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M!LKインタビュー
今がまさにベストコンディション!
大人の顔を新曲で見せ、飛躍するツアーへ

ドラマ、バラエティ、ラジオ、YouTube、SNSなど、多彩な活躍を見せる5人組ダンスボーカルグループ・M!LKが、Newシングル『STARS』を11月30日にリリース。さらに来年には里帰りイベントやホールツアーも開催する。そんな今、勢いが止まらない彼らの話を聞くため、来阪中の塩﨑太智と吉田仁人を直撃。前回のぴあ関西版WEB取材からおよそ4年という時を経て5人はいったいどんな成長を遂げたのか? そして最新作と新たなツアーはどんなものなのか? たっぷりと語ってもらった。

――前回、ぴあ関西版WEBに出ていただいたのが約4年前で、今年11月24日には結成8周年。その間、メンバーが2人卒業し、年齢は20代に突入。さらにメジャーデビューを果たす一方、コロナ禍にもなって......といろいろありましたね。

吉田「何から聞けばいいんだか?って感じですよね」

塩﨑「4年前は7人のころですもんね」

吉田「そうか、あの2人(曽野舜太、山中柔太朗)が入って4年か。大人になったというか......5人になった時は(グループが)固まったっていう感じがしましたね。なぜかというと全員で(メンバー卒業という)経験をして同じ気持ちを共有できたから。2人(曽野、山中)にいい景色を見せたいっていう思いも含め、当時はすごく走ってたなって思います。(2021年11月24日発表のメジャーデビューシングル)『Ribbon』をリリースしてからの1年は環境が変わったり、SNSとかいろんなものを始めたり、忙しく楽しくできた1年だったかなって。いろんなライブもできたし、すごくいい経験をさせてもらって感謝しています」

――みなさん大活躍です。あ、塩﨑さんはバラエティ番組「有吉ゼミ」の激辛グルメチャレンジで完食。すごかったですね。

塩﨑「ありがとうございます。それでいうと、M!LKが大きくなってるからこそ、僕もああいう番組に出させていただいて。メンバーもそういう機会が増えましたよね。地上波のゴールデンの時間にも、みんな少しずつ出られるようになって、M!LKが大きくなってるんだなって実感します」

――個々として4年間の進化・変化は?

吉田「今年は特にお芝居の仕事を途切れることなくやれたなって。『モトカレ←リトライ』、『あなたはだんだん欲しくなる』、『覆面D』、それに第9話だけですけど『帰らないおじさん』にも出て。お芝居の仕事はやりたかったんで、続けて出演できてるのはうれしいし、楽しいですね」

――吉田さんは"歌ってみた"の動画もあげているので、活動のメインにしたいのは歌なのかと思っていました。

吉田「もちろんM!LKはプロジェクトとして絶対に大成させるぞ!っていうのではあるんですけど、(活動の)真ん中はあくまで吉田仁人でいろいろ考えて歌も踊りも芝居もしているというか。全部平等に表現っていうところに収まるかなって思ってます」

――塩﨑さんは?

塩﨑「僕はドラマとか全然出てないですからね(笑)」

――でもスポーツ番組で決勝進出。

吉田「スポダン(『最強スポーツ男子頂上決戦2022』)ね」

塩﨑「僕はM!LKの塩﨑太智として、いろんな場所に出さしてもらう機会が増えたので、そういう時に頑張って爪あとを残そうと。だから本当は辛いものもダメですけど、気合いで食べたし、スポダンも2週間前とかに決まって、そこまで鍛えられなかったけど、なんとか頑張ったみたいな。いつも(佐野)勇斗が "M!LKのためにやってる"って言ってるのを聞いてるんで、僕もそういう時にはM!LKのためになればいいなって思いながらですね。でも、今日もロケがあったんですけど、バラエティをやってる時が結局一番楽しいです。あとは演出。それは4年前と変わったところですね」

――塩﨑さんは現在ライブの演出を担当。

吉田「それは大きいんじゃない?」

塩﨑「きっかけはスタッフさんに声をかけてもらってですけど、今はもうがっつり入らせてもらって。(山中)柔太朗も衣装(プロデュース)をやって、仁人もYouTubeをやって、勇斗もSNSやってって、みんながみんなM!LKのために動いてる。一人ひとりがM!LKを支えようと伸びたらM!LKが伸びますからね」

吉田「今の時代は自己発信ができるけど、それを叶えるのって結構難しかったりするじゃないですか。でも、みなさんに協力していただいて、いろんなことをこれだけ好きにやらせてもらえるのは結構すごいなって思います」

――かわいげのある5人だから協力したくなるのでは?

塩﨑「いやいや全然。ライブの打ち合わせも俺、全然かわいくないっす(笑)。別にバチバチになるわけじゃないですけど、やりたいことはしっかり言って、でもできないことはできないよって言われます」

――スタッフさんとのチーム感がありますね。YouTubeからもそれを感じました。

吉田「当たり前のことを言うんですけど、みんな人じゃないですか。いつもそっけない態度で、やってほしいことがある時だけ、やって!って言われても、ん?ってなるじゃないですか。感情があるわけで、そこのズレをできるだけなくしたいというか。コミュニケーションを忘れず、メンバーのことも気にかけ、リーダーとしてみんながわかる一つのラインを描けたらいいなと常に思ってるので、そう見えてるならよかったです」

塩﨑「うれしいですね」

吉田「みんなのポテンシャルがあってのことなんですけどね」

塩﨑「YouTubeも仕事もそうだけど、メンバーとスタッフさんじゃなく、俺らがスタッフになってるみたいな。サムネを作る時も会議に入ったり、マーケティングみたいなところまでメンバーが入ってるし、スタッフさんからも歩み寄ってくれるので、僕らもやりたいことを言えるし、うまくコミュニケーションが取れてるのかもしれないですね」

吉田「会議に参加したりすることでより責任感も出ましたね。みんなが出してくれる案にも、リスペクトを持って話せるようになったし」

――とてもいい状態ですね。

吉田「もう、今、M!LKはベストコンディションじゃないかな」

――では、そんなベストな状態で発表するシングル『STARS』の話へ。まず表題曲の『STARS』はしっとりした冬のラブソングです。

吉田「昔(約4年前)の自分たちが歌ったら響かなかっただろうね。響く年齢になったのかもしんない。カップリング曲はM!LKらしい(華やかな)部分があるんですけど、『STARS』は今までとは違う感じで意欲的にチャレンジできましたね。MVも風景がすごくすてきで世界観がしっかりありました」

塩﨑「撮影は外だったんですけど、雨の中でザーザーだったよね(笑)」

吉田「最後、みんなでソファーに座ってるところはマジで土砂降り。雪がきれいだね......みたいに涼しい顔でリップシンクしてるんですけど、本当はみんな顔びちょびちょですから(笑)」

――歌に関しては後半の吉田さんのボーカルが印象的でした。

吉田「ちょっとフェイクっぽい感じのところ。あそこは浸ってちゃんと届けられたらなと思いますね。好きですね、ああいうの。サビ後半でこういうフェイクも混ぜていくんだ!みたいな。それも絶対に昔だったらチャレンジしてないことなんで、本当にいろいろ勉強して練習してっていう」

――吉田さんの歌唱力への信頼によるものですね。

吉田「信頼というか課題でもありますけど、やってみな!って」

塩﨑「僕には(課題は)与えられなかったです(笑)」

――でも、塩﨑さんのラップもいいですよね。柔らかなラップは人を選ぶ気がします。

塩﨑「いいように言ってくれた(笑)。でも僕は本当に歌割りが欲しいとかそんなにないんです。曲ごとに合う人がいますし、逆に違う曲だと自分が多く歌うこともあるし」

――とは言え『STARS』はメンバーそれぞれの見せ場があるなと思いました。

塩﨑「メジャーデビューしてからはそうだね。前は、2人・3人とか(複数人で歌うこと)が多かったんですけど、今は一人ずつで歌うことも多いですね。なので、メンバーの声が聞き分けやすいらしいっす......親によれば(笑)」

吉田「親が言うならそうだよ(笑)」

塩﨑「ま、自分の息子の声なんで、僕の一人の声はわかるらしいんですよ。でもメンバーと混ざる時はわかんなかったらしくて。でも『Ribbon』以降はみんなの声の特徴がわかるって」

――塩﨑さん、ご家族と仲いいですね。前回の取材時も家族の話が出ました(笑)。

塩﨑「関西に帰ってくると話したくなるかも。もうちょっとで和歌山なのに帰れないから(笑)」

吉田「M!LKは家族の話、多いよね(笑)」

――前回は姉妹がいるから女心がよくわかるというような話をしました。

吉田「お前、そんなん言ったのか(笑)?」

塩﨑「お姉ちゃんも妹もいますから、もう挟まれてますから!」

――そんな塩﨑さんには、女性の微妙な変化も描かれるカップリング曲『テレパシー』の世界はよくわかるだろうなと思いました。

塩﨑「はいっ。わかります(笑)」

――反対に吉田さんはYouTubeの「質問コーナー!」を見るに、あまり女性の細かな点に興味はなさそうで、『テレパシー』に共感するのは大変だったのかな?と(笑)。

吉田「なんてことを~。大変なわけないだろ~(笑)!」

塩﨑「(笑)」

吉田「いやでも、高校の時とかは恋愛してる友達も多かったので(女の子を見て)焦る感情とか、好きのギアがどんどん自分の中で上がっていく感じとかはわかるなって。あとやっぱりリズムがよくて、でも言ってるのはおセンチなことっていうギャップがいいですよね。シンプルにこういう曲の雰囲気が好きです。ちょっと全盛期のボカロっぽい感じ。HoneyWorksみたいな......知らない?」

塩﨑「知らない。俺、ボカロ聴かないから」

吉田「割と有名なユニットなんですけど、ポップで心の声がだだ漏れの淡い青春っていう感じが似てる。それが『テレパシー』にはあるから意外と懐かしむ方もいるんじゃないかなと思います」

――では、もう一つのカップリング曲『INFINITY TRY』のことも。

吉田「勢いで限界突破って感じです。いずれ声出しが可能になった時には、コール部分の歌詞も言っていただきたいなって思いますし、ペンラ芸も増えそう」

――スピード感ある曲ですが、歌ってみてどうでしたか?

塩﨑「正直、この曲が一番早く(レコーディングが)終わりました」

吉田「俺も」

塩﨑「ノリやすいしキャッチーだし、覚えやすかったからうまいことできたのかな」

吉田「『STARS』は繊細さが求められたんですけど、『INFINITY TRY』では疾走感や躍動感、そういう一瞬のきらめきを録りたかったんだと思います」

――確かにこの曲は、今輝いている現在の5人にぴったりです。

吉田「現状の僕らっぽい感じが結構ありますね。年齢的にも。あとアニメのオープニングっぽくないですか。メンバーがそう言ってて、なるほどって思って。少年マンガっぽい感じ(笑)」

――10年後とかに歌うと、また感じが違うでしょうね。

塩﨑「テンポに体が追いつかない(笑)」

吉田「そういうこと(笑)? ま、でも僕らの思いとして歌うのは今で、年を重ねていったら、これを(輝く若い世代に)届ける側に回ると思うんですよね。だから歌い方もとらえ方も気持ちは変わってくるかなとは思います。とにかく今は、僕ららしくっていうのを届けたいですね」

――それではそろそろライブの話へ。まず来年1月に「M!LK 里帰りイベント〜僕たちここで生まれました〜」があります。

塩﨑「帰ります! 和歌山に‼ 1月5日(木)です」

――5人の地元をめぐるイベントですね。M!LKには東京出身者がいなかったんですね。

塩﨑「地方から集めたグループってあまりないっすよね」

吉田「(上京して)何かを達成したいっていう気持ちが共通してあるので、みんな地方出身であってよかったなとは思います」

――そして、来年3月31日(金)からは「M!LK CONCERT TOUR 2023『CHECKMATE』」が始まります。

吉田「今年2月に『M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER』を(キャリア史上最大規模の会場である)パシフィコ横浜でやって、それからどんどんキャパシティを大きくしていって、今度も東名阪+福岡で、東京は東京ガーデンシアターっていう大きいホールだからチャレンジだと思います。ただ忘れちゃいけないのは、このツアーをしっかりとみなさんの心に届けるっていうこと。それを意識して頑張りたいと思ってます。あと、太智くんがどんな演出を考えてるのかすごく楽しみ! ほかのメンバーはどういうことをするのかちょこちょこ聞くらしいんですけど、俺はその情報、絶対に入れないんです」

――それはなぜ?

吉田「それを聞く時が好きなんですよ。次のツアーはこんな感じになりますって資料を渡される瞬間が、クリスマスプレゼントを開ける時みたいに、わ、すごい!ってなるんで、そこまでは絶対に聞かないようにしてるんです」

塩﨑「それはうれしいっすね。多少事前に知ってると、例えばブランコを使うっていう説明をしても、はい。わかった、OK......みたい感じなんだけど、仁人は聞いてないから、"え、マジ! ブランコ乗るの? ええっ"って感じで反応をしてくれるんで」

吉田「ライブのギアを入れるのはこの発表が一番いいタイミング。グッと入る」

塩﨑「でも、ほかのメンバーに俺から話してないから、誰から聞いてるんだろう?って感じ(笑)」

吉田「情報、漏れてるかもしんない(笑)⁉」

――ちなみに塩﨑さんとしては、演出でメンバーを驚かせたいという気持ちはありますか?

塩﨑「それはないですけど、お客さんのことは驚かせたいですね。サプライズが好きなんで。こうなるだろうなっていうのをぶち破りたいんですよ。例えばLEDがあって一部が割れ(途切れ)てんなってなってたら、そこが開閉して出てくんのかなとか想像できるじゃないですか。そういうのが嫌なんです、僕。え、違うじゃん!っていうのがいいですね」

吉田「だからツアーの最初の方に来た人には申し訳ないですけど、つぶやかないでほしいんですよね。最後の公演でも初めて見る方がいらっしゃるから、絶対にネタバレなしがうれしいです」

――最終日も吉田さんが演出を聞く時と同じように新鮮な驚きを味わってほしいと。

吉田「そう。文字とかじゃなく、実際に目の前で起こった方が、わっ!て衝撃なんで。その方が絶対いいから」

塩﨑「ま、だから(吉田は)ファンと一緒っすね(笑)」

吉田「はい(笑)。楽しいっていうのを感じたいですよね」

――イベントもツアーも楽しみです。それではラストに関西のファンにひと言お願いします。

塩﨑「僕の生まれ育った関西ですから! 1人でも多くにM!LKを知ってもらえるように、頑張ります。和歌山の方は特に応援していただけるとうれしいです!」

吉田「僕たちの目標であるドームツアーを全国でやるためにも、ぜひ関西の方にたくさん応援していただきたいですね。あと僕は今、大阪でラジオ(MBS『イマドキッ ドゥフドゥフ90分』)をやってるんですけど、もっと大阪でたくさん仕事ができるように頑張ります。そしてSNSとか常にいろいろやっているので、そこにも注目してみてください」

Text by 服田昌子




(2022年12月 5日更新)


Check

Release

SINGLE『STARS』
発売中 1100円
VICL-37659

《収録曲》
01. STARS
02. テレパシー

Profile

ミルク…2014年11月結成のダンスボーカルグループ。メンバーは佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人の5人。いろいろなものに混ざりやすく、さまざまな形状に変化することのできる“変幻自在”のユニットとして活動する。2015年3月に「コーヒーが飲めません」でCD デビューし、2018年11月発表のシングル「Over The Storm」ではオリコンウイークリーランキングで2位を獲得。2019年11月には結成5周年を記念したシングル「ERA」をリリースし、翌2020年3月には3rd アルバム「Juvenilizm -青春主義-」、9月には4th アルバム「HOME MADE CHU!?」を発表。2021年11月にシングル「Ribbon」でビクターエンタテインメントよりメジャーデビューを果たす。2022年は、2月に配信シングル「HIKARI」を発表し、同月に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでワンマンライブを開催。5月には全国7都市ツアー「M!LK SPRING TOUR 2022 "CIRCUS"」を大盛況のなか完走し、9・10月には東名阪ホールツアー「M!LK HALL TOUR 2022 満月の夜 君と逢う」を実施。また8月発表のシングル「奇跡が空に恋を響かせた」はオリコン週間シングルランキング1位に輝く。そして11月30日にニューシングル「STARS」をリリースし、2023年3月からは「M!LK CONCERT TOUR 2023『CHECKMATE』」をスタートさせる。

M!LK オフィシャルサイト
https://sd-milk.com/


Live

「M!LK 里帰りイベント 
~僕たちここで生まれました~」

【和歌山公演】
▼1月5日(木) 和歌山城ホール 大ホール
【鹿児島公演】
▼1月7日(土) ライカ南国ホール
【三重公演】
▼1月9日(月・祝) 四日市市文化会館 第2ホール
【栃木公演】
▼1月14日(土) 宇都宮市文化会館 小ホール
【愛知公演】
▼1月28日(土) 岡崎市民会館 あおいホール