ホーム > インタビュー&レポート > 皆と踊るために何が必要かを考えた2曲 『無限さ/靄晴らす』で示す、“繋がること” Lucky Kilimanjaroインタビュー
自由な踊りは、もっと面白くなる感覚がある
――今年3月以来、半年ぶりのインタビューですが、夏にはシングル『後光/でんでん』をリリースされ、フェスにもたくさん出演され、アルバム『Kimochy Season』のツアーを終えて、10月は毎週のようにライブがあるスケジュールで、10月末からはツアー『YAMAODORI 2023』が始まります。春にはTikTokでの『Burning Friday Night(2015年『FULLCOLOR』収録)』のバズもあり、確実に各地でラッキリの音楽が広がっていると思いますが、実感としてはいかがでしょう。
「いろいろなライブに出させていただいて、多分初めての人もたくさんいたと思うんですけど、広く知られるようになったなというのは実感しました。僕らはどうやって皆の生活に寄り添うダンスミュージックをやっていくかを大事にしていますが、"踊る"という感覚がお客さんの中にもどんどん浸透していて。Lucky Kilimanjaroも、バンドを取り巻くお客さんもすごく良い空気になっていて、これまでやってきたことが少しずつ形になっている実感はあります」
――『TOUR "Kimochy Season"』は、とても良いものになったそうですね。
「今年は特に声が出せるようになって、より自由に皆が踊れる環境が整ったからこそ、ようやく自分たちのライブができるというか。自分たちが理想としていた空間が作れる感覚もあり、お客さんもそれについてきてくれている状況なので、幸せに活動できています」
――一体感がすごいですよね。初めてのお客さんもいらっしゃると思いますが、だんだん巻き込まれていくというか。
「そうなんです。僕も、"こういうのを目指していたけど、こんなになるんだ"みたいな。不思議な感覚でもあります」
――その景色を見て、1つ到達した感覚はありますか?
「でも僕が思う自由な踊りというのは、もっと面白く拡張できると思うので。コロナ禍を経て、皆1回、"ライブってどう楽しむんだろう"、"ダンスミュージックを踊るって何だろう"という、感覚が分裂してしまった状態にあると思っていますし。まだまだ僕は日本は踊れる音楽でもっと面白くなると思っています。若い人だけではなくて、どんな人でも皆が自由に楽しく踊れる空間を作りたいので、そこはまだまだ努力が必要。僕がどんどん作品を作ったり活動していく中で、伝えていかなければいけないなと思います」
――伝えていく。
「僕はライブで散々"ダンスは自由です"と伝えていますけど、それをひたすら伝え続ける。日本は踊る文化がないというか、音楽に対して体を動かす感覚がない国だなと思っています。でも一方で盆踊りとか、実は感覚的に踊っていることがあるんですけど、"踊る"というとパフォーマンス的なダンスを想像してしまいます。でもダンスミュージックはそういうものではなくて。そういうダンスもいいんですけど、盆踊りと同じで、皆できてるかできてないか分からないけど、その場で楽しく自分の気持ちを解放したり、共鳴する場所としてダンスがあると思っているので、それをシンプルに自分で作りたいなと思ってます」
――熊木さんご自身は、パフォーマンス的なダンスをされた経験は?
「1回もやったことないです。僕運動神経も悪くて。30人クラスだと25番目ぐらいに運動ができない感じでした。決まった振り付けのダンスも全然できなくて。でもダンスミュージックは好きなんです。だから"僕みたいな人が踊れるんだぞ"ということも伝えたいです。ダンスは能力ではなく、気持ちの問題なので。それを実現するには、僕がいかに"ダンスは自由です。下手でも何でもいいので自由に踊っていきましょう"と伝え続けるかに尽きるかなと思ってます」
――体の使い方を研究してるとおっしゃっていたので、何かスポーツをされてるのかなと思っていました。
「パーソナルジムで体の使い方を教わってから、"こうやれば運動ってちょっと上手くなったりするのかな"と思いました。あと20年早く教えてほしかったです(笑)」
――最近は熊木さん個人のお仕事も増えてきましたが、それがラッキリの活動と結びついたり還元されたり、ということはありますか?
「僕の場合どちらかというと、Lucky Kilimanjaroという自分の本当に表現したいものがあって、外仕事はその上でコラボしていく感覚なんですよ。自分の曲を他の人が歌ったり、他の人の中に入った時に、"こういうふうに吸収されるんだ"と目の前で感じられる。そこはすごく面白いなと思いますし、そういう意味では自分の制作にも活きてるのかな。でもあまり実感として考えたことはないです」
――違うものとして作ってる感じ?
「Lucky Kilimanjaroは僕の気持ちや、僕がどういう感情で何を歌いたいかを非常に大事にしてるんですけど、一方で外の人と仕事させていただく時は、その人が何を歌いたいのか、何を表現したいのか毎回聞くようにしてるんですよ。その上でフィーリングに合わせたものを作りたいので、サウンドも感覚も少し違うところはあります」
――クライアントワークでもありますもんね。
「そうですね。プロデューサーとして仕事する感じです」
――プレイヤーの目線もプロデューサーの目線もあり。
「バンドでも結局プロデュース作業をやっているので。でもやっぱり自分で歌って、自分で詞と曲を書くことが、自分の表現の中では重要だと個人的には思っているので。それが他の人の役に立てるなら楽しいなと思いながら、ラッキリ以外のお仕事もさせていただいてます」
他者との繋がりが自分を無限に広げてくれる
――前作の『後光』は『TOUR "Kimochy Season"』を廻りながら作られたということですが、『無限さ』と『靄晴らす』も、多忙な中でいつ作られていたのかなと。
「スタッフにも、"忙しい中よく作れますね"って褒められたんですけど、"お前らがそのスケジュール作ったんだろ!"と思ってました(笑)。まあでも、僕は基本的に家にいる時は制作するのが日常のルーティンの中にあるので、その中で出てきた幾つかのデモの中から選んだ曲ですね」
――以前のインタビューで、スケジュールが詰まってると書けないとおっしゃっていました。
「そういう点で言えば、少し慣れてきたかもしれないですね」
――忙しさに慣れてきた。
「ワーカホリック感が出てきたかもしれないですね(笑)」
――(笑)。ラッキリは健康も大事にしていますよね。
「夜は仕事はしないですね。睡眠を削って仕事するとうまくいくことがないので、絶対に寝るというのは大事にしてます」
――素晴らしい、偉い......!
「やっぱり睡眠を削って作ると、ハードなものがどんどんできてしまう気がしていて。生活に寄り添う音楽として、生活を削るのはおかしいという発想があるので。せめて寝ることと、メンバーでもあり奥さんのmaotakiさんと一緒にしっかりとご飯を食べること、そういうのは大事にしようとしてます」
――その暮らし方は昔からですか?
「結婚する前も、生活ペースは絶対崩さない、自分の仕事のペースを変に乱さないことは大事にしていました」
――『無限さ』のテーマは"繋がり"ということで、過去の作品から地続きになっているものもありそうだなと思いつつお聞きしますが、このテーマはどこから生まれてきたものですか?
「前作の『Kimochy Season』に入っている『闇明かし』という曲は、人との関係性の中で自分が救われることを歌っていたんですけど、皆も僕も他人との関係性の中で生きていますし、ダンスミュージックはそれこそ自分の内にどんどん入り込める音楽でもあるんですけど、同時に外とコミュニケーションしていくための音楽でもあって。そう考えた時に、"繋がりを再構成する2023年"を設定したんです。コロナが少し明けて、皆がコミュニケーションを取れるようになったタイミングで、どうやって切れたものをもう1回繋げて強くするか、"必要なもの"としての繋がりをどう表現していくか。それが『Kimochy Season』を作ってから、ずっと描きたいものの1つとしてありました。ライブは皆が本当に繋がって気持ち良いものを作ろうとしている。僕らのライブは、お互いに"個"を大事にしながら、その空間も愛せるようなものだよね、と思ったので、改めて繋がりについて歌ってみた感じですね」
――ツアー中のお客さんの反応や踊り方、全体の雰囲気を思いながら曲を書かれたんですね。
「はい、そうですね」
――イントロから美しくて、特にAメロの歌詞は優しいなと思いました。<Feel this love>という歌詞もあって、ラブソングかなと思いつつ、お客さんとの関係も反映されているのだろうと思いながら聴いていました。
「サウンド感は柔らかくても、しっかりと踊れる曲を意識しています。繋がりを歌うとなった時にハードなサウンドだと、"繋がりとは?"みたいになる感覚があるので、今回は少なくとも柔らかいサウンドにしようと思って、全体のサウンド構成も自分の歌い方も作っていきました」
――『後光』はファルセットを使った高めのボーカルで歌われていました。今作でもその雰囲気を少し感じますが、歌い方で意識されたことは?
「歌自体は、しっかりとフィーリングが伝わるように意識しました。もう日々の鍛錬なんですけど、『後光』と『でんでん』は、"歌というよりサウンドの1つとして声を使おう"というのが自分の中のテーマとしてあって。でも今作は"言葉であり歌である。しかしダンスミュージックでもある"というバランスに、1回自分が立ち返ったというか。自分のやりたい言葉の原点に立ち返ったので、より言葉を重視する歌い方になっている気がします」
――原点に返ろうと?
「返ろうというか、"やはりこれが自分の良いバランスだな"ということを、制作しながら改めて感じまして。サウンドでも言葉でも皆の心の中に入っていきたいと思いましたし、それをやりたいこととして大事にしました」
――『Kimochy Season』の時は、内省的でありつつもテクニカルになりすぎないよう自分の心の感情が残るような塩梅でサウンドを作っていったとお話してくださいましたが、それも踏まえての今作ですか?
「そうですね。『Kimochy Season』以降の自分のそのスタイルは変わらず、特に今回のシングルはその感覚が改めて出てると思います。一方で『Kimochy Season』ではできなかった細かい表現や、ちょっとしたサウンドのギミックは、自分の中で前より上手くできたなと感じる部分もあります。より1つの音の重み、言葉の重みを大事にして、いかに少ない言葉で皆に浸透させていくか。そこを表現できるようになったかなと、制作を終えて思いますね」
――インパクトのある"無限"という単語はどこから出てきたんですか?
「まだ何もアイデアがない時期の話なんですけど、トム・ミッシュというUKのギタリストがやっているSupershyというダンスミュージプロジェクトで今年リリースされた『Feel Like Makin' Love』という曲がありまして。僕が好きなダンスミュージックの柔らかさやエモーショナルさがしっかりと入ってる曲で、"これはすごい。無限に聴いていられるな"と思って、プレイリストの名前を"無限さ"と書いて、とりあえずその1曲だけを入れてました。自分の中のインスピレーションはそこから始まってます」
――プレイリストの名前だったんですね。
「"無限に聴いていられる。無限って何なんだろうな"みたいな感じから、"他者との関係性の中で自分が広がっていく、これって無限だな"と思って、"ラッキリでも無限を感じられる空間を作らねばな"、みたいなことを思いながら作った感じです」
――無限は可能性を感じる言葉ですね。
「そうですね。すごく開けていく感覚。歌詞にも<宇宙>という言葉を使っていますけど、狭かった自分の空間からどんどん開けていく感覚が、他人との関係性の中で出てくると僕は思っているので、そこを感じていただきたく、そのまま無限という言葉を使ってます」
――手応えのある1曲になりましたか。
「うーん、そうですね。好きな曲ではありますね。『でんでん』みたいに踊りに特化するのもすごくやりたいことですけど、自分がこれまで辛い時、苦しい時、悩んでいる時を救って支えてくれた音楽として、柔らかくてエモーショナルなダンスミュージックがあるので、それを表現できたのは1つ嬉しいですね」
――<道はこれから でも踊り方は知ってる>という歌詞からも、お客さんと一緒に進むイメージが湧きますし、ライブでも無限に広がっていきそうです。
「今曲がどんどん増えていて。過去との連結の仕方で、色んな繋ぎ方をすることで、今のダンスミュージックとして再構成し直すことがライブでできているので。それを皆に面白く楽しく、知ってる曲でも意外性をもって、それこそ曲の可能性を無限に感じてもらえるように組み立てるのが今すごく面白いです。ツアーでもそんなふうにしていきたい部分はありますね」
――楽曲の繋ぎ方もアップデートされているんですね。
「敢えて前回と同じ繋ぎを使うこともありますけど、基本的には意外性や、 "今この曲とこの曲がメッセージ的に繋がるからカッコ良いよね"という考え方で再構成してライブを作ってます」
――メッセージ性も考えて。
「Lucky Kilimanjaroの楽曲がそれぞれモジュールになっていて、"今回はこのモジュールとこのモジュールが合わさることでこういう意味性が出てくるよね"ということを考えながらライブしています」
タフに立ち向かうことと、休むことのバランスはすごく大事
――カップリングの『靄晴らす』は、何だか友達みたいな曲だなと思いました。
「嬉しい。友達」
――グチれる相手というか。
「なるほど」
――さっきおっしゃった、言葉と感情とサウンドの表現バランスが細かく計算されていそうだなと。例えばAメロの<そこそこです>の歌い方は、"そこそこ感"が素晴らしいと思って。
「確かに最初のAメロのバース部分は、少し投げやりさを出しました。"そこそこです、まあね"みたいな気分の歌い方で。コーラスが入ったら、それでもモヤっている自分の内省を吐露するような感覚で。そのパートに合わせてどういう感情を表現したいのか、どういう気持ちなのかを、歌やサウンド、コード感で全部変えて作っていて。そこが楽曲が色鮮やかに聴こえるエッセンスになるのかなと思ってます」
――なるほど。サウンドと心情のリンクが本当に良くて共感できました。そして、モヤり具合の表現の絶妙さが秀逸でした。
「自分が日常的にモヤっているので」
――<"あなたのためを思って">、<ご勘弁いただきてぇ雑なパワープレイ>は、心底分かるなと。
「皆絶対に他人とコミュニケーションする上で、あると思うんです。"こっちはもう何周もしてんだよな"みたいなモヤりが。衝突する上では仕方ない部分がいっぱいあるので。それで"まあいいや"と思うこともできる。そういう逃げ方も大事だと思う。でも一方で、それに対して最終的に向き合わなくてはいけない。そのモヤることに対して、両輪のパワーをしっかりと作りたかった曲ですね」
――アウトロのリフレインするフレーズと締めの力強さが最高でした。ラッキリは"タフさ"についてもずっと歌っておられますが、対抗していく気持ちも提示したいというのはあるんですか。
「僕は全てにアゲインストしていく、立ち向かう、向き合うことだけが戦い方ではないと思ってはいるんです。それこそ休むこと、逃げること、1回忘れることも絶対大事。だけど両方ないと、やはりバランスを崩してしまいます。それをいかに行き来できるかが大事で。でもこの曲は"タフに考える時間が必要だよね"とは思っているので、サウンドの1番カッコ良いところでは、そのタフさを出すようにしてます」
――感情のストーリー性があるというか、一連の流れで入り込みやすかったです。
「曲の感情のキャラクターがすごくあるので、皆の実際の体験とリンクさせて聴きやすい曲なのかなとは思ってます」
――抽象的なようでいて、情景が浮かびます。そういえば『Kimochy Season』あたりから、歌詞に固有名詞が入らなくなりましたね。
「少し量は減りましたね。解像度を上げてしまうことで、変に世界観ができ過ぎる。皆とリンクしようとしすぎたあまり、曲にキャラクターがつきすぎてしまって、皆の本当の内面と繋がることが難しいのではないかと思うことがあって。固有名詞を使うことはあっても、本当にジャストで"それ"というタイミングでしか使わなくなってきた感じはありますね」
――ちなみに『靄晴らす』も『無限さ』と同じタイミングできた曲ですか?
「全く同じタイミングで、8月終わりぐらいにできた曲です。まあ、日々モヤモヤすることは、元から自分の中でたくさんあるので。でもツアーを経て、自分の伝えたいこと、ダンスミュージックで伝えるべきこと、Lucky Kilimanjaroが皆と踊るために何が必要かを考えた2曲だと思います」
――躍らせることへの使命感みたいなものってあるんですか?
「使命感ですか。僕の中でダンスミュージックシーンやクラブシーンを盛り上げたい、面白くしたいみたいなのは、メインの欲望としては全然ないです。単純に踊ることをもっと面白くしたいとずっと思ってて。ダンスミュージックは人生にどんどん入っていける音楽ですし、"何でこんなに聴かれてないんだ"みたいな気持ちはあるので、そういう意味でしっかりと踊らせたいです。エレクトロだけではなくて、それこそロックミュージックでもポップスでも、どんな音楽でも当たり前の感覚として踊ることを入れたい。使命感というか、それを面白いと思うからやりたい。だから背負ってる感覚はないですね。Lucky Kilimanjaroという空間は背負ってるなと思いますけど」
――なるほど。
「ゆえに、やはり自分の気持ちを正直に表現して曲に出せてると思いますし、楽しくクリエイティブに皆を踊らせることにフォーカスしてる感じです」
――皆を踊らせることに対して、アイデアが全然枯れないのがすごいです。
「アプローチがね(笑)。でも毎回枯れたなと思ってますよ。"ああ、もう次はないな、出せないな"って(笑)」
――そうなんですか。
「1回のシングルに対して、いつも大体何となく5曲ぐらい書くんです。その5曲から"この2曲が今出すべきだと思う"とメンバーで会議して決めるんですけど、残り3曲は僕の場合、あまり次に使わない。5アイデア使って、"あ、もう5アイデアもなくなっちゃった。どうしようかな"みたいな」
――へえ~!
「その時だから出したい、という曲だったので。後でもう1回"出してみてもいいかな"と思うことはありますけど、結局選ばれることはないですね」
――ストックがあるわけではないんですね。
「その時で作ってます。ストックしても"何か足りないな、やっぱり違うな"とやめてしまいます」
――次に書きたいテーマが生まれたら、自然に出てくるってことですよね。
「そうです。言葉やサウンド、こういうふうに踊らせたいな、こういう感情と一緒にダンスを持ち込みたいなとアイデアが出てきた時に、"じゃあそれをどうやって表現しようかな"と考えたり。なのでシングルを色んな人に聴いてもらったり、ツアーでやる中でまた次のテーマは出てくると思いますね」
――生き物みたいですね。
「まさにそうです。制作する人はもう生き物だと思ってます」
踊る場所を作る。それが今、Lucky Kilimanjaroに求められていること
――『無限さ』のジャケットが可愛くて面白いですね。アイデアはどなたが出されたんですか?
「これ良いですよね。MVを撮ってるチームにそのままやってもらっていて。"メンバーが無限に増えているものだと面白いんじゃない?"みたいな。本当に何回も何回も撮りました(笑)」
――熊木さんが柴田(昌輝/ds.)さんの胸ぐらを思い切り掴んでいるのが(笑)。
「(笑)。意外とフォーカスされてるというか、すごい目に入ってきますよね。衣装が白いのもあるかもしれないですけど」
――仲良しで良いですね。
「バンドの空気が出てると思います。バンドもお互いのリスペクトと支え合いでできている集団なので。この感じ、何か良いですね」
――来年は結成10周年ですね。
「活動開始してから10周年。10年って数字で考えると少し長いなと思ったんですけど、この前個人的にワイナリーさんに旅行に行ったんですよ。ワインの木って、ちゃんと生産できるようになるまでに7年かかるらしくて。"何だ、ワインだとまだひよっこじゃねえか"と。"Lucky Kilimanjaroもようやくじゃねえか。頑張ろう"と思ったというお話でした(笑)」
――気持ち新たに。
「確かに10年ですけど、俺がやりたいダンスの"面白い"はようやく開いてきたぐらいだよなと思ったので、驕ることなくやっていきます」
――そしてツアー『YAMAODORI 2023』が10月29日(日)の金沢EIGHT HALLから始まります。大阪は2本目、11月5日(日)のZepp Namba。ファイナルは来年1月8日(月・祝)の東京国際フォーラム ホールAで、キャパも大きくなりました。
「『YAMAODORI』は去年からやっていて。元々は2021年の『21 Dancers』から始まりました。僕たち、基本的に秋ツアーは今持っている曲で"今年を踊り切るためにどうするのか、次の年に踊るというのは、今お客さんと一緒に踊る楽しさを共有し合うにはどういうセットがいいのか?"に注力した、アルバムとは違うツアーセットですね」
――実質3回目の『YAMAODORI』、どんな気合いで臨みますか?
「アルバムツアーはアルバムの空気を表現しなくてはいけないプレッシャーもあって。新曲も多いですし、アルバムツアーの方が大変なんです。『YAMAODORI』はほんとに自分たちが今面白いと思ってることをストレートにやれるので、とても楽しみにしてる感じです」
――『YAMAODORI』自体がラッキリの1つのライフワークになっていきそうな気がします。
「そうですね。こういう踊る場所を作ることが、今Lucky Kilimanjaroに求められていることというか、僕がやった方がいいと思ってることなので。皆がYAMAODORIできる場所をちゃんと作っていこうと思ってます」
Text by ERI KUBOTA
(2023年11月 1日更新)
Single『無限さ/靄晴らす』
配信中
《収録曲》
1. 無限さ
2. 靄晴らす
同じ大学の軽音サークルで出会った6人で結成。彼らが自ら考案した「世界中の毎日をおどらせる」というバンドのテーマを掲げ、昨日から今日へ、そして明日へ。連続する日々を、そこにある私たちの生活と心をも、おどらせる。2018年にEP『HUG』でメジャーデビュー。その後、2020年にはメジャー初のフルアルバム『!magination』を、2021年にはメジャー2ndフルアルバム『DAILY BOP』をリリース。作詞作曲を手掛けるボーカル・熊木幸丸の多作ぶりとバンドとしてのリリーススピードの速さで周囲を驚かせながら、作品を経る毎にクリエイティビティとキャパシティを広げている。時代や自己の内部に深く向き合いながらも、まるで友達のように親密な語り口で聴き手に寄り添いながら、明日をよりよく生きるための新たな視点と提案をもたらす歌詞。そして、先鋭的なポップミュージックのビート感やサウンド感を貪欲に取り入れながらも、きっと多くの人が懐かしさを感じるであろう、日本語の歌としての喜びを突き詰めていく熊木のソングライティングは、蔦谷好位置やヒャダインといった音楽家たちからも高く評価され、また、Hey!Say!JUMPやDISH//といったアーティストへの楽曲提供にも繋がっている。2021年4月には日比谷野外大音楽堂での初のワンマンライブを開催。その後、5月から Zepp Haneda をファイナルとした7都市を回る初の全国ツアーを敢行し、さらに10月からは新たな全国ツアーを開催。このツアーではファイナル公演のZepp DiverCityがソールドアウドしたことに伴い、新木場STUDIO COASTでの追加公演も開催された。会場のキャパシティはツアーを追うごとに大きくなっているが、そこで生み出される興奮の濃度は、薄まるどころか、むしろライブを追うごとに色濃くなっている。2022年3月30日フルアルバム『TOUGH PLAY』を発売。アルバムを引っ提げたバンド史上最大動員の全国ツアー『Lucky Kilimanjaro presents.TOUR “TOUGH PLAY”』のファイナルをパシフィコ横浜で開催。7月13日「ファジーサマー」発売と『Lucky Kilimanjaropresents. TOUR ”YAMAODORI 2022”』の開催を発表。2023年4月5日にリリースされた4thフルアルバム『Kimochy Season』、7月『後光/でんでん』に続き、10月18日には『無限さ/靄晴らす』をリリース。10月29日からは『Lucky Kilimanjaropresents. TOUR ”YAMAODORI 2023”』がスタート。ますます世界中の毎日をおどらせ続けている。
Lucky Kilimanjaro オフィシャルサイト
http://luckykilimanjaro.net/
【石川公演】
▼10月29日(日) 金沢EIGHT HALL
チケット発売中 Pコード:247-398
▼11月5日(日) 18:00
Zepp Namba(OSAKA)
1Fスタンディング-5000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2F指定席-5000円(ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可、小学生以上は有料。
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]清水音泉■06-6357-3666
【広島公演】
▼11月12日(日) 広島クラブクアトロ
【宮城公演】
▼11月19日(日) 仙台PIT
【愛知公演】
▼11月23日(木・祝) Zepp Nagoya
【福岡公演】
▼11月26日(日) Zepp Fukuoka
【北海道公演】
▼12月9日(土) Zepp Sapporo
【神奈川公演】
▼12月24日(日) KT Zepp Yokohama
【東京公演】
▼2024年1月8日(月) 東京国際フォーラム ホールA