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長く自由に、好きな音楽と進むための第一歩へ
藤原さくらインタビュー

10月25日、藤原さくらがデジタルシングル『daybreak』を配信リリースした。“夜明け前”というタイトルのこの曲は、日本テレビ系土曜ドラマ『ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~』の挿入歌で、プロデューサーにドラマーの石若駿を迎えた意欲作。穏やかながらも情熱を感じる、優しさと希望に満ちた楽曲に仕上がっている。今年5月にリリースされた4枚目のフルアルバム『AIRPORT』を経て、自分のやりたい音楽に向けて新たな道を歩き始めた原点回帰の1曲とも言えるだろう。今回は藤原に『daybreak』についてはもちろん、来年春から始まる全国ツアーについて話を聞いた。

ワンマンライブ『週刊空港(エアポート)』を通して気付いた
『AIRPORT』のポジティブさ



――まず、10月に4週に渡ってShibuya WWW Xで行われた『週刊空港(エアポート)』の感想からお聞かせください。

「毎週同じ場所でライブをするって、なかなか今までになかった経験で。2つのバンドで『AIRPORT』というアルバムを、違う角度から見せられたらというコンセプトのもと始まったんですけど、本当にバンドごとに全然違う色を出しながらアルバムを表現できたライブになって、私としてもすごく刺激的でしたし、両方のバンドメンバーが皆楽しそうにしてくれたので、やって良かったなと感じました」

――「Terminal1」と「Terminal2」のバンドがそれぞれ2週間ずつ連続でライブを行うという形でしたが、1週目と2週目でグルーヴが上がったなという感覚は?

「ありましたね。あとは大阪のchilldspotとの対バンライブ(10月21日@味園ユニバース)や学園祭(11月4日@大阪四天王寺大学)は「Terminal1」のバンドメンバーで廻っているので、回を重ねるごとにどんどんグルーヴがまとまって、バンド感が出てきているなと感じますね。もっともっとやりたいくらい」

――毎週のライブ、やはり大変でしたか?

「いやー大変だったけど、本当に楽しかったです。平日の開催が多かったので、学校や仕事終わりだろうなという人たちがグッズのタオルをつけて楽しそうに見てくれてる様子を感じることができて、嬉しかったです」

――手応えはありました?

「ありましたね。『AIRPORT』を5月にリリースしてから、少し間は空いたんですけど、お客さんが聴き込んでくれていたみたいで、曲をやる度に"おっ"という反応を感じることができましたし、自分自身も自分の曲に励まされる気持ちになることがすごく多くて。それは多分、『AIRPORT』がポジティブなマインドで作った作品だったからだと思うんですけど、自分からのタイムカプセルで元気をもらう感覚がありました」

――へえー!

「普段はリリースしたら結構すぐツアーに入ることが多いんですけど、5か月空いて、その間にドラマをやったり、音楽以外の仕事をしてからのツアーだったので、自分の中でもより曲が浸透した状態で歌えて。そうすると、当時歌っていた歌詞が全く違う出来事を通して、"確かに"と腑に落ちる経験ができて」

――自分からのタイムカプセルという表現が面白いですね。

「小学生の時のタイムカプセルを、大人になって掘り出してメッセージを読むと、"なんか大変だと思うけど頑張れ"とか書いてたりするじゃないですか。そういう感覚に近いというか。3枚目のアルバム『SUPERMARKET』から『AIRPORT』までは約2年半空いたので、その期間に書いた曲たちが多かったんですけど、当時全然違うことを考えて書いてた曲が今も自分の背中を押してくれたり。"あの時この曲を書いといて良かった"という曲が多かったのも、『週刊空港(エアポート)』をやって良かったと思えたことの1つですね」

――作品を通してそういうふうに感じられたのは初めてですか?

「あまりないですね。リリースタイミングでも、色んな方から"聴いて元気をもらえました"と言ってもらうことがすごく多かったんですけど、自分も同じように励まされて。自分の曲って、リリースしてから歌うことはあっても毎日聴いたりはしないんですよ。だからちょっと間を置いて、改めて歌ってみて、本当にポジティブなマインドで作ったアルバムだったんだなと感じましたね」



長く活動していくために、選んだ道の途中


――新曲のお話の前に、自主レーベルについてお聞きしたくて。事務所内の「Tiny Jungle Records」という自主レーベルから今回はリリースされましたね。

「デビューしてからずっとメジャーレーベルに所属してお世話になってきたんですが、大人になって自分で活動をしていく上で、より"こういう風にやりたいな"ということが増えてきたというか。"ここはこうしたらもっとうまくいくかな"と見えてきたのが大きかったかもしれませんね。デビューしたての頃は、衣装は誰がやってくれるとか、バンドメンバーは誰がいいとか、何も知らないからわからなかったんですけど。 "この人とこういう音楽をやりたい"、"この人にグッズを作ってもらいたい"、"この人のメイクで歌いたい"ということが見えてきて、それは自分としても良い変化だなと思うんです」

――具体的に気持ちの変化が訪れたのはいつ頃ですか?

「『AIRPORT』をリリースする前くらいからです。自分でも色々考えていた最中にできたアルバムで、出会いあれば別れあり、みたいなことを歌ってる曲が多かったので。ただ、全体的にすごくポジティブだし、それこそ『週間空港(エアポート)』のライブには、今までお世話になった皆も見に来てくれて、"良いライブだね"と言ってくれて。『AIRPORT』でも提示してるんですけど、私の中に "ずっと添い遂げるだけが美じゃない"という考え方があるんです。その時々で、自分にとっての運命の相手がいる。それは恋愛だけに限らず、友達も仕事関係の人もそう。その時絶対に自分の味方になってくれる人や、同じ方向を向いてる人が現れて、"じゃあここまで一緒に行こうよ"と道を同じくする感覚が、しっくりくるような気がするんです。だからすごくポジティブに未来を考えた時に、"次は自分達でやってみよう"という決断に至った感じですかね」

――なるほど。

「言葉にするのが難しいですね(笑)。自分がやりたいことを見つけていく道中の1つの出来事という感じですかね」

――所属するアーティストさんも探されるんですか?

「でも確かに"Tiny Jungle Fes"とかやりたいですよね。」

――ラジオでおっしゃっていましたね。

「やりたいですね。全然何も考えてないんですけど(笑)。ガチガチに考えて決断したというよりかは、流れの中で決めた判断なので、まだ具体的なビジョンがあるわけではないんですけど、そういうことが起きても面白いなとは感じてます。全ては長く活動していくために決断して、判断しているかもしれないです」

――なるほど、長く続けていくために。

「長く続けていくのって、環境がすごく大事だなと思います。」


少しの希望の光を忘れたくない


――今作の『daybreak』は、レーベル第1弾リリース作品ということになるんですね。

「そうですね」

――土曜ドラマ『ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~』の挿入歌で、書き下ろしということですが、今のお話を伺うとタイミングもありそうですが、第1弾を『daybreak』にしようとなったのは?

「もちろんドラマの挿入歌なので、このタイミングでリリースしなければいけなかったのはあるんですけど、1曲目がこの曲でほんとに良かったなと思ってます。今、他の曲も制作してるんですけど、次の作品は具体的な音像のビジョンが最初から存在してるですて。今までは、曲によって色んなプロデューサーの方と一緒に作って、 "結局こういう作品になったね"という作り方が多かったんですけど、初めて逆の発想で、"こういうことがしたい"とイメージが思い浮かんで。その流れの中で石若駿さんとご一緒して曲を作らせていただいて、1番最初に出たのが『daybreak』だったんです」

――どのように制作していかれたんですか?

「漫画原作なので、漫画を読ませていただいたり、ドラマサイドの方と話させていただいてから、歌詞を書いたり、曲を作り始めました。登場人物の中にはもう死んでしまおうと決断をする人も出てくるんですけど、"こういう制度もあるんですよ、力になれることがありますよ"、と漫画の中で伝えるシーンが多くて。昨今、希望に満ち溢れた若者が少ない気がするんです。やっぱり現代を生きてると、"このままどうなるの?これだけ働いてもこんなに取られちゃうの?"と漠然と不安になったり、世界情勢を見ても、"私1人が声をあげても無駄かもしれない"と思うような社会にどうしてもなってしまっているなと感じていて。"もう無理じゃん"と言う人を責められないし、そう思うのも無理ないよな、と私も思っちゃう」

――よくわかります。

「でも、そこで諦めたらほんとに終わっちゃう気がして。昔の当たり前と今の当たり前は多分全然違っていて、良くなってることもたくさんあると思うんですよ。誰か1人のアクションや活動で、少しずつ変化している実感もあるのは確か。だから少しの希望の光というか、"すぐには結果が出ないかもしれないけど、長い目で見たらちょっと変わったかも"という実感を、私自身も忘れたくないし、自分が歌うことで、ちょっとだけでも誰かの気分が晴れたらいいなと思って。自分がそれで救われるのもまた然り。"何だか絶望していたくない"という感覚があって、"daybreak=夜明け"というタイトルを付けたのと、暗闇でずーんとしてるところから、"夜が明けてきたのかもしれない"という景色を書きたいなと思って、この曲を書きました」



誰かの言葉や行いで、自分の価値がなくなることは絶対にない


――最新話まで見ましたが、本当に生死がかかっている人たちが、必死に生きている物語で。それこそ歌詞にも<And I have no space in my mind=余裕なんてなくなる>というフレーズがありますが、絶望を感じると視野が狭くなって、糸口があったとしても気付かない、それを受け入れることすらもしたくない、となってしまう人も多いと思うんです。さくらさんは"もうダメかも、どうしたらいいかわからない"という時、助けを求めたり、糸口があるから大丈夫と思えるタイプですか?

「私の場合は人に相談することが多いですね。周りの人に助けてもらってるなと感じます。とにかく、独りじゃないと思うことが大事だと思うんですよね。それは、"私には信頼できる友達や家族がいない"とか、そういうことじゃなくて。例えば犬とか、YouTubeでも良くて。少しでも"自分の支えになるものがあるんだ"と感じられないと、多分すごく塞ぎ込んじゃうと思うんですよ。こういう言い方をすると宗教っぽいけど、何か信じてるものがあるってすごく大事。実際に実感することも多いから、その気持ちは忘れないでおこうと思っていますね。"この人は絶対的な味方だと信じられる"とか、"犬を触ってるとハッと救われる気持ちになる"とか。そういうものがあるかないか、な気がします」

――大事ですね。さくらさんが信じられるものはあると。

「めっちゃあります。"自分1人が辛い"と思うとしんどいけど、皆しんどい。だから独りじゃないんですよね」

――しんどい思いをしている時に『daybreak』を聴いて、少しでも希望になればと。

「おこがましいですけどね。誰かから言われた心ない一言で、"私って価値がないんだ"と思っちゃう人は多いと思うけど、誰かの言葉や行いで、自分自身の価値がなくなることは絶対にない。歌詞に<fade away=色褪せない>と書いてるんですけど、自信を持って生きてもらいたいなって。私、最近"自分に恥じない自分でいたい"とよく言うんです。難しいけど、自分がカッコ悪いと思うことを自分でしない。それはすごく意識してますね」

――自分を少し俯瞰して見てる感じですかね。

「余裕がなくなると、客観性が完全に失われません?"ふわっと俯瞰して見た時に、"今、ドラマで言うと7話くらいで、ここから大どんでん返しがくるな"とか、考え方によっては、"シーズン1が終わって、また新しい土地でシーズン2が始まるのか、おもろ!"と思えたりする。"飲み会のネタになるな"ぐらいのこともあると思うんですよ。だから私は考え方だなと思ってて。もちろんこんな大変な世の中だから、めちゃくちゃネガティブにもなるし、考えることは考えるべきだと思うんですけど、考え方1つで楽になれる人も多いんじゃないかな」



石若駿と再タッグ


――全編英語詞の曲は『AIRPORT』に収録の『Feel the funk』以来で、『Feel the funk』はMichael Kanekoさんとの共作でしたが、今回はお1人で作詞されたんですか?

「嬉しかったのが、今回もマイキーさんに添削してもらったんですけど、ほぼ添削がなくて。"これでも良いけどこっちの方がわかりやすいかな"くらい。少し自分の英語の上達を感じました」

――英語詞にしようと思った理由はありますか?

「今回は特にリクエストもなかったんですけど、寄り添う曲がいいなと思った時に、ふっとメロディーを作ってて出てきたのが英語だったので、あまり考えずに"これは英語で書いた方がいいのかもな"と思って」

――お客さんもツイートされていましたが、<Please please please Breathe breathe breathe>は良いですね。

「ありがとうございます。パッと出てきました」

――さくらさんのリスナーの方って、英詞をちゃんと読みますよね。

「確かにめっちゃ読んでくれますよね。嬉しいです(笑)」

――ちゃんと聴こうとしているし、伝わっているんだろうなと。

「ありがたいですね」

――サウンド面についてですが、石若駿さんに再びプロデュースをお願いしようと思った理由は?

「以前Reiちゃんとのコラボレーションで『Smile!』(2021年10月リリース)という曲を歌わせてもらった時、初めて石若さんにお会いして。石若さんって意外と歳も近いんですよ。手練れだし貫禄があるし、勝手に随分年上だと思ってたんですけど、Reiちゃんがタメ口で喋ってて、"同い年なんだよね"と聞いた時ビックリして。そこでご一緒した時から、石若さんの『Songbook』というソロワークスシリーズも聴かせていただいて、自分のラジオでも流させてもらったんですけど、本当にカッコ良いんです。石若さん自身が今やりたいことを1枚1枚入れ込んでると思うんですけど、それを聴いて、"私も石若さんのサウンドプロデュースでやってみたいな"と思って。原田知世さんのトリビュートアルバム『ToMoYo covers~原田知世オフィシャル・カバー・アルバム(2022年11月リリース)』に呼んでいただいた時に、"一緒にやりませんか"と声を掛けさせていただいて。そのレコーディングがすごく手応えがあって、一緒に制作して楽しかったので、その時からまた石若さんとは絶対にやりたいと思っていて、今回声を掛けさせていただきました」

――『早春物語』のアレンジ、カッコ良かったですね。

「超カッコ良い。『早春物語』も色んなバージョンがあるんですけど、"こういう感じにしたいんです"みたいなリファレンスや、やり取りもたくさんさせていただいた中で、自分が思い描いてた以上のものが石若さんから送られてきて。その時の高揚感がずっと続いていたんです。今回の『daybreak』も、"うわ、めちゃくちゃ良いのができた"という手応えがあったので、さすがだなと」

――最初はピアノがメインで、だんだんドラムが入って加速していく。本当に最高ですね。ピアノソロの美しさたるや。

「そうなんですよ。間奏がどんどん開けて、音が遊んでるみたいな感じがあって。バンドでレコーディングした時、最初はクリックを聞きながら"いっせーのーせ"で録ったらしいんですけど、途中からクリックなしでやってみようということになり、結局クリックなしの、ライブ感と勢いのあるテイクが採用されて。私は大熱が出て現場に行けなかったんですけど、送られてくる音源が本当に素晴らしくて、もう言うことなしだったので、歌入れも本当に楽しくて。"これに見合う歌を歌わなければ"と頑張りました」

――ちなみに挿入歌と主題歌って、作り方は違うんですか?

「どうなんだろう。今までも挿入歌を作らせてもらったことはあるんですけど、やっぱりキャラクターの心情やシーンに寄り添うことはすごく考えますね」

――ドラマの中でフル尺で流れるわけじゃないですもんね。

「そうですね、ドラマサイドの方が決めてくださるので。制作過程でドラマサイドから "歌詞のここを直してほしい"みたいな細かなリクエストはありました。私が最初に書いた歌詞がちょっと暗かったみたいで、明るい言葉を足していったりしましたね」

――『週刊空港(エアポート)』の「Terminal2」で初披露されたそうですが、お客さんの反応はいかがでしたか?

「喜んでくれてる感じはありましたね。その前の週に名古屋のイベントで弾き語りで1番最初に人前で演奏したんですけど、その時も"歌ってくれるんだ!"って声が聞こえました(笑)。バンドは音源と違うアレンジだったけど、それもまた素晴らしくて。バンドメンバーが1人違うだけでも、どんどんアレンジが変わっていくのが面白いですよね」

――しかもジャズシーンで活躍されてる方が多いので、よりライブ感が強いですよね。

「毎回絶対に同じことをしない人たちですもんね。ライブごとに全然違うと思います」



マネージャーが踊るリリックビデオ。踊りと音楽の表現は同じ


――『daybreak』のリリックビデオでは、さくらさんのマネージャーさんがダンスをされているそうですね。

「彼女は7月に配属されたばかりなんですけど、"大学で何してたの"と話をしていくと、"踊ってました"と。それこそ発表会に出たり、本気で踊っていたという話を聞いて。それで、今回リリックビデオを作る流れで、本当に踊ってもらうことになりました。」

――素晴らしいコンテンポラリーダンスでした。

「あれはコンテンポラリーじゃなくて、"身体表現"と言うらしいですよ」

マネージャー「ジャズコンテに近いですね」

全員「ジャズコンテ」

――振り付けも考えたんですか?

「振り付けじゃないらしいんです。 "リリックビデオの公開まであまりにも時間がないし、他の仕事してるから振り付け考える暇ないじゃん"と言ったら、"振りとかじゃないんです。その時のフィーリングや、2人でやってみてどうなるかというのでも、面白いかもです"と言ってて、"どういうこと!?"みたいな」

――めちゃくちゃものづくりの人なんですね。

「それこそほんとジャズなんですよ。"誰かと誰か"。音楽も誰と誰が一緒にやるかによって、新しいフレーズが生まれるのと同じで。自分と踊りというものが繋がってなさすぎて、すごく遠いものに感じてたけど、表現は似てるんだろうなと感じました」



次回作のテーマは"未知の森"


――現在絶賛制作中ということですが、次は"得体の知れない森の中"がテーマだとか。

「北欧や神聖な森とはまた違う、"どこだここは"みたいな森に迷い込めたらいいなと思っていて。"これは何?"みたいな草や、謎の鳥がいるイメージが漠然と頭の中にあります」

――謎の鳥。

「私、"この音って何なんだろう"みたいな作品がすごく好きで、CDのクレジットを見るのが好きなんですよ。私の音楽を始めたての最初の原動力は、音の面白さみたいなところが先行していて。歌詞よりかは、"これって何のこと歌ってるんだ?"みたいな、何語かもわからない曲をよく聴いていました。で、和訳を見て、すごく綺麗な曲だと思ってたらとんでもない恨みつらみを歌ってたりして面白いなと。それが音楽を楽しいなと思った理由なので。よくわからない森みたいなものが今回のテーマです」

――ファンタジーのような?

「ファンタジーにも近い森だと思います。具体的に"ここの森"というのはなくて。『daybreak』のアートワークも草が生い茂ってたと思うんですけど、アートディレクターの佐藤裕吾さんに前もって"これから先も新曲を作っていく中で、こういうイメージです"と共有していたんです。あとはその時にあった歌詞を送ったりして、音を聴いてもらって、想像を膨らませていただいた感じでした」

――改めて『daybreak』、どんな1曲になったと思われますか?

「原点回帰にも近いような、自分が音楽を始めたての時にすごく好きだと思っていた音像に、また立ち返っているなと思う1曲です。本当に好きな音楽だけを詰め込もうと思って書いたので、皆さんに好んでいただけたら良いなと感じています」

――来年4月からは全国5カ所で全国ツアーが始まりますね。

「今新作をどんどん書いていますが、ZeppやNHKホールという大きな会場で見てもらうのはすごく気持ち良いだろうなという曲ができています。聴いたことのない音を聴いていただける皆を未知の森へ誘うようなツアーになればと思ってます」

――楽しみにしております!

Text by ERI KUBOTA




(2023年12月 4日更新)


Check

Release

デジタルシングル『daybreak』配信リリース中!
《収録曲》
1. daybreak

ダウンロード/ストリーミング
https://sakurafujiwara.lnk.to/daybreak

Profile

福岡県出身。1995年生まれ。父の影響ではじめてギターを手にしたのが10歳。洋邦問わず多様な音楽に自然と親しむ幼少期を過ごす。高校進学後、オリジナル曲の制作をはじめ、少しずつ音楽活動を開始。地元・福岡のカフェ・レストランを中心としたライブ活動で、徐々に注目を集める。シンガーソングライターとしてのみならず、役者としても活動。天性のスモーキーな歌声は数ある女性シンガーの中でも類を見ず、聴く人の耳を引き寄せる。

藤原さくら オフィシャルサイト
https://www.fujiwarasakura.com/