ホーム > インタビュー&レポート > ライブへの恐怖を克服し、アーティストとしてもレベルアップ 勝負の2ndアルバム『nolca solca』で増した表現力 halcaインタビュー
"ステージに立ったら休憩時間なんてないんだな"
――2枚目のアルバムということで、気合は入っていましたか。
「すごく入ってました。3年ぶりのアルバムなんですけど、その3年の間に結構ライブを頑張っていて、特に2022年はマンスリーライブを始めてみて、ほぼ1年中ライブをしていた年だったんです。今まで音源とライブは別物だと思ってたんですけど、すごく関係あるんだって。ライブと音源だけじゃなくて、ジャケットの写真を撮られる時の表情も変わってくるんだなと気づけました。不思議だなとまだ思ってる最中なんですけど(笑)。1枚目のアルバムよりかなりグググと成長した自分の成分がいっぱい入ってるんじゃないかと思います」
――ライブ活動を重ねることで、アーティストとしてのレベルが上がったんですね。
「そうなんです! 自分で言っちゃうとあれですけど(笑)。2021年7月にワンマンライブをやった時、コロナ禍に入って久しぶりのワンマンライブで頑張らなきゃと思ってたんですけど、自分が思ってた"頑張ってるつもり"がライブのクオリティを上げるところに達してないことに気づいて。このままじゃダメだなと思ったのがキッカケで、人生で初めて宝塚歌劇を見させていただいたり、先輩方のライブも見て勉強して。それまでもライブに足を運ぶことはあったんですけど、勉強と言いつつ普通に楽しんでしまってたので。その後はもうメモを取りながらライブを見るようになって。1曲終わったらそれで世界がブチッと切れるわけじゃないとか、MCも次の曲に繋げた方が非現実感を感じてもらえるんだと学びました」
――これまでは全体の流れよりも、1曲1曲の単位でライブを見られてた感じですか。
「まさにそんな感じで。自分がライブを見る時もライブをする時もそうで。私のライブはMCが多めだと思うんですけど、最初の頃は本当に2曲歌ったら喋る、2曲歌ったら喋るとかで、全然関係のない話を始めてしまって。"黙ったらいけない、とにかく喋んなきゃ"と思って、ラジオに近い感覚で喋っちゃっていました。そういうコーナーもあった方がきっと楽しいと思うけど、メリハリをつけることが大事なんだなと。最初に"ようこそ"と言った時と、最後に"さよなら"と言うテンションが同じだったので、クライマックスを盛り上げる方がさらに楽しいし思い出に残るだろうなって。ステージに立ったら休憩時間なんてないんだなと思いました(笑)」
――すごく意識が変わったんじゃないですか。
「変わりました。ライブの前に色々考えることが大事なんだと改めて身に沁みました。本番でミラクルが起きることもいっぱいあるけど、やっぱり事前準備や、セットリストも想いや裏テーマを持って作った方が、自分もライブの日がより楽しみになって。2022年はライブが好きになった期間でしたね」
――マンスリーライブは毎月テーマを設定してされていたんですよね。それも良い経験になりました?
「なりました。ネタ切れになっちゃって、毎月テーマを考えるのはちょっと大変だったんですけど(笑)。でもやっぱりモチーフがあると作りやすいなと。それこそ最後にマンスリーライブをやったのが12月24日だったんですけど、もう絶対にクリスマスは無視できないじゃないですか(笑)」
――お客さんも期待してるでしょうしね。
「あの日は衣装も赤い服を着て、グッズを赤いTシャツにして、ステージにクリスマスツリーを飾って、スタッフさんもサンタ帽を被ってもらってライブができて。自分もテンションが上がりましたし、ライブでお揃いのものを身につけるのも楽しいなと思いました。いつも来てくださる方にも、初心者の方にも参加してもらいやすいように、"ゆるゆるドレスコード"を設定して。クリスマスは赤で、Tシャツを買ってない人も体のどこかに赤いものを身につけてたらOKにして、でもゆるゆるだから身に付けてなくても会場には入れる感じで、ハードルを下げてたんです。皆でこの日のために色々準備するのって楽しいよねというのを、お客さんに教えてもらいました」
――ちなみに音源とライブが繋がっているのは、どういうところで感じられましたか。
「私は元々音源が完成形だと思っていたんです。完璧にできたから世に出すじゃないですか。だから、ライブで曲が成長するってどういうことだろうと思ってたんですけど、マンスリーライブをやって本当に気付いて。"この曲ちょっとノリ方が難しいけど、どうやって動いたらカッコ良く見えるかな、楽しくなれるかな"と思った時に、お客さんが皆自由にノッてくれて、小刻みに揺れてる人も緩やかに聞いてる人もいて、その姿を見て、"こう動いたら合うんだ"とか"こうやったらもっと自分もリズムにノレて楽しく歌えるんだ"って気付かされました。ライブしながらお客さんの動きを見て、自分でも取り入れたりして。あと、音源を作ってる時は制作チームだけのイメージで作ってたけど、お客さんに聞いてもらって、自分が思ってた反応と違う反応を頂いた時に、"この曲意外と泣けるんだ"、"思ってたよりも盛り上がってるぞ"と発見したこともあって。自分たちだけで作ってたら気付けないこともいっぱいあったので、最初は人前で歌うのが怖かったけど、やっぱりすごく楽しいし、自分にとって意味のあることなんだなと思いました」
好みを伝えることで、自分も曲作りに関わってる一員だと思えるようになった
――今作『nolca solca』は勝負の1枚なのかなと感じましたが、いかがですか。
「その通りでございます(笑)。タイトルにも勝負の1枚だという意味を込めていて。"伸るか反るか"って、改めて調べたら"天に運を任せて思い切りやる"という意味なんです。たまたま見つけた単語だったんですけど、自分の名前に似てたりもするので、ダジャレっぽくもじってこのタイトルにしました。毎回スタッフさんたちと"次が勝負の1枚だ! 頑張って1枚でも多く届けようね"と言い合って、励まし合いながら活動してきましたが、今回のアルバムももちろんそれです」
――手応えがある1枚になりましたか。
「はい。自分でもやってみたいことも言ってみることができました」
――というのは、音作りに関してご意見を出されたり?
「ちょっとだけしてみました」
――それは今までできなかったことですか。
「TD(トラックダウン)チェックの時に"このシーンが聞きづらいからもうちょっと大きく発音してるものはありますか"と聞いたり、レコーディングの時、最後の確認で聞いた時にちょっと違ったなと思った時は、"この部分だけ歌い直させてください"って、自分のボーカルの部分では言えてたんですけど、演奏の部分では言ったことがなくて。今回いくつか言った中ではっきり覚えてるのが『なんで?なんで?なんで?』(M-6)の、ゆるラップの後の、音がスパッと消えるブレイクの部分。最初はもうちょっと短くて。私以外のスタッフさんもディレクターさんも北川(勝利)さんも"いいね"という感じだったんですけど、私は"もうちょっと間が開いてた方が気持ち良いかもしれないです。試しに聞かせてください"とやってもらったのがすごくしっくりきて。皆も"halcaがそう言うならいいぞ"と言ってくれて。自分が作曲やアレンジをしたわけではないから、何か意見を言うのは違う、私は歌のことだけ気にしてればいいんだと思って言えなかったというか、言おうとも思わなかったですし、皆プロフェッショナルだから最高に決まってると思ってたので。もちろん最高だったんですけれど、自分の好みもダメ元で言ってみてもいいんだなと思えて嬉しかったです」
――自分の意見を出すことで、一緒に作っている感覚になった?
「そうなんです。今まではただ歌ってるだけみたいに思っちゃっていたところも、ちゃんと自分も1曲を作るのに関わってる一員だと思えるようになったので。意見が通らなくても話し合ってみることが大事だなと思いました」
――『なんで?なんで?なんで?』は可愛らしくてドラマのような展開の曲です。北川さんにどのようにオファーをされたんですか?
「北川さんには、デビュー前からいつか自分がアルバムとか出せるようになったら曲を書いてほしいと密かに思っていました。1stアルバムの時はタイミングが合わず叶わなかったんですけど、やっと叶いました。北川さんの曲の中だと『Let Me Be With You』と『夏待ち』が大好きということと、私に似合う曲をお願いしますとお伝えして。『夏待ち』はゆったりした曲で、『Let Me Be With You』はキャッチーでずっとループして聞けるような曲で、どっちの系統もいいなと思って。歌詞もほぼお任せで出来上がって。あと私はコーラスがあまり得意ではなくて、北川さんといえばやっぱり可愛いコーラスワークだと思って、今回の曲で克服したいので、ぜひモリモリ入れてくださいとお願いしました」
――克服できましたか。
「できました! レコーディングにも北川さんが来てくださって、私はコーラスになった途端に元気がなくなることが発覚しました(笑)」
――プレッシャーで?
「中学生の時合唱部に入ってたんですけど、合唱は今の歌い方とは全然違くて。皆で一緒に歌うから、お互いに溶け込み合う歌い方じゃないといけない。誰かが空気を読めていないと悪目立ちしちゃうから、コーラスも柔らかい発声でやろうというイメージが自分の中に刷り込まれてて。今はソロのボーカリストとしての歌い方をしてるのに、合唱のコーラスのイメージが抜けないまま、コーラスの時だけ合唱部の私が舞い降りて、すごく優しい歌い方になってしまってたんです。主旋律を歌ってる時、歌い方は寄せてるんですけど、声の出し方にちょっと温度差があるのが気になってて。"音量を調整したら良い感じになるから、とりあえず元気にやってみて、大丈夫だよ"と北川さんが言ってくださって。そしたらほんとにその通りになって。やっぱりプロの方にお任せしたら、元気良く歌っても耳にツンとしないでまろやかに混ざって聞こえるんだ、面白いなと思いました。今後も北川さんのアドバイスを思い出して、頑張りたいと思いました!」
『LOVEして』は全男性に聞いてほしい曲
――コレサワさん提供の『LOVEして』(M-8)の歌詞はなかなか男性に理解されにくいそうですが、めっちゃわかりますけどね。
「わかりますよね! 嬉しい!」
――コレサワさんとの楽曲は2019年の『君だけ』(2017年『White disc +++』収録)ぶりです。『君だけ』の方が要求が重めで、『LOVEして』の方が可愛い要求だなと思いました。
「よりポップになりました(笑)」
――今回もどんな曲にするかLINEでコレサワさんに送られたとか。
「はい。『君だけ』の時と同じように長文のLINEでやり取りしたんですけど、もうほんとに願望を押し付けました!(笑)。恋バナみたいな感じで、"いっぱい愛されたい、なでなでされたい、ギュッてされたい"みたいなことを書いて。"こんなに簡単なことですぐ機嫌が良くなるのに、何でやってくんないんだろ"って」
――わかります。安心したいだけなんですよね。しかも<片手間でもいい>と言ってるのがめっちゃ優しいなぁと。
「うんうん! 本当に!(笑)」
――相手の扱いが雑になってくると、不安になりますもんね。
「なります、なります!(笑)。 先日イベントでサイン会をしてたんですけど、ファンの男性の方が、"『LOVEして』がすごく刺さります"と言ってくれたので、"気持ちわかりますか?"と聞いたら、理解できる方じゃなくて"やれやれ"の方でした(笑)」
――捉え方がどうしても違うんですかね。
「ですかね。でも本当に器を大きくするために、ぜひこの曲を聞いてほしい(笑)」
――本当に。こういう女心を知ることで、恋愛がものすごくうまくいきますよね。
「そうそう、この3つだけ!」
――女子側が安心したい気持ちはよくわかりますが、2番で<あたししかいないのです 他に行くとこもないでしょ>と言ってるところがまた可愛いというか。お互い好きだとわかっている前提だから平和だなと思って。疑い始めてしまうと沼ですからね。
「本当にそうですよね。お互い好きだからこそ、<そんなんじゃあたしの可愛いところ見逃しちゃうよ>とか大胆なことが言えると思うんです。日本の文化的に"私可愛い"みたいに言ってると、ナルシストだーと思われがちだけど、お互い好きだったら"当然私のこと可愛いと思ってるでしょ"とか"当然あなたのこともカッコ良く思ってるよ"みたいなやり取りがあってのこういうセリフなのかなと思って、微笑ましいなと思って作ってたんですけど(笑)」
――男性に理解されない(笑)。halcaさんも恋愛してる時はわかりやすい愛情表現をしてほしいですか。
「してほしいです! うっとおしいぐらいしてほしい(笑)」
――サウンドはダイナミックなリズムで、パワフルだなと感じました。
「『君だけ』は確かにちょっと重めだったし、コレサワちゃんはバラードのイメージが強いかもしれないんですけど、私の中ではポップな曲もすっごい可愛いし、コレサワちゃんらしいなと思ってて。ぴょんぴょんくるくる回ってライブしてる姿が可愛くて、この間コレサワちゃんが出してた『SPARK!!』みたいにライブで盛り上がれる曲が欲しいなと言ってましたね」
――この曲もお客さんと一緒に声が出せる曲ですね。
「よく聞くとコレサワちゃんの声も入ってます」
――歌いつつ、ぜひ浸透させていってください。
「ほんとに浸透させていきます(笑)」
まだまだだなと思えてる内は、これからも成長していける
――the peggies・北澤ゆうほさん提供の『BUZZER BEATER』(M-10)はアンセムになりそうな曲ですね。"歌えば歌うほど自信が持てる曲"とオファーされたのはなぜですか?
「私、the peggiesさんのライブが大好きで、TVアニメ『彼女、お借りします』のおかげでご縁ができて、ライブも見させていただいて。3人のライブってファンの人たちをどこかに連れ去っちゃうぜ、みたいな熱く燃え上がる炎じゃなくて、青い炎というか、どこかクールで、でも芯はちゃんと熱くて。熱血とはまた違うんですけど、クールな中に不思議な魅力があるなと。私はいつもカッコつけようとしても、どうしてもカッコつかないところがあって、曲の力で自分のカッコ良い度を上げたくて。ゆうほちゃんがthe peggiesで歌っててもおかしくないような、the peggiesの曲と思うぐらいの曲をお願いしますと言って作ってもらいました」
――試合終了直前に放たれるシュートが"ブザービート"なんですよね。歌詞でも、諦めず最大値でブーストしていくんだという強い気持ちが描かれていますが、halcaさんにもそういう部分はありますか?
「何だろう。もっとボーカルとしてのスキルを磨きたいなとはずっと思ってて。自分の中で唯一誇れるのがやっぱり歌なので、昔から歌は"今が最高"と思い続けてるんですけど、最高とは思ってるけど満足はしてなくて。"もっと足りない、もっとカッコ良くなれる、もっと良い感じに歌える、もっと楽しめる"とずっと思ってて。音源には前からかなり自信があったんですけど、ライブが苦手だったんです。でもライブに来てくれる人はCDを聞いて、"この人はどんなライブするんだろう"、"あの曲はライブだとどんな感じなんだろう"と想像してワクワクしながら来てくれるものなのに、ライブがカッコ悪いとダメだなと思って。まだまだだなと思えてる内は、これからも成長していけると思うので、そういう性格で良かったなと思います」
――ここまでお話を伺っていると、今のhalcaさんの気持ちとマッチしている部分がありそうです。
「すごくマッチしてますね。私あまりスポーツ観戦をしないので、ブザービートという言葉も知らなかったんですけど、この歌詞をもらって調べて、こんな意味があるんだなと。"BUZZER BEATERってめっちゃカッコ良いじゃん!"と思って。それを私に置き換えて書いてくれたのがすごく嬉しいです。なので、絶対カッコ良く歌おうと思いました。ファンの人は応援してくれてるから一緒に連れてくけど、まだ自分のことを知らない人やまだ好きになってない人、これから出会う人たちに向けての宣戦布告の感じもしてて。"今に見てろ、頑張るからな"みたいな感じが、今の自分にピッタリだなと思ってます」
応援してくれてる人が辛い時に力になれる曲を作りたい
――halcaさんが作詞をされた『weather through』(M-3)ですが、作詞自体は4曲目ですね。今回はどういうところから歌詞の着想を得たんですか。
「初めて歌詞を書いたのが1stアルバム『Assortrip』の『one another』で、本当は恋愛のテーマで書きたかったんですけど、初めては1回しかない。そういうのを大事にした方がいいから、"今のhalcaは応援してくれてるファンの人のために感謝の気持ちを伝える方が合うんじゃないか"とスタッフさんからアドバイスをもらいました。あれはすごく自分が思ってることだし、今ライブで歌っててもリンクしてると思うから気に入ってるんですけど、私から皆さんへのお手紙みたいな歌詞だったんです。その後は念願の恋愛をテーマに『cue(2020年『告白バンジージャンプ』収録)』と『reprise(2022年『誰彼スクランブル/あれこれドラスティック feat. 鈴木愛奈』収録)』を書いたんですけど、お客さんから"このフレーズすごく共感します"というメッセージをいただけることが増えて。フレーズが誰かの人生に当てはまるみたいな体験は、歌詞を書いて初めてだったので、自分の中から出てきた言葉でそう思ってもらえるのってこんなに嬉しいんだと気付けました。今回は2ndアルバムで大事な節目なので、良い歌詞にしたいという気持ちが大きかったです。。あと共感してもらえたことが嬉しくて、このアルバムにもちゃんと学びを取り入れたかったので、誰にでも当てはまって、応援してくれてる人が辛い時に力になれる曲を作りたいなと思って書き始めました。実は自分もどこかで、助けられたいとか助かりたいみたいな気持ちもあって。去年とかその前から、頑張りすぎてるな、ちょっと疲れちゃったなと思ってたんです。でもそういう気分の時ってめっちゃ歌詞を書くチャンスで。ディレクターさんから、ネガティブな気持ちは人に共感してもらえるし、すごくエネルギーのあるものだから大事にとっておきなさいとよく言われるんです。だから疲れた時にも、iPhoneのメモ機能でよく感情をメモしてます」
――なるほど。
「この曲はつまり何かというと、私は歌うのが大好きだから、このお仕事をしているんですけど、365日24時間ずっと歌う気満々ですというわけではなくて。きっと料理やスポーツに置き換えてみたら皆そうだと思うんですよ。毎日同じもの作ってたらしんどいとか、同じもの食べてたら飽きちゃうとか、筋肉痛が止まんないから今日は休もうとか。大好きなのに気分が乗らないって、好きであればあるほど辛いというか、"こんな気持ちになっちゃいけない"と思っちゃうよなと。自分で自分を追い詰めすぎるともっと疲れちゃう。そんな時に、自分のせいでも誰かのせいでもなく、天気のせいにしていいんだよ、と言ってみたくて」
――気に入ってるフレーズはありますか。
「最後の<天気のせいだよ>と<きっとそういうことなんだよ>は気に入ってます。あとBメロが結構ポイントかなと思ってて、1番はちょっとネガティブなんですけど、2番からは前向きに変わってて。"自分でしっかり意志を持ってコツコツ続けてたら、ちゃんと確かなものが身につくから大丈夫だよ"と言ってあげたいし、自分も言われたいし、自分に言い聞かせたいなとも思って書いてみました」
――自分に向けて書いているところもあるんですね。<苦みも噛みしめたほうが 身についてるのは確かなもの>、すごく良いなと思いました。やはりご自身の経験からくるものですか。
「そうですね。苦手なことに向き合ったり、悔しい想いをすることも人生にはいっぱいあるじゃないですか。でもちゃんと苦い想いをしたからこそ頑張れてるところもあるので。私は悔しければ悔しいほど頑張れるタイプだったりもするんですけど、同じような人に"大丈夫だよ"と言いたいし、そうじゃないタイプの人にも"この先ちゃんと待ってるからくじけないで頑張ってね"と伝えたくて生まれた歌詞ですね」
5年目にしてやっと、ライブが怖くなくなった
――『ロマンティックマニフェスト』(M-12)は映画『かぐや様は告らせたい-ファーストキスは終わらない-』の挿入歌です。ラスサビの歌い方には想いが込もっていると思いました。
「その通りです! "ロマンティック"って歌詞に2回出てくるんですけど、1番の時より幸せそうな感じというか、意図的に雰囲気を変えて歌ってみました。あとは1回ブレイクが入って<運命なんてなくていいよ>と歌うので、ブレスにもすごく気合を入れて。綺麗な音で勢いがあるように気をつけましたね」
――それはすごく感じます。
「ありがとうございます。サビの2行目も大好きですね。<ただ手をつないでいたいよ>とか<ただ独りじめしたいよ>とか可愛いですよね。これも恋バナが弾みそうだなと思います。1番のサビでは"子どもみたいな私を受け止めて"と言ってるけど、最後はもう母性。恋から愛へ変化してる」
――本当に素敵なアルバムです。そしてそれを提げて、初の東名阪ツアーが行われます。大阪公演は初日の4月29日(土・祝)梅田Shangri-laです。意気込みをお願いします。
「やっと初めて大阪でライブができます! インストアイベントでも大阪の方って皆ノリが良いというかウェルカムな感じがあって、いつも楽しい嬉しいと思ってまました。イベントの時点でこれなのにライブハウスだったらどうなっちゃうんだろうって、もう何年も妄想してたので、やっと歌えるのが本当に嬉しくて。しかも今回は初のフルバンド編成。私の曲は意外とゴリゴリしてたりパンチのある曲が多くて、お客さんからもバンドで聞きたいとリクエストを結構もらっていたので、お見せできるのも嬉しいです。1人で真ん中に立ってやるライブはもう克服したと言ってもいいと思えたし、まずそれをクリアしてからバンド編成でやりたいと思っていたので。華やかな光景で、派手に音を浴びる感じだと思うので、楽しみにしてもらいたいです。今回楽器のレコーディングをちょっと見学させてもらえて、楽器を叩いたり弾いてる方の動きも研究できたので、より音に合わせたパフォーマンスができるんじゃないかなと思っておりますので、絶対に来てください!」
――ライブへの意識が本当に変わられたんですね。
「前まではなるべくライブをやりたくないぐらい思ってたんですけど、今は"ライブがあるなら頑張んなきゃ、楽しみだな"って、すごく前向きに考えられるようになったので楽しみです。ほんとに嘘じゃないって、やっと心の底から言えます」
――というのは?
「"ライブが楽しい"って、自分に言い聞かせてた部分もあったんですけど、2022年からはそれがだんだん真実になってきて。楽しかったのは全部本当なんですけど、怖くなく楽しみだと思えたのは、5年目にしてやっとですね」
Text by ERI KUBOTA
(2023年3月29日更新)
2nd Album『nolca solca』
初回生産限定盤A(CD+BD)
4950円(税込)
VVCL-2183~2184
初回生産限定盤B(CD+BD)
7700円(税込)
VVCL-2185~2186
初回仕様限定盤(CD)
3300円(税込)
VVCL-2187
《Bluray収録内容》
※初回生産限定盤A(Music Video集)
01. 時としてバイオレンス
02. あれこれドラスティック feat. 鈴木愛奈
03. 告白バンジージャンプ
04. 誰彼スクランブル
05. キミがいたしるし
06. ロマンティックマニフェスト
07. 「nolca solca」Jacket&ロマンティックマニフェスト Music Video Making
《Bluray収録内容》※初回生産限定盤B
halca 7th LIVE『Help Me!!!!!!! PRESSURE PRESSURE & live playground #003』セレクション映像
Help Me!!!!!!! PRESSURE PRESSURE
01. キュンとさせてあげるよ
02. うそじゃないよ
03. reprise
04. サワリタイミライ
05. one another
06. センチメンタルクライシス
07. 誰彼スクランブル
08. キミがいたしるし
09. A・WA・WA・WA
10. Knockin‘on!!
11. あれこれドラスティック
live playground #003
01. スターティングブルー
02. あれこれドラスティック
03. reprise
04. be your XXX
05. キミがいたしるし
06. 誰彼スクランブル
07. FIRST DROP
08. 放課後のリバティ
09. HORiZON
《CD収録曲》※共通
01. 時としてバイオレンス
02. FIRST DROP
03. weather through
04. もういいや。
05. あれこれドラスティック feat. 鈴木愛奈
06. なんで?なんで?なんで?
07. 告白バンジージャンプ
08. LOVEして
09. 誰彼スクランブル
10. BUZZER BEATER
11. キミがいたしるし
12. ロマンティックマニフェスト
ボカロ/アニソン特化型の全国区オーディション、第1回「ウタカツ!オーディション」で準グランプリを獲得。2018年5月30日、フジテレビ“ノイタミナ”TVアニメ「ヲタクに恋は難しい」エンディングテーマ「キミの隣」でSACRA MUSICより待望のメジャーデビュー。2ndシングル「スターティングブルー」( TV アニメ「逆転裁判~その「真実」、異議あり!~ Season2」EDテーマ)、3rdシングル「センチメンタルクライシス」(TVアニメ「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」EDテーマ)、4thシングル「放課後のリバティ」(TVアニメ「ぼくたちは勉強できない!」 EDテーマ)、5thシングル「時としてバイオレンス」(TVアニメ「邪神ちゃんドロップキック’」OPテーマ)、6thシングル「告白バンジージャンプ」(TVアニメ「彼女、お借りします」EDテーマ)7thシングル「キミがいたしるし」(TVアニメ「BORUTO ボルト NARUTO NEXT GENERATIONS」EDテーマ)、8thシングル「誰彼スクランブル/あれこれドラスティック feat.鈴木愛奈」TVアニメ「Engage Kiss」OPテーマ/TVアニメ「邪神ちゃんドロップキックX」 OPテーマなど、数々の人気アニメ主題歌を担当。2020年2月12日、1stアルバム「Assortrip」をリリース。kz(livetune)やヒャダインこと前山田健一、 BiSHサウンドプロデューサー松隈ケンタ、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)など数々の有名クリエイターとタッグを組むなど、話題性のある楽曲を発信。タイアップ作品に寄り添った楽曲やカップリング曲にて違った表情を見せるなど、楽曲のクオリティにも定評がある。ワンマンライブも精力的に開催しており、2022年1月から7か月連続のマンスリーライブを開催。毎月テーマを変えながらhalca自身がプロデュースする人気公演となっており、しっかりとした歌唱力とほのぼのとしたMCのギャップに心をつかまれるファンが増えている。2023年1月25日、2ndアルバム「nolca solca」をリリース、春には初の東名阪ワンマンツアーを開催する。
halca オフィシャルサイト
https://halcaofficial.com/
2023年4月29日(土)
大阪・Shangri-La
OPEN:17:15/START:18:00
2023年4月30日(日)
愛知・SPADE BOX
OPEN:17:15/START:18:00
2023年5月6日(土)
東京・Spotify O-WEST
OPEN:17:00/START:18:00