ホーム > インタビュー&レポート > 「気軽に聴いて、みんなで歌って楽しめる、 アコースティック編成のポップなライブを」 デビュー15周年記念ツアー第二弾 『藤澤ノリマサ 15th Anniversary Concert ~eternità~』開催 藤澤ノリマサインタビュー
――デビュー15周年おめでとうございます。今年前半に行われた『藤澤ノリマサ 15th Anniversary Concert 2023 ~Evolution~』(以下、『エボリューション』)では今まで以上に格別な思いでステージに立たれたのではないですか。デビュー日の4月30日に開催された東京・町田市民ホールでは、1月末に声帯結節の手術を受けたことを公表されましたね。
「そうですね。術後は安定するまで数ヶ月かかったので辛い時期もあったし、もしも声が変わっちゃったらどうしようと...、不安な気持ちもありましたが、 以前よりすごく滑らかに声が出るようになりました。4月30日のコンサートで(手術を)発表した時はお客さんがすごく温かくて。" 待ってたよー"っていう言葉をいただいて嬉しくて泣いちゃいましたね。あの日は本当に忘れられない瞬間がありました。大阪公演では、『Yes I do -キスはまだ終わってない』の時にオーディエンスの方が、" ハモろう!"って声を出してくれて。舞台の上手側の人は上のパートで、下手側の人は下のパートみたいな感じで練習して、会場全体でハモリが生まれました。さすが関西はお客さんも突っ込んでくるんで(笑)。すごく盛り上がりますね」
――それがライブの醍醐味でもありますよね。
「うん、コロナ禍ではお客さんも歓声が上げられなくて、心の中で(歓声を)上げるっていう状況だったので。どんな感じで聴いてくれてるのかなって、探ってたりする時期がありましたけど、今はそれがほぼなくなってきてるんで」
――来年(2024年)は『藤澤ノリマサ 15th Anniversary Concert ~eternità~』(以下、『エテルニータ』)がアコースティックセットで開催されます。
「バンドでやる良さもあるんですけど、アンプラグドでは藤澤ノリマサの声の響きが一番際立つので、やっぱりアコースティックが好きなんですよね。次はアコーディオン(桑山哲也)、ピアノ(森丘ヒロキ)、パーカッション(福長雅夫)という編成になります。このメンバーで昨年、(東京のみで)コンサートをやった時にすごく評判が良かったんです。次は『Changing Point』の楽曲も含めてリアレンジしたアコースティックバージョンでお届けするので、同じ曲でもアレンジが違うだけで聞こえ方も変わってくると思います。自分の曲に限らず、カバーもやろうかなって思ってます」
――それは楽しみですね。前作『La Luce-ラ・ルーチェ-』からポップオペラを封印してポップの歌唱法で歌われていますが、ポップオペラの曲も披露されますか。
「はい、歌います。アコースティックスタイルなので、またちょっと違った形になると思いますけども、今年前半に行った『エボリューション』の時も、そういう感じだったんです。『Changing Point』の曲も歌いますし、他のアルバムの曲も歌いました。カンツォーネとかも歌いましたね」
――次の『エテルニータ』では『エボリューション』とは違うセットリストを組まれるんですか。
「そうですね。バンドスタイルじゃないライブですが、あんまりフォーマルな感じにはしたくないなと思ってて。気軽に聴いて、みんなで歌って楽しめるようなライブにしたいですね。大阪の会場の住友生命いずみホールはけっこう格式が高いホールですが、改まって聴くような感じじゃなくて、カジュアルな感じのライブにできたらいいなと思ってます。前回、いずみホールでやった時は僕がピアノを弾く曲もあり、6弦(ヴァイオリン3人、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)の演奏でした。『La Luce-ラ・ルーチェ-』を出した時なのでまだコロナ禍の真っただ中だったんです」
――お客さんも声が出せない時期だったので、座ってじっくり聴けるような編成だったんですね。
「そうですね、静かでしたね。でも、ストリングスの6人(アルバム『La Luce-ラ・ルーチェ-』のレコーディングメンバー)の音色が本当に 素晴らしくて。次のツアーはまたぜんぜん違う編成になりますが、パーカッションが入るのでとてもポップな ライブになると思います。僕はやっぱりライブが全てだなって思っています。CDでは出しきれないものがあるので、ぜひ生で聴いていただきたいなと思います」
――ちなみに前回が『エボリューション』(進化)で、今回は『エテルニータ』(※イタリア語で永遠の意味)というタイトルがついていますが、どのような思いが込められていますか。
「やっぱり"永遠に音楽を残し続けたい"という思いですね。エテルニータという言葉の響きも好きなんです」
――そうなんですね。素晴らしいコンサートを経験すると一生記憶に残りますからね。
「はい、でも逆もありますよね。良くないとそれがトラウマになっちゃったりして。やっぱり人間なのでいろんな時があると思うんですけど、1回1回のライブが本当に大事だし、ライブをすることですごく進化していくと思うので、これからもたくさんライブをやっていきたいなと思います。とにかくライブパフォーマーでいたいですね。いろんなところに行って、いろんな形で皆さんに生歌を届けられように頑張りたいなと思ってます。全国フルバンドで行くのはなかなか難しいところもあるので、アコースティックのピアノ弾き語りライブをしたりして、47都道府県制覇するぐらいの気持ちで頑張ります」
――藤澤さんの歌には各曲でそれぞれのドラマがあり、聴いていると別世界に連れていかれるようです。
「ありがとうございます。やっぱり歌は5分とか4分のドラマだと思ってるので。歌手・藤澤ノリマサを演じてるっていうかね...」
――歌う時はそういうスイッチが入るんですか。
「うん、自然と入ります」
――デビュー15周年を経て、これからどんな歌を歌っていきたいですか。
「やっぱジャンルを超えて、最終的には藤澤ノリマサっていうジャンルが作れたらいいかなと思ってます。最近は(フランク・)シナトラとかトニー・ベネットのようなジャズを歌いたいなって思ったりもしてて。トニー・ベネットは今年亡くなりましたが、6年くらい前にラスベガスに行った時に観まして。素晴らしかったですね。その時、彼は80代後半だったと思いますが、年を重ねるごとに声が出てる感じでしたね」
――それぐらいご自身も長く歌っていきたいと?
「そうですね。デビュー15周年を迎えましたが、たかが15年されど15年で。15年歌い続けることって本当に難しいことだなと思いますし、デビューした時よりも歌への情熱がすごく増しています。やっぱり僕は歌しかできないし、歌はもう本当に自分の人生そのものだなと思うので、そういう場を与えてくださるファンの皆さんやスタッフの皆さんに本当に感謝してます。もちろん1番の理解者である両親にも感謝をしてこれからも歌っていきます。今年四十になりましたが、20代30代の時よりも、声がまろやかになった感じがしてます。これからどう進化していくかはわからないですけど、今後も20年、30年と続けて行けるように頑張ります。もっと曲作りもしたいし、作品作りもして、僕が作った楽曲たちがみなさんの心に寄り添って生きる糧になってくれると嬉しい。それで、コンサートの時は一緒に歌ってほしいし、楽しみを一緒にシェアできたら嬉しいなと思ってます」
Text by エイミー野中
(2023年11月17日更新)
ふじさわのりまさ…1983年生まれ、札幌市出身。声楽家だった父と歌の先生だった母との間に生まれ、幼少の頃から歌に溢れる家庭に育ち、自然と人前で唄うことに興味を持つ。小学校一年生の時、テレビで歌を唄う歌手を見て「自分も歌手になりたい」と思うようになり小学校三年生の時、初めてステージで歌を唄い、それ以来人前で歌を唄うことが好きになる。2001年武蔵野音楽大学入学のため上京。卒業後、ソロアーティストとしてデビューを目指し更に精力的に曲作りとライブ活動を行い、2008年にドリーミュージックよりデビュー、アーティスト藤澤ノリマサが誕生。1曲の中にポップスとオペラの歌唱を融合させた独自の“ポップオペラ”というスタイルで活動を続けている。2016年ワーナーミュージック・ジャパンに移籍、2枚のアルバムをリリース。2021年5月19日、作詞家の松井五郎氏をプロデューサーに迎え、初めての全曲自身作曲となるアルバム『LaLuce ‒ラ・ルーチェ‒』発表。2022年11月23日、前作に引き続き松井五郎プロデュース作品第二弾となる『Changing Point』がリリースされた。デビュー15周年を迎えた2023年は5月に『藤澤ノリマサ 15th Anniversary Concert 2023 ~Evolution~』開催。2024年にはBSフジ主催『藤澤ノリマサ 15th Anniversary Concert ~eternita~』が開催される。
藤澤ノリマサ オフィシャルサイト
https://www.fujisawanorimasa.net/
【東京公演】
▼2024年1月7日(日) 紀尾井ホール
チケット発売中 Pコード:244-323
▼2024年1月20日(土) 14:00
住友生命いずみホール
S席-9500円
※未就学児童は入場不可。
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888