インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > コロナ禍の大阪城ホールで最大キャパを実現。 FM802主催『HIGH! HIGH! HIGH!』でSHISHAMO、 クリープハイプ、Saucy Dog、フレデリック、ヤバT、 緑黄色社会、WurtSが360°ステージで競演


コロナ禍の大阪城ホールで最大キャパを実現。
FM802主催『HIGH! HIGH! HIGH!』でSHISHAMO、
クリープハイプ、Saucy Dog、フレデリック、ヤバT、
緑黄色社会、WurtSが360°ステージで競演

9月25日(土)、大阪城ホールにて『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!- SPECIAL LIVE HIGH! HIGH! HIGH! supported by ナカバヤシ』が開催された。本イベントは大阪の人気ラジオ局・FM802で毎週月曜から木曜の夜に放送されている、DJ落合健太郎の『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-(毎週月~木 21:00~23:48)』が企画するインドアイベント。2014年から毎年夏に、番組縁のアーティストを呼んで行われてきた。今年は番組スタート10周年イヤーを記念したスペシャルバージョン。出演者はクリープハイプ・Saucy Dog・SHISHAMO・フレデリック・ヤバイTシャツ屋さん・緑黄色社会・WurtSの7組。会場は昨年に続き大阪城ホールだが、昨年はコロナ禍であることからキャパを制限しての開催だった。今年はチケット全種がソールドアウト。座席の間隔を空けることなく、ステージを360°囲むように観客を入れるスタイルで、12000人が来場した。実はコロナ禍に突入してからこのキャパで行われた大阪城ホールの公演は初めて。いつも先陣を切って挑戦するGREENSの姿勢が垣間見えた。苦しい時期を乗り越えて、ようやくかつてのライブが戻りはじめてきた喜び。今回は約7時間にも及んだ記念すべき『HIGH!HIGH!HIGH!』の模様をレポートしよう。

毎年、様々な企画で来場したリスナー(ラジ友)を楽しませている『HIGH!HIGH!HIGH!』。今年も大阪芸術大学とのコラボブースや縁日ブースが登場し、会場内のレストランでは「HIGH!HIGH!HIGH! 食堂」として、「サウseaドッグ」「君とタコフェス」など、アーティストにちなんだコラボメニューが提供されるなど、お祭りのような賑わいを見せていた。

また、出演バンドにメッセージを書いて写真を送ると、アーティストの楽屋にあるモニターに届けられるというスペシャルなコンテンツ「文字魂(もじこん)プロジェクト」も昨年に引き続き登場。転換中はビジョンに「ハッシュタグをつけてラジ友と楽しさを共有しよう!」と映されるなど、SNS世代のリスナーが多いROCK KIDSならではの企画がたくさん盛り込まれていて、人と人がつながれるイベントになっていた。

入場するとステージセットがシンプルで驚いた。装飾はステージ左右にイベントロゴがあしらわれているのと、天井に近い位置にROCK KIDSのタイトルが吊られているのみ。また、目線よりも高い位置にスクリーンとスピーカーが吊られているため、どの席からでもステージが非常に観やす見やすくなっているようだった。

そしてこの日は360°観客を入れるスタイル。ステージバックシートの方に回ってみたのだが、ものすごくステージが近いし、スタッフの動きや機材がよく見える。何よりも、普段見ることのできないステージからの客席が視界全体に飛び込んできた時は感動した。アーティストはこんな景色をステージから見ているのか。なかなか貴重な機会だ。

小中学生対象のジュニアシートも販売されており、家族と一緒に来場しているキッズたちをたくさん見かけた。まだ幼く多感な彼らに、このスケールと熱量の音楽に触れる機会が開かれていることの素晴らしさ。この日の体験は彼らに何をもたらすだろうか。そんなことに想いを馳せて、勝手に胸が熱くなった。

定刻5分前に会場が暗転。本日の出演者の紹介映像(ハイセンスで最高にカッコ良かった)が流れ、ステージにはFM802 DJ落合健太郎が登場。番組が10周年を迎えたことやイベントへの想い、注意事項を言葉にする。そして「"HIGH!HIGH!HIGH!"を心の中で唱えて拍手にしたら、心の声が聞こえてくるんじゃないかなと思うんですけど、やってみてもいいですか!」と客席に拍手を求める。何度も叫ぶうちに落合もだんだん高まり、渾身の力で「HIGH!HIGH!HIGH!」と叫び、最初のアーティストのフレデリックへとつないだ。

high-1NB_7606.jpg
昨年、三原健司(vo&g)がコロナに感染したことで出演キャンセルになったフレデリック。SEのビートに合わせてダイナミックでカラフルな照明がステージを彩る。もはやこれだけでエンタメだ。自然にクラップが起こり客席の期待感がマックスに高まる。健司は「2021年は俺がコロナになってしまって出演することができませんでした。でも今年FM 802がチャンスをくれたんや。だからさ、ただリベンジしに来ただけじゃない。今日ここにいる全員、フレデリックファンにして帰ります! 30分一本勝負! どうぞよろしく!」と叫び、『オンリーワンダー』をドロップ! イントロの爆発力で一気に鳥肌が立った。彼らの気合いがビシビシ伝わってくる。客席は総立ちで迎え、もはや1人残らず、と言ってしまえるほどの勢いで手が挙がった。『YONA YONA DANCE』『KITAKU BEATS』とフレデリズム全開のダンスチューンを続けて披露し、熱量をさらに引き上げる。高橋武(ds)のパワフルビートが問答無用で体を揺らす。赤頭隆児(g)はバックシートの観客を気にかけ、何度もそちらの方へ行っていた。三原康司(b)はどこか感極まっているように見えたのは気のせいだろうか。

MCでは健司がFM802との出会いについて回顧。結成前から802を聞いていたこと、10年前のインディーズ時代に初めて『RADIO∞INFINITY(毎週木曜 24:00~28:00)』で曲が流れた時の喜びと決意を語り、インディーズ時代の楽曲『峠の幽霊』をじっくりと歌唱。青く染まった空間で異世界のような妖しい雰囲気を漂わせ、表現力の幅広さを見せつけた。

「人って思い出がどんどん更新されていくとさ、トップバッターはうっすら記憶が薄れていくものなんです。でもその薄れた記憶の中で、帰り道でフレデリックが"あんなんやっとったな"って思い出してもらえるんやとしたら、一生ついてきてください。トップバッターが1番印象強かったらさ、ロックバンドとして1番カッコ良いんじゃないかな!」と健司。こんなMCをされて忘れられるわけがない。ラストの『オドループ』では曲中に想いをぶつけつつ渾身のプレイで魅了。しっかりがっちり観客の記憶に刻みつけ、最高のリベンジを果たしたフレデリックだった。

high-2NB_7809.jpg
続いてはWurtS。「WurtS」の巨大なネオンがステージに運びこまれる。彼にとってはこの日が初のアリーナライブ。まずは白いツナギを着たウサギさん(DJ)とサポートメンバーが登場し、ハウスミュージック調の『Intro』に乗せてクラップで盛り上げる。黒のツナギと目深に帽子を被ったWurtSが登場すると、すぐさま『Talking Box (Dirty Pop Remix)』を披露。まだ活動を初めて1年とは思えないほどの堂々としたパフォーマンス。今年5月に行われた『MEET THE WORLD BEAT 2022』の時よりも、格段に佇まいがどっしりしていた。サポートバンドのレベルの高さを遺憾無く発揮した『ふたり計画』では、バンドサウンドが放つ生音のグルーヴに体が震えた。「WurtSです、よろしくお願いします!」と短く挨拶すると、続けざまに『僕の個人主義』をドロップ。淡々と歌いながらも楽しそうな様子が伝わるプレイを見せ、ハイスピードで盛り上げてゆく。HIPHOP要素の強い『BOY MEETS GIRL』ではサックスパートでウサギさんがラッパを取り出して吹く真似をする場面も。昨年12月のFM802ヘビーローテーションにも選ばれた『NERVEs』ではさすがラジ友、イントロから歓喜するように今日イチのクラップが発生した。

high-2NB_7931.jpg
ギターとベースの轟音が会場を満たした後はラブソング『ブルーベリーハニー』をプレイ。客席は心地良さそうに、甘くてグルーヴィな世界観に体を揺らしていた。間髪入れず披露された『リトルダンサー』ではウサギさんがDJブースを飛び出して大きく動き回りラストに向けて盛り上げる。最後はアンセム『分かってないよ』でフィニッシュ! サビは大合唱したくなるがまだまだ我慢。オーディエンスは後ろの席までしっかりジャンプで応えて楽しさを体現していた。ほぼMCなしで駆け抜けた30分。大舞台で堂々としたパフォーマンスを見せ、しかも独自の世界観を打ち立てたWurtS。楽曲のキャッチーさと演奏のカッコ良さも相まって、確実にラジ友の心を掴んだだろう。

ここでFM802 DJの板東さえかが登場。メッセージがリアルタイムにアーティストの楽屋に届く「文字魂プロジェクト」の紹介をして「ここからもっとHIGH!HIGH!HIGH!にやろうと思うんですがよろしいでしょうか!」と、板東の番組『Poppin'FLAG!!!(毎週火曜 24:00~27:00)』のコーナーにもよく登場する大阪芸術大学出身のヤバいTシャツ屋さん(以下、ヤバT)へとバトンを渡す。

high-1NB_8007.jpg
リハからSaucy Dogやフレデリックの楽曲をメドレーで演奏し、大盛り上がりを見せていたヤバT。SEが流れるとクラップが炸裂! のっけから楽しい空気で満たされる。「地元大阪、ヤバイTシャツ屋さん! いこうぜ! 待望の1曲目!」とこやまたくや(vo&g)が叫び『あつまれ!パーティーピーポー』を投下。カラフルな照明に彩られて、まさにパーティー空間に変化した城ホール。客席はちぎれそうなくらい手を振る。きっと初見の人も多いだろうに、ものすごい勢いで巻き込んでゆくパワーはさすが。『ハッピーウェディング前ソング』では、こやまとしばたありぼぼ(b)のツインボーカルでハーモニーを聴かせ、『無線LANばり便利』では、こやまが「座れ!」と客席を座らせて素直に従ったところにすぐさま「跳べ!」とジャンプさせる(笑)。

high-yabat1.jpg
『癒着☆NIGHT』をものすごい疾走感で披露した後のMCでは、「今年うち花火見てないねん。ここで花火見たい。みんな花火になってくれる?」としばた。一旦全員を座らせ、「いくでー!」の合図で最後方のスタンド立ち見席を起点に、花火ウェーブが発生! それは見事なもので、スタンド最前にたどり着いたウェーブはアリーナとスタンド外周に別れて2つの波となり、反対側のバックステージまで届ききった。打ち上がった花火がハラハラハラ......と儚く散る様子もしっかり表現したオーディエンスにメンバーは大喜び。

一体感を確かなものにして、後半は『ちらばれ!サマーピーポー』『ヤバみ』『NO MONEY DANCE』を連続でドロップ。最後の曲『かわE』では7人ほどの大人たちがもりもりもと(ds)の周りに集結。何が始まるのかと思えば、ドラムセットを180°回転させた! バックシートの人にも顔が見えるようにという配慮なのだろう。さらに持ち時間をフルに使って楽しませたい気持ちからか、残り3分で『Tank-top of the world』を披露。こやまのカウントダウンがハラハラ感を加速させつつ、何としても持ち時間を守るという強い意志で、BPMを超爆速にして無事完走! 「残り12秒ありがとう!」とダッシュでステージを去ったヤバT。一見破天荒だがコミカルで元気いっぱい、どこか包容力も感じるライブを繰り広げた彼らの真面目な一面も見ることができた。彼らが愛される理由が分かった魅力満載のライブだった。

high-2NB_8483.jpg
続いては3年ぶりの出演となったSaucy Dog。アリーナには水色のタオルがあちこちに花開き、彼らの人気の高さを伺わせる。SEが流れ、メンバーが大きな拍手で迎えられる。せとゆいか(ds)の前に石原慎也(vo&g)と秋澤和貴(b)が集まり気合い入れ。「よろしくね!」と石原が叫び、1曲目の『Be yourself』を高らかに演奏。すると、スクリーンにリアルタイムのライブ映像に合わせて歌詞が映し出された。モーションの入ったオシャレな演出で、リリックビデオのようだ。歌詞を改めて見ながら歌を聴くとまた違う感情に浸れる気がして、早くもやられた感があった。続いて秋澤のベースソロが火を吹き『雷に打たれて』をドロップ。稲妻のようなイエローのライトが会場中を駆け巡る。石原は笑顔でステージをダッシュしたり、ジャンプしたりと全身でこの時間を楽しんでいた。

high-saucy.jpghigh-saucy2.jpghigh-saucy3.jpg
MCではせとがFM802との思い出を語る。昨年無観客配信で行われた『MEET THE WORLD BEAT 2021(以下、MTWB)』の入りのことを思い出したと語り「FM802はコロナ禍前からお世話になってたけど、ずっと一緒に歩んできてくれてる存在やなあって、今日改めてここに着いて思いました。どんどんライブが大きくなってみんなで進めたらいいなと思います」とあたたかな笑顔で述べた。続く『BLUE』では高音のハーモニーをしっとりと響かせ、「俺たちバンドマンの歌!」と勢いを増して『メトロノウム』を披露。石原は高まったように歌声に力を込め、ステージから一歩降りて力を込めてギターをかき鳴らした。恋の中で感じるもがきを切なげに歌い上げた『煙』では、壮大な照明の演出が楽曲に奥行きを与える。

石原が「あなたの人生を引っ張ってあげようとかじゃなくて、一緒に手繋ぎで横で肩を並べて歩いていける存在でありたいなと思ってます」とキラキラした瞳で語った後は『いつか』を大切そうに奏でる。「もう少し周りの人に優しくなれるようなそんな歌......僕が先に優しい人になれるように頑張りますんで」と演奏された『優しさに溢れた世界で』ではスクリーンに再び歌詞が表示され、天井一面が星空に変化。美しいハーモニーとドラマティックな演出が全身を包む。何度も「ありがとう」と口にしていた彼ら。「コロナが明けたらみんなで歌おうね!」と約束して、グッドメロディ連発の豊かな時間を締め括った。

ここではROCK KIDSの準レギュラーDJであるヤバTの3人が賑やかに登場。落合健太郎と漫才のようなトークで会場を盛り上げた後、この日の折り返しのアクトとなる緑黄色社会をコールした。

high-1NB_8486.jpg
7月に結成10周年を迎え、先日日本武道館公演を成功させた緑黄色社会。鮮やかな緑色の衣装に身を包んだメンバーは板付で登場し、華やかなオーラを放っていた。サポートドラムを迎えた編成で『始まりの歌』から始まったライブは、とにかくパワフルで圧倒されるものだった。長屋晴子(vo&g)の突き抜ける歌声、peppe(key)の溢れる底力、小林壱誓(g)のコーラス、穴見真吾(b)はぴょんぴょんジャンプしながら元気にステージを盛り上げる。すさまじい輝きと音圧で会場をあっという間に魅了していった。peppeの重厚なピアノソロから奏でられた『陽はまた昇るから』では、気持ち良い疾走感に合わせてステージに虹がかかったような豪華な照明演出が楽曲を彩った。

high-ryokushaka2.jpghigh-ryokushaka3.jpg
MCでは長屋が「前回MTWBで来た時、こんな大きな場所を贅沢に使ったの。みんながいなくてライブをしたんだけど、今日は正反対ですね。後ろまでいる。前回は贅沢なんだけど寂しさもあったからこそ、今日はすごく贅沢な景色を味わいながら楽しもうと思います」と笑顔で話し、長屋の鋭いボーカルの歌い出しから情熱的に奏でられたラテン調の『LADYBUG』、楽曲の完成度の高さをハッキリと感じた『Shout Baby』を続けて披露。ギターを抱きしめて歌う長屋の姿からは"歌が好きだ"という気持ちが伝わってくるようだった。

high-ryokushaka.jpg
2度目のMCでは「ラジオってさ、本当にすごいものだと思うのよ私。ひとりぼっちの瞬間もそうじゃないって思えるの。今日はこうやってラジ友が目の前に集まってる、こんな嬉しいことはないよ! 会えなかった時間を埋めるような時間にしたいんですけど、これからまだまだギアを上げて盛り上げていこうと。まだいける!?」と声を張り上げ、ものすごい爆発力で『sabotage』をキレキレでプレイ! 続いて投下されたポップチューン『Mela!』は耳馴染みのあるメロディに観客が沸き立ち、メンバーの演奏にもより熱量が加わる。ラストは『キャラクター』でゴキゲンにライブを締め括る。どこまでも突き抜けるブレない歌声とpeppeと小林が加わることで生み出されコーラスのバリエーション、圧倒的な音圧と楽曲の良さで観る者を虜にした緑黄色社会。まるで城ホールがパワースポットになったようなエネルギッシュなライブを繰り広げた。

high-2NB_9856.jpg
割れんばかりの拍手で迎えられたクリープハイプ。尾崎世界観(vo&g)はマイクを手に取るとすうっと息を吸い、アカペラでぽつぽつと『ナイトオンザプラネット』を歌い始める。やがて小川幸慈(g)のギターリフが会場を満たし、どっぷりと楽曲世界に浸り込んだ。天井から真っ直ぐ下におろされた青い照明はまるでベールのようで、頭上には星々が瞬いた。この演出はあまりに芸術的で思わず息を飲んだ。特筆すべきだと思うのだが、この日の照明演出は本当に素晴らしかった。楽曲やバンドにフィットするばかりか、時にはドラマティックに、壮大に、華やかに空間を彩り、最高の演出を作り出していた。

high-creep1.jpg
尾崎は「ありがとう」と言い、9月23日に神宮球場で行われた東京ヤクルトスワローズ×横浜DeNAベイスターズ戦で始球式をした話を「嬉しかった」と報告。緊張で頭が真っ白になったと続け「メジャーデビューして10年経って、まだこんな経験できるんだって心の底から衝撃を受けたんだけど、やっぱり今日ステージに来て、自分が立つべき場所はここだなと実感しました。いつも立ってる場所だし、結構普通なんだけど、でもそれこそが大切で。こちらが感動させる側だから今日は死ぬ気でやります」との言葉には大きな拍手が送られた。そこから一気にギアを上げて『しょうもな』をドロップ。本気で歌う尾崎のパワー、長谷川カオナシ(b)のグルーヴ、小泉拓(ds)の激しいビートがステージから放たれる。『ラブホテル』では途中演奏を止めて「これ夏のせいじゃなくて802のおかげです。感謝を込めて」との言葉を添えて歌い上げる。

high-creep2.jpg
クリープハイプのダークな面が現れた『キケンナアソビ』は不穏な空気を醸し出し、小学生には刺激が強いのではと心配になってしまうほどだった。続く『HE IS MINE』では「みんなわかってるよね。小学生とか中学生も今日来てるみたいだから、無音でお願いします。無音が1番の爆音だから」とメンバーと大人ファンの結束により(?)、一部歌詞を心の中で大合唱。そして新曲は全てROCK KIDSで解禁してもらっているというクリープハイプ。尾崎は「大事な曲を預ける大事な場所だと思ってます。だからライブでも聞いてほしいなと思って新曲をやります」と9月28日に配信リリースの新曲『愛のネタバレ』を披露。ラストは2018年のFM802 X TSUTAYA ACCESS ! キャンペーンソングだった『栞』を全力でエモーショナルに演奏し、ライブを終えた。彼らの生々しい息遣いを感じられる、最高にカッコ良いステージングだった。

high-1NB_8916.jpg
大トリはSHISHAMO。宮崎朝子(vo&g)は「リハーサルですけど、タオル回してくれますか?」とセットリストには入っていなかった『タオル』で客席の一体感を高めて本編へ。SAKEROCKの『URAWA-City』に乗せて笑顔で登場したメンバー。1曲目は『ねぇ、』。宮崎の伸びやかな歌声が会場全体に響き渡る。続いて聞こえてきたのは夏のアンセム『君と夏フェス』! 松岡彩(b)と吉川美冴貴(ds)のパワフルなリズム隊から繰り出される弾けるビートとに体が跳ね、客席は一心不乱に手を挙げる。

high-shishamo.jpg
MCでは「360°が初めてなもんですから、すごい近いしびっくりしちゃって」と、後ろから見られることに3人で戸惑いつつも「最後まで残ってくださってありがとうございます」と宮崎。意外にも『HIGH! HIGH! HIGH!』は初出演だというSHISHAMO。「802は私たちが高校生の頃から曲をラジオでかけてくれててね、古のまだ何もわからない私たちを応援してくれて、今日こうやってトリを任せていただいたことを光栄に思います」とFM802への感謝を述べた。

曇りのない歌声で『夏の恋人』を情緒豊かにゆったりと歌い上げ、松岡と吉川のコーラスもバッチリ効かせた『ハッピーエンド』では圧倒的な声量で客席を釘付けに。華奢な指先から一音ずつ丁寧に繰り出されるギターの音が切なさを感じさせた。そして今年11月から10周年イヤーに突入するSHISHAMOが、来年3月4日(土)に大阪城ホールワンマンが決定したと嬉しいお知らせ。宮崎は「また同じ場所でお会いできたら嬉しいなと思っております」と述べて後半戦へ。

3人のコーラスが素晴らしかった『狙うは君のど真ん中』を経てプレイされた『明日も』では、スクリーンに手書きの歌詞が映し出される。誰もが感じる普遍的なテーマ。元気をくれる言葉とポップなメロディ、ストレートな彼女たちの演奏に心がぎゅっとなる。間髪入れず吉川のドラムが叩き込まれ、宮崎が「次で最後の曲です! また来年大阪城ホールでお会いしましょう!」と挨拶すると銀テープが発射! 客席はわあっとテンションアップ! それを見た宮崎は嬉しそうに破顔した。ラストは『恋する』で一気に駆け抜けた。パワフルなサウンドとストレートな歌声の中には可愛らしさと逞しさが感じられ、同時に頼もしく感じられた。大トリらしいステージを見せてくれたSHISHAMOに、いつまでも鳴り止まない拍手が送られた。

こうして今年の『HIGH!HIGH!HIGH!』は幕を閉じた。バンドそれぞれの想いが溢れた素晴らしい一夜だった。来年は一体どんな『HIGH!HIGH!HIGH!』が観れるのだろう。

なお、この日のライブ音源は10月3日(月)~6日(木)の『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!-』にて、『HIGH!HIGH!HIGH! SPECIAL』として出演アーティストのライブ音源を1部オンエアすることが決定している。ライブ直後のインタビューも放送予定だ。ぜひラジオでも『HIGH!HIGH!HIGH!』の余韻を楽しもう。

取材・文:ERI KUBOTA
写真提供:FM802
撮影:渡邉一生




(2022年9月30日更新)


Check

Set List

フレデリック
M1. オンリーワンダー
M2. YONA YONA DANCE
M3. KITAKU BEATS
M4. 峠の幽霊
M5. ジャンキー
M6. オドループ

WurtS
MO. Intro
M1. Talking Box (Dirty Pop Remix)
M2. ふたり計画
M3. 僕の個人主義
M4. BOY MEETS GIRL
M5. NERVEs
M6. ブルーベリーハニー
M7. リトルダンサー
M8. 分かってないよ

ヤバイTシャツ屋さん
M1. あつまれ!パーティーピーポー
M2. ハッピーウェディング前ソング
M3. 無線LANばり便利
M4. 癒着☆NIGHT
M5. ちらばれ!サマーピーポー
M6. ヤバみ
M7. NO MONEY DANCE
M8. かわE
M9. Tank-top of the world

Saucy Dog
M1. Be yourself
M2. 雷に打たれて
M3. BLUE
M4. メトロノウム
M5. 煙
M6. いつか
M7. 優しさに溢れた世界で

緑黄色社会
M1. 始まりの歌
M2. 陽はまた昇るから
M3. LADYBUG
M4. Shout Baby
M5. sabotage
M6. Mela!
M7. キャラクター

クリープハイプ
M1. ナイトオンザプラネット
M2. しょうもな
M3. ラブホテル
M4. キケンナアソビ
M5. HE IS MINE
M6. 愛のネタバレ
M7. 栞

SHISHAMO
M1. ねぇ、
M2. 君と夏フェス
M3. 夏の恋人
M4. ハッピーエンド
M5. 狙うは君のど真ん中
M6. 明日も
EN. 恋する

Live

WurtS

チケット発売中 Pコード:221-533
▼11月22日(火) 19:00
なんばHatch
1Fスタンディング-5500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2F指定席-5500円(ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。
※販売期間中は、インターネット(PC・スマートフォン)のみで販売。チケットは、11/20(日)朝10:00以降に引換えが可能となります。
[問]GREENS■06-6882-1224

チケット情報はこちら


ヤバイTシャツ屋さん

「ハンブレッダーズ」
Sold out!!
▼10月21日(金) 19:00
Zepp Osaka Bayside
1Fスタンディング-4800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2F指定席-4800円(ドリンク代別途要)
[ゲスト]ヤバイTシャツ屋さん
※小学生以下は入場不可。中学生以上は有料。
※販売期間中は、インターネット(PC・スマートフォン)のみで販売。1人2枚まで。チケットは、10/14(金)朝10:00以降に引換えが可能となります。
[問]GREENS■06-6882-1224


SHISHAMO

チケット発売中 Pコード:224-625
▼10月15日(土) 17:30
枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール
全席指定-5500円
※小学生以上チケット必要(未就学児は大人1名につきひざ上に限り1名まで無料。お席が必要な場合はチケットをご購入ください)。本公演は「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に沿って開催致します。
※販売期間中はインターネット(PC/スマートフォン)のみでの販売。1人4枚まで。
[問]枚方市総合文化芸術センター本館■072-845-4910

チケット発売中 Pコード:224-288
▼10月23日(日) 17:00
東近江市立八日市文化芸術会館
全席指定-5500円
※小学生以上はチケット必要。未就学児童は保護者1名につき1名まで膝上無料。席が必要な場合はチケット必要。
※チケットは1人4枚まで。
[問]東近江市立八日市文化芸術会館■0748-23-6862

チケット発売中 Pコード:224-627
▼11月20日(日) 17:00
加古川市民会館 大ホール
全席指定-5500円
※小学生以上チケット必要(未就学児は大人1名につきひざ上に限り1名まで無料。お席が必要な場合はチケットをご購入ください)。本公演は「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に沿って開催致します。
※販売期間中はインターネット(PC/スマートフォン)のみでの販売。1人4枚まで。
[問]加古川市民会館■079-424-5381

チケット情報はこちら

番組情報

FM802『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!-』で
ライブ音源オンエア!

『HIGH!HIGH!HIGH! SPECIAL』
▼10月3日(月)~6日(木)
出演アーティストのライブ音源を1部オンエア! ライブ直後のインタビューも放送予定。ラジオでも『HIGH!HIGH!HIGH!』の余韻を楽しもう。