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「今できることの最大限が詰まってる。
 手応えはすごく感じています」
“好き”と“好きを守るための挑戦を詰め込んだ4th EP『嗜好性』
YONA YONA WEEKENDERSインタビュー

YONA YONA WEEKENDERSが4枚目となるEP『嗜好性』をリリースした。磯野くん(vo&g)、キイチ(g)、スズキシンゴ(b)、小原”beatsoldier”壮史(ds)からなるYONA YONA WEEKENDERSは、平日昼間は会社員として働き、夜な夜なスタジオやライブハウスに集まって“ツマミになるグッドミュージック”をコンセプトに活動しているサラリーマン4人組バンド。もともとメロコア畑で活動していた彼らだが2016年の結成以降ポップシーンで頭角を現し、2021年4月7日(ヨナの日)に1st Single『いい夢』でメジャーデビュー、同年11月には1stフルアルバム『YONA YONA WEEKENDERS』をリリース。お酒が非常によく売れるバンドで、今年6月にLIQUIDROOMで行ったワンマンライブでは、お酒休憩やファンからの差し入れビール企画を実施。バーカウンターでは通常の15倍の売上を叩き出したという逸話も。そのくらい彼らの音楽は気持ち良いのだ。今作は“好きなもの”にフォーカスを当てて制作したコンセプトEPで、『考え中』『Ice Cream Lovers』『月曜のダンス』の新曲3曲と配信シングル『1989’s』『夜行性 feat. 蔡忠浩(bonobos)』という、捨て曲なしの全5曲が収録されている。聞く人の日常や気持ちに寄り添いつつも、「私の好きなものって何だっけ?」と問いかけもくれる、珠玉の1枚となった。今回は磯野くんに最新EPとツアー、さらに大阪の思い出について話を聞いた。11月12日(土)からは梅田シャングリラを皮切りに全国5カ所を廻るツアーを行う。お酒やドリンク片手に、最高に心地良いグルーヴに身を任せてみてほしい。

会社の愚痴から、働く世代や子育て世代に寄り添う曲へとシフト



――『嗜好性』はメジャー初めてのEPですね。これまでもコンセプトEPを3枚作ってこられていますが、今回のEPはどういった経緯で制作を始められましたか。

「コロナ禍で作った2枚目のEP『街を泳いで』(2020年6月リリース)ぐらいから、満足に動けない、ライブができない状態が続いていて、去年の11月に出したアルバム『YONA YONA WEEKENDERS』のツアー辺りから、結構お酒が飲めてライブもできる状況に戻ってきて。ちょうどやりたいことや書きたいことがバンドの中で増えてきたタイミングだったので、改めて自分たちの好きなもの、やりたいことに向き合って、そういうテーマの作品を出してみようか、みたいな感じで作り始めたと記憶しております」

――好きなことにフォーカスしたのはなぜですか?

「このEPで最初にできた曲が『夜行性 feat. 蔡忠浩(bonobos)』(M-4)なんですけど、さっき言った、ライブが元の感じに戻ってきた気持ちを書いた曲なんですよね。福岡がツアー初日だったんですけど、その日ぐらいにまん延防止等重点措置が明けて、中洲の屋台が営業再開し始めて、お酒も解禁されてお客さんと乾杯できたし、ライブ後に皆で中洲の町に繰り出すことができて。バンドマンってやっぱり夜が主戦場というか(笑)。やっと昔の感じが戻ってきたな、楽しかったなという記憶が鮮明にあって。そこから突き詰めていくと、やっぱりお酒と音楽って俺たちがやりたかったこと、好きなことだよなと再認識して、そういうテーマで曲を書いていきました」

――コロナで奪われる感覚があったから、好きなことに目を向けられたんですかね。

「僕たちは"ツマミになるグッドミュージック"をコンセプトに活動しているので、ライブはお酒と切り離せないというか、僕たちの音楽でお酒を飲んでもらいたい想いがあります。コロナ禍だとライブはできてもお酒が出せない。ライブ自体がなくなったこともあったので、やっぱりそこは大きいですね」

――『夜行性 feat. 蔡忠浩(bonobos)』のお話が出たのでそのままお聞きしますが、蔡さんとの歌割りはどのように決めていかれたんですか?

「去年のフルアルバムでthe band apartの荒井岳史(vo&g)さんとフィーチャリングさせていただいて、初めて客演を入れて曲を作る試みをしたんです。その時は、1番は僕で2番が荒井さんみたいな分け方をしたので、今回はもっと複雑に絡んだ曲を作ろうと最初に思っていたのと、蔡さんの声はもちろんキャラが立っているので"蔡さんの声"なんですけど、声質的に自分の声と合わさったら面白いだろうなと勝手に思っていて。なので今回は結構絡み多めにしました。それこそ僕、小学校、中学校の時にCHEMISTRYをめっちゃ聞いてたんですよ。友達とカラオケでハモるのが好きだったので、カラオケのスペードとクローバー(デュエットの画面で出てくる記号)をイメージしながら作りましたね」

――こだわりポイントや聞いてほしいところは?

「歌割りはほぼ変わってないんですけど、実はコーラスのメロディラインがレコーディング当日に結構変わったりしたんです。蔡さんが"こういうラインはどう?"と提案してくださって、進めていきました。最後の<悪い夢が終わったらまた会えるよ>のところは蔡さんがめちゃめちゃ主張するパートなんですけど、ここは蔡さんが"こういうふうに歌うわ"と言ってくださって。あとこれは偶然ですけど、今作のリリースが決まった後にbonobosが来年の春で解散するのを知って、<また会えるよ>という歌詞がエモいなと思いました」

――確かにエモーショナル......。『1989's』(M-2)はインスタライブで1番遊んだ曲だとおっしゃっていましたね。<好きなこと 好きな様に無駄をクリエイション 続けよう>という歌詞も良いですね。

「これはBEAMSのバイヤーの加藤忠幸さん主催の『illmatic sense vol.3』というラフォーレ原宿でのイベントにお声掛けいただいて、その時感じたことを書いた曲です。最初は全然曲を作る予定はなくて。メンバーは皆服が好きなんですけど、加藤さんと一緒に倉庫に古着を見に行って、古着をピックしてそれを展示販売したり、加藤さんが好きなブラックウォッチというチェック柄の上に、僕たちが好きなお酒とおつまみのイラストを散りばめて柄シャツのコラボアイテムを作ったり。加藤さんは年上なんですけど、世代は違えど好きなことを突き詰めてる姿勢にすごく共感して。だったらこれも曲にしちゃおうかと書いた曲ですね。歌詞も自分たちが好きな靴の名前や、当時見てたテレビ番組の名前を入れています」

――もしかして「I.W.G.P」は『池袋ウエストゲートパーク』ですか?

「そうです(笑)。あと『笑う犬』とか」

――懐かしい!

「<思い出のクリアパープル>はゲームボーイカラーですね。何種類もカラー展開があるんですけど、たまたまメンバー全員クリアパープルを持っているという」

――なるほど!

「それこそ楽曲にもゲームボーイっぽいエイトビットの効果音を入れてみたり、アウトロに加藤さんと古着をディグった時の音声を入れてみたり、コーラスにはいつも僕たちのサポートコーラスをやってくれてる西恵利香さんが参加してくれてるんですけど、実は西さんのセリフも入ってたり。だいぶ自由に作った曲ですね」

――こういったアイデアはアレンジの段階で皆さんで入れていかれるんですか?

「普段は大体僕が曲の原型を作って、皆でスタジオでアレンジしていきます。歌詞は自分で書くことが多いんですけど、この曲に関しては皆の好きなものを聞いたり、"当時何流行ってたっけ?"みたいな話をして、そこからヒントを得て引っ張ってきました」

――<筋書き通りにゃ生きられない 明日早いから酒飲んで忘れよう>なんて、共感力が高すぎて。YONA YONAの曲は働く人に寄り添う味方ですね。

「ありがとうございます。そうですね、僕らも働いてますし」

――結成のお話になるのですが、YONA YONAはブラック企業に勤めていたことがキッカケでバンドを始められたと拝見しました。磯野さんは最近転職されたとか。

「僕は今年の春先に転職したんですけど、でも皆今も働いてますね」

――磯野さんにとって、仕事をする中でのバンドの立ち位置はどんなものですか。

「僕の場合、ブラック企業に入る前は音楽1本でやりたくてアルバイトをしながら本当に音楽中心の生活をしてたんですけど、その時は上手くいかなくて。全然売れなかったし、曲もメロコアで伝えたいこともなく、とりあえず本当に"ライブ楽しいー!"みたいな感じでやってたので、あまり実にならなかったんです。YONA YONAはブラック企業のストレス解消で始まったので、最初は会社の愚痴を歌った曲を出して、それが面白いと言ってもらえて、共感もすごくしてくれて。社会人生活を送る中で感じること、普通の生活をして家族もいる、みたいなところが曲の引き出しになっているので、仕事は曲作りの上でもすごく大事なことですね。ただ、音楽でストレスを発散するのがやっぱり前提としてはあります」

――楽曲の内容は結成当初から変わっていますか?

「最初はほんとにただ愚痴を歌ってました。僕は形から入るタイプで、"とりあえずシティポップをやろう"みたいな感じで始まったので、ほんとに軽いノリでそれっぽいオシャレな曲を色々書いてたんですけど、コロナになって制限がある生活の中で自分もすごくストレスを感じましたし、それで苦しんでる人も見てきました。その時に出した2nd EP『街を泳いで』で、"癒しになりました"とか"元気づけられました"という声が聞こえるようになってきて。僕としては、生活の中で自分が感じたことを歌にするだけなのに、皆さんはそんなふうに感じ取ってくれてるんだなというのは新しい発見だったので、そこから少し意識して、同じように働く世代や子育て世代の人たちに寄り添えるような曲を書こうと思ってる部分はありますね」


流れに身を任せるだけじゃなく思考していかないと
好きなものは守れないし掴み取れない


――アルバムの1曲目を飾る『考え中』(M-1)はとにかく思考している曲ですね。この曲ができたキッカケはありますか?

「僕らバンドマンなんですけど、やっぱり納期ってあるじゃないですか。アルバムの納期があってその中で作らなきゃいけない。で、過去のボツになったデモ曲リストがあるんですけど、そこから使えそうなトラックを引っ張ってきて、仮歌で"何とかかんとか考え中〜♪"と歌ってたのをそのまま採用しました。最初は正直メッセージもへったくれもないというか、とりあえず納期があるから作らなきゃという頭で作ってる曲ですね」

――そうだったんですね。曲と歌詞はどちらが先ですか。

「僕、歌詞は完全に後なんですよね。最初に歌メロが決まってて、たまにサビでワンフレーズだけ歌詞も一緒に出てくることがあるんですけど、レコーディング前日まで書けてないこともザラにありますね」

――書くぞと決めて書かれるんですか?

「色々です。スラスラ書ける時もあるし、それこそ『1989's』は好きなことを書いてるので楽しく作った印象があります。『考え中』はどういう曲にしようかと考えてて、好きなことをやるにしても、色んなものを犠牲にしないとできないじゃないですか。曲を書いてた時も選挙やコロナの自粛、社会的な問題があって、でも正解はない。だから自分でしっかり考えて最善の選択をしなきゃいけない。流れに身を任せるだけじゃなく思考していかないと、好きなものは守れないし掴み取れないよね、みたいなことを思いながら書いた歌詞ですね」

――磯野さんは選択の時、すぐ決断できますか。

「いや〜、優柔不断で流されやすいタイプの人間ですね、僕は。歌詞は結構自分のケツを叩くというか、自分を鼓舞するためにも書いたりします」

――普段どんなものにインスピレーションを受けられるんですか。

「僕、本当に面白くないんですけど、映画もあんま見ないし、本もそんな読まないし、インプットは本当に人並みのことしかやってないんです。ただ、外に出ようとは思ってますね。自分の目で見て触れたいなと思ってるので。仕事中に商談と商談の間にわざと徒歩で遠回りしてみたり。どこかにネタないかなと探すのは心がけています。あと、小さい頃は作文が割と好きで、読書感想文とかめっちゃ頑張って書いてたタイプです」

――文章を書くのがお好きだったんですね。

「昔から好きでした。あ、でも思い出すと、歌詞はバンドをやる前の中学生の時とかに、自作の歌詞をノートに書いて友達と見せ合うみたいな遊びをしてましたね(笑)」

――良いですね!

「漫画も描いてました。多感な時ですね(笑)。今ふと思い出しました」

――サウンド的に工夫された部分はありますか。ギターソロが最高に気持ち良かったです。

「ギターソロに関して言うと、フレーズはキイチにほぼ丸投げしちゃってるんですよね。キイチはYONA YONAを始める前はベーシストだったんですよ。今も別のバンドでベースをやってるんです。最初は"こういうの弾いてみたいな"と言ってたけど、3rd EPぐらいから自分で弾くようになって、本当にギタリストになってきて。彼が毎回持ってくるフレーズを楽しみにしてる自分がいて。もちろん大枠は僕が"こういう音を出したい"という要望を個々に伝えて、皆自由にやってくれる中で"それ良いじゃん"というアレンジを引っ張る感じです。ただ、この曲は結構変な曲ですよね。1拍遅いところがあって、そこは残したいけどキャッチーな曲にしたいとも思ってたんです。でもそれだとAメロBメロの渋さとかけ離れすぎてるんじゃないかとなって、ドラムは同じように刻んでやろうと。たくさん話し合って練り込みましたね」

――ちなみにMVでスズキさんに"バンドやれば"と言われているシーンは実話ですか。

「デフォルメはしてるけど実話です。実際はシンゴに居酒屋で言われたんです。僕が働いてて"もう辞めてえ"と言ってる時に、"やったらいいじゃん"みたいな」

――最後のダッシュのシーンも素敵でした。

「ありがとうございます(笑)」



ただ好きなことを詰め込むだけだと進化しない


――『Ice Cream Lovers』(M-3)に関してはいかがですか?

「正直この曲はあまりメッセージ性はなくて。裏話なんですけど、1番最初に出した自主制作CD『誰もいない sea』が結構メンバーの中で気に入ってる曲が多くて。例えば『R.M.T.T』というラーメンの曲は3rd EP『唄が歩く時』で出してるんですけど、元々自主盤に入ってた曲で、ちょこちょこそこからつまんで再録してるんです。で、『15』という曲がこの『Ice Cream Lovers』みたいにシャッフルビートの結構速い曲なんですけど、バンドマンとか昔から聞いてくれてる人に"良い曲だから再録してよ"と言われることが多くて」

――へえー!

「僕ら的に『15』は初期衝動的に作った曲で、初ライブの時にやる曲がなくて困って直前のスタジオで録って、僕がライブ当日に行きのバスの中で歌詞を書いた曲なんですよ」

――ええ! それがすごく評価が高いと。

「あの時の初期衝動をパッケージングしたみたいな曲なので、それを再録でやっちゃうとどうなんだろうみたいな、変なプライドでやりたくないのがあって。じゃあシャッフルビートで似た曲を書いたらいいんじゃないかと思って、『Ice Cream Lovers』を作ったんです。結果的には全然別物の曲になっちゃったんですけど、ある種ちょっと書き殴ったみたいな感じの曲ですね」

――そして最後にアルバムリード曲にもなっている『月曜のダンス』(M-5)。軽快なダンスビートでシンプルに好きな曲です。

「"好きを詰め込む"というテーマで作っていって、最後にできた曲です。好きなものって結構思考で固まりがちじゃないですか。ミュージシャンだったら誰でもあると思うんですけど、僕たちもただ好きなことを詰め込むだけだと進化しないという気持ちはあって。僕ら今まで速めのエイトビートの曲がなかったので、そういうところも初めての試みだし、これをリード曲に据えたのも挑戦的です。もしかしたら今までのメロウな曲がYONA YONAっぽいと思われてるんじゃないかなというのも多少あったんですけど、でもそれを意図的に崩そうと。ただ僕らメジャーセブンスコードをよく使うんですけど、コード感やメロディーといった、自分たちらしさは残しながら楽曲的に少し攻めました」

――苦労したところはありましたか?

「納期以外は大丈夫でした」

――納期(笑)。

「歌詞はレコーディング前日まで書けなくて。オケの方は皆すぐに噛み砕いてアレンジを出してくれたので、スタジオでの作業はかなりスムーズでした。挑戦的ではあるけど、元々皆パンクとか速い曲をやってたので、弾きやすいとは言ってました」

――『月曜のダンス』というタイトルも良いですね。

「タイトルがマジで全然決まんなくて、レコーディング後に僕が決めたんです。アルバムの曲順が自分の中でもう決まってたんですよね。『考え中』で始まって、やっぱり最後は未来に向かっていくところで終わらせたかったので、飛び立っていくような歌詞を書きました。で、日常を月曜と表現して、"日常を踊るように進んでいきましょう"という意味合いで『月曜のダンス』というタイトルにしました」

――<間違いが不安の種 生み出した過去はもう忘れよう>という歌詞はガツンときました。

「これも自分を鼓舞するじゃないですけど、人は変わろうと思わないと次に踏み出せないし、飛び立っていけないよねというのがあって。僕、子供が生まれたり今年に入って転職したりして、将来のことを考える機会が多かったんですよね。バンドも忙しくなって、営業の仕事とバランスが取れなくなったタイミングがあったりして、結局何とか乗り越えて。その時はすごく悩んだんですけど、それこそ自分の好きなものや大切なものは何だっけと1回見つめ直して。家族はもちろん幸せにしなきゃいけないし、好きな音楽もやっぱりやりたいし、生き甲斐だし。そんなことを再認識して、その時の気持ちを思い出しながら書きました。決断をしたからには頑張っていかなきゃいけないと、鼓舞するような歌詞になったのかなって」

――なるほど、人生ですね。

「人生ですね、そう考えてみると」

――5曲の中で核になる曲や、思い入れがある曲はありますか。

「核になるのはやっぱ『考え中』かな。まずこれをキッカケに皆が色んな考えを巡らせるところから始まって。問題提起じゃないですけど、そういう意味合いもあるので。思い入れで言うと『夜行性』になっちゃいますね。本当に蔡さんの大ファンで、お会いしたこともなかったんですけど、レコーディングで第一声を聞いた時に、もう鳥肌が立ちました。自分の書いた曲に自分の好きな人の声が入るって、なかなかできない体験だと思うので。だからレコーディングしてるのを隠し取りして、メンバーにLINEしたんですよ」

――メンバーさんはレコーディングにいらっしゃらなかったんですか。

「僕だけしかいなくて。"やべえぞ"って送ったら、皆興奮してました」

――皆さんbonobosのファンだったんですか。

「皆好きですね。それこそYONA YONAを結成してバンドの方向性を決める時に、僕が皆に"こういう感じの音を出したい"と、いくつか参考になるアーティストの音源を送ったんです。その時にbonobosの『23区』というアルバムをリファレンスとして送ったエピソードもあるので、サウンド面や世界観にめちゃくちゃ影響は受けてて」

――蔡さんにはそのお話はされたんですか。

「ライブのMCでしましたね。蔡さんとはラーメンの話しかしてないです(笑)」

――改めて今作、どういう1枚になったと感じられますか。

「月並みですけど、今できることの最大限が詰まってると思います。個人的にはこのEPを制作していく中で人生の転機がいくつもあったので、本当にさっきおっしゃっていただいたように人生観が色濃く出てる作品にはなったと思います。共感していただける部分も多いと思うし、僕たちとしては結構攻めて作った作品でもあるので、珠玉の1枚になったかなと。手応えはすごく感じています。この先振り返った時に"このEPは名盤だよね"みたいな感じになってくれたらいいなとは思ってますね」

――そして全国ツアーが11月の大阪から始まります。ちなみに大阪の思い出は何かありますか。

「大阪は友達が多いんですよね。メロコア時代、大阪でよくライブしてて、前回のワンマンも当時対バンしてたバンドマンがめっちゃ見に来てくれて。懐かしくて思い入れのある地ですし、前回もツアーでいろんなとこ行きましたけど、大阪の楽屋が1番楽しかった記憶がありますね。多分ライブ前に1番酒飲んでたんじゃないかな。皆でたこ焼き買いに行って、がっつり酔っ払ってました」

――今回の意気込みは?

「前回は僕らも結構お客さんに楽しませてもらったところがあったんですよね。今回は1年経ってバンドとしても進化してるし、もちろんスキルも積み重なってると思うので、ライブをちゃんと作りたいなと思ってて。ただ楽しく演奏するだけじゃなくて見せ方の部分。曲感の繋ぎやアレンジはちょっとこだわってやりたいよねと話してます。本当にただただ気持ちよくお酒を飲んでいただくために、そこはしっかりとやりたいなと思ってますね」


Text by ERI KUBOTA




(2022年10月21日更新)


Check

Release

追加生産なしの自信作!

4th EP『嗜好性』
【完全生産限定盤】
VICL-65732
1650円(税込)

《収録曲》
01. 考え中
02. 1989’s (フジテレビ「ダウ90000 深夜1時の内風呂で」劇中歌)
03. Ice Cream Lovers
04. 夜行性 feat. 蔡忠浩(bonobos)
05. 月曜のダンス

Profile

“ツマミになるグッドミュージック”を奏でるメロコア・パンク出身の4人組バンド。磯野くん(vo)の表現力豊かな歌声と骨のあるバンドサウンド、長きにわたってアンダーグラウンドなシーンの最前線で活躍した彼らが作りだすステージは必見。2018年9月、自主制作盤「誰もいない sea」を会場限定で発売、同月開催のリリースパーティーでは深夜イベントながら500杯近くの酒がでるという異例の事態に。2019年11月に初の全国流通盤1st EP「夜とアルバム」リリース。2020年4月、配信Single「遊泳」をリリース。コロナ渦の状況での音楽需要とも相まって、各種ラジオ番組パワープレイを獲得。2020年6月、2nd EP「街を泳いで」をリリースし、「SYNCHRONICITY2020 ONLINE FESTIVAL」「BAYCAMP 10thanniversary "DOORS"」など各所フェスにも出演。2020年10月、HONDA CARS TV CMに「君とdrive」がインディーズとしては異例の大抜擢。2021年1月20日に3rd EP「唄が歩く時」をリリースし、表題曲「唄が歩く時」がJ-WAVE SAISON CARD TOKIO 100で2週連続7位、全国ラジオチャートではウィークリー7位を獲得。2月19日、渋谷WWW でのリリースワンマンライブがSOLD OUT。翌月の3月6日にはオンライン上で追加公演を無料生配信を実施。2021年4月7日(ヨナの日)にビクターエンターテインメント内スピードスターレコーズからMajor 1st Single「いい夢」をリリース。2021年6月に2nd Single「Good bye」をリリース、8月11日には3rd Singleとして、荒井岳史(the band apart)を客演に迎えたバンド史上初となるコラボシングル「Night Rider feat. 荒井岳史(the band apart)」をリリース。11月3日に1st Full Album「YONA YONA WEEKENDERS」のリリースを発表し初のワンマンツアーは追加公演を含め全公演ソールドアウト。2022年は、bonobos・蔡忠浩とのコラボ楽曲「夜行性 feat. 蔡忠浩(bonobos)」、BEAMS名物バイヤー加藤忠幸氏がジャケットを手掛けた「1989’s」と話題のリリースを重ねる中、6月には自身最大規模の恵比寿・LIQUIDROOMでのワンマンライブを完売。当日、ドリンクを買うための「お酒休憩」を導入したこともあり、バーカウンターの売上はLIQUIDROOM通常時の15倍を記録した。勢いそのままに、9月21日に4th EP「嗜好性」をリリース。11月から年末にかけて、福岡、岡山、大阪、愛知、東京の5カ所でワンマンツアーを行う。

YONA YONA WEEKENDERS
オフィシャルサイト

https://www.yonayonaweekenders.com/


Live

嗜好性 EP Release Oneman Tour

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:223-787
▼11月12日(土) 18:00
Shangri-La
スタンディング-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※小学生以上は有料。開催におけるガイドラインをご確認の上、お客様への当日のお願いごとを十分にご周知頂いた上でのチケットお申し込みをお願いいたします。
【新型コロナウイルス感染防止対策ガイドライン】https://smash-jpn.com/guideline
※販売期間中はインターネット(PC・スマートフォン)のみでの販売。1人4枚まで。チケット引換えは11/5(土)朝10:00以降より可能となります。
[問]SMASH WEST■06-6535-5569

【東京公演】
▼11月13日(日) 池下CLUB UPSET
【福岡公演】
▼11月19日(土) graf
【岡山公演】
▼11月26日(土) CRAZYMAMA 2nd Room
【東京公演】
▼12月11日(日) LIQUIDROOM

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