ホーム > インタビュー&レポート > 4年ぶりにシングル『Highway』で本格再始動 第3章に突入した彼らが沈黙の間に探した“yahyelらしさ” yahyelインタビュー
よりバンド(=共同体)として音楽を作ることを見直した機会
――プロフィールでは2020年のリキッドルームで行われたワンマンライブを最後に沈黙とありますが、潜伏期間に入った理由をお聞きできますか。
池貝「シンプルにパンデミックも1つの要素だと思うんです。音楽活動ということが内包する世界との関わり方が、様々な社会問題が噴出する中で大きく変わっていったタイミングで、バンド内でも折り合いがつかないところがあって。内側のクリエイティブの問題として、それぞれが考えていることが違って、バンドとして今の世界とどう対峙するかを考えた時に、どう足並を揃えていくのかが、やっぱりすごく大きな障害だったかなと」
――バンド内で音楽に対する考え方が変わってきたタイミングだった。
池貝「そうですね、色んな要素があると思います。音楽をドキュメント的な表現方法と捉えると、それはニアリーイコールで、人生のフェーズとか、その年齢で何をしていたいとか、どう動くべきだとか、それぞれの人生のペースと繋がっていることだと思うんです。世の中に対する見方や自分の感情の折り合いのつけ方も変わってくると思うんです。やっぱり音楽を集まる理由にしている以上、そういうところから大きく影響を受けるんだなと、今になって実感してるところですね」
――ワンマンを区切りに、一旦それぞれのフェーズを進もうと決められたんですか。
池貝「決めたというか、自然発生的にという感じではありました。世の中の諸問題もそうだと思うんですけど、問題点や正しいことが何か分かっていても、実際に言葉にしてコミュニケーションするというか、主観だけじゃなく客観も踏まえて説明できるようになるまで、それなりに時間が必要だと思うんです。同じことがバンドの中でも起きていて。それをするために皆それぞれの時間を消化していました。僕らって、最初があまりバンドっぽくなかったというか、電子音楽をやってる個々が集まった集団で、このフェーズで大きく変わったのは、音楽的にも体制的にも、よりバンドらしい音像や、バンド的に音楽を作ることを見直した機会になったのかなと思います」
――期間は決められていたんですか?
池貝「全くないです。まず潜伏という意識が、そもそもないんですけど」
――なるほど。
池貝「結果的にそうなったという感じです。リアルに一緒にいれない時期もありましたし、頑張っていこうとかではなく、どうしても見つからない時間が2年ぐらいあったと思います」
――全員の折り合いがつく部分が見つからなかった。
池貝「でもまあ、そんなもんだと思うんですよ、人間関係なんて。バンドをやるという目的は1つあったとしても、それにちゃんと向き合えるかどうかはもっと複合的じゃないですか。簡単にやろうと思えばやれるわけじゃないと思うので。あくまで個が4人いる集団なので、時間がかかることだなと思います」
――パンデミックで直接会える機会が少なくなったと思いますが、その時間も関係していますか?
池貝「良い意味で、仲良しこよしグループではないので、一緒にいられないから離れていくみたいなことではないですね。ただ1人で考える時間が増えたのは1つの要素というか、考えすぎちゃうところもあったと思います。僕個人としては明らかにパンデミックに入った2020年頃から、どうしても社会の分断ばかりが印象に残ってしまう感覚がありました。ある種自分のスタンスを明確に示さなきゃいけないというプレッシャーの中で、強い同調圧力のようなものを感じるというか。本来コミュニケーションって個々の意見の自立が前提であって、その準備がバンド内でも必要だったのかもしれないですね」
――お互いのスタンスを突き合わせていたと。2020年以降、制作は止まっていた一方で、ライブ活動は時々されていましたよね。ライブはできるタイミングがあればやろう、という感覚だったんですか。
池貝「むしろ、制作も止まっていないんですよ。ずっとやり続けてはいたというか。すごく紆余曲折あった制作になった感覚です。2019年ぐらいからずっと曲は書いていて、実は今後アルバムも出ます。その中にもその頃から書いてた曲が多くて。ちゃんと曲として成り立たせるのに、単純に音を並べる以上の作業が多く必要だったという感覚に近いです」
――アルバムが出るんですね。では意図的に活動を止めてたわけでも何でもなく。
池貝「いやもう全然。潜伏というよりかは、ずっともがいていた感覚です」
――苦しい時間でもあったということですか。
池貝「僕は苦しかったですけど、まあ制作って往々にしてそうですよね」
――生みの苦しみですね。表立った活動がなかった間、皆さんは個人の活動でも活躍されていたと思います。どんなことをされていたのかお聞きできたらと。
篠田「パンデミックの期間は、僕は社会運動に参加していた記憶があります。SaveOurSpaceやプロテストレイヴをやったり。あと『全感覚祭』の『NO WAR』をお手伝いしたり。それと並行して、自分の音楽的な修練のための側面もあって、色んなプロデュースワークをちらほらやっていた感じです」
――メンタル的にはどんな感じでしたか。
篠田「メンタル的には暗くなっていきましたね。どんどん落ち込んでいって、結構今年に入ってから底に行ったんですけど。特に参院選の時に、割と有名な音楽団体4団体さんが特定の自民党候補を支持した時に、SaveOurSpaceの人たちと一緒に、抗議声明を出していたんですが、結構その時自分自身はメンタルの底を外れて落ち込んでいった感じですね。全然救いのある話じゃないんで、聞いていただいてもなんですけど」
――確かにあれは業界的にかなりの衝撃でしたし、全くポジティブなものではなかったですからね......今は底から上がってきてらっしゃる感じですか。
篠田「模索しながらですけど。社会的にどうこうみたいなことも大事なんですけど、長年連れ添ってきたyahyelの皆と一緒にいてみるとか、とりあえず身の回りのことを大事にするところから自分を立て直そうかなという感じで、最近は生きております」
――ありがとうございます。山田さんはかなりお忙しかったのではないかと。
山田「僕はコロナ禍でも仕事は多分結構恵まれてたので、yahyelの表立った活動がある時から、僕の生活はそんなに変わってないです。コロナになりたての頃は配信ライブが流行ってたと思うんですけど、そういう意味でも音楽や映像と繋がり続けていました。うん、あとはギターの練習してました。それだけです」
――メンタル面ではいかがでしたか?
山田「メンタルの上がり下がりはクソほどありました。けどパンデミックは直接関係ないですかね。生きてると色々あると思うので」
――大井さんはどのように過ごされていましたか。
大井「山田と同じく、僕はずっと変わらず、yahyelでもその他のアーティストにもドラマーとして貢献するスタンスを貫いているので、色んなアーティストの現場でドラムを叩いて音楽を作ることは変わらずやってきましたね」
『Highway』はアルバムに繋がる楽曲
――今回始動するぞとなったのは、先ほどお話しいただいた、バンドの中での折り合いがついてきたという認識でよろしいですか。
山田「そうですね、今年の5~6月ぐらいに整いまして」
池貝「"久々に音源を出そう、ツアーもしよう"というプランを何となく立て始めて。ここから先半年ぐらいは思い描いてることもあるんですけど、とりあえず年内にシングルを切ろうということで」
――第1弾ですね。
山田「ただ、中長期的に考えてるので。アルバムの制作は佳境で、レコーディングまで終わってるので、そこから続いていけるよう、リリースやライブを予定してます」
――今回のシングル『Highway』は、自主レーベル『LOVE/CULT』を立ち上げて、そこからのリリースです。なぜこのタイミングでレーベルを立ち上げようと思われたんですか。
池貝「よく気づきましたね」
山田「ここまで話し合いをめちゃくちゃしてきた中で、今作『Highway』と次のアルバムに向けて実際どうするみたいな話の時に、"自分たちでやろうか"と自然となっただけで。そんなに一大決心みたいなニュアンスは僕らの中にはないです」
――そうなんですね。
池貝「本来はそうありたいですよね。どのアーティストも、メジャーだろうがインディだろうが自由にやれたらいいと思うので。個人的にはパンデミック以降の音楽って地続きのものがなくなったというか、メジャーならメジャーだけで、インディはちょっと元気がない。"アンダーグラウンド"な所謂クラブの音楽はクラブだけで鳴ってる。それぞれ理由があるんでしょうけど、横の繋がりがすごく希薄になったなと。それって往々にして"こうあるべき"みたいのが皆あるからだと思うんです。それ自体は全然悪くないですし、防衛本能としてはすごくよく理解できるんですけど、角を突き合わせていても幅は出ない。どういう形であれ、制約なく個人のことをちゃんと言語化、もしくは音楽で象徴化できることが健全じゃないかなと僕は思っていて。どこからリリースをしようが、それはそれで、アーティストの自然な営みとして伝わればいいなと思います」
――レーベル名の由来についてお聞きしてもいいですか。
池貝「これ、まだネタバレなんですけど、次に出るアルバムのコンセプトと繋がっています」
――そうなんですね! ではネタバレはその時までとっておきましょう。レーベル名は池貝さんが付けられたんですか。
池貝「そうです。僕が提案しましたね」
――再始動にあたり『Highway』を選んだ理由はありますか。
池貝「曲自体は2019年ぐらいからあって。それから2年間ぐらいかけて紆余曲折、こうでもないああでもないと、色んな寄り道をしながら最終的にできた曲なんです。アルバムを1つのお話と見立てると、1曲目の地点がA、最後の曲の地点がBだとして、AからBに移行する間の曲というか。『Highway』は直訳すると"高速道路"なんですけど、高速を車で走ってると"このまま終わらないかも"、みたいな感覚があるじゃないですか」
――ありますね。
池貝「そういう思考の停滞もテーマにした曲だと思います。両極化した社会の中でどっちにも100%で属すことができない傍観の立場というか、そういう視点が大きなアルバムのテーマになっていて。『Highway』は最初から割とそういう気持ちだったんだなということを思い返す、いいキッカケになった曲だなというのが僕の感覚です」
――なるほど、傍観者。
池貝「音楽的には、それぞれの役割も音に対する思考も変わってくる中で、1枚目(『Flesh and Blood』)、2枚目(『Human』)で納得できていなかったことをアップデートするために、皆それぞれの視点を全く別のところから入れてたと思うんですよね。そのカオスの中の共通点を探す上でキーとなる曲だったというのも、この曲をシングルに選んだ理由としてはあると思います。どういうバランスでそれぞれの音楽性を入れたら、yahyelらしい、yahyelにしかできないものになるのかを、この曲で探し続けてた経緯はやっぱりありますし。サウンド的にもツーステップ然としたものをちょっとグリッチさせている。ギターが鳴っていたり、曲の構成としても綺麗な歌モノとして始まるんですけど、最終的にはダンスミュージックというか、かなり潜っていく展開が待っていたり、色々な要素が1曲の中に詰まってて、その中間みたいなところに、我々のバンド、つまり1つの共同体としての回答が見えた曲だったんじゃないかなと思います。そういう意味で『Highway』は、AとBの中間を象徴する曲だなと思いますね」
――アルバムに向かっていくイメージがすごく浮かびました。
池貝「僕ら、いつもアルバムに向かってるんですよ。あまりシングルと言って作ることはなくて。一定の期間を切り取る装置として、僕はアルバムという単位が結構好きなので。もちろん世の中の流れと反してるのはわかるんですけど、単純に表現方法として好きなんですよね」
――今回はどんな気持ちでアルバムに向かわれましたか。
池貝「1枚目はもっとふんわりしてて。カッコ良い音楽をやろうというのが1枚目で、今までやってきたことの回答を見つけようという、その時点までの自分たちらしさを探したのが2枚目、3枚目は本当にゼロベースだったんです。今までやってきたこともありながら、電子音楽家ではなくバンドとして制作をするのもひとつ、メンバーが1人減ったのもひとつ。完全に新しい環境で新しいものを作りましょう、と」
山田「だからメンバーそれぞれの視点は必然的に入ってくる。逆に言うと、今まではいわゆるバンドらしさってなかったんですよね」
池貝「前と比べてディスカッションはより激しかったですね」
山田「『Highway』はどちらかというとアルバムの曲が全部できてから、"最初に出す曲どれにする?"みたいな感じで決めたと思います」
年内、『Highway』の先に続くもの
――『Highway』の歌詞は、どういうことを歌おうと思って書かれました?
池貝「いつもデモを作る段階で歌詞のイメージはあって。大きな物語が進行している途中って、どこか犠牲として失っているものがある。何が正義で何が正義じゃないか、自分のスタンスはこう、相手のスタンスはこうみたいなことを考えてる時って、相手の感覚に伝わるように言うにはどうしたらいいんだろうと、自分を犠牲にしてる部分もあると思うんですよね。2020年以降は先に進むことがすごく大事にされてた時期だと思うのですが、僕はそこで犠牲になったり落ちていってしまう繊細な物ごとが気になっちゃって。どうしようもないんですけど。そこがフックの部分の歌詞ですね。そこから"It's just anohter heart to waste (ただ1個心が無駄になっただけ)"みたいな視点が出てきたのかなと思います」
――いつもyahyelは映像もありきで音楽を作られていますが、今回はMVは?(取材時は未公開、11月28日に公開済)12月のライブのスポット映像に少し入っていたのをお見かけしましたが。
山田「当然MVも出ます。『Highway』ともう1枚年内にシングルが出るんですけど、『Highway』は"お久しぶりっす!"って感じのニュアンスなんで。『Highway』はMVというよりビジュアライザーみたいな、ちょっと軽いものなんです。もう1曲はがっつりMVっぽいもので出ます」
――その中にどんな要素を表現されましたか?
山田「『Highway』という言葉から連想できるもの、あの音像から連想できるような要素しかないよね。でもクセはめっちゃあります」
池貝「すごくyahyelらしいと思います。僕らのMVは抽象性が高いだけで、メタファーとしてはそんなに飛んでない。それはdutch(山田)が汲んでくれている部分もあるんですけど、曲の中で大事な要素や言葉のチョイスといったメタファーの部分を絞って、それを純度高くやっている認識なんです。ただそれに全振りしてるから相対的に変に見えるんじゃないかなと。カッコ良くというより表現に寄り添った映像を作ってもらっているのでそう見えるのかもしれないですけど、割とシンプルです」
山田「多分ご覧いただいたライブの告知に使ってるのは、実は『Highway』のMVじゃなくて、次のシングルのMVの一部を使ってまして」
――そうなんですね!
山田「匂わせてるというか、まだまだ続くぞという」
12月のライブはyahyelの粗削りな部分を見せられる、またとない機会
――そして12月に『After Fanaticism』というタイトルの東阪ツアーが行われます。
池貝「リリースもありますし、久々に東京と大阪でライブをやりたかったんですよね。アルバムのフェーズになったらまたやることも変わると思うので、この時点までのことをしっかりとライブとして残しておきたかったのが大きいですかね」
――『After Fanaticism』というタイトルに関しては?
池貝「それは僕が割と言い張って決めたんですけど、今までの話とも繋がってくる。"狂騒の後"と言ったら伝わりやすいと思うんですけど。2020年以降の雰囲気みたいなことですね。もちろん色んなことが正しい方向に向かった側面も、悪い方向に行った側面もあると思うんですけど、ラディカルさばかりだなとも思っていて。顧みないことを良しとするハイパーポジティブさすら感じていて。その瞬間を表す言葉として『After Fanaticism』がいいなって」
――東京には鬼の右腕、大阪はkZmさんが対バン相手です。この2組を呼ぼうと決めたのはなぜですか?
池貝「両方めちゃくちゃ楽しみな相手で。鬼の右腕がやっていることは、音像的にもyahyelと親和性が高いと思いますし、小林うてなちゃんは僕らもずっと前からお世話になってる良き音楽仲間。彼らが9年ぶりにバンドとしてライブをしていることは、yahyelにリンクするところも大きいですし、見てくださる皆さんにも違和感がない組み合わせになると思います。kZmくんはずっとdutchも映像の仕事で繋がってきて、シンプルにカッコ良いですし、さっきも言いましたけど、ジャンルに寄ったり同じ立場にいる人しか一緒に音楽できない空気感に一石を投じたかった気持ちもあります」
――なるほど。違うジャンルが混ざり合うことで新しい何かが生まれるような。
池貝「それが理想論なんじゃないかなと僕は思っていて。音楽的な脈略やそれぞれのスタンスもあると思うんですけど、異なる人たちだからこそ会話できた方が、前に進めるような気がします」
篠田「12月のライブはちょうどリリースタイミングということと、来年アルバムを出してからの動きに対するウォームアップ的な部分もあると思います。もちろん僕らも全力でいくんですけど、修練しながら来年に向けていくブリッジになる機会だと思っているので。アーティストのライブは本当に生モノというか、そのタイミングで全然変わってくると思うので、yahyelの粗削りな部分を見せられる、またとない機会かなと思います」
――今の段階のyahyelを見れる良い機会だと。
池貝「この機会から見ていただいた方が、ドキュメントとしては面白いものになるんじゃないかな」
――新しいフェーズ、言うなれば第3章ですか。
池貝「そうですね」
――これからyahyelはどんな感じで進んでいきそうですか。感じていることがあれば。
池貝「楽しみですよ、すごく。表現としてはそれが素直かなと思いますね。バンドとしても何をどうしたら良いものになるだろうとすごく迷っていたので。今、そこに朧げな回答が出てきたフェーズなので、アウトプットするのが楽しみです。あとは僕らも年齢を重ねてきて、我々が出てきた時みたいに沢山のバンドがいる中の1バンドとか、1つの波の中の1組という感覚ではなくなってきました。そこから解放された感覚もありますし、音楽的に下の世代も出てきた中で、表現領域の人たちの本当の意味での多様性って何だろうと考えた時に、僕は本当にあるべき姿って、完全に歪な個人が共存できている状態だと思うんですよ。なので僕らみたいにある種浮いているというか、ノイズになり得る存在がしっかりと自分たちのペースで音楽をすること自体にも意味を見出している。それがうまく日本の音楽シーンに還元されたらいいなと、個人的には思っています」
――ノイズになり得ると捉えてらっしゃるんですね。
池貝「でもそうだと思うんですよね。これは本当に主流なものを批判したいとかでも、オルタナティブになりたい話でも全くないんですけど。多分僕らは僕らにしか出せないものにプライドを持ってやっていると思うんですよ。そういう意味では誰しもがノイズになり得るというか、なり得ないと逆におかしいんじゃないか、という考え方です。相手を批判せずに、皆違うことができるようにしたいです」
――わかります。日本は違うものを叩きすぎますよね。
池貝「それは時代的な側面もあると思うんですよ。相対的な自己に囚われてる時代。主観に必ずチェックが入る時代。SNSという解放された空間の中で常に見られて、価値を気にしながら生きていかなきゃいけない感覚もあると思う。だから個々を責められたことじゃないと思うんですよ。しょうがないと思う。そういう状況に生きてるし、それも1つのリアリティだと思うんですけど、その先というか、全員個人でいられる世界が何かの形でできたらいいなと思います。少なくとも表現領域では」
Text by ERI KUBOTA
(2022年12月 2日更新)
Single『Highway』
配信中
https://linkco.re/deFvCfGf
ヤイエル…2015年東京で結成。池貝峻、篠田ミル、大井一彌、山田健人の4人編成。エレクトロニックをベースとしたサウンド、ボーカルを担当する池貝の美しいハイトーンボイス、映像作家としても活躍する山田の映像演出を含むアグレッシブなライブパフォーマンスで注目を集める。2016年、ロンドンの老舗ROUGH TRADEを含む全5箇所での欧州ツアー、フジロックフェスティバル〈Rookie A Go Go〉ステージへの出演を経て、11月にデビュー・アルバム『Flesh and Blood』を発表。翌2017年には、フジロックフェスティバル〈Red Murquee〉ステージに出演、さらにWarpaint、Mount Kimbie、alt-Jら海外アーティストの来日ツアーをサポートし、2018年3月に、さらに進化した彼らが自身のアイデンティティを突き詰め、よりクリアで強固なものとして具現化することに挑んだセカンドアルバム『Human』をリリース。その直後のSXSW出演を経て、フランスのフェス、韓国・中国に渡るアジアツアー、SUMMER SONICなどに出演。同9月にはシングル「TAO」をリリース。楽曲、ミュージックビデオの両方を通じて、yahyelの芸術表現が完全に別次元に突入したことを証明した。同じく11月には水曜日のカンパネラとのコラボ楽曲「生きろ」をリリース。2019年には再びSXSWに出演、米NPR、英CRASH Magazineなど数多くの海外メディアに紹介される。パンデミックの最中に開催された2020年のワンマンライブを最後に、突然の沈黙期に入ったyahyelは、扇情と混沌のユーフォリアから起き上がろうとする2022年の世界に呼応するように、新たなフェーズへの密かな胎動を繰り返している。
yahyel オフィシャルサイト
https://www.yahyelmusic.com/
【東京公演】
チケット発売中 Pコード:230-503
▼12月6日(火) 19:30
WWW X
スタンディング-4000円(ドリンク代別途必要)
[ゲスト]鬼の右腕
※未就学児童は入場不可。小学生以上はチケット必要。
[問]スマッシュ■03-3444-6751
チケット発売中 Pコード:230-950
▼12月8日(木) 19:30
梅田クラブクアトロ
スタンディング-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]yahyel/kZm
※未就学児童入場不可。
※入場時マスク着用を必須とさせていただきます。着用のない場合、入場をお断りさせていただきます。
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人5枚まで。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888