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4人体制になって新たな成長を遂げ、
バンドのリアルな日常を昇華した2ndアルバム『四季』をリリース
2023年1月には“愛と感謝”をテーマに全国ツアーも決定!
リュックと添い寝ごはんインタビュー

平均年齢21歳の4人組、リュックと添い寝ごはん(通称、リュクソ)。ロッキング・オンが主催するバンド・アーティストのオーディション「RO JACK for ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」で頂点に立ち、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」にも出場するなど、10代からいち早く注目されてきた存在である。10月からサポートギターでバンドを支えてきた“ぬん”が正式メンバーとなって新たな一歩を踏み出したばかり。音楽を奏でる喜び、いろんな出会いへの感謝を軽やかなポップミュージックへと昇華した先行シングル『Thank you for the Music』に続いて、2年振りのニューアルバム『四季』が完成した。ぴあ関西版WEBには2回目の登場となる今回は、新メンバーのぬん(g)と松本ユウ(vo&g)にインタビュー。2ndニューアルバム『四季』を巡る制作秘話とその歌に込められたメンバーのリアルな思い、さらに2023年2月に開催される全国ツアーについて自然体で話してくれた。

いろんな人と出会った2年間
音楽に対する考え方が大きく変わった


――前回インタビューしたのは、松本さんが高校卒業された年(2020)の秋でした(現在は大学3年生)。あれから2年経って、ご自身の中で何か変化はありますか。

松本「いろんな人と出会った2年ではあったので、やっぱりすごく成長したなと思います。ふだん聴く曲も変わったので、音楽に対する考え方が大きく変わったかな...」

――前回のインタビューではコロナ禍のステイホームの間に、はっぴいえんどから派生して、山下達郎さん、松任谷由実さん、筒美京平さんなんかを聴いていたというお話でしたが、また変わりましたか。

松本「そうですね、映画音楽とかミュージカル音楽とか、ブラックミュージックをけっこう聴くようになりましたね。特にファンク、ソウル、モータウンとかを聴いていく中で、僕は元々こういうのが好きだったんだなっていうのがわかってきたというか。星野源さんが一番好きなんですけど、それの原点の音楽とかをよく聴いてます」

――10月から正式メンバーとなったぬんさんは、メンバーとは高校時代からのお知り合いで、松本さんの1つ年上なんですね。

ぬん「そうですね、同じ高校ではないんですけど、バンドの大会とかで知り合って。最初、冗談でギターやるよ!って言ったら、そこから一緒にやることになって(笑)。(サポートで参加していた間は)短いようで長い3年間でしたが、その間に(メンバーとの仲も)深まっていきました」

――ぬんさんご自身は、リュックと添い寝ごはん(以下、リュクソ)というバンドをどんなふうに感じてたんでしょうか。

ぬん「楽しそうなバンドだなぁって。もうみんな可愛らしいじゃないですか(笑)。子供心を持ってて、ピュアだし、仲が良いし。可愛い甥っ子みたいな感じで(笑)。僕も同じぐらいの精神年齢ではあるんですけど(笑)」

――ぬんさんの感想を聞いて、松本さんはいかがですか。

松本「確かにその通りだなと思いますし、ぬんさんも一緒になって...、もしかしたら一番わちゃわちゃしてるかもしれないですね(笑)。一番子供心があるかもしれない」

――ちなみに、ぬんさんがリュクソに参加する以前にやってたのはどんなバンドなんですか。

ぬん「リュクソと真反対とまではいかないけど、オルタナ系のバンドをやってました。今もけっこう好きなように弾かせてもらってるんで、楽しく弾けてます」

――そうなんですね。4人の新体制となって、今はどんな心境ですか。

松本「僕は特に何も変わってないなっていう感覚です。(ぬんさんは)サポートの時からメンバーみたいに活動していたので」

ぬん「僕は気持ち的にはそんなに変わってないんですけど、インタビューとかで、表に出ることが多くなって、緊張する場が増えたなと(笑)」



日常の帰り道や電車の中で
良いな...と思った曲を作ってみる


――今回の2ndアルバム『四季』はどのように制作されたのですか。

松本「今回のアルバムは、制作合宿に2回行ったんです。そこで出来てきた新曲は、(前とは)温度感がちょっと違うのかなっていう感じはします」

――曲のデモは、松本さんが作られるんですよね。

松本「そうですね、でも、そこまでしっかりとしたものでもないので。こんなのあるけど、どう?みたいな感じで出してみんなで作っていきました。前作『neo neo』の時も1回だけ合宿に行ってるんですけど、ちょっと今回とは違ったかな」

ぬん「今回は海が近い所で合宿したので、環境が変わったことで、生まれた曲とかもあったなって思います」

――さっき、「楽しそうなバンド」「わちゃわちゃしてる」ってお話ししていたように、1曲目の『everyday』を聴いて、まさにそういう雰囲気の合宿だったんだろうなって思いました。

松本「そうですね、もうそのままの流れで録りました」

ぬん「後ろのガヤガヤした部分は合宿の雰囲気そのままです。合宿で録ったデモ音源を使ったので」


――今のバンドの状態、こういう雰囲気で作ってきたんだよっていうのを1曲目から伝えたかったと。

松本「そうですね。この温度感、この日常を昇華してるっていうのを伝えたかったので」

――日常から生まれるものをすごく大事にしてるのは、聴き手もリラックスして聴けたり、自然体な空気を感じてほしいから?

松本「そうですね、僕も音楽聴く時は、日常の帰り道だったり、電車の中だったりっていうことが多いので。そういう時に自分が聞いて、あ、こういう曲いいなと思ったらそれを自分で作ってみるっていう感じですね」



平和をテーマに書いた『みんなのうた』
すぐにでもいろんな人に届けたいと思った


――『わたし』(M-4)はすごくシンプルな構成で開放感があります。

松本「これは今年の初めにできて、草原をイメージして作ってましたね。とにかく爆音を鳴らす感覚で作ってたら、Bメロとかいらないなと思って、構成がシンプルになっていったんです」

――シンプルということでは、『はっぴいえんど』(M-7)はアコギの弾き語りで、松本さんのボーカルも他の曲とはまったく異なる歌い方で惹きつけられます。

松本「これはアコギもエレキも全部僕の家で録ったんです。ずっと残ってたデモがあって、これをアルバムに入れたいな思って。ミックスもベースのヒデ(堂免英敬)がやったので。全部で自分たちでやった感じですね。『青春日記』では、『500円玉と少年』を入れたり、『neo neo』では『23』っていう曲入れたりしてて。アルバムやEPを作る時は、そういう面白い変化球を入れたいなと思って」

ぬん「僕は『はっぴいえんど』にはそんなに関わっていないんですけど。アルバムを通して聞いた時に毛色が違う一曲なので。耳について良い曲だなって思います」

――この曲のアイデアはどんなところから生まれたのですか。

松本「歌詞は(バンドの)はっぴいえんどにリスペクトを込めて書きました。サウンド面はローファイみたいなものをイメージしてて...。こういう曲が僕大好きで、今、大学でもそういう勉強してるんです」

――『みんなのうた』(M-11)はタイトルもすごく印象的ですし、歌詞から愛と平和への祈りみたいなものも感じました。

松本「まさに、それをテーマに自分の思う平和を書きましたね。デモの音源はもっとモータウンというか、リズミカルで。そこに肉付けしていくにあたって、ちょっとしっとりとさせた感じです」

――曲を作ってる時から『みんなのうた』っていうタイトルや歌詞のイメージはなんとなく頭に浮かんでいたんですか。

松本「そうですね。情景とかを浮かべながら曲を作るので。歌詞を書く時も同じように情景を頭に浮かべて書いていきます」

――ちなみに、いつぐらいの時期にできたんですか。

松本「1年前かな...」

ぬん「デモ自体はけっこう前からあったけど、(今年になって)ロシアとウクライナの報道がいっぱい出るようになったあたりに楽曲として完成していきました」

――自分たちからメッセージを発したいと思って?

松本「そうですね、とにかく自分の思いを書いておきたいというか...、あまり普段そういうことを公言しませんし、歌にもしたことがなかったので。今回、けっこう時間をかけて歌にしました。自分が思う平和ってなんだろうとか、自分が思う理想郷はなんだろうっていうのを考えていくうちにできていたので。ずっと自分と会話してる感覚というか...。これをすぐにでもいろんな人に届けたいなって思いましたね。ライブでもこれからどんどん届けていけたらなと」

ぬん「この曲は、僕は個人的にアルバムの中で1、2を争うぐらい好きです。メロディアスでみんなで歌える曲なのかなと思います。グルーヴィーな感じのミックスも良いし、個人的には長めのギターソロを弾いてるので、そういう面でも好きです」

――私自身はこういうギターソロが入った曲を聞くと、1970年代の曲を思い出します。ぬんさん自身は1970年代の曲を聴いたりするんですか。

ぬん「同じ部屋だった兄が、家に帰るとずっと爆音で音楽を流してたので。ジャンルレスにいっぱい聴いてたんです。その音楽が勝手に染み込んでるのかもしれません。(自分のギターの音が)どこが懐かしいって言われることは本当に多いですね」



新しい出会いを楽しみにして
"愛と感謝"をテーマにツアーを回る


――ラストの『Thank you for the Music』には、リュクソが音楽に向かう決意みたいなものも感じました。

松本「そうですね。"音楽に愛を"っていうのをテーマに。アルバムの最後の曲にしたいなと、作った時からずっと思ってたので。アルバムを総括する曲になればいいなと思って、歌詞を書きました。あとは、16ビートの曲をずっと作りたかったので踊れる曲を作れたのは本当によかったです。ライブの最後にやりたいなと思ったので、そこからイメージで広げていって。いつか日比谷野音で、ちょっと日が暮れてきて、照明が入るような時間帯にこの曲をやりたいなっていうのもあって作りました」

――実現すれば、野音に感動的な景色が広がりそうです。そのほかに、メンバーからの推し曲があれば教えてください。

松本「僕は『アップルパイ』(M-5)ですね。メロディもすごく好きで、歌詞も僕が思う幸せを形にしたので、すごくお気に入りの一曲になりました。アップルパイだったり、CDとかDVDの名盤とか、お気に入りのモノを渡して、 それで繋がってる感覚を歌にしています」

ぬん「僕は『疾走』(M-3)です。初めてのカントリー調の曲でスピード感があって、ライブで やったらみんなで盛り上がれるような曲なので、ぜひ聴いてほしいなって思います」

――疾走感といえば、『サマーブルーム』(M-6)もそうですよね。

松本「そうですね。『疾走』はこのアルバムの中で1番生々しい歌詞かなと。けっこうスランプの時期の歌詞なので、僕的には1番リアルかな...」


――スランプを突き抜けていくような勢いがあるギターロックチューンですね。ちなみに、『四季』というアルバムのタイトルを考えたのはいつですか。

松本「1番最後につけました。ぎゅっと集めたら、いろんな季節の温度感の曲が多いよねって。メンバーも4人になるし、『四季』にしようかと...。季節を感じながら聴いてほしいなって思います。1曲目から飛ばさずに聴いてもらったら、 四季をより味わえるかなと思って、徐々に徐々に曲自体が暖かくなっていく感じを体感してほしいなと思います」

ぬん「聴いててすごく満足するアルバムなんで、何回もリピートして聴いてほしい」

――そして、来年2月にツアーも開催されますね。

松本「今までずっと東名阪だったけど、今回新しい場所が3つ増えて、今回から仙台、札幌、福岡に行けるので。新しい人たちと出会うのがすごく楽しみにしてます。とにかく今回の『Thank you for the Music』でも歌っているように、"愛と感謝"をテーマにツアーを回っていきたいなと。音楽への愛もあるし、人と人の出会いの愛もあるし、そこにさらに感謝を込めて。お客さんと僕ら繋がれるように、
(会場に)寄せ書きを持っていきたいなって思ってます」

ぬん「それにみんなに書いてもらいたいです」

Text by エイミー野中




(2022年11月25日更新)


Check

Release

Album『四季』
発売中 2640円(税込)
VICL-65739
Speedstar

《収録曲》
01. everyday
02. くだらないまま
03. 疾走
04. わたし
05. アップルパイ
06. サマーブルーム
07. はっぴいえんど
08. Familia
09. 東京少女
10. home
11. みんなのうた
12. Thank you for the Music

Profile

りゅっくとそいねごはん…メンバーは(アーティスト写真左から)、ぬん(g)、宮澤あかり(ds)、松本ユウ (vo&g)、堂免英敬(b)。東京都内を拠点に活動中、平均年齢21歳の4人組バンド。通称、リュクソ。2017年、高校の軽音楽部で活動をスタート。2019年、音楽配信サイト「Eggs」の再生アーティストランキングで1位を獲得。同年夏に、ロッキング・オンが主催するバンド・アーティストのオーディション「RO JACK for ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」で優勝アーティストに選ばれ、国内最大級のロック・フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」に出場を果たし、2020年3月の高校在学中に初の全国流通盤となるミニアルバム「⻘春日記」をリリース。2020年12月には、フルアルバム「neo neo」でスピードスターレコーズからメジャーデビュー。翌年7月に初のタイアップ曲として「明治 エッセルスーパーカップWEB CM」に書き下ろした「くだらないまま」をリリース。また、年間を通してアパレルブランド「koé」のブランドビジュアルモデルを務め、『TGC teen 2021』ではランウェイに初挑戦。7月末からはFM802でマンスリーレギュラーがスタートするなど多方面から注目を集める。2022年2月にポカリスエット協賛「全日本高等学校・全日本中学校チアリーディング選手権大会」応援CM曲「わたし」、7月には『STAGE:0』公式スポンサー ロート製薬『爽快系目薬 ロートZ!』CMソング「サマーブルーム」と楽曲リリースを精力的に続ける中、10月5日に配信SG「Thank you for the Music」を配信リリースすると共にサポートGt.ぬんのメンバー正式加入を発表。11月9日には、4人体制初となるフルアルバム「四季」をリリース。

リュックと添い寝ごはん
オフィシャルサイト

https://sleeping-rices.com/


Live

「2nd album release tour “四季”」

【愛知公演】
▼2023年1月28日(土) THE BOTTOM LINE 
【宮城公演】
▼2023年2月5日(日) LIVE HOUSE enn2nd  
【福岡公演】
▼2023年2月12日(日) INSA
【大阪公演】
▼2023年2月19日(日) UMEDA CLUB QUATTRO 
【北海道公演】
▼2023年2月26日(日) SPiCE
【東京公演】
▼2023年3月1日(水) SHIBUYA CLUB QUATTRO