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1stフルアルバム『Lighthouse』における
次作も見据えたayutthayaの挑戦
ayutthayaインタビュー

太田美音(Vo&Gt/マイクロコズム)と右田眞(Ba/nenem)から成るオルタナティブロックバンド・ayutthayaが11月23日、キャリア初の1st フルアルバム『Lighthouse』をリリースした。2015年の結成以降ライブ中心に活動し、これまでに3枚のEPと3枚のシングル、スプリット7インチをリリースしてきた彼らが、結成7年で初のフルアルバムを完成させた。レコーディングにはライブのサポートメンバーでもある藤谷真吾(G / 1inamillion、SLEEPLESS)、吉木諒祐(Dr / THE NOVEMBERS、MEAT EATERS)、馬場庫太郎(G / NENGU)が参加。これまでのayutthaya像を前向きに壊しつつも、新たな挑戦と変化を経て、ayutthayaが2人である意味をも見つけた1枚。太田の紡ぎ出す歌声と歌詞は、日々の生活や人との関わりの中で生まれる感情を描き出す。繊細さや孤独さをエモーショナルに表現、かつ歩み寄る温かさも感じる作品になっている。来年1月には8ottoとのダブルリリースツアーを梅田Shangri-laで行う。ぴあ関西版WEB初登場の2人に話を聞いた。

太田のやりたい音楽をバンドで表現するために結成


――まずは結成の経緯をお聞きしたく思います。

太田「2015年に結成したけど、活動したのは2016年からですね。私の声掛けで集まった4人で東京中心に活動していました」

右田「元々はいわゆるロックバンドの編成で、当初はメンバーにメインギター、ドラムがいたんですけど辞めていっちゃったんで。
確か2019年の冬から2人になりました。新メンバーは入れずにサポートメンバーを入れて今もライブ活動をしてる感じですね」

――太田さんと右田さんは、元々面識はおありだったんですか。

太田「当時私がサポートしてたWOZNIAKというバンドと、右さん(右田)がやってたnenemで対バンをして。どっちもインストバンドなので、そういうイベントで出会いました。右さんはそんなに喋ったことなかったんですけど、ギターの山本創さん(nenem)が前のバンドの録音をしてくれるエンジニアさんで、"新しいバンドやりたいんですよね"と相談したら、"右ちゃんでいいじゃん"みたいな感じで紹介されました」

――最初、どういうバンドをやりたいと思って声を掛けられたんですか。

太田「どういうバンド。好きな音楽がやりたい(笑)」

右田「声が掛かった各メンバーにデモが送られてきたんですよ。それを聞いて、"どんな感じのバンドにするの?"という話はしたんですけど、当時も"好き勝手やってもらっていいっす〜"みたいな感じでした。多分明確に"こういうバンドをやりたい"というよりも、それぞれのミュージシャンの腕を見て気に入って声を掛けてるから、そのスキルを歌モノとして自由に発揮してくれたら仕上がると思ってたんじゃないですか」

太田「"こういうジャンルがやりたくて新しくバンドを組む"というよりは、私が当時やっていたマイクロコズムができなくなって歌うバンドがなかったから、バンドを組みたいと思った感じですね」

――太田さんから出てきた楽曲を表現していきたいと。

太田「私のソロ活動のバックバンドにしちゃうと、私の引き出しが少なくてすぐ手詰まりになりそうだったので、手伝ってもらえたら嬉しいなと思ってバンドにしました。やっぱりみんなで作る方が楽しいので」

――最初右田さんはお声が掛かった時はどう思われましたか。

右田「お互い酒が好きで、対バン後の打ち上げで酔っ払ってる時に、"美音ちゃんが歌うんだったら俺弾くから"みたいな感じで絡んでて。とはいえ年齢も少し離れてるし、実際は声掛かんないだろうなと思ってたんですよ。でも掛かったから、"やりたいしやります"と二つ返事でOKしました」

――メンバー脱退後、新メンバーを入れなかった理由はありますか?

右田「個人的には、まず理想論として誰1人辞めてほしくないのがあって。SNS上で流れてくる、脱退とか活動休止のニュースを見ると、知らないバンドでも考えさせられるんですよね。だから"この人だったら大丈夫だろう"という確信が100%見つからない限り、あまり入れたくないなと思ってたんですよ。人っていつ何があるかわからないじゃないですか。今のところサポートミュージシャンでうまくいってるなら、入れなくてもいいかなと。2人になったことでメリットもあるなとは思ってたので、よっぽど"ビビっときた!"感じじゃないと、加入についてはあまり深く考えないのかなと、今質問されて思いました」

太田「プレイ中はもはや、正式メンバーとかサポートメンバーとか関係ないですし」

――ちゃんと音楽を形にできれば。

右田「そうですね。だけど別にサポートメンバーも誰でもいいというわけではない。今まで一緒にやってくれた人も、色々試した結果やってるんで、そういう意味じゃ今までのメンバーも正式メンバーだと思っていますね」

――これまでの活動としてはライブ中心だったとのことですが、ライブ活動への想いはありますか。

太田「ライブ楽しいんで。レコーディングよりライブの方が好きなので、ライブがしたいです(笑)」

――曲作りは基本的には太田さんメインでされてるんですよね。

右田「ゼロから1を美音ちゃんがやって、1から10を俺やみんなでやってる感じですね」

――曲を書くペースは早い方ですか。

太田「めっちゃ遅いです。だからレコーディングも遅くなるんです。全然量産型じゃないです」

――その時にできた楽曲を発表されていくんですね。

太田「割とそういう感じです。その時その時の記憶を録っていく感じですね」



いつものayutthayaも表現しつつ
ポジティブな意味で変化を表現したかった(右田)



――今作『Lighthouse』を制作する上でテーマはありましたか。

太田「さっきも言ったんですけど、その時その時に作った曲を日記みたいな感じで録音していくので、アルバム全体としての大きなテーマはないですね。でも初のフルアルバムなので、今までのミニアルバムやEPよりはすり合わせをした感じはあります」

――太田さんのご自身の体験が曲になっているんですか?

太田「体験とかはあまりないですね。創作、妄想です」

――日記といっても妄想。

太田「歌詞は体験を反映してないんですけど、その時に好きな音楽や、聞いてカッコ良いなと思った曲から影響を受けているので、それが音に出てるところに関しては日記みたいなものですね」

――なるほど、その時に太田さんが影響を受けたものを曲で記しておくイメージなんですね。『そうでもない(M-3)』と『ハイブリッド(M-8)』は2021年にシングルでリリースされていますが、それ以外はアルバムに向けて作った楽曲ですか。

太田「『fog(M-1)』と『hakka(M-6)』と『LIFETIME(M-9)』の3曲は元々ayutthaya用に作ってた曲じゃなくて、私がayutthayaを意識せず勝手に作ってた曲をayutthayaにしてみてもいいかもなと思って採用したんです。みんなどう感じるかわかんないけど、打ち込みっぽくしたり結構ループが多い曲なので、私はあまりayutthayaっぽくない気はしてて。その3曲以外はアルバムに向けて作った感じですかね」






――タイトルをつけられたのは最後ですか。

太田「最後です。『fog』の仮タイトルが元々"Lighthouse"だったんです。その名前も良かったからどこかで使いたいなとは思ってたんですけど、『fog』は『fog』で曲タイトルとしてはハマってたので、じゃあ"Lighthouse"はアルバムタイトルにしようかとなりました」

――どの曲も『Lighthouse』の世界観を表す上では重要な曲ばかりなのかなと感じますが、核となる曲はどの曲でしょうか。

太田「『fog』かな。先行配信をしてMVも撮ったので。1番録って良かったなと思いましたね」

――録って良かったというのは、どういうところでそう思われましたか。

太田「元々ayutthaya用じゃなく作っていて、私のデモでしかずっと聞いてなかったので、バンドでちゃんとハマって良かったなと思いました」

――右田さんは『fog』に関してはいかがですか。

右田「最初アルバム曲のデモを聞いた時に既に世界観が出ていた曲で、個人的には思うところがあったので、たくさんトライアンドエラーしていきました。『fog』に関しては色々音を重ねたりベースを思い切り歪ませたり。この曲はいつものサポートメンバーじゃない、馬場庫太郎(NENGU)をギターに選んだんです。後半部分の曲の具現化したイメージが、庫太郎が出せる音の引き出しに合っていると思って彼に依頼しました」

――後半のエモーショナルに没入していくゾーンですかね。

右田「彼のおかげで表現したかった世界観をうまくバンドサウンドにできました」

――サポートメンバーも曲の性質を意識して選ばれてらっしゃるんですね。

右田「そうですね。ただ今までリリースしているEPはサポートメンバー込みの4人ありきで、ライブでもそのまま演奏できるようにパッケージして商品化していたシンプルな流れがあるんですけど、今回はメンバーも2人になったしアルバムを作る上で、全曲バンドサウンドじゃなくても良くない?という想いもあって。2人で作ってもいいし、何なら俺もギターを弾いたり、ドラムも打ち込みでやっちゃえばというアイデアも出て。美音ちゃんからデモをもらって曲にする作業を進めていきながら、まず俺が曲順を決めたんです。そこから曲順に合う曲のアレンジも考えていきましたね」

――曲順も意識したアレンジ。

右田「基本は曲がカッコ良くなきゃ意味ないんですけど、曲順が決まったことで"こういうアレンジにしようかな"とか"ここはちょっと遊んでもいいかな"というアイデアも出てきて。そういう意味じゃ『fog』は代表曲なんですけど、僕は『hakka』や『LIFETIME』も気に入っています。とはいえ全曲推したくなっちゃいますね」

――『fog』『hakka』『LIFETIME』は先ほど太田さんも挙げられた3曲ですね。

右田「ayutthaya用じゃなかったのは後で聞きました。『hakka』は制作の経緯も含めて個人的にすごくうまくいったと思ってて。特に打ち合わせはしてないんですけど、英語詞だったりコーラスを多めに入れてくれたり、俺もトライしたいと思ったアレンジになって。あとウッドベースを使ったんですけど、個人的にどこかのタイミングで合う曲があればウッドベースを入れたいと思っていたので、うまくハマって雰囲気を作れたと思ってます」

――『hakka』はなぜ全編英詞にされたんですか。

太田「日本語が合わなかったからです。英語と日本語は結構響きが違うじゃないですか。日本語で英語っぽく歌うのもいいかなと思ったんですけど、この曲はもっと普通に英語でいいかもなと思って、初めて英詞を書いてみました」

――どうでした、初の英詞。

太田「この曲は確か、酔っぱらって作ってたんです(笑)。酔っ払って自己陶酔して作って、聞きながら夜散歩行って、帰って寝て、次の日起きたら"曲できてるわ"ぐらい。なので作ってる時のことはあまり覚えてないんですよ」

――へえ!

太田「多分英詞もごちゃごちゃですけど、一応英語を喋る友達に確認はしてもらって。あんま気にしないでいいよと言われたので、ほぼそのまんまです」

――レコーディングはどんな感じでしたか。ノイズもクレジットされていたので気になりました。

太田「あれは遊びですね。"ノイズ入れて"と言ってやってもらったんですけど、エンジニアの横山令くんと庫太郎が2人で永遠にノイズを作って、どんどんエスカレートして、しまいにはノイズライブを始めて。その中でできた音も使いました」

――この曲があることでアルバムが締まるというか、レコードで言うとA面とB面がちょうど切り替わる真ん中の位置で、アクセントになりますね。

右田「そこは曲順を考える時にすごく意識しましたね。どうしても掴みも考えなきゃいけないと思ってたので、いつものayutthayaも表現しつつ、ポジティブな意味で変化を表現したかった。けど6~7曲目にayutthayaっぽくない曲を組むなら、B面にしてAMラジオのような始まり方をさせたくて。そういう感じで始まりたいと思って、B面の始まりにあたる曲は『hakka』にしました」



まさしく"灯台"になる作品になった(太田)


――『Stomach ache(M-7)』は右田さん初めての作曲だそうですね。

右田「デモを作ったり、ループミュージックを作ることはあるんですけど、CDでリリースしたのは初めてですね」

――どんなふうに作っていかれたんですか。

右田「2020年のEPを録り終えてコロナになって世界が止まっちゃって、我々は止めるつもりもなかったけど止まらざる得ない状況になって。そこで闇雲に色々考えちゃって。シンプルに俺がベースを弾いて、美音ちゃんが歌えばayutthayaになるんじゃないかという元々のコアな考え方に立ち返った時に、何となく打ち込んで作り始めたデモです。自分で打ち込みを完成させてリリースしたことがなくて正解がわからないので、誰かに編曲してもらおうと思ってたんですけど、流れ上そのままいこうとなって。レコーディングで色々録り直していますが、基本的にギターや声以外は俺が打ち込んだものをブラッシュアップした音源です。ベースラインもレコーディングで新たに弾こうと思ってたけど、当時弾いたベースラインデータの方がニュアンスが良かったので、そちらを採用してます」

――ギターも3本入っていますね。

右田「元々はギター入れるつもりじゃなかったんですよ。さっきの考えが核にあるので鍵盤ぐらいしか入れてなかったんですね。この曲はトータルで制作期間に1年ぐらいかけていて、みんなにデモを聴いてもらって色々話を聞いたり。ただ途中でこの曲の制作を1回置いてる間に俺のこだわりがなくなっちゃって。レコーディングする直前まで制作していたのですが、その頃には楽しい曲にしたいなと思い始めたので、ノリでガンガンやっちゃおうと最後はもう音を入れ込みまくって。ただポップスにしたかったので、あまり飽和しないようミックスでちょっとスッキリさせた感じですね」

――そこに歌詞をどのように載せていかれたんですか。

太田「あの曲送られてきた時、マジでどうしようこれと思って(笑)。最初はもっとソリッドでもっとシンプルで、音数が少なくて」

――そうなんですね。

太田「元々インストバンドの人だから、"別に歌なしで良くない?"という感じの曲で。どういう歌メロがいいのか全然思いつかなくて、"鍵盤でいいからどういうイメージか入れてください"と入れてもらって、あとは参考の音源をもらったりして、やっと理解できて。多分この無機質な感じがいいんだろうなと思ったので、歌詞はほぼ響きで書きました。声も楽器というか。だから歌詞に意味はないですね」

右田「この曲はメロも俺が考えたんですけど、そもそもは美音ちゃんに振った方が良いメロできそうだなと思っていたんです。基本的に自分のアイデアやセンスって、もう自分は飽きてるので、"またこれか"と思っちゃうんですね。人のアイデアの方が新鮮だなと思ってる。美音ちゃんに振ったらいつもポンッと作ってくるので、"センスあるからお願い"と投げたら"いや無理っす"と言われて、"え?"みたいな」

太田「サビもどこなのかわかんないレベルで(笑)」

右田「ま、そんなことないですけど(笑)」

太田「そんなことある(笑)」

右田「作曲者だから"ここがAメロでここがサビで"というのはイメージがあったんですけど、言われてみればそう聞こえるのかと。歌詞がついてメロディが入ると、もっと具現化できましたね。歌詞に意味がないとはいえ、見えてくるものは多いので」

――温度感のある楽曲と無気質な曲が一緒にあることで、温かみが引き立つと感じました。

右田「そう言っていただけると嬉しいです」

――個人的には『月とカラス(M-4)』も好きな曲です。

太田「『月とカラス』は初めて転調してみたんです(笑)。転調する曲を作ってみようと思って。わかりやすい、感情がバーンと1個上がるJ-POPみたいな曲はあまりなかったので、最後のサビで転調すると決めて作りました」

――大切な人を想っているような歌詞だと感じましたが、歌詞に関してはどうですか。

太田「これも想像です。小説みたいなイメージ。想像と言っても感じたことのない感情は想像もできないので、多分どこかで感じてるんでしょうけど」

――太田さんの歌詞には"孤独"という単語がよく出てくる気がします。

太田「私自身はそんなに孤独だと思ってないですけど、知らないところで孤独を感じてるんでしょうね」

――無意識のうちに歌詞に表れていると。確かに人の気持ちの深い部分を歌ってらっしゃる曲が多いですよね。

太田「割とみんな、10代後半~20代前半とかの時にやっていた自己陶酔型の歌詞を20代後半からやめるんですけど、私はやめたんですけど、恥ずかしくなるから(笑)。今回の曲たちは恥ずかしさは一旦なしで、若かった頃の感情をそのまま書いた感じはありますね。マイクロコズムが暗い曲ばっかりだったので、そもそもayutthayaは明るい曲を書こうと思って始めたんです。だから昔書いてなかった歌詞を今書いてる感じですかね。ただ、"明るい曲をやろう"と思わずに、そのまま素で書いた感じです」

――改めて今作はどんな作品になったと思われますか。

太田「いつもその時その時で日記みたいに録音しますけど、今回録ってみて"こうだったね"と再確認できたというか、何か目印、"灯台"になる作品だったと思います(笑)」

右田「おいお~い、上手いなそのコメント(笑)」

太田「録ってみて思いました(笑)」

右田「確かにそうかもね、今回、プリプロみたいな作業をしたんですよ。今まではスタジオでみんなであーだこーだして、フレーズだのを決めて、それをバーンと録ってEPで出してきたんですけど、去年の『そうでもない』『ハイブリッド』『stay』辺りから、個人的にayutthayaに対する想いが変化してきて。要は商品としてカッコ良い作品を作るべきだろうなと思い始めたんです。録音に関しても、ライブで再現できるできないは考えずに、とりあえずいっぱい音を入れてもいい。それをプリプロとして美音ちゃんに歌ってもらったり、真吾にギターを弾いてもらったり、吉木くんにドラムを叩いてもらって、そのデータを集めて仮ミックスみたいな感じで俺が組み上げて、エンジニアの令くんにも共有して、"何となくこういう作品を作ります"と全員のイメージを一致させました。もっと大きいことで言うと、それは次作も踏まえてのトライだったりもしました」




――既に次の展望が。


右田「さっき美音ちゃんが言ったように、"今回は録ってこうだった。だから次はこうしよう"と言える作品になった。作品だけのことを言うと、考えていたことがうまくいったなと。もちろんみんなのおかげで想像を上回る良い作品になりました。そういう意味ではayutthayaっぽくない。今までは勢いでやってきた部分は多かったけど...、ようやく頭を使ってできた作品かなとは思ってます」

――ayutthayaにとっての新しい取り組みで完成したんですね。

右田「プリプロなんてみんな当たり前のようにやってるわけですけど、今までayutthayaの良さってそうじゃないよなと思ってた部分があって。それを信じてやってきたけど、EP3枚作ってシングルも出してからの1stアルバムだったら、ちょっとやり方を変えた方がいいのかなと思ってたのでトライした感じです。"自分たちが思う、自分たち像"が勝手にあって、それを一旦壊すというか。"これはayutthayaはやんないでしょ"みたいなのは考えないようにして選択をした。良い変化だと思ってやってましたね」

――次に活かせることがありそうですか。

右田「次回また違う変化にトライできやすくなったと思います。自分の中での"2人だから"という理由付けができる要因にもなりました。今は2人のメリットが大きいような気がしますね」

――ayutthayaにとって意味深い作品になりましたね。

右田「1stアルバムですからねー。個人的にはEPの方が聞きやすいので好きなんです。ただ今回は色々と話し合ってから1stアルバムを作りたいとなって、そこから作品に対するアプローチが自分の中で具現化していったので、"あれもこれもやってみよう"というのは、アルバムだからできたと思ってます。EPだったらトライできたかな?って」

――曲数が限られていると難しい部分もあるのかもしれないですね。右田さんにとっても幅が広がったような感じはありますか。

右田「そうですね。特にドラムに関しては勉強になりました。今回吉木くんがドラムセットをいっぱい持ってきてくれて。本当に彼の腕と経験則に救われました。彼が持つテックの技術がなければドラムの音作りに難航していたと思います。さらに"右田さんは多分こんな感じの音が好きですよ"とこちらの好みも汲み取ってくれた音作りだったので、すごくありがたかったですね。ギターの真吾も色々と汲み取ってくれたり、事あるごとに相談してくれたので制作しやすかったです」

――そして来年1月27日(金)に梅田Shangri-laで8ottoとのダブルリリースツアーがありますね。8ottoとの繋がりは?

太田「初めましてです。これも吉木さんから繋がったお話で。色んなお話を持ってきてくれる人なんです(笑)」

右田「顔広いよね(笑)」

――意気込みをお願いします。

右田「本当恐れ多いです」

太田「"ツーマンしてくれるんですか!"みたいな(笑)」

右田「だから本当頑張ります!というか、負けないように仕上げます。コロナ前までは大阪で年一でライブをやってて、我々も好きな町なので。しかも相手は8otto。必然的に気合い入ってます!」

太田「熱量、負けないように頑張ります」

――ありがとうございます! 楽しみにしております。

Text by ERI KUBOTA




(2022年12月 2日更新)


Check

Release

挑戦と変化の1stフルアルバム発売中!

Album『Lighthouse』
発売中 3300円(税込)
ayty-005

《収録曲》
01. fog
02. I’ll be there
03. そうでもない
04. 月とカラス
05. ランドマーク
06. hakka
07. Stomach ache
08. ハイブリッド
09. LIFETIME
10. Park

Profile

2015年11月、太田美音(Vo&Gt)を中心に結成した、オルタナティブロックバンド。
2017年7月、1st EP『Good morning』発売。ビートさとし(Dr.)脱退。
2018年6月、2nd EP『dejavu』発売。
2019年5月、ライブ会場限定シングル『devil』発売。
2019年11月、アラカワシ(Gt.)脱退、太田と右田眞(Ba)の2人体制になる。
2020年7月、3rd EP『I know, right?』発売。
2021年12月、初のワンマンライブ開催。
2022年11月、1st Full Album『Lighthouse』発売。
2022年12月14日、渋谷WWWにてALレコ初ワンマンライブを開催予定。
2023年1月、8ottoとのダブルリリースツアー『8otto『FUZIN⚡︎RAIZIN』Release Tour 2023 ~疾風迅雷-like a lightning storm~ × ayutthaya 1st Full Album「Lighthouse」Release Tour』を敢行。

公式サイト
https://ayty7.tumblr.com/

公式Twitter
https://twitter.com/ayty7

公式Instagram
https://www.instagram.com/ayutthayaband/


Live

『ayutthaya 1st Full Album「Lighthouse」Release ONE-MAN LIVE』
発売中 Pコード:227-864
▼12月14日(水) 19:30
Shibuya WWW
スタンディング-3000円(ドリンク代別途必要)
※チケットは、インターネットでのみ販売。店頭での販売はなし。1人4枚まで。
[問]WWW■03-5458-7685

8otto
チケット発売中 Pコード:228-871
▼2023年1月27日(金) 19:00
Shangri-La
前売-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[共演]ayutthaya
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。客席を含む会場内の映像・写真が公開されますので予めご了承ください。公演の中止または延期、及び開場開演時間の変更以外による理由のチケット代払い戻しは致しかねます。また、時短要請などの状況に合わせ開場/開演時間が変更になる場合がございます。
※チケットは、インターネットのみで販売。販売期間中は1人4枚まで。
[問]Shangri-La■06-6343-8601

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