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1997年の結成から今年で25周年――
パンクを奏で続けてきたLINKの3人が、
「バンドをやってきて今が一番楽しい」と言えるワケ

1997年に、横浜にある同じ高校在学中に結成されたロックンロールパンクバンド・LINK。エモーショナルでエッジの効いた3人の音楽とパフォーマンスは瞬く間に話題となり、2003年にはGREEN DAY のビリー・ジョーのレーベル『ADELINE RECORDS』より全世界リリース&アメリカでツアーを行うなどグローバルに活動の幅を広げるも2008年に解散。そして2年間の沈黙ののち2010年に再び動き出した。以降独自のペースで活動を続けていた彼らが結成から25周年を迎えた2023年、何やら騒がしい。3月にASIAN KUNG-FU GENERATION後藤正文との共同プロデュースによる『月の花 EP』を only in dreams からリリースすると同時に、日本発売旧譜アルバム全8タイトル&シングル 3タイトルのサブスクリプションを解禁し、リリースツアーを行うなどこれまで以上に精力的に活動を展開してきたのである。そして12 月 には 12 年ぶりとなるニューアルバム『太陽と月のビートニクス』のリリース、結成 25 周年ライブ@クラブチッタが控えるなどまさにトピックスだらけだ。11月某日、LINKの柳井良太(Vo/Gt)、小森誠(Vo/Ba)、山上教経(Dr/Cho)とZoomをつなぎ、全員インタビューをする機会を得た。その中で発せられた「バンドをやってきて今が一番楽しい」という言葉が印象的な1時間だった。記事を読んでもらえばよくわかる。今なぜ彼らはLINKで音を奏でることが楽しいのか、その理由が。

初めて組んだバンドを
25年続けられているのはラッキーだ


――まずはLINK結成25周年おめでとうございます! 率直に今どんなお気持ちでしょうか。

柳井「長かったようで...その現場、現場を一生懸命やってきたらいつの間にか25年経っていたという感じです。ただ、"今を見ている"という感じで来たので早かったといえば早かったかな」

小森「僕らは高校の同級生でバンドを結成したんですけど、ずっと3人仲がいいんです。25年と言われると長いけど、僕らは常にその瞬間で最高のものを作ろうと意識してきたので、長さは感じなかった。3人ともいつだって今が最高という気持ちでいたと思うんです。気づいたら25年でしたね」

山上「確かにあっという間に今という感じで、実感がないですね。これまで何周年とか気にしたこともなかったから、いつもどおりのことを3人でやっていただけでここまできたかな」

――とはいえ25年という長い時間を積み重ねているわけで...。この長い時間の中でよかったことや悪かったこと、思い出されることはありますか?

小森「僕は、バンドを組めたことですよね」

――おおっ!

小森「小さい頃からバンドを組むのが夢だったので、組めた時点で夢が叶っているんです。小中学生の頃MTVが流行って、バンドってかっこいいなあと思った流れで楽器を始めたので、僕がラッキーなのは初めて組んだバンドを25年続けていることですよね」

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――それはなかなかないことですよね。柳井さんは?

柳井「僕はあえて悪かったことを挙げるんですけど、20歳ぐらいの頃パニック障害になりまして、3年ほどかけて完治させました。曲作りとライブをストイックにやった反動だったのかなと思います。その状況で香港にライブに行った時は小森やノリ(山上)、スタッフにも支えられて乗り越えたけどしんどかったですね」

――そのしんどい時期を乗り越えたというのは、自信にもなっているのではないですか?

柳井「めちゃくちゃ自信になりました。あまり薬に頼らず、整えていく方法で完治したんですが、自分の精神力を信じてやれてよかったなと。あとよかったことはめちゃくちゃあるんですけど、本当に25周年迎えられてよかったですね。今やりたいことを音源に込めることもできました」

山上「ライブをたくさんしてきていろんな土地に行っていろんな人に会えて、それって特殊な生活だと思うんです。やっている当時も楽しかったけど、今尚更に思いますね。若い頃に好きなことをやれたのは、人生の宝物ですよね。悪いことは...なんだろうな?」

――3人ともバンドとしては順風満帆だった、と。

柳井「そうですね。海外でのリリースも経験できましたし。世界中で曲を聞いてもらえたり、海外の人にいいねと言ってもらえたのもうれしくて。アメリカでも2回ツアーができましたし、アメリカでいいものを得られたという喜びはありました」

――海外と日本でライブをすることの決定的な違いは感じられましたか?

小森「ライブに関しては海外の反応はすごく素直だなと思います。やればやっただけリアクションが大きく返ってくるというか。最初に行った時はLINKを知っているお客さんはひとりもいなかったけど、向こうのレーベルの人が街中にビラを貼ってくれて。1曲目は様子を見ていたお客さんも曲が進むとドンドン乗ってきて、CDもバンバン買ってくれてすぐになくなっちゃったこともありました。それを若いうちに体験できたのはよかったです」

――なるほど。もう少し活動について振り返ってみたいなと思うのですが、1997年から一度解散をする2008年までがLINKファーストシーズンに当たるのかなと思うのですが、この最初の活動で得られたこととしてはどんなことがあったでしょうか。

柳井「解散したのが川崎のクラブチッタだったんですけど、それが終わった時にすごくファンの方々から改めて応援メッセージをもらったんですね。その時にLINKは愛されていたんだとすごく実感して。それまではがむしゃらすぎて、実感できていなかったんです」

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――解散するなんて言わなきゃよかったと思ったり...?

柳井「...それはなかったですけど(笑)」

小森「バンドを結成した当時から本当に音楽漬けの生活を続けてきて、研ぎ澄まされた状態でやってきたからこそ活動の中で得られるものは大きかったですね。今でもそうだけど、自分たちの音楽が一番いいと思っていますから」

――素敵ですね。

小森「バンドを組んで初めてオリジナルの曲を作った時から間違いないっていう感覚があって、それが今もブレずにやれているのはいい性格だなぁと思いますよね」

山上「僕もそれは一緒ですね。LINKをやる前からいろんなバンドでドラムを叩いていたんですけど、LINKで叩き始めたら違うものを感じました。そう思えたバンドを25年続けてきて...解散の前は3人で喧嘩したりしていたので、あそこでストップするのも必要なことだったと思うし、そこからまた再結成できたのもすごくよかった。スタジオで音を出しても"アレ"で通じるのでね、そこはいいですよね」

――まるで夫婦のようです(笑)。一度解散して、また動き出したことで今はセカンドシーズンに入られている印象ですけども、LINKファーストシーズンとセカンドシーズン、決定的に変わったこと、また全く変わっていないことはあるのでしょうか。

山上「さっき柳井のパニック障害の話もありましたけど、ふたりが曲を作っているので、僕から見ると大きなプレッシャーや重圧を抱えているだろうなと思うんです。一度LINKを離れてみんなそれぞれ音楽活動をしたり仕事を始めたりして、その中でやっぱりLINKはなくしちゃいけないものだと柳井が声をかけてくれて。生活の一部としてLINKはないといけないと。今は昔ほど気負わずバンドができているのかなと感じています。柳井も小森もリラックスして音楽活動をできているのかなと」

――柳井さんはどんな気持ちで再結成の声をかけたのでしょう?

柳井「表現者は何かを作り続けなければいけないということを常々思っていて、僕は歌詞を書いたりメロディーをつけたり、バンドで演奏して世の中に送り続けているわけですけど、そういうことができる人はやり続けるべきだと思います。それが人に想像力を与えることにもつながるなと。それが声をかけた理由ですかね。個人的に言えば、ファーストシーズンはひとりよがりな部分がめちゃくちゃありました。でも今は小森のよさ、ノリのよさをもっと見られるようになったし、頭の中でちゃんと三等分するような形を想像して曲を作れているなと思います」

――先ほど山上さんがおっしゃっていた「気負いのなさ」は間違いなくあると。

柳井「そうかもしれないですね。ふたりを信頼して委ねている部分はあります」

小森「LINKの第1期を経て、いろんな音楽をやったり仕事をしたり、家族ができたりいろんなことが起きて、自然と今まで見ていなかった世界が見られるようになって視野が広がったので、そこからまた見えてくるものがあって音楽の聞き方も変わりました。それもあって若い頃と音楽の聞き方も変わってきたのかもしれないです。人の痛みとか悲しみとか愛おしさとか、そういうこともわかるようになってきて、そういう感覚で再結成をしてまたLINKを始めたことで、ふたりに対する感情も、ライブ1本に対する感情もまた変わってきているなとも思います」

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詞を前に出すことを意識した
NewAL『太陽と月のビートニクス』


――みなさんそれぞれの思いを重ねてきた中で、この12月に12年ぶりのニューアルバムをリリースされるわけですが、今年3月には先行する形で『月の花EP』をリリースされました。まずあの作品ではどんな反応を得られたでしょうか。

小森「反応はよかったです。あのEPからアジカンの後藤くんをプロデュースに迎えまして。実はこの話は、コロナの前からあったんです。僕、後藤くんとよくふたりで酒を飲んで音楽の話をする仲で、音作りの相談もしていました。LINKを再結成してからはセルフプロデュースでやってきて、自分たちの中でいいと思っているものを作り続けているんだけどひとつ抜けない部分が毎回ありました」

――それは3人共が「抜けない部分があるな」と感じていたんですか?

柳井「音作りに関しては感じていました」

――音作りに何かひと工夫欲しいという話は、3人で共有されていたのでしょうか。

小森「それは僕がメンバーに話をする前に、後藤くんに相談しました。ミックスやマスタリングをしていてもなかなか思うようにいかなかったりしていたので、もう自分の力だけでは先に進めないぞと。そこでLINKのことを俯瞰して見てくれるのは、昔から僕たちのことを知ってくれている人だと思っていたので、後藤くんしかいないかなと相談してみたら快くプロデュースを引き受けてくれました」

――そもそもLINKと後藤さん、アジカンとの出会いというのは?

小森「入っているスタジオが一緒だったんです。アジカンのドラムの(伊地知)潔くんと柳井が仲良かったのかな?」

柳井「うん。スタジオのフリースペースが広かったから、そこにあった人生ゲームやりながら酒を飲んだりしていて、潔くんやCARAMELMANやDr.DOWNERら横浜〜横須賀界隈のバンドの人たちの憩いの場になっていましたね」

――旧知の仲なんですね。まず3月に後藤さんプロデュースでEPを出したことで、発見などはあったのでしょうか。

小森「レコーディングに関しては音作りが思ったように進んだし、ドラムテックで潔くんが入ってくれたこともすごくよかったと思います。ただEPに入れた最初の4曲は、後藤くんとやるのが初めてだったこともあってお互い探り探りの部分はありました。ただ、録るごとに音がよくなっていったので俺たちの歌い方や声、演奏のクセを後藤くんが肌感覚で掴んでくれて、そこでブラッシュアップされていったのはあると思います」

――具体的に後藤さんはどんな作業で関わられたのか伺えますか?

柳井「曲作りに関しても見てもらったり相談した部分もありました。後藤くんは僕の歌詞をすごく褒めてくれるんですね。これまであまりそういうふうに歌詞の表層の部分ではなく、詩の部分を褒められたことがなかったので、それがすごくうれしくて。後藤くんはそこをもっと活かした方がいいと言ってくれた曲作りの始まりでした。詩的な部分に振りつつ、革新的なものも含ませていくという曲作りをしました。そういう部分では今までよりも研ぎ澄まされたものでありつつ、ユーモアもある曲が揃いました。まずデモ段階で後藤くんに聞いてもらうと、だいたい褒めてくれるんですよ(笑)」

――いいプロデューサーですねぇ。

柳井「そこでもう少しこういう曲が欲しいとか、LINKはパンクバンドだから、もっとパンクテイストの荒い曲に詞を乗せるみたいな曲があった方がいいというアドバイスをもらって曲作りに活かしたり、歌入れの時に言葉の数が多すぎて歌詞が聞き取れないところがちょこちょこ出てきて、そこの譜割りを変えたり、思い切って歌詞を削ったりもしました。歌いたい部分としては大事だけど、聞き取り手の聞こえやすさや伝わりやすさを考えるのも大事というところを教わって、修正も一緒に行いました」

――お話を聞いていると、何より後藤さんがLINKのファンなのかなと感じます。愛している、というか。

柳井「ありがたいことに、本当にこの1年そうでしたね(笑)」

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――そんな愛と共に制作されたニューアルバム『太陽と月のビートニクス』、ひと足お先に拝聴させていただきました。みなさんと同世代の私にとっては懐かしくもあり、でもすごく新しい空気もあり、そしてウキウキする、感情がいい感じにグルグルとする素晴らしいアルバムでした。この作品はどのように制作は進んだのでしょう?

柳井「アルバムを作ろう! とスタートしているので、アルバム前提でその前にリリースしたEPの制作が進んだという順番ですね」

――EP4曲に、アルバムとしてボリュームを持たせるための曲を補強していくようなイメージですか?

柳井「いや、ほぼ同時進行で進めた感じですね。ただ「月の花」を録り終わった後に、まだこういう曲もできるなとか感じたのは多かったので、そこから進んだこともありました。そう考えると後藤くんと一度EPを作ったことによってアルバムの形がより研ぎ澄まされたものになりました」

――その制作時の気分はすごく作品に反映されるのでは? と思うのですが、みなさんアルバム制作中はどんな気分で制作にあたられていたのでしょうか。

小森「今回はみんなのスケジュールを合わせるのが難しかったこともあってレコーディングがすごく長くて。その長い間、集中力が全く途切れることなくずっといいテンションでいられたんですね」

――それ、何か要因は見えていますか?

小森「レコーディング、すげぇ楽しかったんですよ。僕たち3人だけじゃなくて後藤くんも、スタッフもみんな力を貸してくれてみんなで作ったアルバムですけど、本当に楽しくて。めちゃくちゃ満たされて得るものもたくさん、勉強できたこともいっぱいあって。今が一番楽しいと思えるほどレコーディングが楽しかったので、マスタリングが終わった時うれしさとさみしさが同じくらいありましたね」

山上「LINKは詞が大事だと思っているので、ドラムは悪くいうと歌を邪魔しちゃうんですよ。ファーストシーズンの最後ぐらいから、LINKの歌詞の世界はすごいことを歌っているなということに遅まきながら気づいて。そこからは詞の世界観、より突き刺さるものをお客さんに届けたいということを意識し始めて、今回もすごい詞の曲がたくさんあるのでなるべくじゃましないドラミングを意識したり。自分が思ったアイデアを余すことなく出せたので、とてもいいレコーディングでした」

――そんなふうにみなさんがレコーディングを進められた中で、この曲ができたからこそこのアルバムの核ができたと思えた曲はありましたか?

柳井「やっぱり「月の花」はすごく大きかったですね。3人で合わせている時点で割と革新的ないいものができたと思いましたけど、それを後藤くんと録音して出来上がったものを確認した時に、これはもう完璧で最高なものができたと確信できた曲でした。ちなみに僕ら3人同い年で、後藤くんだけ少し年上なんですよ」

――ほぅ!

柳井「部活動に先輩が来たみたいな楽しさとうれしさがあって。そういう気持ちで1年間録音作業ができたのは楽しかったですね。同級生でやっていた部活にスキルを持っている先輩が来て、いろいろ教えてくれた感覚があって楽しかったです」

――「月の花」ができたことで、アルバムの全体像が見えてきた感じはありましたか?

小森「確かに「月の花」は大きかったと思いますね。久々にこれだ! みたいな。あの曲はいろんな人に言われるんですけど「LINKだ!」っていう曲なんですよね。昔のLINKとも違って今のLINKを体現している曲ができたので、やっぱり自分たちにこういう曲が合うなというのもよくわかったし、この曲に引っ張られていろんな曲ができてきたというのもあります」

――「月の花」が完成してから見えてきたアルバムの方向性を、具体的に言葉にすることはできますか。

小森「それ、結構難しいですよね...」

柳井「曲作りの時点で、こんなに遊べるのに言いたいことがしっかりサビで言えるっていうやり方で代表曲を作ることができたっていうのは僕の中ですごく大きくて。Aメロではいろいろなイメージや情景描写で受け取り手の世界観や景色を見てもらって、サビで確信を言うのは基本といえば基本だけど、そのAメロの幅の広がりをめちゃくちゃ出せて。かつ革新的な言葉が言えて、曲のイメージを伝えられて、それが代表曲になる。それはある意味自分が作ってきた曲の中で初めてだったかもしれないです」

――私がアルバムを聞いていてすごく印象的だったのは、しっかりと歌詞が聞こえてくることで、その分すごくメッセージが伝わってくるなと思いました。最近流行っている音楽の傾向としては、歌詞も音として捉えるようなものが多いせいか歌詞が聞き取れないものもあるなと感じていたところでした。

小森「伝えることを大事にしたというのは大きかったと思います。ただ、どういうアルバムにするかというのを言葉にするのは難しいと言いましたけど、まず一番大きかったのは柳井の詞を全員で受け止めて、それを前に出すというのはあったと思います」

――先ほど山上さんも詞を前に出すドラミングを心がけているとおっしゃっていました。

小森「そうですね。今まではそこまで詞を前に出すことはしていなかったので、今回後藤くんと一緒にやることで、そこを前に出す...EPよりアルバムはもっと前に言葉を出せていると思うんです。うん、詞ですね。すごく詞を意識したアルバムになったと思います」

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――個人的には「シンシャ」の歌詞がまるでネクスト「深夜高速」(フラワーカンパニーズ)かのように心にブッ刺さりました。ぜひアルバムの中でも注目してもらいたい1曲なのですが、ちなみに「シンシャ」というのは何を指しているのでしょう?

柳井「シンシャは宝石の原石の名前なんです。そこからタイトルをつけました」

――そうなんですね! それはお伺いしないとわからなかったかもしれないです。これからこの曲を聞かれるみなさんは、ぜひ歌詞の世界にどっぷり浸りながら聞いていただきたいと思います。アルバムはリリースまでもう少し時間がありますが、今リリースを前にどんな気持ちですか?

小森「久しぶりにアルバム作って、めちゃくちゃ自分で聞いていますね。ミックスとマスタリングで聞きまくるからできあがって自分の作品を聞くことなかったけど、このアルバムは好きでめちゃくちゃ聞いています」

柳井「僕も聞いていますね」

――聞き重ねる中で発見はありますか?

柳井「どちらかというと、ここ大丈夫だったかなとか確認しながら聞いている感覚に近いんですけど、ミスがひとつもないです(笑)」

小森「あんな作業したなぁとか思い出しますよね」

――そういうことがまた次の作品に活かせたりもしますよね。

柳井「そうですね、あると思います」

――そしてこの後、25周年記念ライブがクラブチッタで開催されます。今、どんなライブにしようかなどイメージしていることはありますか?

小森「そうですね、25年の集大成になるのでオールタイムベストな選曲でやりたいと思っていますけど、来てくれた人はもちろん、自分たちも最高に楽しめるものにしたいなと思っています」

――せっかくならツアーにしてください! とも思います。ぜひ関西でも! と。

小森「あははは!」

柳井「そうですよねぇ。全然考えていなかったけど、来年1年間かけてそういうことをやるのもありかもしれないですよね」

――各地でいろんな方が待ち焦がれていると思うので、ぜひご検討ください! そして最後に、次は30周年に向けてまた走り出していくと思うのですが、今後また長い時間をかけてやっていきたいことなどありますか?

小森「長い時間をかけるかどうかはわからないですけど、曲を作り続けたいですね。せっかく今回のレコーディングでいろいろ勉強して楽しかった思い出もありますし、次の曲に早く生かしたいなと思うので、曲作りをしたいですね」

柳井「バンドをやって曲を作って詞を書いて、演奏するっていうことをし続けてきたのでそれは変わらずに、表現者としてアーティストとしてやっていくことが全てだと思っています。音楽でも映画でも、そういうふうに表現されたものを受け取ることで、人の気持ちがわかるようになってくると思うんです。人の気持ちがわかるようになると、人に優しくなれると思っていて、今の時代で必要なことだなと。人に優しくなれると戦争もなくなるはずなので、アーティストは表現することを辞めてはダメだし、表現できる場をなくさないようにしたいですね。人が争わないために、芸術は大事なものだと思います」

――山上さんはどうでしょう?

山上「次は30周年どうですか? 35周年どうですか? とインタビューしていただけるのかわからないけど、LINKは続いていくだろうし。コロナも落ち着いたので、各地の人にライブを見てもらえるタイミングを作って...またいろんな土地に行って、生で音楽を届けられたらいいなと思います」

―LINK30周年、35周年の頃までぴあ関西版WEBも頑張って続けますので、その際はぜひまたインタビューよろしくお願いします!

取材・文/桃井麻依子

ライブ写真:「月の花 EP Release Tour 2023」2023年7月2日(日)東京・下北沢SHELTER公演より
撮影/MASANORI"Sha-Show"NAKANO




(2023年11月20日更新)


Check

Release

New Album『太陽と月のビートニクス』
2023年12月6日(水)CD+配信にて発売
※12月3日(日)ライブ会場にて先行発売
2799円
only in dreams

『シンシャ』
アルバムより先行配信中

『ブライトシティフォーエバー』
アルバムより先行配信中

後藤正文との共同プロデュース作品

『月の花 EP』

《収録曲》
1. 月の花
2. Oxytocin
3. ライフストーリー
4. ファウンテン

1500円(税別)

Profile

リンク…柳井良太(Vo/Gt)、小森誠(Vo/Ba)、山上教経(Dr/Cho)の高校の同級生が集まり、1997年8月に横浜でバンドを結成。2003年にはGREEN DAY のビリー・ジョーのレーベル『ADELINE RECORDS』より全世界リリース&アメリカでツアーを行うなど活動の幅を広げるも2008年に解散。2010年にバンドを再始動させると、マイペースにリリースやライブを続けながら、2023年にバンド結成25周年を迎えた。3月にはASIAN KUNG-FU GENERATION後藤正文との共同プロデュースによる『月の花 EP』をリリースすると同時に、サブスクリプションを解禁。そして12 月 には 12 年ぶりとなるニューアルバム『太陽と月のビートニクス』のリリース、結成 25 周年ライブ@クラブチッタに、ASIAN KUNG-FU GENERATIONを迎えて2マンライブを開催。

LINK オフィシャルサイト
http://link1997.com/

LINK25周年記念サイト
https://www.onlyindreams.com/link25th/


Live

LINK結成25周年記念ライブ

チケット発売中 Pコード:255-855
▼12月3日(日) 17:00
CLUB CITTA’
オールスタンディング(一般)-4800円
オールスタンディング(U-23割引)-3900円
[ゲスト]ASIAN KUNG-FU GENERATION
※小学生以上チケット必要。未就学児入場不可。ドリンク代別途必要。【U-23割引チケットについて】公演当日に23歳以下の方が対象となります。当日会場にて年齢証明ができるもの「学生証・公的写真付証明書 (マイナンバーカード・免許証等) 」をご持参下さい。当日会場にて証明書をご提示いただけなかった方は、当チケットの対象にはなりません。お忘れになりませんよう、必ず証明書をお持ちいただきご提示をお願いいたします。
[問]クラブチッタ■044-246-8888

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