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KALMAのメンバー全員が「最高傑作」と口を揃える
ミニアルバム『ムソウ』に描かれた恋愛体験、
歌を通して気持ちを伝える理由「歌だったらまっすぐ『大好き』と
言えるのに現実だとなんで言えないんだろう」

2020年3月のメジャーデビュー前から高校生バンドとして注目を集めていたKALMA。『SWEET LOVE SHOWER』『JOIN ALIVE』『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』など大型イベントにも出演、活動の規模感が拡大している。そんなKALMAの4thミニアルバム『ムソウ』が10月18日にリリースされた。全員が「最高傑作」と言う同作は、どんな内容なのか。11月よりスタートするワンマンツアー『ムソウニナラス』のことも含めて、畑山悠月(Vo&Gt)、斉藤陸斗(Ba&Cho)、金田竜也(Dr&Cho)に話を聞いた。

――ミニアルバム『ムソウ』はこれまで以上にキャッチーな要素も強く、より多くの音楽ファンに届きそうな作品だと感じました。

畑山:自分たちにとっても好感触な作品になりました。毎回、アルバムを作るたびに「今が最高だ」と思いますが、今回はまた違った「今が最高」を実感できたんです。というのも、今まではアルバムであっても曲単体で見られていた気がしていました。でも今回は、ひとつの作品としてすごく良いものができたんです。曲に関してはこれまでにないくらい全曲、キーが高くて歌うのは大変でした。でもキャッチーで、飽きずに何回も聴けるだろうなって。

斉藤:ライブでガッとフロアが盛り上がる曲もあるし、聴き入るものもある。この8曲の並びが、一つのライブのセットリストみたいになっています。聴いてくれる方も「どれが好きか」という声が、これまでの作品のなかでもっともバラけていますし。ここまで反応してくれているのは、良いアルバムが作れた証しなんだと思います。

金田:間違いなく、最高傑作。今までは、アルバムを作るなかでそれぞれ「こっちの方がいいんじゃない?」とか意見が分かれたりもしていました。もちろん、それは作品づくりにおいてとても重要なこと。でも今回はそれがあまりなくて「これ良いじゃん、良いじゃん」と、みんなが納得する割合が多かった印象です。今のKALMAがやりたいことがすごくあらわれています。

――テーマみたいなものがはっきり定まっていたことが、良い作品が出来上がった要因なのでしょうか。

畑山:伝えたい内容は、歌詞の面でははっきり備わっていました。でもやりたい音楽については、それぞれちょっと違いました。たとえば、みんな牛肉は食べたいけど食べ方が違うというか。焼き肉なのか、牛丼なのか、ステーキなのか。でも根本の「牛肉が食べたい」という部分はみんな同じでブレなかった。だから食い違いがなかったんです。すごく良いリズム感で作れました。竜也、陸斗も今まで以上に「こうしよう」と言ってくれて、二人のやりたいこともたくさん詰まっています。そういう意味で、3人でちゃんと音楽が作れました。

――特徴としては、「好き」という感情を誰かに向けたものが多いですよね。でもなんだかみなさん、面と向かって人に「好き」とは言えないけど、歌にすればなんとか伝えられる感じがあって、そこがすごく良かったです。

畑山:確かに僕は歌の方が気持ちを伝えられますね。歌を通さないと苦手......というか、相手の気持ちをすごく考えちゃって。それが優しさだと思っているから、直接はっきり気持ちを言えないことが多々あります。でも最近、友だちに「それは優しさではなく、情けなさだ」と指摘されました。「そうだよな」と思ったりもして......。でも、歌だったらまっすぐ「大好き」と言えるのに現実だとなんで言えないんだろう?

金田:でも僕も、あまり大きく感情を人にぶつけたり、さらけ出したりすることが少ないから。やっぱりドラムを叩いているときが一番、気持ちの浮き沈みがあります。悠月にくらべると人に直接なにかを伝えることに躊躇はないけど、でも音楽を通した方が素直に想いを吐き出せますね。

斉藤:僕は直接なんでも言える派だけど、でも『ムソウ』に並んでいる曲や歌詞みたいに「好き」を伝える曲がこんなにズラッと並んでいることはなかったよね。だからこそ、「自分もこういう風に思う」と共感を持って聴いてもらえるんじゃないかなって。『ムソウ』を聴いて、恋愛面で勇気が出た人も少なくないはず。みんな、歌詞を書いた悠月の恋愛に背中を押されてください(笑)。

畑山:逆に「アローン」は失恋を経験した直後に書いた曲だけど、直後だけあってすぐに出来上がった。歌詞もスムーズに書けたし。「デート!」や「モーニングラブ」は自分の幸せとか、相手を大好きだという経験のなかで書いて、これも割と悩まず書けたんです。だから自分は、誰かのことが大好きなときと「もうだめだ」というときの、両極端な時期に曲がスッと書けるのかも。でも自分の経験を曲にして、二人に「できたよ」と渡すのって考えてみたらちょっと恥ずかしいです。二人に恋バナとかしていてさ、それで「俺、失恋したわ」とか言った後に「アローン」とか作って聴かせているって考えたらさ......(苦笑)。

金田:失恋直後にスタジオへ来たときの悠月の姿が一番"アローン"でした(笑)。もう、あの曲そのものだった。青色のオーラをまとっていてなんか寂しそうだった。

斉藤:でもこれまで、失恋したことがはっきり分かる曲ってなかったよね。だから聴いたら、率直に「ああ、失恋したんだ」と納得できた。だけど失恋した事実だけに収まっていなくて、曲がめちゃくちゃ良かった。失恋したけど立ち直りにもいっているような、そういう曲だったし。それでも「相当落ち込んだんだろうな」っていうのは分かったけど。で、「ここから一人でなにかを探し出そうとしているんだろうな」という気持ちも感じられました。

――11月からは『ムソウ』を引っ提げたワンマンツアー『ムソウニナラス』が始まりますね。

畑山:前回のワンマンツアー『NO BORDER one man tour 2023』はコロナの規制などが緩和されて一発目のワンマンツアーだったこともあり、各地でパンパンのフロアになり、僕らよりも声が大きいんじゃないかってくらい歌ってくれたんです。そういうのって、メジャーデビュー(2020年3月)してからは初めての経験だったから超楽しくて。今回はさらに曲も増えたし、あのときよりもライブは絶対に良くなっている。そういう意味でやっているこちら側もワクワクできるワンマンツアーになるはず。

斉藤:コロナ禍もあって、本来の楽しみ方でのKALMAのライブを知らない人もまだまだ多いでしょうし、どんなワンマンになるのか楽しみなはず。僕らもそういう景色の中でまわれていない場所もたくさんあるので、「自分たちの力をどれくらい届けられるのかな」という、期待、ドキドキ、あと不安もあって。でも今回出したミニアルバムは「ライブでやると強い」というものになったし、そういう作品を引っ提げてまわれることで、このワンマンツアーが終わったらまた何段階も強いバンドになっていると思います。

金田:『ムソウ』の曲がやっとできるのが嬉しいです。ライブをやっているところを何回も想像した曲ばかりで、「これは絶対に盛り上がるだろうな」って考えていたんです。お客さんも楽しみだと思いますけど、自分が一番待ち遠しいです。

Text by 田辺ユウキ




(2023年11月 8日更新)


Check

Release

4th Mini Album『ムソウ』
発売中 2420円(税込)
VICL-65881

Live

KALMA one man tour 2023~2024「ムソウニナラス」

【宮城公演】
▼11月11日(土) 仙台CLUB JUNK BOX
【静岡公演】
▼11月19日(日) 静岡Sunash

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:249-068
▼11月22日(水) 19:00
BIGCAT
オールスタンディング-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。
※販売期間中は1人4枚まで。チケットは、11/15(水)朝10:00以降に引換えが可能となります。
[問]清水音泉■06-6357-3666

【香川公演】
▼11月23日(木・祝) DIME
【広島公演】
▼12月2日(土) Reed
【石川公演】
▼12月17日(日) 金沢GOLD CREEK
【福岡公演】
▼2024年1月6日(土) Fukuoka BEAT STATION
【愛知公演】
▼2024年1月8日(月) ボトムライン
【東京公演】
▼2024年1月13日(土) Spotify O-EAST
【北海道公演】
▼2024年1月27日(土)・28日(日) ペニーレーン24

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