんですけど、歌えば歌うほど、 今までの私の25年の思いがすごく入った曲になったなっていうのを感じましたね。作ってる最中はそこまではあんまり考えてなかったんですけど、出来上がって聞いた時に、ああこれって私の今までの 25年の思いが本当に入ってるなって思いました」
25th Anniversary"たびぐくる"プレミアムコンサートは
大好きなバンドの仲間で楽しくワイワイやりたい
――6月29日から25th Anniversary"たびぐくる"プレミアムコンサートが開催されます。
「各公演にスペシャルなシークレット・ゲストをお招きしてるので、楽しみにしていただけたらなと。ちょっとお祭りみたいな感じにしたいなと思っていて。私が歌う曲は静かな曲も多いんですけど、前半はしっとりして、後半はみんなでちょっと楽しくなるようにしたいなとは思ってます。みなさんの元気な顔を見て、生の声が届けられるっていうことが1番幸せだなって思ってるので」
――セットリストや構成などは25周年のベスト的なものになりますか?
「毎回ライブ会場にアンケート用紙を置いてもらって、どの曲が良かったのかとか、みんなに聞いてるんですけど、今回のツアーで歌う曲もその中から選びました。だから、(セットリストには)みんなが聴きたい曲を入れてるつもりなので、そういった意味でもみんな喜んでくれるかなって、ちょっとワクワク感がありますね。最近久しく歌ってないなっていう曲も入れたりしてます」
――演出面やステージ編成に関してはいかがですか?
「スペシャル・ゲストを招いての"たびぐくる"プレミアムコンサートは4カ所で、ここに関しては本当に大好きなバンドの仲間で楽しくワイワイやりたいなと思ってます。その後はバンドの編成も変えて、アコースティックコンサートになるので、ちょっと曲も変わる感じではあるんですけど。これからまた追加公演も増えていくと思います。11月には中国でも公演が決まったりしています。海外のお客さんは反応も熱くて、"待ってました!"みたいな気持ちがすごく伝わってくるんです。あ、関西の人もそうですね(笑)。本当に楽しみに来たよー!みたいな感じがあるので、そういうウエルカムな感じはちょっと似てるかも(笑)。それはお客さんを見てもすごく感じるから、逆に私も負けないで頑張ろう!ってこっちも盛り上がるし、相乗効果ですごくいいステージになりますね」
――最後にファンの方に向けてメッセージをお願いします!
「今まで夏川りみを応援してくれてありがとうございます! おかげさまで25周年を迎えることができて、本当にとても幸せに感じています。また、今回初めて夏川りみの歌を聴きに来る方もいると思うんですけども、ライブでは静かな曲もあって、子守歌なんかも歌ったりしてるので、日々疲れてて、あんまり寝れない人は眠りに来てもいいし(笑)。ちゃんと起こす曲も用意してるから、そこは安心して沖縄の風を感じに来てほしいなと思います」
――そういう言葉に夏川さんの包容力を感じます。
「前にライブですごい寝てる人が最前列にいたんです(笑)。そういう時はバンドメンバーとよく寝かしたな~って喜んでます(笑)。あと、誰かに連れてこられちゃったのか、もう全然興味ない感じで見てる人がいたりすると、私はその人にずっと歌いかけてることがあって。最終的にその人がめっちゃ踊ってくれたら、よし!って思うし(笑)。ライブは本当に楽しいですね」
Text by エイミー野中
(2024年6月26日更新)
なつかわりみ…沖縄県石垣市出身。1999年、夏川りみとしてシングル「夕映えにゆれて」でデビュー。2001年、3rdシングル「涙そうそう」をリリースし、大ヒット。116週連続チャートイン。2002年、紅白歌合戦に初出場し、以降5年連続出場。2003年、「童神」で第45回日本レコード大賞金賞受賞2004年、愛よ愛よ」で第46回日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞。2006年、デヴィッド・フォスター・プロデュースによる、アンドレア・ボチェッリのアルバム『アモーレ』に参加し、「ソモス・ノビオス~愛の夢~」をスペイン語でデュエット。2008年、台湾だけでなく、香港、上海などでも公演を行い、アジアでの人気も高まる。2013年、セルジオ・メンデスのアルバム『ランデヴー』に参加。2014年10月、釜山国際映画祭祝賀会にて「さとうきび畑」を歌い大喝采を浴びる。2015年11月、台湾、桃園市と台南市でコンサートを開催し約5,000人を動員。2017年4月、初のシンガポールコンサート Best of Rimi Natsukawa Live in Singaporeを開催。2018年11月、初の南米ツアー(ブラジル2days,ペルー)公演を開催。3日間で5000名を動員。2019年3月、初ベトナム,ハノイでソロコンサート開催。2019年9月よりデビュー20周年ツアーを全国26か所開催。2019年10月、初の中国大陸ツアー開催(北京、杭州、南京)上海(2019.4)。2019年12月、5年振りとなるオリジナルアルバム「美らさ愛さ」が日本レコード大賞優秀アルバム賞受賞。2021年3月、カヴァーアルバム『あかり』をリリース。全国ツアー「あかり」を開催する。2021年10月、日本作曲家協会音楽祭2021にて「涙そうそう」がロングヒット賞受賞。2021年11、沖縄県世界自然遺産大使に任命される。2022年6月、オリジナルアルバム『会いたい ~かなさんどぉ~』リリース。全国ツアー「たびぐくる2022」を開催した。2023年7月、全国ツアー「たびぐくる2023」を開催した。2024年5月21日に歌手デビュー25周年を迎えた。同月22日にニューシングル「詩、歌、唄」(うた、うた、うた)を配信リリース。6月26日に石垣島で撮影した25周年記念写真集『たびぐくる』(ワニブックス)が発売。6月29日から夏川りみ 25th Anniversary “たびぐくる”プレミアムコンサートツアー開催。その唄声は今もなお日本に留まらずアジアや南米からも高い評価を受け続けている。
夏川りみ オフィシャルサイト
https://www.rimirimi.jp/
【神奈川公演】
▼6月29日(土) 関内ホール 大ホール
チケット発売中 Pコード:264-893
▼7月15日(月・祝) 16:30
森ノ宮ピロティホール
全席指定-8000円
全席指定 小中学生-2000円
※未就学児童は、保護者1名につき、膝上観覧1名まで無料。座席が必要な場合はチケットを購入ください。
※未就学児童・小中学生チケットをお持ちの方は、ご入場の際身分証明書(保険証や学生証)を確認させて頂く場合がございます。当日はご用意の上ご来場ください。
※未就学児童のみでの入場は出来ません。
※販売期間中は1人1公演4枚まで。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888
チケット発売中 Pコード:264-893
▼7月20日(土) 16:30
神戸新聞松方ホール
全席指定-8000円
全席指定 小中学生-2000円
※未就学児童は、保護者1名につき、膝上観覧1名まで無料。座席が必要な場合はチケットを購入ください。
※未就学児童・小中学生チケットをお持ちの方は、ご入場の際身分証明書(保険証や学生証)を確認させて頂く場合がございます。当日はご用意の上ご来場ください。
※未就学児童のみでの入場は出来ません。
※販売期間中は1人1公演4枚まで。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888
【東京公演】
▼7月26日(金)
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
【佐賀公演】
▼8月17日(土) 佐賀市文化会館 大ホール
【埼玉公演】
▼9月7日(土) 大宮ソニックシティ 小ホール
【静岡公演】
▼9月8日(日) 焼津文化会館 大ホール
【福島公演】
▼9月15日(日) 須賀川市文化センター 大ホール
【広島公演】
▼9月28日(土) ウッドワンさくらぴあ 大ホール
【島根公演】
▼9月29日(日) 大田市民会館 大ホール
【徳島公演】
▼10月12日(土) 藍住町総合文化ホール
【福岡公演】
▼10月13日(日) 宗像ユリックス ハーモニーホール
【福井公演】
▼10月27日(日) パレア若狭 音楽ホール