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2ndフルアルバム『AVATAMA』は、今の自分たちの真骨頂
独自のサウンドメイクで表現した架空のボードゲームの世界観
バスクのスポーツインタビュー

Nomi(key)、Kamiya(g)、Isobe(b)、Ishikawa(ds)の4人で2012年に結成されたインストバンド、バスクのスポーツ。プログレロックをルーツに、オルガンシンセをポップに織り交ぜた「祝祭系エンジョイサウンド」を掲げる彼らが、2ndフルアルバム『AVATAMA』をリリースした。2018年の1st EP『MACHINIMA』から5年、前作の1st フルアルバム『運動と食卓』からは実に8年。その間にアップデートされたスキルとサウンドを武器に、架空のアナログボードゲームをテーマに緻密に作り上げられた濃厚な全10曲が収録されている。今回ぴあ関西版Webでは、Nomi、Kamiya、Isobeにリモートインタビューを敢行。結成の話から『AVATAMA』について、今後の展望まで話を聞いた。彼らはとにかくライブパフォーマンスに定評があるバンド。一度見ただけで虜になる人が続出している(レコード会社の担当者は彼らのライブに一目惚れしたことがキッカケで入社したそう)。3月12日(日)には堀江のSOCORE FACTORYで、空間現代とparanoid voidを招いてリリースライブを行う。照明やレーザー、スモークを駆使した演出もあるとのことで、絶対に見逃す手はない!

いつかは海外進出を。日本の野外フェスにもたくさん出たい


――皆さんは、武蔵野美術大学の軽音サークルの先輩後輩だそうですね。

Isobe「僕とKamiyaが同じ代で、1年上がキーボードのNomiとドラムのIshikawaです」

Nomi「僕とIshikawaは高校の時からそれぞれ別でバンドをやってました。大学に入って、お互いにバンド経験者というので出会って、軽音サークルで一緒にバンドを始めました」

――こんなバンドをやりたいといったビジョンはあったんですか。

Nomi「2人とも最初は大学でバンドをやろうという感じではなかったんですけど、お互い聞いてる音楽が同じで、あと単純にIshikawaのドラムがめちゃ上手くて。何か面白いことができそうだなと、自分たちで作ったちょっと変わった曲をやりたいなってところから始まりました」

――ちょっと変わった曲というのは、例えば?

Nomi「当時の2008~2009年だとオルタナとか、普通のロックバンドや歌モノバンドというよりは、それこそBattlesとか実験的な要素もある面白いバンドが流行ってた時期で、音楽的に面白いものをやりたいなと」

――なるほど。お2人が先に始めて、IsobeさんとKamiyaさんが後で入学してきて出会ったんですね。

Nomi「最初はドラムとキーボードだけで、色んな人を交えながらやってたんですけど、2人が後輩として入ってきて、ベースとギターでちょうどいなかったパートだったので」

――うまくピースがはまったと。IsobeさんとKamiyaさんは、NomiさんとIshikawaさんの音楽を聞いて一緒にやりたいとなられたんですか。

Isobe「入っていたのが本気でバンドをやりたい人もいれば、楽しく飲み会したい人も半々ぐらいいるサークルだったんですけど、NomiとIshikawaがやってたのがインストで、サークルの中で明らかに異質ではあったし、当時キーボードをめちゃめちゃ弾いてる人もそんなにいなかったので、Nomiはそういう点でもちょっと目立ってましたね。やってる音楽もカッコ良いなと思いました」

Kamiya「先にIsobeが入ってスリーピースでやってたんですね。で、何ヶ月か後、3人が部室に入ってたところに、"ちょっとギター弾いてみて"と呼ばれて。既にオリジナル曲があったので、その場で聞いて一緒に合わせてみて。"面白いから入らない?"みたいな感じで誘われたのが、僕の流れです」

――インストにしたのは理由があるんですか。

Nomi「特にインストにしたいとか、歌がやりたくないとか、そういうのは全くなくて。単純にできることだけ合わせてったらインストになった感じです」

――"祝祭系エンジョイサウンド"と掲げてらっしゃいますが、その方向性が決まったのはいつ頃ですか?

Isobe「結構最初の方ですね。バンド名が決まって割とすぐかな」

Nomi「最初はオルガンをメインにやってて、僕が作る音楽はちょっとハッピーで祝祭的な匂いがしてたので、そこから取った感じはあります」

――バンド名はバスク地方のスポーツに由来しているそうですね。

Isobe「そうですね、Ishikawaが案として持ってきてくれたバンド名です。バスク地方には独特なスポーツがいっぱいあるんですけど、独自の精神性が4人の姿勢に近いというので、そのままバンド名にしました」

――私も少し調べてみたんですけど、袋を履いたおじさんたちが一列に並んで、ぴょんぴょん跳んで1位を競う「密輸レース」という競技が出てきました。

Isobe「そうです。あとは大きな鎌で1番早く草を刈れる人が勝ちみたいなのとか、ただ大きな岩を持ち上げるだけとか。根源的で、頑張るところが独特で面白い。そんなところは結構マッチしてるなという感じでつけましたね」

――生活の中で出てくる作業を競技にしてるんですね。新しいし、見てると皆一生懸命で面白い。

Isobe「自分たちも常に面白おかしくしたい意識がありますね」

――海外にも広がってほしい気持ちは、皆さんお持ちですか。

Isobe「ゆくゆくは海外でツアーとかフェスに呼んでもらえるようになりたいです」

――それはやはりフランス、スペイン、バスク地方だったりするんですか。

Isobe「そういうところに行けたら1番面白いですね」

――バンドとして目指すところはありますか?

Isobe「やってる音楽にシンパシーを感じるバンドはたくさんいるんですけど、ジャンルとして同じようなことをやってる同世代のバンドはあまりいないので、良い意味で浮いてる部分を独自に発展させていくのがいいかなと最近は考えてますね」

Nomi「唯一無二というかね」

――やってみたいことは?

Isobe「さっきの話と被っちゃうんですけど、海外でツアーやライブはいつかやりたいです。あとは日本の野外フェスに出たい気持ちもずっとあります」

――野外フェス、すごく相性良いでしょうね!

Nomi「野外フェスって多ジャンルというか、あまり凝り固まってないイメージがあって、僕らもそういうところに居場所を見つけやすい感じもあるので、もっとたくさん出れるようになりたいです」

Isobe「気づいてもらえるように頑張りたいですね」



7年の間に、作曲の趣向や機材、使い方のアップデートがなされていった


――前作のフルアルバム『運動と食卓』(2016年)は、その名の通りバスク地方のしきたりや文化をテーマにした作品で、今作の『AVATAMA』は架空のアナログボードゲームを基調に世界観を表現した作品です。今作が出るまでの8年でどんな経緯や想いがあったのでしょうか。

Isobe「『運動と食卓』は1stアルバムということもあって、自己紹介も兼ねたような作品でした。正直その時は、長くバンドを続けているとは考えてなかったので、割と刹那的に作ったアルバムではあったんです。そういう意味で、バンド自体を体現したアルバムにしたいと思って作って。僕ら曲を作るのに時間がかかるタイプで、今作が出るまでかなり年数が経ってしまったんですけど、その中でそれぞれの作曲の趣向や機材、使い方のアップデートがなされていって。曲についても、ずっとオルガンメインで作ってたのが、今回モジュラーシンセを入れたり、アナログシンセが基調になったり、音の要素が本格的に変化しました。あと、2018年に今までのバンドサウンドとは違う思考で作った電子音が基調の1st EP『MACHINIMA』を経て、その辺を統合したのが今回のフルアルバムという感じです」

――機材が加わって、バンド的なサウンドと電子サウンドが融合したと。

Nomi「機材のアップデートは多分すごくデカくて、前のアルバムを出した後から、僕がめちゃくちゃ機材を集めるようになって。元々オルガンとアナログシンセだけ使っていたものを、ドラムマシーンのシーケンスだとか、色んな音を使うようになったんです。だからサウンドの変化もすごくあって、それが作曲面で今作の足掛かりになったというか」

――なるほど。

Nomi「架空のボードゲームをテーマにしたのは、いつも皆で作曲したり話したりする中で、やっぱり皆何かしら思ってることが違うので、共通言語みたいなものを作りたいと思って。アナログボードゲームが共通認識としてあることで、1つ1つの曲を仕上げる方向性や雰囲気の擦り合わせを、お互いに言わずとも共有できる状況にしたかったんです」

Isobe「多分歌があるバンドだと、歌詞のイメージを共有して制作すると思うんですけど、僕らはインスト曲が多いので、メンバー内の世界観を共有するためのツールとして架空のボードゲームを作りました。そこに音楽を連動させる考え方でアルバムとしてまとめる作業を行いました」

Kamiya「最終的に、全員のふんわりしてた認識がアルバム制作を通してテーマと繋がって、すごく強固になった流れがあるのかなと」

Isobe「あと単純にドラムのIshikawaがアナログボードゲームやカードゲームが大好きで。趣味の面も反映されてます」

Kamiya「イメージを固めようと皆でボードゲームカフェに行って、ただ楽しんで帰ってきちゃったこともありましたね」

――ジャケットがそのボードゲームのイメージですよね。

Isobe「そうです。架空のボードゲームの盤面とトークン(=駒)の実物を実際に自分たちで作って、それを写真に撮ってレイアウトしたのが今回のジャケットです」

――ゲームのルールも考えたりしたんですか。

Isobe「ルールや設定もIshikawaを中心に考えて資料化して、メンバー内でシェアしました」

――すごい。

Nomi「一応CDの中にルールブックの紙も封入されてます」

――全部手作りですよね。

Isobe「はい。盤面はIshikawaの方で技術を持っていたので、デザインとカッティングを友達にお願いして、加工もしてくれて。トークンはNomiが吹きガラスで作って、Ishikawaもいくつか作りました」

――盤面の上の天体のようなオブジェは、『Eye of Howruis』(M-8)のMVに出てきてましたね。

Isobe「MVやデジタルシングルのジャケットにも登場してます」

――『AVATAMA』という名前は意見を出し合って決められたんですか。

Isobe「これは造語なんですけど、ボードゲームの設定やルール、世界観を作る中で、Ishikawaがゲーム兼アルバムのタイトルとしてつけた名前です」

――収録曲はインタールード3曲を含む全10曲です。インタールードは『Sence omen』(M-3)、『Corridir of Ground』(M-7)と『Lost omen』(M-10)で合ってますか。

Isobe「合ってます。インタールードの3曲は今回のアルバムのために新しく作った曲です。アルバムとして1つの物語というわけではないんですけど、1つの固まりとなる時に、アルバムの世界観やテーマを補強するという意味でもこの3曲が必要になってくるというので、割と最近できた曲です」

――1曲目の『Exodus』についてはどんなイメージで作られたんですか。

Nomi「前のアルバムから色んな要素が変わって、新しい機材や音の使い方、構成方法で制作をやれてきた時に、今までで1番やってない音色や、やってない組み合わせ方を表現できる曲にしたくて」

――やってないことに挑戦を。

Nomi「さっきも言ったんですけど、今まではオルガンのメロディーとシンセサイザーのメロディーで長尺で展開していく曲が多かったんです。今回はデジタルシンセやモジュラーシンセ、ドラムのシーケンス、色んな音を入れた上でパンパン展開していて。かつ、これは全曲通してですけど、前回より録音もこだわっていて。『Exodus』に関しては、かなりパワーポップ的な音楽性が見えるところもある。そういうものって割とデジタルなサウンドが多い中で、生録りっぽさが出せるドラムの音にして、録音もこだわりました」

――レコーディングはスムーズにいきましたか。

Nomi「スムーズではないですね。多分普通はドラムをBPM通りに録って、そこからベースを乗っけて歌乗っけて、とやってくんですけど、僕らの場合はそういうのができないので、"いっせーの"で合わせて録音していて。"失敗したからやり直しましょう"みたいなのを繰り返して、何とか皆で仕上げていくみたいな」

――それはちょっと意外でした。DTMを駆使してテクニカルに作ってらっしゃると思っていたので。

Isobe「めちゃめちゃ気合でやってます(笑)」

Nomi「デモの段階ではめちゃめちゃテクニカルなんですけど」

Isobe「綺麗にDTMで作ってくれてね」

Nomi「実際合わせると......みたいなところで。今回のレコーディングでは、TAMTAMというバンドのドラムの高橋アフィさんにドラムテックをしてもらったんですけど、アフィさんも"それで合わせるんだ"と言ってましたね(笑)」

――でも生録りっぽさはそこにつながってますね。

Isobe「バンドサウンドみたいなのは1番大事にしてるかもしれないですね」



"どれだけ変な感じで、どこか突出したプレイをするか"は、自分たちの持ち味


――よだまりえさんがフューチャリングした『Chacruna』(M-2)はシングルでも出されています。よださんとは9年前にもコラボレーションされていますね。

Isobe「よだまりえも同じ大学で仲が良くて。その時はよだまりえの曲を僕らがバンドでアレンジして、一緒にやった感じでしたね」

――再び一緒にやろうとなったのはなぜですか。

Nomi「『Chacruna』はボーカルを入れる前からインストで作っていた曲なんですけど、よだまりえに聞かせた時に、口で言わずともコンセプトが伝わっている雰囲気があって。それで、よだまりえの歌プラス、よだに歌詞を書いてもらったら面白いんじゃないかというのでやってもらいました」

Isobe「前からライブではやっていた曲なんですけど、よだまりえを入れて、より面白いものに昇華しようという試みでお願いして。上がってきた歌詞もメロディーも僕ら的には1発でイメージがピッタリ合ったので、そのままレコーディングしました」

――そこからインタールードの『Sence omen』を挟み、『Society』(M-4)から『Halo』(M-6)まで、シンセの際立つ祝祭的な楽曲が続きます。

Nomi「この辺は、さっき言った新しい要素というよりは、今までの延長線上で今の僕らができる1番得意なものを並べました。『Society』にしてもオルガンとシンセをメインにした楽曲ではあるんですけど、前までは初期衝動的に色んな展開をしたり、反復性の高いミニマルなメロディーを続けたりしたところ、今回は結構細かい拍のこだわりを入れました」

――『Society』は後半のギターが鋭くてカッコ良いですが、この3曲の固まりでそれぞれのパートのこだわりはありますか。

Isobe「『Halo』はキーボードのソロがすごいので、聞いてほしい(笑)。Kamiyaは何かある?」

Kamiya「『Society』は今回のアルバムで個人的に1番忙しい曲ですね。割と自分たちの真骨頂が出てるんじゃないかな。昔の直系のコンセプトのプレイを今の自分たちでアップデートした曲だなと個人的には思ってて。全員でめちゃめちゃ一緒に走りまくってる曲なので、ハイテンションに楽しんでもらいたいです。ギターで言うとすごく細かく刻むプレイの曲が多いんですけど、その中でも弾いてて気持ち良い曲ですね」

――アレンジやリフは皆さんでスタジオに集まって決めるんですか?

Isobe「楽曲はNomiがほぼ8~9割DTMで作って持ってくるので、まずはそれを自分たちで弾けるようになってから、細かい繰り返しの数を決めたり、冗長に感じる拍子を削ったりします。フレーズごと差し替える作業はスタジオでやっていく感じですね」

――なるほど。

Isobe「なので現場で合わせる時は、各々細かい部分をアップデートしていく感じ。その点『Seatango』(M-5)は構成は割とすぐに決まって。前作に比べて拍の取り方やリズム隊の絡み方、ウワモノの住み分け方を結構緻密に作れるようになってきてるんですけど、曲として、"そこをどれだけそうじゃなくプレイできるか"は、こだわりかもしれないですね。計算された変な動きをするというか」

Nomi「あと、今までは僕が伴奏もベースラインもメロディも全部弾くことが多かったんですけど、『Society』から『Halo』はフレーズをIsobeに任せて僕は別のことをしたり、本当はメロディーでユニゾンしてるところをIsobeやKamiyaに任せたり、そういうことができたのが、曲としてのこだわりです。やれることが増えたというか、皆に任せる部分が増えてきた」

Kamiya「特に『Halo』みたいな曲を綺麗にやってしまうと、面白くなくなると思ってて。どれだけ変な感じで、どこか突出したプレイをするかは、自分たちの持ち味と言ってもいいかもしれない。『Halo』とかはすごく突出してる印象ですね」



"これが私たちです"と深く刺さるアルバムになった


――『Execution (d.p.)』(M-9)は展開が多く、プログレ感もメリハリもあって濃厚で、最後に向かうにふさわしい楽曲ですね。

Nomi「これは前のアルバムの完成後すぐに作っていた曲です。今と全く違う展開をしてる時もあったんですけど、結局ここ数年で、"この曲を変えたい欲"が落ち着いてきて(笑)。アルバムを作るとなった時に、やっと今の形に収まった感じです」

――紆余曲折あった曲なんですか。

Nomi「ありましたね。音色も途中の展開も。途中でフリーになるセッションみたいな要素が入る時もあれば、かっちりパンクみたいな時もあったんですけど、今が1番良い形になったかなと。僕らは納得したつもりでやってます」

――ライブではその場の雰囲気で展開が変わったりするんですか。

Nomi「曲自体は変わらないんですけど、僕らライブの時に毎回照明のイケダトモユキくんを帯同していて、彼が照明の面白い技術を持っていて、この曲でレーザーやスモークを駆使して不思議な世界を演出してくれるので、ライブではまた別の表情になって面白いと思います」

――ベースはいかがですか。

Isobe「それぞれの楽器の拍の絡み方は聞きどころかなと思います。何回か聞いて楽しんでもらいたいですね。あとは......ベースで言うと」

Nomi「ファズでしょ?」

Isobe「そうですね。すごく色んな種類のベースの音が出てくる曲で、こんなにベースの音が切り替わる曲って、あんまこの世にない気はします(笑)。明らかに変な音を出してるところもあるので、楽しんでいけただけたら」

――聞けば聞くほど発見がありそうですね。ギターはとても気持ち良さそうです。

Kamiya「お察しの通り、弾いててかなり気持ちが良いです。10年バンドをやって、ライブごとにバンドで出せるノリの自由度が広くなってきたし、自分たちもしっかりしてきたのは勿論あるんですけど、ギターソロがめちゃめちゃ長いので楽しいです(笑)」

――改めて今作、どんな1枚になったと思われますか。

Nomi「僕は架空のボードゲームの流れが組み込まれて、すごく良い形になったと思います。前回が"全て全力!"みたいなアルバムを作ったので、今回は緩急をつけたつもりだったんですけど、あまり変わってないなと若干思いつつも(笑)。こだわりたいところがちゃんとこだわれて、コンセプチュアルにできたと思います」

Kamiya「僕はバンドとしてのボキャブラリーがすごく増えたと思ってて。前回のアルバムが割とカタログ的というか、"私たちはこういうバンドです"というものだったのに対して、表層的な音だけじゃなく、"この4人がこういうことを考えて、時間をかけて曲を可愛がって作ってきました"という深みがちゃんと曲に出てる。今自分たちができることを形にして、さらにもっとこういうことをやりたいというのが、ちょっと開けたアルバムになったと思います。僕たち4人、本当に仲が良いんですよ。単純に一緒に演奏してるだけで楽しいところから、ちゃんと自分たちで"やっぱり面白いし楽しいよね"と納得のいくものを形にできた。単なる音の波形じゃない、"これが私たちです"とすごく深く刺さる作品になってます」

――深く刺さるアルバム、良いですね。では次のやりたいことが見えてる状態なんですか。

Nomi「今作で自分たちがどこまでできるかわかった部分はあるんですけど、自分たちの想像の範疇以外のことをやりたいなと思っていて。自分の引き出しからだと、やっぱりちょっと限りがある。自分らができないことを、仲の良さも含めて話しながら挑戦していくことで、想像し得ないことができるようになっていく。そんな作品をまた出せればいいのかなと、ざっくり思っております」

――3月には空間現代とparanoid voidを招いてリリースライブがあります。意気込みのほどは。

Isobe「空間現代は僕らが大学生の頃からカッコ良いなと思って見てたのですごく楽しみですね。paranoid voidは自主企画でツーマンイベントをやったり、ここ3~4年ほど仲良くさせていただいているので、結構すごい日になるんじゃないかなと。東京はワンマンなので、アルバムの曲は勿論、前作の曲もやります。今の自分たちの最大限のパフォーマンスでたっぷりお届けできると思ってます。ぜひ来てください!」

Text by ERI KUBOTA




(2023年2月15日更新)


Check

Release

前作から大幅に進化した
2ndフルアルバム『AVATAMA』

Album『AVATAMA』
3000円(税込)

《収録曲》
01. Exodus
02. Chacruna (feat.よだまりえ)
03. Sense omen
04. Society
05. Seatango
06. Halo
07. Corridor of Ground
08. Eye of Howruis
09. Execution (d.p.)
10. Lost omen

Profile

バスクのスポーツ…2012年、武蔵野美術大学にて結成。祝祭系エンジョイサウンドを掲げる4人組インストバンド。2016年1st Full Album「運動と食卓」を発表。リリースツアー、ツアーファイナルワンマンを経てFUJI ROCK FESTIVAL'17 ROOKIE A GO-GOに出演。2018年EP「マシニマ - MACHINIMA - 」リリース。2023年2nd Full Album「AVATAMA」をリリース。3月には東京と大阪でリリースライブを行う。大阪のゲストは空間現代とparanoid void。

バスクのスポーツ オフィシャルサイト
http://www.vsq-sports.com/


Live

バスクのスポーツ “AVATAMA” Release Show -OSAKA-

【東京公演】
チケット発売中 Pコード:237-003
▼3月21日(火・祝) 19:00
CIRCUS Tokyo
前売り-3500円(ドリンク代別途要)
※【東京公演 問合せ】info@circus-tokyo.com

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:237-003
▼3月12日(日) 19:00
SOCORE FACTORY
前売り-3500円(ドリンク代別途要)
[共演]空間現代/paranoid void
[問]SOCORE FACTORY■06-6567-9852

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