ホーム > インタビュー&レポート > 新体制の5人が魅せた熱狂の夜 the dadadadys全国ワンマンツアー『(許)』 神戸公演ライブレポート
太陽と虎には、新体制となって歩みを進めるthe dadadadysを目撃しようというオーディエンスが集合した。『da』の1曲目に収録されているインスト曲『anthem』をSEにメンバーが登場すると、フロアは一瞬で歓喜に湧き、ステージに向かってギュッと人が詰めかける。待ってました感がものすごい。5人と機材が並ぶと狭いぐらいのステージから、はちきれんばかりの轟音が解き放たれ、のっけからすさまじい熱気に包まれた。命を燃やすような小池のボーカル、トリプルギターの高音圧アンサンブル、コーラスも担いつつ叩きつける佐藤のグルーヴ、エッジーなyuccoのビート。一瞬でも目を離すと置いていかれてしまうほどの爆発力とスピード感。小池が「最高で最低の夜にしようぜ!!!」と叫ぶとフロアはさらに熱狂。ツアータイトルにもなった『(許)』や『あっ!』などを投下して、ダイバーも出るほどのお祭り騒ぎを引き起こした(小池も2曲目でいきなりダイブ!)。何という熱い幕開けか。
豪速球で4曲を演奏した後はMCへ。といっても、音は止めずに小池が少しだけ語るスタイルだ。「神戸は最近ちょくちょく来てるから、ちょっと距離感が縮まった気がしてて。恋をしている、初恋をしているような乙女の気分で神戸に来ております。適当に踊っていこうよ、青二才!」とラフに叫んで『青二才』へ。少しテンポを落としてフロアをゆらゆら踊らせる。<タータータラッタータラ>では全員でシンガロング。遠慮なく声出しができる喜びを噛みしめる。
そして『にんにんにんじゃ』で再びヒートアップ! 高まったように佐藤が前に出てプレイしたと思えば、小池が儀間をグイッと引っ張ってお立ち台に押し上げる。儀間は一瞬驚いたような表情を見せたが、そのままの勢いでフロントマン4人が全力プレイを見せると、フロアは拳を突き上げて大歓喜! 「俺は音楽を聞いて踊って、それしかできないことに最近気付いたので。踊り方は自由です」との小池の言葉から始まった『しぇけなべいべー』では猫も杓子も踊りまくる。始まって数曲で既に汗だくの5人が、眩しく光を放つ。
山岡と儀間のクールな見せ場がガツンときいた『PUXXY WOMAN』、山岡と儀間のユニゾンギターに小池と佐藤がジョインしてゴリゴリに圧を増した『nantekotta』。演奏の迫力はもちろんだが、曲展開のカッコ良さに痺れてしまう。5人とも激しく演奏しているが、サウンドはまとまっていることから実力の高さも感じさせる。儀間・佐藤・小池のコーラスもパワフルで、とにかく「叫び! 歪み! 轟音!」のオンパレード。しかし、どこか繊細さも感じさせるのが彼らの魅力だ。
teto時代の楽曲も何曲か披露されたのだが、フロアの盛り上がり方がすさまじかった。ぐちゃぐちゃに喜ぶオーディエンスに感化されたのか、小池は何度もダイブし、儀間はフロントで轟音を響かせ、山岡はお立ち台に立って上半身を乗り出し、手を伸ばしたオーディエンスをなぎ倒すようにギターネックを近づける。狂ったように踊り、跳ね、飛びまくるフロア。メンバーだけでなく、オーディエンスからもアドレナリンが出ていることが伝わってくる。ライブハウスの距離の近さが一体感をギュンギュンに高めていく。
続いて小池が気持ち良さそうに「サンキュ~! イエェェェイ!」と叫び『waiting for us.』をエモーショナルに爆発させる。素直に"このスピードを演奏できるってどうなってるんだろう"と思ってしまうほどの高速BPMは、クライマックス感すら感じさせる。yuccoが曲順を間違えるお茶目なハプニングもありつつ、小池がアコギに持ち替えてカントリー要素のある『♡』を軽快に披露して、『らぶりありてぃ』へ。小池は「これができた時、嬉しかったんです」と特別な想いが込められた曲であることを明かし、滑らかにラップを紡いでいく。ラブソング『恋』でも大合唱が発生。素晴らしい充実感で会場を満たしていった。
何とここで「今日気分が良いから1曲追加しちゃおうかな」と、セトリになかった楽曲を披露。聞こえてきたのは、teto時代の『手』。言わずもがなフロアは大喜び! 小池もハンドマイクで嬉しそうに歌う。サビではジャンプ&ハンズアップ! 最高の一体感で魅せる展開に特別感が増してゆく。
ラスト2曲は超絶ターボ! 『k.a.i.k.a.n』と『ROSSOMAN』を豪速球で投げつける。思考停止してトリップするほどの爆音と熱狂だ。小池はドリルのように勢いよくフロアにダイブ! 迷いなくダイブできるのはファンとの信頼関係があるからこそ。「きもちいー! バカになって楽しもうぜ! 要らないもの全部ここに置いてってください!」と叫び、目を見開いて、オーディエンスの手を握って激しく歌う。そんな小池の姿は紛れもなくロックスターだった。ラストは儀間もこれ以上ないほどのお祭り状態となったフロアにダイブ! 全力で魂をぶつけ、サウンドと生き様を叩きつけ、会場を熱狂の渦に巻き込んだ5人だった。
アンコールに応えて登場したメンバーは、それぞれにアレンジした着こなしで全員揃いのthe dadadadysのロゴTシャツを着用。小池は「楽しかった! また遊ぼう! 最近エモとかチルとか流行ってるけどね、俺はね、<にんにんにんじゃ>とか<ギリギリ・キリギリス>とかクソみたいな単語でね、こんなに暴れて楽しめるこの空間が1番最強だと思ってますけど、オオウ!?」と叫ぶ。『da』と『だ』に込めた想いも伝えながら「今やりたいことと、やるべきことでできてます。どうでもいいんだけど、伝わってると思ってるし」とファンに信頼を寄せる。本編の熱狂をさらに押し上げたアンコールだったが、何の曲をやるかは楽しみにしていてほしい。最後の最後は、文字通り全身全霊、全員が一心不乱に音を弾き出し、この日1番のエモーショナルを作り上げた。
太陽と虎は高架下に位置するため、いつもならライブの合間に電車の音が聞こえてくるのだが、この日は全く聞こえなかった。最初から最後までずっと爆音で、電車の音がかき消されていたのだ。体感時間としてはあっという間だったが、熱狂の波は何度も何度も訪れた。演者と観客の双方がしっかりと受け止めて、しっかりと伝える。そんな光景がとても美しかった。全身音にまみれて、汗を流すことの尊さを改めて教えてくれたthe dadadadys。オーディエンスは皆スッキリとした表情で帰路についていた。
the dadadadysは6月3日(土)に再び関西にカムバック。梅田シャングリラでワンマンライブが行われる。ツアーセミファイナルとなるこの日は、今よりもさらにパワーアップした姿を見せてくれることだろう。
Text by ERI KUBOTA
Photo by 渡邉一生
(2023年5月 2日更新)
『VIVA LA ROCK 2023』
チケット発売中 Pコード:236-599
▼5月6日(土) 10:00
さいたまスーパーアリーナ
5/6 1日券-11000円
[出演]打首獄門同好会/ELLEGARDEN/エレファントカシマシ/大宮セブン/coldrain/小林私/サバシスター/ジェニーハイ/シンガーズハイ/the dadadadys/CHAI/DJピエール中野/TETORA/東京スカパラダイスオーケストラ/totemぽぉる/バックドロップシンデレラ/Panorama Panama Town/ハルカミライ/the band apart/マキシマム ザ ホルモン/ヤバイTシャツ屋さん/ヤングスキニー/夜の本気ダンス
※中学生以上はチケット必要。小学生以下は保護者1名につき1名まで無料。2人目からの小学生以下はチケット必要。公演当日要身分証明書。出演者は予定のため変更の可能性あり。他に2日券(Pコード:780-567)・5日券(Pコード:780-568)もあり。
※チケットは、インターネットでのみ販売。店頭での受付はなし。1公演につき4枚まで。
【動画配信】ビバラ!オンライン 2023
チケット発売中 Pコード:780-706
▼5月6日(土) 10:40
※5月12日(金)23:59までアーカイブ配信あり
PIA LIVE STREAM
1日券-3000円
[出演]大宮セブン/coldrain(1曲のみ)/サバシスター/ジェニーハイ/シンガーズハイ/the dadadadys/CHAI/東京スカパラダイスオーケストラ(1部をカットした映像)/totemぽぉる(1曲のみ)/Panorama Panama Town/the band apart/ヤングスキニー
[司会]やべきょうすけ
※こちらのチケットをご購入いただくとオンライン動画配信をご覧いただけます。配信アーティスト及びスケジュールは予定のため変更の可能性あり。ライヴ映像の配信はVIVA LA ROCK 2023全出演アーティストではございません。他に5日通し券あり、Pコード:780-707参照。【視聴についての問合せ】event@linkst.jp(平日10:00~18:00)。公演日は配信終了1時間後まで土日祝も対応可能。
※チケットは、インターネットでのみ販売。店頭での受付はなし。1人1枚まで。
【愛知公演】
▼5月19日(金) 池下CLUB UPSET
【福岡公演】
▼5月21日(日) DRUM SON
【宮城公演】
▼5月26日(金) LIVE HOUSE enn 2nd
【北海道公演】
▼5月28日(日) BESSIE HALL
チケット発売中 Pコード:236-477
▼6月3日(土) 18:00
Shangri-La
オールスタンディング-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※小学生以上は有料。未就学児童は保護者同伴に限り入場可。
※チケットは、インターネットのみで販売。1人4枚まで。
[問]GREENS■06-6882-1224