インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > ぶちかます鉄壁サウンド! 怒髪天・増子直純「否が応でも心機一転」


ぶちかます鉄壁サウンド!
怒髪天・増子直純「否が応でも心機一転」

結成40周年を迎えて、バンドもますます男盛り。新曲『ザ・リローテッド』もリリースし、全国ツアーも23カ所25公演が決定と、2024年も追い風に帆を上げて大海原へと飛び出した怒髪天。ところがどっこい、年始ほどなくメンバーが4人から3人へ。リリースツアーはまさにリローテッド、‟再装填”しての出発となった。しかし、転んでもタダでは起きないのが怒髪天だ。亜無亜危異・寺岡信芳という無敵のベーシストを‟本日のサポートメンバー“に招いたことで、過去最強のサウンドをぶちかますモンスターバンドへと進化した。ボーカルの増子直純に最新の怒髪天事情を語ってもらった。

――『ザ・リローデッド TOUR 2024』も前半が終わりましたが、もう新しい4人の形になりましたか?

基本的に3人くらいサポートがいて、要所要所で違うんだけど、今はしばらく寺岡さんに手伝ってもらっていて。ベースがめっちゃ上手いんだよね。それによって曲の解釈が変わってくるから。長年やってきた曲を俺たちもすごく新鮮にプレイできるというか。音ひとつとっても、弾き方ひとつとっても、フレーズもそうだし、現状、プラスになっている部分の方が圧倒的に多いんだよね。

――人によって曲の解釈が違うと。

全然違う。本当に違う。お客さんも最初は大丈夫かなと思って観に来たり、心配して観に来るけど、出てる音を聴いたら「うおー!」ってなるから。現に(3月から『ザ・リローデッド TOUR 2024』)やってきて、そういう手応えを感じる。

――歌も変わりますか?

違うね。歌のノリ方もそうだし、むしろ友康(ギター)が作ってきた時の形に忠実になってきたかな。いろいろ、すごく勉強になるというか、おお...!と思うことは多々ある。

――坂詰さん(ドラム)はどうですか。

坂さんは嬉しそうだよね。坂さんは亜無亜危異のユニットを手伝ったり、寺岡さんと合わせたことが何回もあるから。寺岡さんも坂さんはすごく合わせやすいから「やるやる」って言っていて。

――いわゆるベースとドラムの関係性というのは、できあがっていたんですね。

そうだね。詰め直している部分もあるから、より精度が高くなって。『ARABAKI ROCK FEST.』は(フラワーカンパニーズの)グレート(マエカワ)が弾いてくれて。グレートもやっぱうまいんだ。年が近いからね、そんなふうに感じたことなかったけど、あいつ若いね。ビートがみずみずしいというか、前のめりで面白い。あれはいいベースだね。それでもまた曲の感じが違うし。今まで長年やってきた曲を新鮮に感じられるっていうチャンスが来るとは思わなかった。否が応でも心機一転になる。自分たちの曲の中に新しい発見があるっていうのは。

――前、インタビューで「声は筋肉」とおっしゃっていたのが印象的だったのですが、体の使い方も、違う意識が働くようになりましたか?

そうだね。逆に力を抜かなきゃいけないっていう。それを言われたんだよね。肩とか。歌い方的に力が入りすぎる。そこまで力を入れなくても同じことはできるから。姿勢とかもそうだね。そうすると、ちゃんと歌えるようになると思うんだよね。演奏がさらにかっちりと決まったことによって、もうちょっと正確にやりたいなって自分の中で思えてきて。だから今、いろいろ試してみて。歌うのも面白いね。

――クオリティがますます上がっていきますね。

上がってると思う。あと、この前、グレートとやって本当に思ったのが、例えば生楽器だけでやるっていうことに変にこだわる必要もないなって。古い考え方っていうか、変な先入観で良いものを排除することもないなって。もっと自由に使うもん使っていいんじゃないかなっていう。それによって世界観をより強く打ち出せたりもできるから。

――今のお話を聞いて、磔磔『響都ノ宴』の時に、『ヘイ!Mr.ジョーク』で使った坂さんのサンプリングの音が『ひともしごろ』でうっすら流れていたのを思い出しました(笑)。

「アリが10匹、ありがじゅう!」(笑)。あれのおかげで曲が台無しになったからな。

――今後、そういうこともまた起こり得そうな。

坂さんの周りに操作できるもの置かないよ。俺もいまだに思い出すよ。あれ以来、みんな、あの曲を聞いたら「ここでアリが10匹が入りそうだな」って思っちゃうもんね(笑)。奇跡的なとこでスイッチ入れるからな。あれ、振動で入っちゃったからね、スイッチが。何やってくれてんだよってさ。よりによってね。

――いい曲の時で。

いい曲の時。あれ最高だったね。いい加減にしろよって(笑)。

――ちょっと期待してしまいますね。

新しいトラブルをね(笑)。やりそうだからな、ほんと。

――それも怒髪天らしいというか。

まあ、ないほうがいいんだけどね。たまに大サービスであるかもしれない。坂さん、はかり知れないからな。ほんとはかり知れない。

――『ザ・リローデッド TOUR 2024』はどんな選曲ですか?

容赦ない感じだね。まあ、寺岡さんに容赦ない(笑)。「できる曲だけやりましょうよ」なんて感じじゃない。「キッツい」って言ってたもん。「鬼だね」っつってた。「毎日、どこのファンよりも聴いてる」って。ただ、6月からのシリーズはまたセットリストがまったく変わるっていうね(笑)。秋のシリーズもまた総入れ替えなんじゃないかな。

――昔の曲はどうですか。

なんか、当時できなかったことができるようになってきて。曲のニュアンスとか、当時の力量じゃ無理だった。それがちゃんとできるようになったんだけど、こんなにかかるのかっていう。

――できる、できないというのは、たとえばどういうことですか?

演奏力ももちろんあるけど、テンポ感とか、その曲にとってベストな間合いというか。歌い方ひとつとっても、昔は抑揚がつけられなかったから。振り切るとこと、振り切らないとことか、冷静に行かなきゃならないとか、山があって。あと、やっぱり自分たちで曲を作ると、ブレスの見本がないから自分で探さなきゃいけない。肺活量とか、そういうのって人によって違うから、それをまず見つけなきゃいけないっていうこととか。練習してる時とかレコーディング前とか、「これ、息続かんな」っていうのはよくあるからね。それはレコーディングに入る前に見つけておいて。

――ボーカルで言えば、ブレスのほかに何に重きを置いていますか?

最近はいわゆるバックビートだね。自分が何を聴いてリズムを取ってんのかっていうのを今、絶賛調べ中だね。いろいろやってみて。面白いよ!

――では、増子さんの今の夢って何ですか?

これ以上メンバーが減らないことかな...(笑)。でも本当、バンドを存続させていくことが夢だよね。これからもいろんなこと起こると思うよ。何が起こるか分かんないけど、それでもやっぱり現状維持より、ちょっと上ぐらいを目指して。急に大ヒットは来ないと思うんだよな。TikTokやる? 坂さんもバズらんでしょ(笑)。TikTokで面白いことやろうとしてスベってるおじさんぐらい、イタいもんないからね(笑)。坂さんはやっぱ静止画に向いてるよ。

――ライブで動くお姿も拝見したいと思います(笑)。今日はありがとうございました。

Text by 岩本和子




(2024年6月19日更新)


Check

Release

「ザ・リローデッド」

01. ザ・リローデッド
02. ハナオコシ

配信限定 デジタルシングル
各種配信サイトで発売中

通販限定40周年記念パッケージ
CD+スペシャルブック(BOX仕様)
5500円(税込)
TEI-299

<スペシャルブック>
結成40周年を記念した、メンバー個別ロングインタビューをおさめた自伝本!

発売元:テイチクエンタテインメント/インペリアルレコード

視聴はこちら

Live

「ザ・リローデッド TOUR 2024」

【東京公演】
▼6月20日(木) 渋谷CLUB QUATTRO

PICK UP!!

【大阪公演】

▼6月22日(土) 17:45
umeda TRAD
オールスタンディング-5900円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可(小学生以上のご入場される方全てにチケット必要)。
※写真撮影、録音・録画禁止。
[問]清水音泉■06-6357-3666

【愛知公演】
▼6月23日(日) 名古屋クラブクアトロ
【北海道公演】
▼6月26日(水) BESSIE HALL
【新潟公演】
▼7月6日(土) GOLDEN PIGS BLACK STAGE
【福島公演】
▼7月7日(日) Hip Shot Japan
【宮城公演】
▼7月15日(月・祝)仙台darwin
【石川公演】
▼7月20日(土) 金沢AZ
【長野公演】
▼7月21日(日) 松本ALECX
【群馬公演】
▼10月5日(土) 高崎Club JAMMER’S

PICK UP!!

【和歌山公演】

▼10月9日(水)19:00
和歌山CLUB GATE
オールスタンディング-5900円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可(小学生以上のご入場される方全てにチケット必要)。
※写真撮影、録音・録画禁止。
[問]清水音泉■06-6357-3666

【広島公演】
▼10月11日(金) セカンド・クラッチ
【岡山公演】
▼10月14日(月・祝) 岡山ペパーランド
【北海道公演】
▼11月2日(土) ペニーレーン24
【北海道公演】
▼11月3日(日) ペニーレーン24

PICK UP!!

【大阪公演】

▼11月16日(土) 17:45
心斎橋BIGCAT
指定席-6900円(ドリンク代別途要)
客席後方立見-5900円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可(小学生以上のご入場される方全てにチケット必要)。
※写真撮影、録音・録画禁止。
[問]清水音泉■06-6357-3666

【東京公演】
▼11月23日(土・祝) Zepp Shinjuku (TOKYO)
【沖縄公演】
▼12月7日(土) Output
【沖縄公演】
▼12月8日(日) Output

「怒髪天 presents 中京イズバーニング 2024 "我ら発狂目覚ましくるくる楽団"」
【愛知公演】
▼8月11日(日・祝) 池下CLUB UPSET
[共演]the原爆オナニーズ
【愛知公演】
▼10月25日(金) 池下CLUB UPSET
【愛知公演】
▼10月26日(土) 大須演芸場

「怒髪天 presents BAKA CLASICO 2024」
【神奈川公演】
▼8月30日(金) F.A.D YOKOHAMA
【神奈川公演】
▼8月31日(土) F.A.D YOKOHAMA

チケット情報はこちら


Link