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新メンバー加入により
広がりが見えたというBIGMAMAが
新作『Tokyo Emotional Gakuen』のキーワードに
青春はエモい/青春/学校 を据えたワケ

2021年5月、頭にバケツを被ったドラマー・Bucket Banquet Bisが正式加入し、新たなスタートを切ったBIGMAMA。そして今年の春にはBucket Banquet Bis加入以前の楽曲全149曲を披露するライブツアーを完遂して話題になっていた彼らは、次にどんな景色を見せてくれるのだろうと期待していたら、その「次」がすごかった。この秋、新生・BIGMAMAとして初のアルバム『Tokyo Emotional Gakuen』がリリースされる。この作品、曲のリストを見ると、??? が頭に浮かぶ。「現文 | 虎視眈々と」「数学 | RULER」「歴史 | History Maker」「英語 | 5W1H」――曲のタイトルの前には科目名がラベルのようにつけられている。『Tokyo Emotional Gakuen』のテーマは「青春はエモい」。メンバーが学生時代に聞いていたエモい音楽を “青春”“学校” をテーマに再解釈したというコンセプトが非常に立ったアルバムで、曲のリストはまるで時間割だ。そしてすごいのはその歌詞がきちんと科目名にぴったりの内容になっていること、12曲のどれも曲調が異なるメロディーの中にしっかりとエモさを感じられる仕上がりになっていること。インタビューで聞きたいことがたくさんある作品だ。…というわけで、来阪していた金井政人(Vo/Gt)と東出真緒(Violin/Piano)を直撃。「金井さん、東出さんニューアルバムについて、ぜひお話聞かせてください!」

メンバーが代わったことで、
バンドに新陳代謝が起こっている


――実はBIGMAMA、ぴあ関西版WEBにご登場いただくのが15年ぶりでして...。

金井「えーーーっ!」

――まだこの媒体が立ち上がって間もなくの頃だったかと...お元気でしたか?

金井「元気でした! お久しぶりです!」

――今日はまだ秋の入り口ですが、おふたり今年はどんな夏を過ごされたのでしょうか。

金井「8月がアルバムのレコーディングの最終決戦で。それと関西でいうと『RUSH BALL』の出演があったので、それに向けての日々でした。制作に向き合う自分とライブに向き合う自分って、同じ音楽に関わることとはいえ全く別で。とにかくいいものを作りたいと自分の内なるものを探した時間があったこと、自分の作った最新曲をライブで披露させてもらうことでいろいろ確かめられたことが自分の中でのハイライトでした」

東出「制作は本当に6〜8月の短期決戦で。5年ぶりのアルバムはものすごく頭を使ったというか、こんなに全集中して短期間で作ったことはなかったし、全員が全細胞を使い切ったんじゃないかなと思うような夏でしたね。絞り切りました」

――前のアルバムを制作した時と比べるとバンドに変化もありましたし。

金井「ドラマーが代わったことは大きかったですよね。会社って人事異動とかがあると、みんなこんなことが起こってんのかなぁ。新しい人が来ると空気も変わるじゃないですか。僕はどんなメロディーに対しても、ドラムを背骨のように感じているんです。それが変わるって、そもそも生き物として違うものになってますよね。じゃあ曲を作ろうってなった時に、うちのバケツをかぶった背骨がですね、とても変態でして」

――バケツをかぶった背骨(笑)。

金井「これまでの僕らは元々高校の同級生で、一緒に楽器を練習して上手くなって披露してという成長過程を共にしてきたんです。そこにドラマがあったり、一緒に音楽のグッと来るポイントを探したりしてきました。でも新しいドラマーと曲作りをするようになって、BIGMAMAが彼を選べたことは一番いい選択をしたなと思えているんです。彼はメンバーたちともまたタイプが違って幼い頃から音楽の素養があって、いろんな楽器が扱えて、メロディーが作れる。彼の加入によって、自分の立ち方やあり方、曲のでき方に変化があったんです」

――なるほど。

金井「そういう変化を感じるのとは逆に、最終的には東出真緒がバイオリンを弾いて僕が歌えばBIGMAMAになるということも思って。そういう思いがあるので、5年ぶりのニューアルバムというよりは、BIGMAMAというバンドが改めて自己紹介するための一枚になったのかなと思います」

東出「確かにメンバーが代わって、バンドに新陳代謝が起こっているなっていうのはビシビシと感じますね。自分もまたイチからバンドを始めている気になっているというか。それが他のメンバーにも起きているのを感じるから、全体が変わっていってるって思いますね。あと、みんながみんなを褒め合うようになりました」

――へー! それは今までなかった?

東出「いや、なかったわけではないけど...ビスくん(Bucket Banquet Bis)は後輩キャラなので、みんなが可愛がれるし彼も頼ってくれたりして。そういうやりとりも含めて、みんなラブラブしてんなぁって。それに加えて彼の音楽の能力が非常に高くて持ってくる楽曲のクオリティも高いから感化されるし。だからこそ今までのBIGMAMAと違うなとかは考えないようにしようと。"今まで"なんてあるようでないんだからって」

――メンバーチェンジ前のバンドには一区切り付いていて、別のものが育っていっているという感覚ですか?

東出「(金井をちらりと見て)私は、ですけど」

金井「自分の考えを伝える場所なんだから大丈夫だよ(笑)」

東出「こういうメロディー好きでしょとかこういう展開好きでしょと凝り固まってきていたのがある意味BIGMAMAらしさだとしたら、それがいいと思って自信を持ってやってきたけど、この年になってメンバーが変わって新しい考え方も入ってきて、いろいろ相談もできるし、彼と出会えたことは何よりラッキーなんだと思います」

金井「これまでのこと全てはバンドにとって宝物だと思ってますけど、前を向いていたら後ろまで見えないというか。ここから先バンドを一緒にやりたいって言ってくれた人と、どういい時間を過ごしていくかだと思っています。あと、彼が入ってくれたことで僕はすごく気が楽になりました」

――気が楽?

金井「もうひとり僕がいる感覚に近いですかね。僕が抱えていた悩み...僕、作詞という面ではすごく自信を持てていたんですけども、この数年作曲には何か足りないものを感じることがあって。彼が入ってくれたことでBIGMAMAの作曲の未来が広がったんです。今年の春にBIGMAMAの曲149曲を全て網羅するツアーをやったんですよ。それって僕の中では諸刃で」

――なぜでしょう?

金井「ツアーを終えた後、曲が書けなくなる可能性もあるなと。でもバケツくんが入った時に、BIGMAMAの曲を全て叩けるようになって披露したいですって言ってくれたんです。じゃあそういうツアーやるよ?って。そのツアーをやったあとの作曲は、怖いことでしかなかったし、悩むことにならないといいなと思ってたけど、全曲ツアーをやったことで一度リセットされて、まっさらな気持ちで新しい曲を作ることができたんです」

――今回のアルバムを聞かせていただいて、作品のコンセプトもあったと思いますが、サウンド的にもすごくフレッシュなイメージを持ったのは、そういうことも影響していたんですね。

金井「全曲やったことでこれまでの自分たちの曲を意識しすぎないということをできるようになりましたよね」



アルバムを聞いた後、
「エモい」という感情について
自由に話してみてほしい


――ツアーを終えてリセットできたと感じたところから、アルバムの制作はどのように進んでいったのでしょうか。

金井「10月、11月のZeppツアーをやりたいというのがあったので、その前にいい作品を作って挑みたいという感じでした。後は149曲演奏するコンプリートツアーが終わったので、そこまでの流れにひとつ区切りがついたことで、自分の中でタガの外れた瞬間があったんです」

――ある種の解放というか。

金井「そう。創作意欲が溢れて、短期間でバッと曲が書けた。とにかく次のツアーに向けて、新しいアルバムでは生まれ変わった自分たちを表現したいというのが始まりでした」

――コンプリートツアーを成し遂げたというのは大きかったんですね。

金井「そうですね。なので、それまでに作っていた曲もあったけどそこから採用したのは少なくて、新しく書き下ろしたものがほとんどなんです。その分すごく自分たちの中で的を絞り込んだ音楽を作れたと思います。なんか長年やってきて大きく広げた風呂敷の中でとっちらかっていたものをこれはやるべきもの、これはやらなくてもいいものと整理をして作るっていうのを自分の中で決めた時に、最終的にこのタイトルや楽曲、この曲の並びに導かれていったなと思っています」

――ということは、このアルバムのキーワードになっている「青春はエモい」ということを最初にテーマに据えてアルバム制作を始めたわけではないと?

金井「んー、そこも含めてずっと思っていたこととしてはあって。アルバムの2曲目の「虎視眈々と」っていう曲は1年以上前からライブでプレイし続けていた曲なんです。10曲目の「17 (until the day I die)」もデモとして1コーラスは存在していました。この2曲に自分の中でBIGMAMAというバンドを何か象徴するような...自分の中でグッとくるところがあって、そこにエモみを感じていたんです。ちなみに、どちらの曲もバケツくんが持ってきてくれたんです」

――ほー!

金井「僕はこの2曲に可能性を感じたので、アルバムの最初と最後に置いて軸として考えて、これをつなぐようなクリエイトをしたいと思ったんです。この2曲をつなぐ要素として、「青春」とか「学校」をテーマに作りたいとは話していました」

――アルバムのキーワードになっている「青春はエモい」という言葉を目にした上で作品を聞かせていただいて、改めてすごく考えたんです。エモいってなんだろう? 私本当にエモいっていう感情を正しく分かってるかな? って。

東出「あはははは! その話、ここに来る前にもふたりで話してました。エモいってなんなんだろうね? って」

――もうエモいって言葉は一般的にも使われていますけど、BIGMAMAの言うエモいという言葉の解釈をちゃんと受け止められているかしら、と思ったといいますか。ちょっと調べてみたところ、心が揺さぶられてなんとも言えない気持ちになること、感傷的、郷愁的、ノスタルジック...答えはないって書いているものもあって。エモいとは!? と混乱したりもしました。

金井「僕の中では作品にするにあたってひとつの答えは出てるんです。なので、みなさんがエモいとは...? って自由に話をしてくれるのはいいなと思います」

――東出さんはどうですか?

東出「うーん、生きてるだけでエモいんじゃないですか? 実際にそうじゃないですか。頑張って生きていて、周りに家族がいたり友人がいたり、その人たちにも変化があって、そういうところにも少なからず影響を受けて。日本には季節もあって、時間の経過とかそういうものも私にとってはエモいですね」

金井「いやー、いいですね。...僕はエモいっていう言葉の日本語訳はないと思っていて。エモーショナルって英語でいうと感情とかそういうことじゃないですか。それに日本人が勝手に長いから短くして「い」ってつけちゃったんですよ。エモいって呼んじゃった。それは言葉にならない感情の動きのことをざっくりエモいって言うことで表現したかったんじゃないかと。さらにそういう言葉にはスラング的な意味もあるので、エモいっていうと、僕的には最高だねみたいな意味もあって。辛いことがあった時にもエモいねって言っちゃったり。ただ共感だったり、どっちの意味にも取れる言葉かなと。音楽ジャンルでもエモーショナルっていうのがありましたけど、今はそれも死語的な扱いになっていて...。それを繋ぎ止めるクリエイトをしたいというのもありますね」

――なるほど!

金井「僕はエモーショナルっていうジャンルの音楽が好きだったっていうことにたどり着くことがあったんです。ただ独り歩きを始めているエモいという言葉と希少になってきたエモロックっていうところを攻めることに、自分はすごく面白みを感じました。でも言ってみればそういうことがBIGMAMAの中心にずっとあると言ってもいいなと思っています。それでアルバムにもこういうタイトルをつけたくなりました」

――このアルバムではBIGMAMA的エモい音楽を、学校や青春というキーワードで再構築されています。私は曲を聞いて...年齢もあると思いますが、懐かしさやキュンとくる感じがありました。中でも抑揚のあるメロディーや個人的にブッ刺さってくる歌詞にすごくエモさを感じたんですが...合ってます?

金井「いや、本当、人それぞれです!」

――(笑)。アルバムはエモいということにさらに学校や青春というフックを加えたのは、メンバーの総意ですか?

金井「僕の独断です」

東出「完全に、虎視眈々とですよね。この「虎視眈々と」っていうのも、今までのBIGMAMAになかったタイトルだったし、ここにさらに"現代文"っていうのが付いて、狙ってたなぁって」

――でもこれ、曲につけられた科目名がものすごく歌詞の内容にもマッチしていて、この曲は数学ぽいなとか歴史ぽいなとかそう思いながら聞けるってすごいと思いました。あまりにマッチしているので、科目名を最初に当てこんだ上で、それに沿って歌詞を書かれているのかなとさえ思いました。

東出「偶然ハマったっていうところもあるよね?」

金井「ここで何かBIGMAMAでしかやれないことをやりたくて。アルバムでこういうことをやるよっていうのはメンバーにも伝えていました。でもそれが現実にできるかどうかは、みんなのクリエイトもありきというか。僕がこの曲は数学だから! って言ったところで、すごくリズムの難解なものができてもしょうがない。メンバーに言いすぎず、それぞれが絶妙なバランスでそれを楽曲にどう組み込むかみたいなバランスが存在していました。あと、このアルバムを語る時に「私物理と数学好きだわー」とか「文系苦手やわー」とか変な会話が起こるのが面白そうだなって」

――確かに!

金井「現に友達にも「物理めっちゃよかったよ」って言われたりもするんです。このヘンテコなズレみたいなものも面白い。今までセットリストと呼んでいたものが、急に時間割に見えてきたり。でも曲のタイトルって、見つけやすいものであるべきだと思っているので、僕的にはどう見つけやすくしてあげるかなんです。そのやり方のひとつとして、曲名全部に科目名がついていることかなと」

――アルバムの曲リストを見た時に、科目名がついているのは単純に驚きでした。

金井「それをやるからには教科書を見ながら、定規見ながら曲を書いたりしましたよ」

東出「そんなことしてたんだ...」

金井「うん。ただ、最終的には「17 (until the day I die)」に全てを集約させようとは考えていました」

――だから「17 (until the day I die)」には科目名が付いていないんですね。

金井「はい」

東出「私もこれ、科目名ないなぁと思ってた(笑)。とにかく「虎視眈々と」と「17 (until the day I die)」が最初にできて、それによって17歳という感じが見えてきて、そこにヒントがあるぞと」

――ただ、「17 (until the day I die)」に科目名が付かないならばアルバムの最後の曲になってもよかったのでは? と思うのですが、実際はこの曲の後さらに2曲続きます。

金井「最後に収録している帰宅部の曲が、うっかりできちゃったんですよね〜」

――帰宅部の曲、「Go Home Anthem」ってめちゃめちゃいいタイトルですよね。

金井「とにかく早く家に帰りたいっていうサビがわいてきちゃったんです。学校をテーマにするって決めた時、帰宅部みたいな曲は作りたいと思っていました。こういう遊びがないと、本当にただ真面目な作品になっちゃう。この曲で、抜け感が出たというか」

東出「あ、それすごいわかる。私の中の出会った当時の金井くんを象徴しているのがこの曲ですね。真面目にカッコつけていることに嫌気も感じているっていう。本当に金井っぽいなっていう曲ですね」

金井「学校をテーマにしたアルバムを作っておいてなんですけど、帰宅部は最初に作りたかった曲で(笑)。早く家に帰ろうぜ! って帰宅部のアンセムを作りたかった。なんかこれをオチにしたらいいなって考えてました」

東出「ライブでは伸び伸び歌うんでしょうね」

金井「一生懸命に作詞して、自分のことだったり、みんなの幸せを願ったり、あえて痛いところを突いたり、いろんなことを考えながら書くんですけど、何にも考えないで書いたこの曲の伸び伸びしている感じが、一番よかったりするんだろうなと思ってます」

――そうやってアルバムのオチが早々に確定したことで、中身の自由度がより増したんじゃないですか?

金井「うん、そうですね。とはいえ、自分の中で筋は見えていたけど、どういう風にメンバーと共有して作っていこうかっていうバランス感覚みたいなものを共有するのは難しかったです。"僕は帰宅部でオチる感じにしたいんだ!"って言っても、何言ってんの? ってなるじゃないですか」

東出「...いや、そんなことなかったよ! いいんじゃん? ってなってたよ!」

――(笑)。そのエモいというテーマに対して歌詞も大事だと思いますが、メロディーやアレンジがより重要だったのでは? と思うんです。懐かしさ、郷愁をどう表現するかというか。それが12曲同じテーマなわけで、サウンド面での工夫を教えてもらえたらと。

金井「BIGMAMAがエモを強調できるのは、やっぱりバイオリンがあるからこそですよね。バイオリニストがどう彩りを加えるかがキモだと思っていました。レコーディングの中で一番戦っていたのは彼女だと思うんですよ」

――先ほども東出さんが今回のレコーディングは絞り出したとおっしゃっていました。

金井「前例がないですよね。圧倒的に他の楽器に比べてアレンジサンプルもないし、正解がないから、それをどう正解と言い切るか。それをまずメンバーにいいと思わせる説得力を作るところから始まるというか。さらにいうと、そのフレーズはバンドの顔になっていくものなので、それに対して僕らも簡単にいいよねとは言えないんです。レコーディングの中でも一番緊張感のあるシーンはそこだと思います。いろんなバイオリニストはいるけど、エレキバイオリンを弾いてここまでロックサウンドにここまでアレンジをし続けた人間は、日本にいないですから」

東出「160曲ぐらいやってきましたね」

金井「彼女が戦ってきたところだし、僕らが4人編成のバンドだったとしたら、ここまでエモを押し出したことはできなかったと思うんです。バイオリンってやっぱり感傷的な部分を引き出してくれる楽器だと思うので、それは大きかったと思います」

東出「レコーディングの準備段階の時に土台が決まって、ギター、ベース、ドラムの音がみんな埋まった状態でバイオリンを入れていくんです。絶対にボーカルが一番上にあって、そこの0.5、0.7下ぐらいにバイオリンがいる、そして次がギターないしベース、ドラム。ボーカルの下にコーラスがあれば、その0.7が0.8になったり0.4になったり動いてくるし。曲によって優先順位がすごく変わるので、いつもバイオリンでどこに行こうかなぁっていうのをデモ聞きながら考えてますね。でも大体、頭の中でバイオリンはこの辺にこういう感じでいた方がいいなっていうのは、頭の中で自然に鳴ってくるんです。最初から3枚目ぐらいまではバンドの音とせめぎ合っている感じでしたけど、4枚目ぐらいからはコールドプレイやシガーロスの影響もあって、こういうやり方もあるとわかったので今までのやり方に新しいアプローチが増えました」

――ちなみに今回のアルバムに関しては...。

東出「めちゃめちゃ出揃っているこの曲たちの中で、本当に思う存分にできたなって思うし、やっぱり優勝フレーズがひとつでもガンっとハマれば、そこだけバイオリンが存分になっていればいいという曲もありますしね。いすぎてもいなさすぎてもダメ」

金井「なんか奇跡的なバランスがあるんですよ。これがサポートメンバーだと違うけど、彼女はメンバーだから、僕が曲を作る時にメンバーがどんなことをしてくれるかというのを意識しながらでないといけないなと思うし、バイオリンに関しては強弱をつけられるようにしたり、バイオリンが鳴っていない時間を作ることで逆に意義を作ったり。そのバイオリンを鳴らさない時間でも彼女は他の楽器ができるから、やらない時間をどうステキに過ごすかっていうのを考えてもらったり。だからこそそろそろバイオリンの音が聞きたいと思ってもらった時に、どうカッコよくインしてもらうかとか。いろいろ積み重ねてきたからこそ、そのバランスはBIGMAMAの美学として確信を持っています」

――確かに曲の中でブワッとバイオリンの音が入ってきた途端に「エモい!」という気持ちを増幅してもらえる効果をヒシヒシと感じました。

東出「事務所の方に、"真緒、お前のバイオリンはエモいんだから"って言われたんです。それがすごく嬉しかったんですよ。技術ではなく、私は私で唯一無二であって、自分の音が好きだし、それをエモいって言ってくれてる人がいる。私はエモいバイオリニストでいいんだって。タイミング的にもぴったりでした」

――そしてこのアルバムを携えて、全国6カ所を回られるわけですが、その名も『SCHOOL WARS TOUR』。めちゃめちゃいいタイトルですね。

金井「どんなことやりたい?」

東出「やりたいことというより、今回から学割があるんですよ。学生さんにたくさん来てほしいなっていうのは思っていて。物価がガンガン上がっていて、お財布直撃しているところだけど、ライブハウスで大きな音で私たちはプレーヤーとしても素晴らしい人数そろっていますから、バンドを見てほしい。バンドマンってライブハウスで音を鳴らしていたらこんなにかっこいいんだっていうのを、肌で感じてほしいなと思います」

――学生さんの中には、コロナ禍での配信が初めてのライブ体験だったっていう人もいるかもしれないですよね。

東出「そうですね。ライブハウスがいかにステキな場所かっていうことを伝えたいなと思います」

金井「学生さんにももちろん来てほしいんですけど、"青春はエモい"って言葉はみんなに当てはまると思っていて。青春という概念は10代に限定しているわけでもないので、何かに夢中になれる時間を持っていたら、それは青春だって曲の中でも歌っていて。僕は、バンドで演奏している時は自分の年齢なんて感じていなくて。ずっと高校生のままの時の自分なんです。ライブ会場に来てくれたら、きっと同じ気分を味わってもらうことができるんじゃないかと思うんです。今回のアルバムがそれを体験できる極みだと思っています」

Text by 桃井麻依子




(2023年10月18日更新)


Check

Release

Album『Tokyo Emotional Gakuen』
10月25日(水)発売 3300円
DDCZ-2302
FUZE RECORDS

Profile

ビッグママ…“バイオリンとバケツを擁するロックバンド”。2006年より本格的に活動を開始。 ロックとクラシックを融合させたコンセプトアルバム『Roclassick』を発表するなど、日本のロック界に革命を起こし、毎年さまざまなフェスへ出演を果たしている。バンド名の”BIGMAMA”にちなみ、母の日とクリスマスに特別なイベントを開催。そして2017年秋に開催した初の日本武道館公演はソールドアウトとなり、話題となった。2021年にはドラマーのBucket Banquet Bis(通称・ビスたん)が正式メンバーとして加入し、新たなスタートを切るべく事務所を移籍。 2022年にLINE CUBE SHIBUYAで行った前代未聞のフリーライブには、応募者が殺到しプレミアチケットとなったことも記憶に新しい。

BIGMAMA オフィシャルサイト
https://bigmama-web.com/


Live

『SCHOOL WARS TOUR』

【神奈川公演】
▼10月28日(土) KT Zepp Yokohama

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:249-531
▼11月10日(金) 19:00
Zepp Osaka Bayside
通常-5500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
学生-3300円(当日要身分証明書、整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童の入場不可。小学生以上は有料。
※学生チケットは入場時に身分証明書の提示が必要となります。
※販売期間中は、インターネット(PC・スマートフォン)のみで販売。1人4枚まで。チケットは、10/27(金)朝10:00以降に引換えが可能となります。
[問]GREENS■06-6882-1224

【福岡公演】
▼11月11日(土) Zepp Fukuoka
【北海道公演】
▼11月19日(日) Zepp Sapporo
【愛知公演】
▼11月22日(水) Zepp Nagoya
【東京公演】
▼11月23日(木・祝) Zepp DiverCity(TOKYO)

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