ホーム > インタビュー&レポート > 「みんなの代弁者みたいな存在になれたら」 ストリーミング総再生回数1億回突破! 話題の新星YRD Leo 初のワンマンツアーが2/11(日)大阪・梅田BananaHallより開幕へ 変態紳士クラブGeG、SALUも参加したEP『IMAGE』インタビュー
自分自身、楽しいときにはあまり音楽を聴かなくて
悲しいときや切ないときに聴くんです
――18歳からDJをされていたのが、音楽活動の始まりだということで。
「そうですね。ただ、DJに関しては、自分は高校生にしてはいろんな音楽を聴いていたと思うし、それをどう消化しようかなと思ったときに、家で一人でやり始めた程度で。その数カ月とかのタイミングで、友人から"ラップをしないか"と誘われたことが、自分で音楽を作り始めるきっかけになりました」
――ラップと言っても、すぐにできたものなんですか?
「僕が高校生くらいの頃は、『高校生ラップ選手権』とかがはやってはいましたけど、今のようなヒップホップのシーンが確立されていたかというと、まだそうではなくて。でも、"ま、一回遊びでやってみるかな?"くらいの気持ちで始めてみたら、どんどんハマっていって。自分の頭の中にあったイメージを形にして、第三者からリアクションや意見をもらう経験も初めてだったし、そこにすごく楽しさを覚えました」
――ちなみに、その頃はどういう音楽が好きでよく聴いていたんですか?
「いろんなジャンルを聴いてはいましたけど、僕はロックバンドも好きでよく聴いていました。日本語のバンドだったら例えばRADWIMPSとか。自分で音楽をやり始めて、改めてそのすごさに気付かされたりもしましたね」
――ただ、そこでバンドをやろうとはならず、ヒップホップのシーンの方が身近にあったと。
「そうですね。自分で音楽を作る楽しさを覚えてからは、それをやる意味や、"自分にしかできないことは何だろう?"と突き詰めて考えるようになって...音楽を作り始めてまだ半年も経っていないくらいの時期に、2~3曲目とかで書けたのが『Model』だったんです」
――そんなに早い段階で『Model』が生まれていたんですね。
「自分自身、楽しいときにはあまり音楽を聴かなくて、悲しいときや切ないときに聴くんです。そこに自分を投影した日記のようなものが、(自分が作るべき)音楽なのかなと思ったんです。それを発信することによって、みんなの代弁者みたいな存在になれたらいいなと思ったときにできたのが『Model』でした。『Model』に関しては、自分の正直な気持ちが投影されながら、いろんな人が聴いてもその人なりの解釈ができるようにと、3カ月くらいは書いては消し、書いては消しを繰り返して...最終的に納得いくまで出し切った作品になったので、DexFilmzさんにメールを送ってお願いして、映像を撮っていただきました」
――そして、『Model』は無名の新人アーティストとしては異例の再生数を記録し(現在はYouTubeで300万回再生を突破)、一気に注目を集めました。
「『Model』を作るとき、コレが無理なら何がダメなのか分からないくらい自分なりに向き合ったつもりだったので、数字や反響にはビックリしましたけど、ホッとしたところも正直ありましたね」
YRD Leoというジャンルが確立できるまで頑張っていきたい
――音楽的にはトラップ調のビートがベースになっていてヒップホップ色が強いですが、歌自体はメロディアスかつバラード主体で、決して王道ではないスタイルですよね。
「それこそ当時は、トラップ調のビートに対して歌い上げるスタイルは主流ではなくて。"いったい自分に何ができるだろう?"と考えたとき、ラップのビートにラップで向き合うより、新しい角度で歌うスタイルで表現できないかなと思って、試行錯誤しながら作ってみたのが『Model』でした。その過程で自分の形をつかんでいったところもありましたね。最初は頭の中にあるメロディをアカペラで歌って、それにビートを合わせて"どれが一番しっくりきて表情が出るかな?"と選んで作っていった感じですね」
――曲を書き始めて2~3曲目で、そういう客観性を伴ったソングライティングができたのはすごいですね。
「いつも暗い部屋の中で一人で書くんですけどね(笑)。そのときにあったいろんな出来事を思い出しながら適当にビートを流していると、スッと出てきた言葉やメロディがそのまま曲のサビになることが多いですね。そこで自分でも、"やっぱり自分はこう思ってたんだな"と気付かされるような...。そういった自分の感情を、いろんな人にいろんな表現で見てもらえれば、聴いてくれた人の気持ちの代弁にもなるかもしれないと思って作っていますね」
――曲は内省的なものが多くて、パーティーラップみたいなものは一切ありませんね。
「だから自分自身は、ラッパーというよりはシンガーに近いのかなと思ったり。自分の中でもまだジャンル分けがハッキリとできてはいないんですけど、YRD Leoというジャンルが確立できるまで頑張っていきたいと思っています」
――ビートはヒップホップでも、曲によってはピアノの弾き語りでも成り立ちそうな楽曲もありますね。
「実際の制作でもピアノのコードから作ることもありますし、ギターのアルペジオだけを伴奏にサビのメロディを書いて、その4小節をループさせながらビートのアプローチをどうするか考えることもあります。だだ、一曲作るのに毎回かなりの時間とエネルギーを使っちゃうんですけどね」
『IMAGE』では、自分の新しいスタイルを見せられたらと思って
――『Model』以降もコンスタントに楽曲をリリースしながら活動を続け、昨年10月には2作目のEPとなる『IMAGE』が発表されました。初のEP『YRD Tape』('20)と聴き比べてみてもあらゆる面で進化し、変態紳士クラブのGeGさんプロデュ―スの『Remember. (Prod. GeG)』(M-2)や、ラッパーのSALUさんが客演した『ギフト (feat. SALU)』(M-3)も聴きどころとなっています。
「今までのトラップビートに違ったエッセンスも出したいなと思って、GeGさんと作った『Remember.』では生音を入れてもらったり、SALUさんとの『ギフト』はちょっとポップで明るい表情で作ってみました。『IMAGE』では、自分の新しいスタイルを見せられたらと思って」
――確かにこの2曲はこれまでにないビートやアプローチが際立っていますね。
「僕は変態紳士クラブの『YOKAZE』('20)がすごく好きで。いろんな場所で曲がかかっていたその広がり方が僕のやりたかったことにも近くて、そういう楽曲を作りたいなと思っていたときに、たまたまGeGさんを紹介していただいて、一緒にやっていただきました。SALUさんとの出会いは、僕の札幌でのライブにお客さんとして来ていただいたことだったんです。最初はそれを知らなかったんですけど、クラブのスタッフの方から"SALUさんが来てくれていましたよ!"と教えていただいて。後で僕からDMを送って、スタジオへ行かせていただいたりお話をさせていただく中で、『ギフト』のビートメイカーのhokutoさんとも知り合えて...全てがうまくつながって今回のEPに収録できました。高校時代に聴いて憧れていた方たちと制作できて、より自分自身が強くなりたいと思うようになりましたね」
――Leoさんの曲は、恋愛にしても友達の曲にしても、"失われたもの"をテーマにした曲が多い印象です。
「恋愛ソングとして捉えられる曲も多いんですけど、僕の中では違った意味で書いていることもあるし、楽しいときに曲を書くというよりは、自分の気持ちが落ち着いてきて、"こういうことがあったな..."と思い出せる頃に書きたいので、必然的にハッピーな曲よりはサッドな表情になりますね。最初にも言ったように、音楽ってそういうときに聴くものかなと思っているので。ていうか、そういうときにしか音楽を作りたくならないんですよね(笑)」
――なるほど(笑)。楽しいことはあまり曲にならないという。
「曲を書く上ではあまりテンションが上がらなくて。悲しいときや辛いときにこそ、ペンが走るのはありますね」
僕が伝えたかった楽曲の表情とか見せたい世界観を
ワンマンライブを通じて来てくれた人に届けられたら
――そして、今年の2月からは全国3都市を回る初のワンマンツアーが行われ、初日の地元大阪公演が、2月11日(日)に梅田BananaHallで開催されます。
「今はクラブツアーを回らせていただいているんですけど、その尺よりも長く、クラブツアーではやっていない楽曲も歌うつもりです。僕が伝えたかった楽曲の表情とか見せたい世界観を、ワンマンライブを通じて来てくれた人に届けられたらと思っています。僕がマイクを手にお客さんと面と向かって会ったとき、どうしたらより伝わるかを考えながら、昔に作った曲を仕上げにかかったりもしていますので」
――会場も普段のクラブとは違うライブハウスですし、よりYRD Leoの個性を打ち出したライブに期待しています。
「本当にやりたかったことを直接伝えられる機会だと思っているので、自分自身楽しみにしていますし、ぜひ皆さんに来ていただけたらいいなと思っています!」
Text by 吉本秀純
(2024年2月 6日更新)
EP
『IMAGE』
発売中
<収録曲>
01. Sign
02. Remember.(Prod. GeG)
03. ギフト(feat. SALU)
04. Lily
05. think of you
ワイアールディー・レオ…’99年、大阪生まれ。切なさと優しさを持ち合わせた唯一無二の歌声とメロディセンスで魅了するアーティスト。’20年に『Model』で本格的に音楽活動をスタート。コンスタントにデジタルリリースを続け、’21年9月にリリースした『Bye』がSNSを中心に拡散され、リリースから1年足らずでストリーミング1000万再生を突破しスマッシュヒット。’23年10月に2nd EP『IMAGE』をリリースし、楽曲全体のストリーミング累計1億回を突破。切ない歌詞と歌声に共感する若者が急増。その反響を受けながら全国各地でライブを行うなど精力的に活動を続けている。Z世代で今最も注目を集めるアーティストと言っても過言ではない。
YRD Leo オフィシャルX
https://twitter.com/yrdleo
YRD Leo オフィシャルInstagram
https://www.instagram.com/yrdleo
『YRD Leo ONEMAN LIVE 2024』
チケット発売中
※販売期間中はインターネット販売のみ。チケットの発券は1/28(日)10:00以降となります。
▼2月11日(日・祝)18:00
梅田BananaHall
スタンディング3500円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児童は入場不可。公演終演後、YRD Ornament.記念グッズを配布いたします。
【福岡公演】
チケット発売中
※販売期間中はインターネット販売のみ。チケットの発券は2/17(土)10:00以降となります。
▼3月2日(土)17:00
グランドミラージュ
スタンディング3500円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児童は入場不可。公演終演後、YRD Ornament.記念グッズを配布いたします。
【東京公演】
チケット発売中
※販売期間中はインターネット販売のみ。チケットの発券は3/6(水)10:00以降となります。
▼3月20日(水・祝)18:00
Shibuya WWW
スタンディング3500円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児童は入場不可。公演終演後、YRD Ornament.記念グッズを配布いたします。