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Novel Core、Awich、SKY-HIが共演
『SOUND CONNECION -NO LIMIT-』ライブレポート

MBSテレビが関西のイベンターやエンタテインメント業界とタッグを組み、関西から音楽シーンを盛り上げる音楽イベント『SOUND CONNECTION』の第3弾がオリックス劇場で開催された。前日の『SOUND CONNECTION -Harvest Begins-』に続く二日目、2月12日(日)は「NO LIMIT」をテーマにSKY-HI、Awich、Novel Coreが共演し、現在のHIP HOPシーンを牽引する超強力な3組による熱いパフォーマンスが繰り広げられた。各々が自身の信念や野望をストレートに発信。コアなファンから初心者まで一体化して盛り上がる、まさに「NO LIMIT」な際限無き熱量に終始圧倒された一夜のライブレポートをお届けする!

Novel Core

二日目の口火を切ったのはNovel Core。開演前から会場内に充満していた観客の期待感の大きさを実証するように、一曲目から総立ちで迎えられる。背後にDJが配置されているだけのシンプルなステージに立ち、『DAWN』から壮大な雰囲気で幕開けた。

そこから一転して、「大阪調子はどうだい? 声出しオッケーなんだろ? とんでもねー怪物呼んじまったなー」と不敵に煽って2曲目の『FREAK PARADE』に突入。「ヘイ、オリックス劇場。こんなもんで満足すると思ってんのか? 思いっきり飛び跳ねて!」と叫ぶと、『BABEL』で観客は波打つような状態となり、序盤から会場内にはすさまじい熱気が溢れだす。MAXどこまでいってしまうのか...と驚くばかりだ。

scnl230314-7.jpg『A GREAT FOOL』ではクラップの嵐が巻き起こって沸騰し、ノリ良くアップテンポの『独創ファンタジスタ』まで天井知らずの盛り上がりを見せた。

冒頭から強気な口調で攻めていたが、その後のMCでは、飛び交う声援に答えるように、「楽しいですね~」と少し柔らかい表情も見せて挨拶する。「すごいメンツだよね!」と、共演者であるAwichとSKY-HIを讃える。両者に続き「来年、日本武道館やります!どうぞよろしくー!」と、2024年の年明け1月17日に決定した単独公演を誇らしげに宣言して歓喜の拍手が贈られた。まだ22歳という若さではあるが、「ここまで簡単な道のりじゃなかったですよ」と、路上パフォーマンス時代からこれまでの活動を振り返り、音楽のパワーでみんなを巻き込んで日本武道館へと乗り込んで行くために、「ついてきてくれますか、エブリバディ!」とまっすぐに声を上げた。

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アカペラで『WIN』をかまし、緩急効かせた『SORRY,I'M A GENIUS』、満場のクラップが高まり、ハンズアップして揺れる『No Stylist』と続ける。さらに、「こんな最高に楽しい1日には、俺と同じく好きな服着てステージに上がってる友達と作った曲歌うぜ」と届けられたのはミディアムテンポのポップな歌メロチューン『HAPPY TEARS』。先行き不安な時代に生きるみんなに寄り添うように心に温かく響いてきた。

最後はゴスペルちっくでアンセム的な『ジェンガ』。澄んだハイトーンが美しく響く壮大なバラードに、じっと聴き入る観客。「クラップ聞かせてくれ~」と声を上げると、再び場内が一体となってクラップを奏で始めた。

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「コロナ禍で厳しいことがあったけど、みんな乗り越えてここまで生きてきたんでしょ、どんなに苦しいことがあっても、またこうして同じ場所で音楽が楽しめるようになるように、どうにかこうにか踏ん張って生きていってください!俺はがんばるよ!」とポジティブなメッセージを発して、スタンディングオベーションに。次世代を担っていく意気の良さとチャーミングさで会場中を虜にする。そんなフレッシュなヒーロー像を強く印象付けたNovel Coreの今後に期待せずにいられない。


Awich

聖歌のように響く『Boss Run Dem』のイントロで登場したAwich。重低音を効かした『N.W.O』と続けて息を呑む凄みで場内の視線を一気に引き寄せていく。「オーサカーーー!」とパワフルに声を上げ、「はじめまして、私が、A・w・i・c・h、Awich!みんな元気ですか?」と声のトーンを変えながら早々と挨拶する。この日のライブで初めてAwichのライブを観るという人も多いようで、緊張をときほぐすように、「初めての人?」と声をかけて確認し、「めっちゃいる」と笑う姿には気さくな一面も垣間見れた。先ほどのNovel Coreに対しては「圧巻のステージでしたね!」と賛辞を送り、「私のステージも楽しみにしていてください」と気合を入れ直す。次に、「自己紹介代わりの曲」という『Queendom』では自身の半生を綴ったドラマティックなリリックとダイナミズムあるフロウで観客をじっと聴き入らせた。さらに途中からはみんながハンズアップする光景が。渾身のラップで強烈にシビレさせ、沸き立たせて、「私のエネルギー伝わってますか?」と問いかけると、"もちろん!"と言わんばかりに満場の拍手でみんなが答えていた。

scnl230314-8.jpg「SKY-HIくんの大好きな曲」という『Remember』では「大阪、跳びな~」と声を上げるとオーディエンスは一斉にジャンピングし、Awichも飛び跳ねるようにパワフルな動きでパフォーマンス。

中盤になると、「次、何やろっかな~」とリラックスした様子を見せながら、自身が曲を書いた背景を丁寧に伝えていく姿も印象的だった。『どれにしようかな』では、「自分の居場所や選択肢があまり無いなと苦しんできたひとたちのために作った曲。誰かに選ばれないかなとか、待つだけの人生じゃなくて。自分が何をしたいのか、何になりたいのか、ちゃんと選べる、そういう意識を持とう!って、自分にも言い聞かせている曲」と説明。自らを鼓舞し、「私もみんなのこと応援してます」とエールを送った。そこからさらに気迫みなぎる、アッパーなナンバーを畳み掛けていくと、同調する観客のクラップが激しく鳴り響いて会場全体が情熱の炎で覆われた。

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『口に出して』ではより熱を帯びたリリックを放ち、「みんな気づいてるかもしんないけど、私の曲は言葉のあやが多いです。それがラップのイイところ。言葉で遊んでいる。言葉のあやを読み解く力を育ててます。一聴して、卑猥!とか、怖い!とか、思われるかもしれないけど、それはみんなを怖がらせるためじゃない。私がラッパーとしてやりたいのは、物事を深く考える力を育むこと。」と、自身の理念をわかりやすく伝える姿勢から確かな自信と説得力が感じられた。

『Revenge』では、外に出たくないほど「辛かった時期もある」と打ち明けて、そんな人生のどん底でも「大好きな言葉を」書き続けたこと。そうやって暗闇から出口を見つけ、強靭な自己のラップや歌へと昇華してきたのだろう。「だから今ここにいます」「やめなければいつでもリベンジできる」と断言するAwichに促され、みんなが頭上に掲げたスマホ・ライトを揺らす感動的な光景が広がっていった。

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後半も目が離せないシーンの連続だった。自身のルーツとなる「沖縄の子供達に捧げる」ピアノバラードの『TSUBASA』。「私の娘に捧げます」「自分の好きなことを見つけて、それに向かって一生懸命進んでいくように」との思いを込めて「邪魔するやつがいたらこう言ってあげるんですよ。お前、誰?」と言い放ち『WHORU?』をドロップ。世の中の真偽に毅然と対峙する母親としての深い愛とタフな姿勢を示した。

その後も、『洗脳』『GILA GILA』とリアルな言葉で切り込む一筋縄ではいかない楽曲を次々と投下する。そして、ラストは強がることなく、弱さや繊細さが感じられる『BAD BAD』へと着地。自身のヒストリーをさらけ出して、次の時代を切り開いていく。そんな揺るぎない覚悟と決意を提示し、具現化していく新時代のクイーンの嘘偽りない存在感を脳裏に焼きつけた。


SKY-HI

満を辞して、鳥肌が立つような歓声で迎えらえられたSKY-HIはオープニングの『Happy Boss Day』から、4人のダンサーと共にキレ良く踊って、鋭いラップを畳み掛けていく。ラップ、ボーカル、ダンスとオールマイティかつスキルフルなパフォーマンスをアップデートして、時代の最先端を走り続けるSKY-HIの降臨に場内は冒頭からすでにMAXといっていいほど沸き立っていた。

『Mr. Psycho』でさらにテンポアップ。『Dramatic』ではリズミカルなクラップが盛大に鳴り響き、観客は一斉にハンズアップして大揺れになっていった。そこに、パワフルに容赦無く高速ラップで捲し立てる淀みない進行が続いていく。

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グッと落として、情感込めたフロウから超高速ラップへと変幻自在に構築していく『何様』はまさに圧巻!「生きてるやつ、俺に手を広げてくれよ!」との声に、これまた会場全体が勢いよくハンズアップして大揺れとなった。

止まることをしらない場内の盛大なクラップに対して、「そんな急かさないでよー、まだ帰らないから。盛り上げてから帰るから」と返して、まだまだ高みへと誘っていく。

中盤のハイライトとなった『Double Down』では観客も一体化して声が重なる瞬間があり、コロナ禍の規制が徐々に緩和されてきた現状を目の当たりに。大喝采となって、どこまでもヒートアップしていく熱狂の渦に飲み込まれていくことに。そこからさらにスピードアップして、DJまで踊り出すダンサブルかつ高速ラップを繰り出す最新キラーチューン『D.U.N.K』まで超人的にノンストップで畳み掛けていった。

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一息ついてようやくMCタイムへ。「40分ぶっ通しよ!マジ休みなしよ、なぜそんなにがんばるかわかる? 今日楽しみにしてたからだよ、大阪。アンタに会いにきたんだよ!デッケー音鳴らしに来たんだよ!SKY-HIですよろしく!」とご機嫌な様子を見せる。

続いて、「(徐々にコロナ禍の規制も緩和されて)だいぶもどってきた感あるよね。平日がんばって、たまの休みの日にたまってるもん全部吐き出していく、そういう過去にはあった日常がパワーアップして戻ってきた感あるよね!やっぱ」と強調して声を上げて高揚感を増幅させる。そして、Novel Coreも最高だしさ、Awichも最高よ!と笑顔で讃えていた。

その後も、「何回だって自分を超えてこう!」と鼓舞する『MISSION』『To The First』とどこまでもアッパーに突き進んでいった。

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「ありがとうございました!もしも、また会いてーなと思ってくれるんなら。6月、大阪城ホールで会いましょう!」と次に控えている単独公演を嬉しそうにアピールする場面も。

終盤では、「面白いよね!音楽長いことやってて、今が一番イイライブできてる。音楽と一番仲良くなれてる。音楽を一番楽しめてる。人生を一番楽しめてる」と発言。アーティストにクリエイター、さらにはプロデューサー、CEOと多忙を極める彼の無尽蔵なパワーの源泉として、(コロナ禍では"不要不急"と言われたが)音楽は「心の栄養になる」とも。「それがあったから、35歳を超えて新人にもどれてると思う。そういう場所が戻ってきたんだから。最高だな。大阪、ありがとう」と感謝して、歌ったのは『The Debut』。最新アルバムの軸となる表題曲だ。最後の最後まで声を張り上げ、会場の隅々まで渾身の歌と言葉を届けて、沸きに沸いた『SOUND CONNECTION - NO LIMIT -』の一夜を堂々と締めくくった。

音楽の、各アクトの際限無き熱量、まさに"NO LIMIT"なパフォーマンスを存分に体感し、共有できた濃厚な3時間だった。

Text by エイミー野中
Photo by 渡邉一生




(2023年3月15日更新)


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Set List

『SOUND CONNECION -NO LIMIT-』
2023.2.12 Sun オリックス劇場

Novel Core
01. DAWN
02. FREAK PARADE
03. JUST NOISE
04. BABEL
05. A GREAT FOOL
06. WAGAMAMA MONDAIJI
07. 独創ファンタジスタ
08. SORRY, I'M A GENIUS
09. No Stylist
10. HAPPY TEARS
11. ジェンガ

Awich
01. Boss Run Dem
02. N.W.O
03. Queendom
04. Remember
05. LONGINESS REMIX
06. 紙飛行機
07. どれにしようかな
08. 口に出して
09. Revenge
10. TSUBASA
11. WHORU?
12. 洗脳
13. GILA GILA
14. BAD BAD

SKY-HI
01. Happy Boss Day
02. Mr. Psycho
03. Dramatic
04. JUST BREATHE
05. 何様 First Take ver
06. Name Tag
07. Walking on Water
08. Double Down
09. Dive To World
10. Seaside Bound
11. D.U.N.K.
12. MISSION
13. To The First
14. The Debut

Info

『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』スペシャオンデマンドで3/30より配信。

イベントの模様をライブ後のインタビューも交えて一部お届けします。

スペシャオンデマンドにて3/30先行配信!※SKY-HI、NovelCoreのみ配信。
https://vod.spaceshower.jp/

スペースシャワーTV 4/13(木)23:00~24:00 
※SKY-HI、Awich、NovelCoreが出演した「SOUND CONNECTION - NO LIMIT -」 の模様を、ライブ後のインタビューも一部交えてお届けします。
https://www.spaceshowertv.com/

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『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』の物販実施!

『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』の物販が3月20日(月)よりスタート!
詳細はオフィシャルサイト(https://mbs-sc.com/nolimit/)をご確認ください。