パワフルでソウルフルでハートフルなステージで
お客さんと最高の時間をエンジョイしたい!
HOUND DOG LIVE 2022 『Starting again at Route 66』
大阪・森ノ宮ピロティホール2daysが迫る!
2020年にデビュー40周年を迎えたHOUND DOG。1980年代以降、国民的なロックバンドとなって『ff(フォルティシモ)』『BRIDGE~あの橋を渡るとき~』『Only Love』といった大ヒット曲を生み出してきた。コロナ禍で公演が延期を余儀なくされると、バンドで初の配信ライブを行い、2021年には有観客で『40+1』と題する振替公演を開催。止まることなくバンドの歴史を刻み続けている。フロントに立つ大友康平による“ストロングスタイル”のパワフルなステージングも健在だ。66歳となる今年は、HOUND DOG LIVE 2022 『Starting again at Route 66』が開催される。このライブを前に、ぴあ関西版WEBでは2年ぶりに大友康平にインタビュー。渇れないロックンロールへの情熱、現在のリアルな心境を存分に語ってくれた!
お客さんが声を出せない状況でも
会場の一体感というのは以前と同じ
――HOUND DOGがデビュー40周年を迎えたのが2020年ですね。ちょうどその年からコロナ禍となってライブが予定通りに開催できなくなった時はどのように気持ちを切り替えて立て直してきましたか。
「やっぱり当初は大変でしたね。その公演に向けて1、2ヶ月前から準備して、体調もそこにピークに持っていくように準備していますから。まあ、年間150本とかやってる時期もあったけど…、ずっと40年間ぐらいライブを続けてやってきてますので。こういう社会情勢の中だから、それはしょうがないんだと思ってね…。ライブの延期が決まった時に、また次に向けて備えるっていうふうに切り替えてやっていましたね。人生はいつも準備してる者にしか幸運はやってこないっていう諺(ことわざ)があるんで。何かで成功したり、達成したりするときには、ちゃんと準備をしてる人にしかチャンスは来ないし、それを掴み取るのも準備してる度合いだと思うんですよね。僕の場合は、いつでも歌を歌う状況を作っておくっていうことだと思うんです」
――そのためにボイストレーニングしたり、体を鍛えたりという準備をなさっているんですね。
「そうですね。若い人はまだ無理が効くと思いますが、50代、 60代のシンガーの人は、本当に日々(自分と)戦ってると思います」
――2021年の3月に約1年ぶりの有観客ライブを開催された時はどんなことを感じましたか。
「いや、それはもう嬉しかったですね。お客さんも久しぶりに会場に来て生でライブが観れて嬉しかったと思いますし、僕も1年数か月ぶりに目の前にお客さんがいるのを見て…、涙が出るぐらい感動しました」
――感染拡大防止のために、観客のみなさんはマスクをされてますし、声も出せないという、今までとは明らかに違う状況で、ご自身のパフォーマンスにおいて変化などは?
「変化はないですね。たとえコール&レスポンスができなくても、お客さんの顔を見れば、興奮してくれてるなとか、楽しんでくれてるなっていうのはわかりますからね。お客さんが声を出すか、出さないかだけの違いであって、会場の一体感というのは同じだと思いますね」
――昨年11月に大阪で開催された時はいかがでしたか。
「大阪の場合は4回延期して待たせてしまったんで、3月の東京以上に お客さんも熱い気持ちもあっただろうし、久しぶりに興奮しましたね。でも、特別なことはしなくて、いつも通りきっちりと自分のショーをまっとうすることに全力を注ぎました」
毎年がメモリアル、毎回ライブは命懸け
今、自分が思ってることを全て表明したい
――今回の『Starting again at Route 66』はどのようなステージになりますか。
「いつも通り、自分が好きで好きでたまらないロックンロールショーを思いっきりやります!パワフルでソウルフルで、ハートフルなステージをやって、お客さんとその空間で最高の時間をエンジョイしたい。また、確認作業でもありますね。まだまだみんな元気で頑張るんだぞ!っていうファンの方の年齢層も上がってきてますから(笑)」
――“ここからまた始まるぞ!”というような熱い思いを感じるタイトルですね。
「アメリカのロックンロールのヒット曲で『Route 66』っていうのがあってね、元々は国道の名前ですけど…、ちょうど66歳なんで(笑)。まあゴロもいいし、カッコイイなと。そんなに深い意味はないですよ(笑)。まあ、本来は2020年に40周年を迎えるライブのはずが1年延期になって、“40+1(プラスワン)”っていう感じだったんです。毎年、毎年がメモリアルだと思ってるんで、今年は42周年記念ってことですね(笑)。その年のライブを命がけでやること、自分にはそれしかできない。また来年って…、わかんないじゃないですか、こういう状況ですから…。本当に一期一会で、その日しか来れないお客さんもいるわけですから、その人たちにとって、今自分が思ってることを全力で表明したいと思います」
――そうですよね。あたりまえに続くことなんてないなと…改めて実感させられます。
「うん。2015年ぐらいから、久しぶりに本来のHOUND DOGのストロングスタイルのライブをするようになったんですが。毎回いい意味で、今年が最後ぐらいの取り組み方をしないと、どっかで甘えが出てきちゃうんです。毎回毎回、1本1本が、“First Final”っていうことですね」
――『First Final』というのは、40周年の時のライブのタイトルでしたね。
「そうですね。映画が始まった瞬間にポロっと泣くことはないだろうし、小説もしかりで最後まで読まないとわからないけど、音楽って瞬発力があって。思い出深い曲のイントロが流れた瞬間に泣かせることもできるし、気持ちを奮い立たせることもできるじゃないです。音楽って、そこがすごいなって思いますね」
みなさんが聴きたいと思っている曲
好きな曲は全部やります!
――今回のライブも2015年から一緒にやっているバンドメンバーで行われるんですね。
「うん、バンドのメンバーもここ数年ずっと一緒にやっていて、バンドは固まれば本当にダイナミックになりますね。ライブは、イコール生きてる、生ってことですからね」
――セットリストには、ファンの方が「この曲を聴きたい!」と思ってる代表曲が並んでいるんでしょうか。
「はい、もう全部やります。まず、そこがもうポイントで、みなさんが聴きたい曲、好きな曲は、全部そのままの形で変ないじり方をしないようにしてます(笑)。昔、アコースティックバージョンでやったら、(ファンに)散々文句を言われんたんで(笑)。“そうじゃない、あのファンファーレーのイントロがあって、どっしりとしたリズムがあってこそ、『ff(フォルティシモ)』なんだから”って(笑)。そこはもう絶対ファンのみなさんの期待に答えます!」
――『ff(フォルティシモ)』もそうですね。時代を超えてパワーをくれるメッセージソングだと思います。みんなが聴きたい曲を、今まで通りストロングスタイルでガツンと堪能させていただけるんですね。
「まあ、だんだん年齢というものが重なっていきますから、多少ちょっと動きが鈍くなったり、声が出にくかったりはするかもしれません。 でも、それもロックンロールなんだなっていう…。全てをさらけ出すことが、実は1番カッコイイんだなっていう。人の胸を打つのはきっとそういうものですよね。と、…別に言い訳してるわけじゃないですけど(苦笑)」
――40年を超える長いキャリアを積み重ねてきた大友さんの存在感や説得力には圧倒されます。
「ありがとうございます。やっぱり人間って与えられた寿命を生き抜かなきゃいけないんで。そのためにみんな日々いろんなことを考えて、体験して、悔しがって、嬉しがって生きてるわけですからね。さっき言ったように、いつどうなるかわからないから。ほんとに興味があることがあったら、もう今、この瞬間にそれを全部真剣に取り組むべきですよね。やっぱり、この瞬間を熱く生きるってことでしかないですね」
――前回のインタビューで見出しにさせてもらったんですけども。大友さんは、何歳になっても、「ロックンロールをやる時、歌うときは18歳になる」と。
「ああ~いいこと言ってましたね(笑)、全くその通りですね。もう、ロックンロールっていうのは、青臭いガキの 叫びですから。大人に対する、体制に対する反発がエネルギーになってて。やっぱいつまでも成熟しない子供心というか、あのガキの精神というかね。自分がロックンロールにファースト・インプレッションで感じたあの衝動っていうのをずっと絶やさずにきてる気がしますので。ステージに上がったら18歳になるんでしょうね。でも、今は18歳から選挙権もありますからね。責任を問われるっていう意味では、18歳じゃなくて、16歳にしておこうかな…(笑)。とりあえず、今のHOUND DOGのライブを一人でも多くの方に見てほしいし、体験してほしいなと思っております!」
――大友さんがお元気でいらっしゃる限り、HOUND DOGは続いていくんですね。
「そうです!」
――今回も力強いお言葉、名言の数々をありがとうございました!
Text by エイミー野中
(2022年8月17日更新)
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