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初全国ツアー「夢」を開催!
マハラージャンインタビュー

ファンクやダンスミュージックを取り入れ、一聴しただけで心身が踊り出すような極めてグルーヴィーな楽曲を次々と発表している、マハラージャン。11月23日から全国5箇所でライブツアーをおこなうが、コロナ禍直前にデビューしたマハラージャンにとって同ツアーは、本人にとっても、そしてファンにとっても待望の機会となる。そこで今回はツアーのことはもちろんのこと、マハラージャンにとってライブとはどういうものか、そして脚光を浴びたYouTubeコンテンツ『THE FIRST TAKE』のエピソードなどについても話を訊いた。

――2019年11月にデビューされ、その後まもなくしてコロナ禍。ライブ活動もほとんどおこなえなかったなか、2021年6月30日より配信のYouTubeコンテンツ『THE FIRST TAKE』のなかでの演奏は、マハラージャンさんの生身の息遣いが感じられる貴重なものになりましたね。現在まで約370万回再生を記録しています。

『THE FIRST TAKE』はすごく緊張したことを覚えています。ただ、音楽を演奏する面では、自分の歌がよく聴こえてすごくやりやすかったです。「あんなに歌いやすいことってなかなかないんじゃないか」というくらい、良い環境でした。『THE FIRST TAKE』は、歌の細かいところをすごく大事にされているんですよね。

――『THE FIRST TAKE』は歌唱前のMCなど、あのコンテンツ独自の空気感がありますよね。マハラージャンさんも「みんないける?」みたいにバンドメンバーに声をかけたりして。あの場ではそういう雰囲気が盛り上がっていくんですか。

そうですね。「では、ファーストテイクをお願いします」とカチンコが鳴らされて始まりますし。っていうか、まさかカチンコまで鳴らされるとは思っていなくて(笑)。しかも、そのカチンコにも「THE FIRST TAKE」って書いてあるんです。そういう細かい制作・演出にも緊張させられるので。本来だったら特になにも喋らずに演奏をスタートさせますが、なぜかバンドメンバーに「みんないけますか」とか言っちゃって。あの場所でもそういう赤裸々さが出ずに格好良く見せられる人って、本当に格好良いんだと思います。『THE FIRST TAKE』は本当の自分が出ちゃいます。

――『THE FIRST TAKE』を経験して「音楽との向き合い方が変わった」とおっしゃっていましたね。

『THE FIRST TAKE』で披露した「セーラ☆ムン太郎」は音数が多い曲なんです。なぜ音数が多いのかというと、僕はインディーズで活動していた頃、演奏を全部ひとりでやって宅録をしていたからなんです。宅録をしていると、「隙間を埋めなくちゃいけない」と感じて、音を多くしがちになる。だけど『THE FIRST TAKE』って歌を重視していて、すごくしっかり録音、ミックスをやる。歌一本でもきっちり聴かせられるように出来上がるんです。たとえばピアノと歌だけで成立する音楽もあるけど、宅録をやっていたときは「音が細く聴こえてしまうんじゃないか」と不安になっていました。だけど、それでも全然大丈夫なんですよね。『THE FIRST TAKE』を経験してそういう風に考え方が変わったというか。「音楽ってもっと肉体的なものなんだ。そういう風に自分も音楽を作って良いんだ」となったんです。音楽の質についてより深く考えるようになりました。

――あの場で披露された「セーラ☆ムン太郎」は11月2日にアナログでもリリースされます。音の質という意味では、アナログ盤は特に格別なアイテムになりそうです。

レコードで聴く音って温かみがあって良いですよね。メジャーデビュー曲で思い入れも強く、しかもダンスミュージックなので、それをレコードで聴いてもらえるのはすごくうれしい。あと音楽プロデューサーの蔦谷好位置さんがソロプロジェクト、KERENMIで「セーラ☆ムン太郎」のリミックスを手がけてくださっていて。それがとにかくすばらしい。きっと"アナログ映え"するはずです。

――これまでそうやってYouTubeなどでマハラージャンさんが演奏する姿を見聞きしていたファンにとって、11月23日からスタートする全国ツアー『夢』は待望の機会ですね。

好きなアーティストのワンマンライブやツアーはマニアックな曲も聴くことができるし、なによりもそのアーティストのことが好きじゃないと行かないもの。しかも今回はライブハウスでのツアーなので、熱量が高くなりそう。僕はもともとそういうライブがやりたかったので、それを全国でできるのが嬉しいです。

――ツアータイトルの『夢』というのは、どういったところから着想を得たんですか。

悩みに悩んで『夢』というワードが出てきました。今まで自分は歌詞や曲名もユーモアを込めたタイトルを付けてきたけど、「逆にシンプルで良いかも」って。もちろん夢って素敵なもの。夢を持っている人がそれを形にしていくこと、そして僕自身も夢を形にしている。そういうワードをあえて掲げみようかなって思ったんです。それに夢っていろいろなとらえ方ができる。「夢を持っている」「眠っているときに見る夢」「悪夢」など、人によってとらえ方が異なる。僕自身、一般的で普遍的な言葉を使うのは避けてきたけど、『夢』ってとてもパワーのある言葉だと思います。

――今までだったら避けて通ってきたような言葉だけど、マハラージャンさん自身が『夢』という言葉にのめりこんでいったということですね。

そうなんです。あと、ツアータイトルに合わせて絵も描きました。海の向こうに朝日が出てきていて、そして波の模様が夢という文字に見える絵なのですが。波を見たとき、人によってはそれがただの波に見えるかもしれないし、もしかするとそのうねりが『夢』という字に見えるかもしれない。波って打ち消しあうものだけど、でもその一瞬のなかで「自分は波の模様が夢という字に見えた」となるかもしれない。そういう勘違いみたいなことって、実は生きているなかですごく大事なことだと感じるんです。そんなメッセージを含めた絵を描きました。こうやって絵とか描いていくとやっぱりガチにならざるをえないんです(笑)。

――お客さんに対して「夢を持って生きてほしい」という扇動心みたいなものも芽生えてきましたか。

確かにだんだんそうなってきました。もともとそういうタイプではないですけど。でも「名は体を成す」という言葉が好きで、マハラージャンというアーティスト名も「頂点を目指したい」という意味でつけましたから、『夢』という言葉もお客さんがそれに引っ張られてほしいですよね。

――マハラージャンさんのこれからの『夢』はなんですか。

憧れという意味では、ジャミロクワイみたいなアーティストになりたいです。それくらいすごく格好良い音楽や魅力的なライブをやって、誰にも真似できないすごいものを作りたい。最近、ツアータイトルにちなんで『夢』について尋ねられることが増えたんですけど、具体的なことが浮かばないんです。「5年後にこういう場所でライブをやりたい」とか言わなきゃなって思うんですけど......。きっとこれからずっと突きつけられるテーマになるんでしょうね、「お前の夢はなんなんだ」と。ただ、常に質にこだわって音楽作りやライブをやっていきたい気持ちがあります。

――ちなみにマハラージャンさんが影響を受けたライブってありますか。

山下達郎さんです。圧倒的に凄かった。2019年に見たんですけど、グルーヴもものすごいし、なにより山下達郎さんの歌がとても艶やかで。質感も凄いですし。理想形であり最高峰。「こういうライブがしたいな」と思いました。

――あらためて今回の全国ツアー『夢』は、マハラージャンさんにとってどういうものになりそうですか。

最新のマハラージャンの一番良いライブをお見せできるはずなので、期待して欲しいです。ミュージシャンたちの肉体的なライブになると思います、みなさんとの一期一会を楽しみながら、音楽を演奏したいですね。


Text by 田辺ユウキ




(2022年11月 7日更新)


Check

Release

Analog 7inch Single『セーラ☆ムン太郎』

【完全生産限定盤】
2022年11月2日(水)発売
1980円(税込)
SEKL-20

《収録曲》
01. セーラ☆ムン太郎
02. セーラ☆ムン太郎(KERENMI Remix)

https://maharajan.lnk.to/hddeW9

Profile

マハラージャン…東京都出身。大学院卒業後、CM制作会社へ就職。2018年WEB広告代理店に転職し、会社員として勤務する傍ら、日夜音楽活動に勤しむ。社会人になってから感じた強烈な劣等感や、耐え難い苦悩、屈辱に苦しんだ結果、「スパイス×ダンスミュージック」という現在のスタイルにたどり着く。働き方改革が問われる現代が産み落とした、スパイス香るアジアの異端児。

マハラージャン オフィシャルサイト
https://maharajan.love/


Live

初全国ツアー「夢」

【北海道公演】
▼11月23日(水・祝) cube garden
【東京公演】
▼12月1日(木) LIQUIDROOM
【愛知公演】
▼12月2日(金) 名古屋ReNY limited

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:225-693
▼12月7日(水) 19:30
心斎橋JANUS
スタンディング-5500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可、小学生以上はチケット必要。
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人4枚まで。チケットの発券は11/30(水)朝10:00以降となります。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【福岡公演】
▼12月8日(木) DRUM Be-1

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