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心の浮き沈みもさらけ出し進み続けた意欲作
シンガーソングライター・ZINが
1stアルバム『CURVE』で表現したかったこと

アーティストコレクティブ・Soulflexのメンバーでもあり、ソロとしてもR&B/SOULを軸に活動するシンガーソングライター・ZIN。甘く、伸びやかな歌声をもって、よいことも悪いことも全てひっくるめた人生の悲喜交々の心の動きを驚くほど赤裸々に歌う、そんな表現者だ。大阪でシンガーソングライターとしてのキャリアをスタートさせた彼は、R&B、ネオソウルの本場・ニューヨークで音楽を学び、そして帰国後はあまたのアーティストとコラボレーションを行いながら、数々のシングルとEPをリリースしてきた。そしてこの秋、いよいよファーストフルアルバム『CURVE』を世に送り出す。今回、ぴあ関西版WEB初登場となるZINにインタビューを敢行。ZINというシンガーソングライターがどんな経緯で歌の道を進んだのか、彼の音楽に影響を与えたものなど、『CURVE』を聞く前にぜひ知ってほしいエピソードをたくさん知ることができた。ぜひこのインタビューを読んで彼の人となりを知り、『CURVE』を聞いてみてほしい。きっとすべての曲の聞こえ方が変わってくるはずだから。

新しいことへの挑戦も怖くない
視野が広がったニューヨークでの3年間


――今日はぴあ関西版WEBに初登場ということで、よろしくお願いします!

「よろしくお願いします」

――個人的に、7月末にX(旧Twitterで)つぶやかれていた「アルバムってやっぱいいよな〜為人やその背景や匂い、ストーリーを存分に味わいながら音楽楽しめるって最高やと思う」という文がとても印象に残っていました。今日はZINさんの人となりやアルバムのストーリーをお伺いしつつ、作品を楽しむためのガイドになればいいなと思っています。

「楽しみです。ありがとうございます!」

――そもそも音楽を始めたきっかけ、歌う側に立つようになったのにはどんな経緯が?

「男3人兄弟の末っ子で、親父が男はスポーツだと言うような家庭でした。兄2人は今もスポーツの道に進んでいるんですけど、僕だけ芸術肌だった母の影響を受けてピアノや絵を習いに行かせてもらったり、母と小劇場でミュージカルを見たりしていたんです。その流れでミュージカル俳優に憧れを持ち始めました。それで地元のミュージカル劇団に入って歌やダンス、お芝居を習ったりしていましたね」

――へー! 意外な出発点ですね。

「そのあと中学生の頃、兄がクラブカルチャーにハマり始めていたのを見て、憧れを持つようになって。思春期だったこともあって、ミュージカルとは真逆にあるようなブラックミュージックやHIP HOP、B-BOYカルチャーに興味がシフトしていったんです。そうすると劇団で芝居をしていることも恥ずかしくなってきて」

――あぁ、まさに思春期的!

「そうなんです(笑)。それで劇団を辞めて、当時習っていたダンスもバレエだったのでHIP HOPダンスに替えて、芝居のレッスンも辞めてボイトレに通っているうちに、レゲエやHIP HOPにどんどんハマっていきました」

――でも聞いてハマっていくのと、シンガーとして歌う側に立つのはまた別のお話な気もしますが...。

「ですよね。そのきっかけは映画の『天使にラブ・ソングを2』ですね。ローリン・ヒルを見て感動してしまって」

――あ、わかります! 彼女の出演は本当にセンセーショナルでした。

「彼女を見て、こんなふうに人前に立って歌いたいと思ったんです。これが決め手だったと思います。高3までは地元の福岡でボイストレーニングとダンスレッスンを続けていました。そして大学進学で大阪に出たんですけど、当時歌うにはどうしたらいいのかわからなくて」

――そこからどう行動を?

「通っていた大学にはDJやダンサーがすごくたくさんいる環境ではあったんです。1年の学祭の時にぶらぶらしていたら、DJをやっている人にイベントのフライヤーを渡されたんです。これはチャンスだと思って『クラブで歌ったりしてみたいんです』って話したら、『それなら人とつなげてあげるから来なよ』って言ってもらって。それで初めて行ったのが鰻谷sunsui(現CONPASS)でした。そこでいろんな人と出会って、曲の作り方を教えてもらったりしました。18、19歳の頃ですね」

――プロフィール的にはその後大阪で活動を始められて、2013年からニューヨークに留学されていますが、これはどんな流れで?

「高2の時、母の姉がニューヨークでカメラマンをしているので彼女を訪ねて旅をしたんです。その時から、いつか絶対ここに住みたいという思いがありました。そしてちゃんとお金が貯まって現実的に行けることになったのが2013年でしたね」

――高校生だったZINさんにとって、ニューヨークはどんな衝撃を与えたのでしょう。

「ひたすら自由に生きている人が多いということは驚きでした。日本にいたらこんな派手な格好したら白い目で見られるなとか、人目を気にして生きている感じがしていたんです。でもニューヨークでは誰も何も気にしていない。そしてみんなキラキラと幸せそうに見えた。もちろんブロードウェイへ舞台も見に行ってそれもすごいとは思ったけど、それ以上に人の生き方に衝撃を受けて、いいなぁと」

――じゃあ音楽を学びたいというよりは、そこで生きてみたいと。

「うん、そうだと思います。ただ学生ビザだったので、しっかり音楽も学んで」

――憧れたニューヨークでの生活が、今活きているなと思うことはありますか?

「僕、めちゃくちゃ人の目を気にしながら生きていたんですけど、人からどう見られるかを気にしなくなりましたね。それは大きいと思います。肝が大きくなったのか、ちょっとやそっとじゃムカつかないというか。人を許せるキャパが大きくなったような気もするし、多少のトラブルではテンパらないですね」

――でも人の目を気にするという気質を自覚されていたのなら、日本のクラブで歌うこともハードルが高かったのかなと思うんですけど...。

「その辺、矛盾してますよね(笑)。今もなんですけど、ステージ上では無敵なんですよね」

――(笑)! それってそれだけステージ上では好きなことができているからなのか、自分の歌に絶対的な自信があるのか、自覚はありますか?

「どっちも、ですかね」

――いいですね。ステージで歌うということがZINさん最大の喜びであり強みなんですね。ちなみにニューヨークでの生活は、音楽性にも影響を与えましたか?

「2013年から2016年ごろまで滞在していたんですけど、フランク・オーシャンとか、オルタナティブR&Bが流行っていた時期でした。日本でいう1番がAメロ、Bメロ、サビ、2番Aメロ、Bメロ、サビ、ブリッジがあってサビというような決められた構成がない、どこがサビかわからない曲が多くて。それは、僕が今書く曲にも影響を与えられているなと思います。それまでは枠にはめて書いていたので、なんでもいいんだと驚きました」

――なるほど。滞在中はどんな音楽活動を?

「ライブはあまりやっていなかったけど、音源はずっと作っていました。英語だけの曲を作ったり、ギターを持って地下鉄で歌ったりしていました」

――すごい! それは肝もデカくなりますよ!

「いや、ほんとに! ギターを買ったものの最初はビビって、買ってからライブをするまでは相当な時間がかかりました。でもせっかくニューヨークまで来てギターも買ったんだからやらないと! と思ってやってみたら、こんなもんか? と」

――意外と受け入れてくれる?

「受け入れてくれるし、誰も見てないという面もあって。いい言葉をかけてもらったり、小銭を投げつけられたり、今からここで歌うからどけって言われたりもしましたけど、この経験はデカかったですね。やるまでには怖いなと思うこともやってみたら意外と普通だったっていう経験をしたので、帰国してからは新しいことへの挑戦も怖くなくなりましたね」

――素晴らしいですね。帰国はどんなタイミングで?

「行く前から向こうで学んだことを日本に持ち帰って活動したいという気持ちが強かったんです。3年ぐらい経った頃に、ある程度英語も話せるようになって学びたいと思っていたことが学べたと感じたので帰国しました」

――帰国後はまたシンガーとして活動を始めたわけですよね。

「そうですね。Soulflexもあったし、当時はTOKYO CRITTERSでも動いていたので、その活動が活発になって、ユニットでの活動が多かったですね。ソロはニューヨーク行く前に大阪でやっていた時がすごくいい感じだったんです。当時しっかりお客さんもついてくれていて、東京にもゲストで呼んでもらったり。ニューヨークに行く時もたくさんのお客さんに送り出してもらいました。だから帰国する時はZINが帰ってくる! っていう感じかなと期待していたんですけど、出鼻をくじかれて」

――出鼻をくじかれた?

「3年でシーンが全く変わってしまっていたんです。帰国してからは東京に軸足を置いたんですけど、僕がいた当時のクラブシーンではなくなっていた。これはヤバいと思って、初めましてZINです、ライブをさせてくださいっていうことをイチから始めました。ライブハウスやクラブにメールを送ったりして、地道に。そういう活動が、今につながって実を結んでいるなと思うことはありますね」



聞く人の心に寄り添う、
そんなアルバムが作りたかった


――そして9月6日にファーストフルアルバム『CURVE』がリリースになります。聞かせていただきまして、メロディーにもZINさんの歌い方や声にもすごく丸みがある、タイトル通り音から美しい曲線を感じられる作品でした。

「ありがとうございます」

――イヤホンを使って聞いていたせいもあるかもしれませんが、すごくパーソナルな部分に語りかけてくるような、聞かせる作品だなとも感じて、すごくYogibo的な1枚と思ったんです。

「Yogibo?」

――聞く人の心の形によって形状を変えるというか、その人の心にぴたりと寄り添ってくれるというか、そんなアルバムのイメージが生まれまして。

「わ、それうれしいです」

――なので、タイトルがありきでアルバムが制作されたのかしらと感じたのですが、いかがでしょうか。

「それは前作EPの『Ginger』を制作している頃から、次は『CURVE』だなと考えていました。なので、その通り『CURVE』というコンセプトがあって、曲を書き始めた感じです」

――そもそも次は『CURVE』だとひらめいたのはどうして?

「一時期家具屋さんで働いていたことがあるんです。中でもすごく北欧の椅子が好きで、北欧の椅子って曲線が綺麗なものが多いんですね。曲線がある椅子や机や照明にすごく色気があるなと思っていました。カクカクしているものより、曲線がある方がエロいですし」

――曲線に宿るエロス、わかる気もします(笑)。

「働いていた家具屋さんでは毎日ブログを書いていたんですけど、そのためにいろいろ下調べもしていたんです。そこでこの自然界には曲線しか存在ないということを知って」

――自然界の全てのものは曲線でできているんですね。言われてみれば確かに!

「そう、それがいい言葉だなと思ったんです。都会の高層ビルとか人間が人工的に作り出すものは直線的なものが多いのに対して、人間そのものはすごく曲線でできているなと。あと、人が疲れた時にも森や海や山の自然が多いところに癒しを求めるのはなぜだろうとも考えたんです。それも自分を構成するのと同じ、曲線が多い場所に帰りたくなるのかもしれないと思って。当時コロナ禍で、誰もが疲れていました。音楽も元気を出したくて聞くけど、アップテンポなものはその時の自分的には合わなくて、今は寄り添ってくれるものがいいなと。そういう音楽を作りたいと思った時に『CURVE』という言葉が浮かんで、それをテーマにアルバムを1枚作れたらいいなと思いました」

――実際の制作はどのように進んでいったのでしょうか。

「今、川沿いに住んでいて。趣味として筋トレしたり走るのがすごく好きなんです。そこから生まれた「Midnight Run」という曲を去年の10月に出したんですけど、走ると無条件でスッキリするじゃないですか。それも科学的にちゃんと根拠があるみたいなんです。人間の脳って、大きいものを先に癒そうとするみたいなんです」

――というと?

「精神の疲労より、生命維持のために肉体の疲労の方が命に関わるから、体を疲労させると脳が肉体の回復に集中するのでスッキリするみたいなんです。それを聞いて、めちゃくちゃそうだなと思ったんです。実はその当時プライベートなことで日々悩んでいて、しょっちゅう走っていたんです。考えたくないから走るっていう。それをきっかけに「Midnight Run」という曲ができて、この曲ができたことでアルバム作りができそう、そして『CURVE』というテーマにも合いそうという感じで進めていきました」

――そこから具体的な動きとしては...。

「大枠で『CURVE』っていうテーマはあるんですけど、そこにひたすら忠実に作って行ったわけではなく、アルバム全体を通して聞いてもらった時に耳元でしっかり聞きたいというか、さっきおっしゃっていただいたように全体に丸みがあるアルバムだと思ってもらいたいと考えました。サウンド的に言うと、割とオーガニックなサウンドや生音を多用してみたりして、歌詞はパーソナルなことを歌うことや人に寄り添えるようなものを作りたいと。そして制作チームに声をかけて、最初はサウンドから作り始めました」

――なるほど。

「これも結構アルバム作りのきっかけになったことではあるんですけど...去年の夏頃、失恋というか、恋愛で大変だったことがあって。相手の心の動きに飲み込まれそうになって、自分も苦しくて」

――その状態で、作品の制作もされていたんですか?

「はい。逆に制作していないと苦しいほどでした。11曲目の「If I lose」も、自分に吐き出すところがないから、書くしかないという感じで書いて心を整理していたんです。恋愛のことなので、人に話すことで一時的には落ち着くんですけど、どうしても自分の中で整理がつかない気持ちを歌にしていました。「If I lose」もその次に収録している「First song (dead to me)」も、イントロに入っている「Endpaper」もそうです。悩みのスタートは恋愛のことでしたけど、そこから生きるってなんだ? 死ぬってなんだ? っていうところまで考えるようになっていた時期でした」

――それは曲を書くことで自分の中の整理や浄化にはなったと思いますか。

「整理...にはなったんじゃないかと思いますし、自分の気持ちは浄化されたなと思います。去年のワンマンでリリース前の「If I lose」を歌った時に、自分も大切な人を亡くしたという方たちからたくさんDMが来たんです。その時に、曲を書くってこういうことなのかなとかも思いました」

――日本人は歌詞で音楽を聞くと言われているだけに、そこにすごく共感を覚える方も多いんでしょうね。コロナ禍で心に重いものを抱えられた方も多いと思いますが、正常化していく世の中に心がついていかない方もいらっしゃると思うんです。その方々にも寄り添ってくれるアルバムになるのでは? とお話を聞いていると感じます。

「そうなってくれるとうれしいです」

――特に曲を書くにあたって、今の自分を表現できたと感じているのは先ほどからお話にあがっている「If I lose」ですか?

「いや、その観点で見ると最後の曲の「綻び」ですね。僕は英語と日本語を混ぜる形で曲を書くんですけど、この「綻び」に関しては全て日本語なんです。基本曲を書く時は、音があって、メロディーをつけて歌詞を書くというやり方なんですね」

――ということは、メロディーに合う言葉を探していくというやり方?

「そうです。メロディー重視で作ることが多いので、ノリというか、そこに言葉をはめていくのが僕のスタイルなんですけど、「綻び」関しては音が全くない状態で、アカペラで歌ったものをボイスメモにおさめて、それに音をつけてもらうというやり方を初めて採用しました」

――アカペラで歌ったということは、メロディーもある程度ついていたということですか?

「最初に歌詞をバーっと書いて、その歌詞見ながら思いつく感じで歌ってみた感じです」

――その思いつく感じで歌ってみたメロディーは、実際に生かされているんでしょうか。

「はい、ほぼ」

――その方法を取ってみようと思えたのは、衝動的に今思い浮かんでいるからやらなきゃという感じですか?

「難しいんですけど、メロディー先行だとどうしてもメロディーに縛られるんです。そこにはまる言葉を探さないといけないので。歌詞先行だと言いたいことも言えるじゃないですか。僕がなぜメロディー先行にするかというと、歌詞先行だとどうしてもJ-POP的なノリになってしまうからなんです。日本語には英語にあるリズムがないので、R&B的なグルーヴがでにくいんですよね。グルーヴ感やリズムの取り方というのが、R&Bというジャンルをやる上で重要だと思っているので、そこはずっとメロディーの美しさやノリを重視してきたんですけど、アルバムの中に入れるならこういう曲があってもいいのかなと初めて歌詞先行で作ってみました」

――その「綻び」がJ-POP的なノリにならないようにするために、工夫された点はありましたか?

「歌に関してはJ-POP的なわかりやすい方向に振り切ってみたんですけど、その代わりトラックをFKDというトラックメイカーに投げたんです。彼はすごくエクスペリメンタルというか抽象的な表現もできるので、いい意味でのアンバランス感を作り出してくれるんです。ちょっとスカッとしたビートの中に、キャッチーな日本語の歌詞がある曲ってあんまりないと思うんです。そこに生のチェロを入れて聞いたことのないものにしてくれました」

――トラック自体、聞いたことのない数の少なさでした。

「そうですよね。僕もネクストが見えた作品になったなと思います」

――その曲を最後に持ってきたというのは、次につなげるという意味もありますか?

「そうですね、ありますし、「綻び」という言葉ってネガティブにもポジティブにも捉えられると思うんです。糸がほころぶとか、ボロが出る、秘密が暴かれるみたいな意味もあれば、蕾がほころぶみたいなこともあるけど、何かが表に出る瞬間というか、いろんな人が人に言えないパーソナルな何かを抱えながら生きていて、人目を気にして内側に秘めないと生きていけないのって本当に辛いなと思ったんです。だからこそ人目を気にせず自分らしくいることや、内にあるものを外に出すことは美しいことなんだよと肯定したかったんです」

――個人的な感想を言うと、曲調も相まってこの曲はすごく祈りの曲にも聞こえました。このアルバムの中でもいい意味で異色と言いますか。

「僕の中でも、すごく大切な曲になりました」

――そしてもうひとつ私が気になったのがアートワークなんです。『CURVE』というタイトルを聞いた時に、保健体育の教科書に女性の体は年齢とともに曲線的な丸みを帯びてきますみたいに書かれていたことを思い出しまして。だからこそ、曲線美というイメージのある女性の体ではなく、男性の体がジャケットに映し出されていたことに、どんな意図があるのかお伺いしたいと思っていました。

「それこそ、曲線=女性みたいな概念も壊したかったですし、全てがボーダレスであるべきというか、男の子がピンクを着てもいいし、女の子が坊主でもいい。誰が何を着ようが、誰が何を聞こうがいいよっていうのを示したかったというか。...実は前作EPの『Ginger』の別カットなんです」

――へー!

「あの4人は同じ4人なんですけど、実はその中に僕もいるんです(笑)。今回使ったカットは残しておいたものなんですけど、ピタリとハマるなと。上半身裸で男4人裸だけど、背中を向けているから必ずしも男がどうかわからないじゃないですか。ひとり女の子が混じっているかもしれない。ボーダレス、そして本当のことは本人しかわからないよと。周りから見たら不幸そうに見えても、いや、私は幸せだよみたいなことってあると思うし、逆も然りだと思うんです。本当に真実って表面だけ見ていてもわからないから、そういう意味も込めています」

――SNSがあることによって、より見えるものが全てと捉えがちな気もします。

「いや、本当に。そう思いますね」

――そしてこのアルバムを携えて、ツアーが行われます。

「はい。バンドで地方を回るのも初めてなので、本当に来てよかったなと思ってもらいたいし、このライブに来てくれた人が振り返った時に、ZINのライブに行ったからまだ頑張れるわと思ってもらえたらうれしいです。そんなあたたかいライブができたらいいなと」

――前回のワンマンライブが好評でソールドアウトもしていました。その時に得られたことで活かせそうなこともありますか?

「その『Ginger』ライブがかなりキーポイントになっていて、すごくこだわったんです。ライブだけでなくフライヤーから始まって、お客さんが入場する時のBGMや音響、舞台の照明、グッズに至るまでひとつひとつ丁寧に作り上げていきました。ここまで丁寧に作ると、こんなにしっかりと伝わるんだと思えたので、今回も細かいところまで丁寧にやりたいと思っています。マジ大変なんですけど(笑)」

――ちなみに大阪公演がある9月27日はお誕生日ですよね。

「そうなんです! 地元なので、特に盛り上げたいなと思っています。大阪でバンド編成でのライブもできていなかったので、僕もすごくワクワクしているし、昔から知ってくれている人も多い大阪の方にZINがこんなに成長したんだと思ってもらえたらうれしいですね」

Text by 桃井麻依子




(2023年9月 1日更新)


Check

Release

1st Album『CURVE』
9月6日(水)発売
ZIN/ArtLed

《収録曲》
01. Endpaper
02. Midnight Run
03. Complex
04. Carved in stone
05. Ooh!
06. Contagious
07. Jaded
08. Eden
09. 憑依 feat. NF Zessho
10. A long way
11. If I lose
12. First song (dead to me)
13. 綻び

Profile

福岡県出身。R&B/SOULを軸に活動するシンガーソングライターであり、関西を中心に活動するアーティストコレクティブ・Soulflexの一員としても活動中。。大学進学を機に大阪を拠点にしてシンガーソングライターとしてのキャリアをスタート。2013年から約3年間のニューヨーク留学し、滞在中には全米最大級のゴスペルフェス『McDonald’s Gospelfest』のソロ男性ボーカリスト部門ファイナリストに選出される。、帰国後は東京を拠点に活動続けている。ソングライティングに定評があり、さまざまなアーティストの客演や楽曲提供も行っており、そのスタイルは時に優しく、時にダイナミックに人間の深層を浮かびあがらせるような独自のサウンドを追求している。

オフィシャルサイト
https://zin-soul.com/

X(旧Twitter)
https://twitter.com/ZIN_SOUL

Instagram
https://www.instagram.com/zin_soul/


Live

『First Full Album 「CURVE」Release Tour 2023』

【福岡公演】
▼9月15日(金) ROOMS
【愛知公演】
▼9月17日(日) TT" a Little Knowledge Store 星ヶ丘

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:247-479
▼9月27日(水) 20:00
心斎橋JANUS
スタンディング-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。小学生は保護者同伴にて入場無料。
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]GREENS■06-6882-1224

【東京公演】
▼10月8日(日) WWW X


Keishi Tanaka

チケット発売中 Pコード:247-695
▼9月12日(火) 19:00
LIVE HOUSE FEVER
前売り-4500円(ドリンク代別途必要)
[共演]ZIN/小宮山純平(ds)/Keito Taguchi(b)
[DJ]Achico
[問]LIVE HOUSE FEVER■03-6304-7899

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