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全国ワンマンツアー『奇跡』で奇跡的な瞬間を作り出す!
マハラージャンインタビュー

2023年5月に日比谷野外音楽堂で開催されたワンマンライブ『日比谷大宴会~外~』を成功させた、マハラージャン。同公演では、演奏やパフォーマンスはもちろんのこと、楽曲のタイトルを身に付けた“精霊”というキャラクターを登場させるトリッキーな仕掛けでも観客を沸かせた。そんなマハラージャンが11月から全国ワンマンツアー『奇跡』を実施する。約1年ぶりの全国ツアーでは、どんなアイデアが飛び出すのか。マハラージャンに話を聞いた。

――2022年の初全国ツアー『夢』のインタビュー時、「これまでは普遍的な言葉を使うのは避けていたけど、『夢』という言葉が持つおもしろさやパワーを感じてあえて使った」とおっしゃっていました。その点では、今回の『奇跡』も、『夢』の流れにある普遍的なワードのチョイスになりましたね。

ツアーのタイトルはそういう大きい言葉にしたいという気持ちがあり、また前回の『夢』や2023年5月の日比谷野外音楽堂でのワンマンライブ『日比谷大宴会~外~』とのつながりもあって、意識的に『奇跡』という言葉を選びました。あと、なぜ『奇跡』なのかというと、そういう大きな言葉はふざけられる要素があるからなんです。

――と言うと?

メインビジュアルでは、腕相撲がめっちゃ強い人とめっちゃ弱い人が対決しているのですが、めっちゃ強い人がふと窓の外を見たらUFOが魔女を吸い込んでいる瞬間を目撃してしまう。めっちゃ強い人がそういう奇跡を見ているうちに、めっちゃ弱い人が腕相撲に勝つという奇跡が起きる。いろんなイメージに落とし込めるんです。あと音楽的な部分も含めて、なにかが起きたら「これは奇跡だ」と回収できたりもする。自分の曲のタネ明かしっぽくなりますが「何の時間」(2019年)ってまさにそういうことで、いろんな文脈に曲の内容をくっつけることができるんです。リハーサルで演奏するときとライブの最後で演奏するときでは、同じ曲だけど、曲が持つ意味が変わる。そういうことと同じで、『奇跡』も文脈によって意味が変わったり、使い勝手がおもしくなったりするので「良いな」って。

――マハラージャンさんは音楽性、歌詞などでの言葉のチョイスもちょっとナナメ上で、微妙に王道を外して作られますよね。ただ『夢』『奇跡』や、『蝉ダンスフロア』の収録曲「DREAM」を聴くと、普遍的かつシンプルで、そしてポピュラーな言葉や表現のすばらしさ、おもしろさにも興味を持つようになったんじゃないかと推察しています。良い意味で万人に受けるものを重要視しているというか。

それはまさにその通りです。自分が過去に作ってきたもの、気が付くものは、どちらかと言うとニッチなことが多かった。だけど自分は、大きいものだってやれなくはないし、なんならどんどんやりたいんです。大きいものも、小さいものの両方できるほうが、自分がリスナーだったら「この人、おもしろい」となります。あと大きい物事って表現の仕方によって世界観も異なってくる。そういう風にいろいろやってみて、「つまりやり方なんだな」と実感したんです。

――そういう考えが膨らんだことで、タイアップ曲をいろいろ作るようになり、また楽曲提供も増えているのかなって思います。

タイアップ曲に関しては、その時々だと思っています。アニメならその作品の世界観を感じつつ、自分らしさも考えて作るようにします。そのバランスや良い落としどころを見つけるんです。『DREAM』は前回のツアー『夢』があって。そして国際サイクルロードレース『マイナビ ツール・ド・九州 2023』とのタイアップだったので、その大会がどういうものか調べていくなかで自分との接点を見出していきました。タイアップのお話をいただいたときはそのテーマと自分をどのように掛け合わせるかを考えながら、なるべくマハラージャンらしさを込めるようにしています。

――あとマハラージャンさんの言葉のチョイスで興味深いのが、スピリチュアル、ファンタジー、SFのようなものが多い点。『夢』『奇跡』、あと楽曲で「僕のスピな人」(2021年)、アニメ『トモちゃんは女の子!』のオープニング曲「くらえ!テレパシー」、「貞☆子」(2022年)もそこに分類されると思います。

わりとそういうのが好きなんです。オカルトとかにハマってきたわけではないけど、でもたとえばメキシコで宇宙人の遺体が見つかったとか、そういう未知なるものへの興味が小さいときからありました。歌詞にもそういうことをよく書いちゃうので、「あ、これはあの曲で使っていたな」と修正することも結構あります。それとなにより音楽的な奇跡を起こしたい願望があります。ひらめきを大事にして、そして新たなものを発見して、自分も感動したいですから。

――ちなみに音楽的に「これは奇跡だった」という経験はありますか。

先日、Kroiのライブを観に行ったんです。そのパフォーマンスが信じられないくらい、めちゃくちゃ良かったです。長くバンドをやってないとできないようなことを成し遂げていて。何度かKroiのライブは観ていますが、そのときが本当にすごかった。もちろん実力もあるんですが、僕が観たときは奇跡みたいでした。

――今回の『奇跡』のツアーでは、マハラージャンさんがそういう奇跡的な瞬間を作り出す側になりますね。

『奇跡』をどのように体現するか、そこに期待してほしいです。用意しているものもあるのですが、ネタバレになるので「なにかを考えている」とだけお伝えします。あとこの2、3年、同じバンドメンバーでやっているので、みんなしっかり曲が体に入っている状態になっています。僕のバンドはプレーヤーの存在感や技量が立っている。たとえばベーシストのまきやまはる菜さんはもともとマハラージャンが初のメジャーの現場だったんですだけど現在ではいろんな現場に呼ばれる売れっ子。ベースもどんどん上手くなっていて、そういう個人の成長も楽しんでもらえるはず。

――どんな仕掛けがあるのか楽しみです。

本当はシュッとしたライブをやりたいんですけど、僕は見るからにエンタテインメントな感じじゃないですか(笑)。記憶に残るなにかを残したいといつも考えていて。印象に残ることって、一つ強いものがあれば良いんです。演奏は絶対ですけど、プラスアルファを考えて作るのがマハラージャンのサービス精神。それをお見せしたいと思います。

Text by 田辺ユウキ




(2023年11月 7日更新)


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全国ワンマンツアー「奇跡」

【愛知公演】
▼11月22日(水) 名古屋クラブクアトロ

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【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:251-724
▼11月28日(火) 19:30
BIGCAT
全自由-5500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※6歳未満入場不可。
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人4枚まで。チケットの発券は、11/23(木)朝10:00以降となります。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【福岡公演】
▼12月7日(木) DRUM LOGOS

【東京公演】
▼2024年3月24日(日)
Zepp Haneda(TOKYO)

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