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ハンブレッダーズ「秋のグーパンまつり2023」レポート
熱狂の初大阪野音は新曲披露&重大発表でもっと熱く

10月29日、大阪城音楽堂にてハンブレッダーズのツアー「秋のグーパンまつり 2023」の大阪公演が開催された。今ツアーは2年ぶり4回目となる自主対バン企画の「秋のグーパンまつり」で、この日は初日なことに加えて唯一の単独公演。また彼らのホームタウン・大阪で行われるうえ、自身初の大阪城音楽堂ワンマンライブとなれば、いやが上にも胸が高鳴る。そんな注目の一夜の模様を紹介しよう。

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日も暮れた17:30過ぎ、ムツムロ アキラ(Vo&G)の"スクールカーストの最底辺から青春を歌いに来ました"という、いつもの自己紹介でライブスタート。肌寒さを吹き飛ばすかのごとく、「逃飛行」を皮切りに「BGMになるなよ」、「弱者の為の騒音を」と次々に立て続け、いきなりのダッシュをかける。まくし立てるボーカル、ukicaster(G)が前に出て鳴らす雄弁なギター、前向きなメッセージなどがスピードにのって瞬く間に観客を魅了。開演わずか10分ほどで、イントロでのざわめきも、クラップも、突き上がる拳も、ミュート&シンガロングもデフォルトとなる。

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しかし、息をのんだ幕開けの緊張が解けてMCは微笑ましい通常営業。メンバーで絶妙なパスを回しつつ、途中、ムツムロの首元にカメムシが飛んでくるというハプニングも。"取ってもらっていいですか?"と頼むムツムロに、でらし(B&Cho)が"ギャー!"と悲鳴を上げて対応する一方、木島(D)は"めちゃめちゃエモいです!"と、やる気満々な姿をアピールし、ハッピーな空気を会場中に伝播させたら、一層いいムードで「再生」からポップサイドへ。エールを潜ませた耳心地いいメロディやビートはすべての人を弾ませ、背後に掲げられたバンド名の大きなサインも明滅して気分も上々。次の「ワールドイズマイン」ではukicasterのグルーヴィーなギターでリードし、センチメンタルをわずかに混ぜてポジティブ&エネルギッシュに。しかもムツムロが"うきくん、29歳最後のライブです!"と報告し、ムツムロとでらしがukicasterを指さして"本日の主役"の編隊が完成する。

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するとここで一旦速度を緩め、熱を秘める「エンドレスヘイト」へ。首を振るようにして聴く人、リラックスして揺れる人、誰もが自由に曲に没入し、舞台に浮かぶ4人の巨大なシルエットも目に焼きつく。そしてムツムロは、学生時代の初ライブを振り返り、木島と"(結成当時は)もともとこんな(大阪城音楽堂でライブをする)つもりじゃなかったよな?"と明かし、"っていうのを曲にしました!"と新曲へ。伸びやかな歌声や2本のギターが織り成す旋律は、直前の話のせいか、どこかノスタルジックにも響いて浸透。続く「スローモーション」もエモーショナルな質感で、曲名どおりに満月が照らす今夜の景色を脳内でゆっくりリプレイさせるようだ。さらにムツムロは"大阪、たぶん自分はこの街に骨を埋めるんやろうなって。だから今は出稼ぎに東京に......"と、地元愛を口にして、その目に映る東京の日々を描く「東京」でよりじんわりと。熱を帯びる声に胸を締めつけられた観客は動きを止めて耳を傾ける。

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そんな高めの湿度は無邪気なトークでカラリ。話題が衣装におよべば、でらしは"俺は短パンをはく使命があるから。今日は特別です! 気合い入ってます‼"と、寒さに負けないこだわりを見せて和ませ、ムツムロも"どうしても自分が、踊りましょう!って(ライブで)言ってる絵が浮かばなくて(笑)。でもダンスナンバーを作りたいと思って。部屋で一人で踊りましょうという曲"と、曲の背景を話すと会場は沸き、またも新曲へ。軽快なプレイにオーディエンスは存分にバンウドし、次の「常識の範疇」でも楽しさ全開のまま、全員でそろえるの声が轟いて痛快だ。だが、様子を一変させ「才能」から「THE SONG」へと、アグレッシブでラウドな側面も。ギターもベースも鋭さを増し、ボーカルも挑発的。それに呼応するように歓声も手拍子も特大になって客席のボルテージも上昇の一途をたどるが、そこに際立たせるように投下するのは「起きろ!」と「光」の彼ららしい爽快さで、コールと大合唱とピースサインで一体感も十分となる。まさに怒涛の中盤を経れば、いよいよ残りの時間もわずかに。

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最終のMCでは、湧き上がる感謝をしみじみと伝えたあと、夏に憧れのバンドのライブを見て号泣した思い出を話し、そのバンドとの出会いを語る。"言うじゃないですか、17歳の時に聴いてた音楽をずっと聴いて人間は生きていくって。でも、全然そんなことないなって思いました。初めてバンドを組んだ衝撃とか、音楽を好きになった時の衝撃って、これからも何回もくるって思えてうれしかったんです。これから出会う人にも、今知ってくれてる人にも、ずっと最高のハンブレッダーズを届けていきたいなって思っています"と述べ、キラーチューン「DAY DREAM BEAT」へ。ストレートなバンドサウンドで圧倒するキャッチーなサビは、今宵も聴く者をとりこにして会場には歌声があふれ、さらに「COLORS」と「ギター」で猛ラッシュに突入。4人の渾身のパフォーマンスが生み出すスケール感や疾走感、パワーや輝きは、野外の大空間も感動と高揚で満たし、まさに最高潮で晴れやかなフィナーレを迎えた。

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しかし、初の大阪城音楽堂ワンマンだけに、アンコールには本編に勝るとも劣らない興奮とサプライズが。まずはムツムロが、"実は新曲の音源を物販で売ってます。ノー告知でゲリラ販売をしたいって言って、今日から。なぜそんなことをするかというと、ドキドキしてほしくて。(CD購入者は)持ってるけど聴いたことのない曲を今からやります"と説明し、"アルバムを作り終えた瞬間に燃え尽きるんすよ。新しいインプットをしないと曲作ろうって思えなくなるんですよね。でも、こないだのツアーファイナルの帰りのタクシーで、うきくんが、もう次のツアーめぐりたい!って言ってて、俺も同じ気持ちだったんですよ。なんでインプットしてないのに、そう思うんやろう?って考えてたんですけど、たどり着いた答えが一つ。ツアーを回って目の前のみんなが出してくれる拳が何よりも刺激になってるんですよ。どんな映画より、どんな音楽より"と熱っぽく続け、その思いを込めた最新ナンバーを、満を持して初披露。"ハンブレ節"を堪能できる真っ直ぐなロックに背中を押され、たくさんの"グー"が頭上に並び、会場は瞬時に再沸騰する。

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だが今度はライブ配信も開始し、"大事なお知らせがありまして......"のひと言から大詰めへ。華麗にスルーをキメたukicaster以外の3人によるドラムロール合戦でワクワクを増幅させたあと、ラストに本職・木島が叩いて、"ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Jタイム ~15th Special~ 2024年3月24日(日)大阪城ホール"と書かれた垂れ幕がドーンと出現。初アリーナワンマンライブの決定が盛大に告知される。思わず狂喜乱舞するファンを前にムツムロは"ビビってますよ(笑)!"と言いながらも破顔し、"城ホールでライブやっても、これからもみんなのフェイバリットソングを作り続けます!"という宣言で、もちろんオーラスは「フェイバリットソング」。いつにも増して音楽への情熱を強く明るく放ち駆け抜け、大いに沸点を超えて全20曲は終了。まだ夢の中にいるような大観衆に向けて"城ホール全員集合でお願いします!"(ムツムロ)と呼びかけ、ついに4人はステージをあとにした。

なお、上記ライブ翌々日の10月31日に結成14周年を迎えた彼らは、2024年を結成15周年イヤーとし、さまざまな試みを予定しているという。初の大阪城音楽堂ワンマンを見事成功に収めた堂々たるアクトからもわかる現在のバンドの勢いに、メモリアルイヤーにも、12月まで続く今ツアーにも、来春の大阪城ホールワンマンにも、期待せずにはいられない。


Text by 服田昌子
Photo by 松本いづみ




(2023年11月 6日更新)


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Live

“秋のグーパンまつり2023”

【岐阜公演】
▼11月11日(土) EVENT HALL club-G
【青森公演】
▼11月18日(土) Quarter
【秋田公演】
▼11月19日(日) Club SWINDLE
【山口公演】
▼11月23日(木・祝) 周南RISING HALL
【鳥取公演】
▼11月24日(金) 米子laughs
【徳島公演】
▼11月26日(日) club GRINDHOUSE
【千葉公演】
▼12月1日(金) 柏PALOOZA
【茨城公演】
▼12月3日(日) 水戸ライトハウス
【熊本公演】
▼12月9日(土) 熊本B.9 V1
【長崎公演】
▼12月10日(日) DRUM Be-7
【北海道公演】
▼12月23日(土) 小樽 GOLDSTONE

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ハンブレッダーズ ワンマンライブ
放課後Jタイム ~15th Special~

▼3月24日(日) OPEN 16:30 / START 17:30
大阪城ホール
全席指定6500円

11月8日(水)23:59までオフィシャルサイト先行受付中
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