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メンバー全員がずっと愛してやまないガレージパンクを、今ストレートにやることの意味と意義とは? 本気でロックンロールをやってたどり着いた現在地。THE BAWDIESインタビュー

あまりにもたくさんの人に聞いてほしいがゆえに、「会社のOKさえ出るのならば、無料で音源を配り歩きたいほど(OK出るわけがないけど)。聞いてもらえたら、何かが変わると思う」という発言も飛び出すほど自信作なのだそうだ。5月25日にリリースとなったTHE BAWDIESの新作は、その名も『FREAKS IN THE GARAGE - EP』。バンドのキャリア初となるEP作品は、メンバー全員が深く愛してきたガレージパンクがドカンとテーマに据えられた。そのテーマに辿り着くまでは、コロナの感染拡大やそれにまつわる音楽業界の困難、そういった状況も受けてコロナ禍で制作された前作アルバム『BLAST OFF!』やそのリリースツアーで感じたこと・見えてきたものがあったからこそだったという。フロントマンであるROY(vo&b)がEPリリース直後の某日に緊急来阪した好機を得て、ぴあ関西版WEBへ久々にご登場いただくこととなった。

未完成で美しいガレージパンクを、今こそやりたい

 
――今日は先日リリースされた『FREAKS IN THE GARAGE – EP』のお話をお伺いしていきたいのですが、このEPは前作アルバムの『BLAST OFF!』とそのリリースツアーを経験した上での気づきがすごく反映されていると聞きました。そもそも『BLAST OFF!』はROYさんにとってどんな存在の作品だったのでしょうか。
 
「コロナ禍に入ってから全曲作ったアルバムだったので…混乱した世界に身を置きながら考えたことを作品には込めました。僕たちにとって、ウィルスの蔓延で世界中が止まってしまったことによる音楽業界の打撃は大きかった。解散するバンドを目の当たりにしたり、ツアーを中止したりフェスがそもそも開催されないなど、目の前で全てが止まるというのは絶望的な光景でした。とはいえTHE BAWDIESはダメージが大きいから歩みを止めるというバンドではないと思っていた。その状況でも動き続ける姿勢や姿が、ひとりでも多くの人の力になるのならやろうよと。ライブができない分、制作を!とすごくポジティブな気持ちで取り掛かったのが『BLAST OFF!』で、いいエネルギーが充満したアルバムというイメージです。僕らの作品の中でも一番ポジティブな輝きを持つ一枚だと思っています」
 
――世界の誰もが苦しい状況の中で、バンド史上最もポジティブな作品が生まれるとはなんとも…。
 
「そうですね。その後タイミングを見て2021年に開催したツアーも、久々に全国27カ所をしっかり完走できたこともあってすごく充実していましたね。お客さんにはたくさんの制限がありつつも、マスク越しにすごく楽しそうでした。それを見て、やっぱり生で音楽を見て楽しむことが最強だよなと思ったんです。そう思えた時にロックンロールの可能性をより感じられて、もっとすごいものをつくりたいと思えました。まだつくりたい、ツアーをやりたいと」
 
――リリースとツアーで制作意欲に火がついた。
 
「はい。その後も考え続ける中で、今の音楽シーンとTHE BAWDIESの立ち位置について今まで考えたことがなかったけど、冷静に俯瞰して見られるようになりました。僕らは50~70年代のビンテージ感ある音楽を愛している一方で、現代で人気の音楽はすごく整理整頓されていて完成している音楽が多いと感じました。むしろ完成されていないと聞きにくい感じもある。でも僕らが愛しているロックンロールやガレージパンクはその対極にあって、未完成だからこそいいという美学があると思うんです。今そういう音楽を正面から思い切りやったら、若い人たちが感じる違和感や異質感みたいなものはあえて新鮮に映るのでは?と。僕らが学生の頃にクラブミュージックがすごく流行って、電子音やDJによってつくり込まれた音楽や、重低音・音の厚みのある音楽が主流になったことがありました。その時代にたまたま出会ったThe Sonicsの音楽を聞いた時、その生々しさに驚いて調べたら40年も前のバンドだった。その感覚を今、僕らのつくる音楽で若い人たちに与えられないだろうかと。今まではロックンロールやガレージパンクをTHE BAWDIESが橋渡し役になって伝えるから、そこからたくさんのガレージパンクも掘って聞いてみてほしいと思っていました」
 
――つまりTHE BAWDIESを通して、わかりやすくロックンロールやガレージパンクを伝えるという役割を担っていた?
 
「そのつもりでした。だけど、今の時代にそういう役割はいらないのかなと。僕らのフィルターを通すのではなくて、もっとストレートに伝えた方が効果的じゃないかな。今までは頭を使って、もっとこうした方が伝わるかもと考えながらつくっていたものをとっぱらって、自分たちがやりたいようにやる方がむしろ伝わるなという考えに至りました」
 
――とっぱらおうと思えたのも、ある意味コロナが引き金になったんでしょうか。
 
「そうですね。今の若い人たちの音楽の聞き方からすると、最初にドーンと“何コレ!?”っていうものを持っていけば足が止まる。つまり、とにかく足を止めなきゃと。特に『FREAKS IN THE GARAGE – EP』の2曲目の「STAND!」は、頭から思い切りシャウトして足を止めにいっている感じですね」
 

 
――なるほど。ちなみに『BLAST OFF!』のツアーを終えて、今後の取り組み方みたいなことに対して湧き出てきた思いは、メンバー内で共有されていましたか?
 
「特に話し合ってはいないけど、ツアーが終わってもまだまだツアーをやりたいみたいな感覚を全員が持っているのは感じていました。それと、次に作品をつくるならめちゃめちゃロックンロールをやろうよっていうのは会話の中でも出ていたので、みんな同じ方向を見ているのは分かっていました。そういうふうに自然にメンバーの感覚が分かるのも、小さい頃から一緒に育ってきているからでしょうね。音楽的なものや生きてきたルーツが一緒で根本的に近いのでズレないのは大きいなと思います。青春時代を一緒に過ごしてきたっていうのは大きいし楽しいから、やっぱり4人で動こうよってなるんですよね」
 

 
「考えない、つくり込まない、やりすぎない」を大切に

 
――『BLAST OFF!』 のツアーを終えて、じゃあ次は作品をつくろうという話に?
 
「ツアーが終わったけど、まだツアーをやりたい。またツアーをやるには作品がないとっていう感じでした。何かつくるなら、話していた通りロックンロールで全曲やろうよって。ガツンと激しめのやつをやりたいけど、じゃあそれをどこまで振り切ろうか? みたいな話をその時初めてしましたね。今回は今の音楽シーンに何か衝撃を与えられるようなものがいいんじゃないか、せっかくやるならそこまでやろうって。前作の『BLAST OFF!』も自分たちにとっては満足のいく作品だけど、あれとはまた違うベクトルで大きな衝撃を…となると、かなり振り切ったことをしないとって。その結論がガレージパンクです。ガレージパンクを土台に今の音楽を届けるという感覚ではなくて、100%ガレージパンクでいくのはどうだろうって。そこから始まっていきましたね」
 
――ガレージパンクというものを、2022年の現代を進んでいくTHE BAWDIESとしてどう表現しようと思われたのでしょう?
 
「基本的には何も考えない(笑)、何もつくり込まない、やりすぎないってことですかね。一発録りは絶対でした。上からギターを重ねることも絶対にしない。4人で一斉に鳴らした音だけを使う。クリックは使わずに、みんなのビート感だけでいく。ガレージパンクって、基本的に60年代のアメリカのティーンエイジャーたちがイギリスからやってきた音楽の真似をしてみたいっていう衝動で、とりあえず友達と自宅のガレージに集まってガシャガシャやってみた素人のロックンロールなので、青臭さや荒さが重要だと思うんです。僕らは十何年とバンドをやっているので…そういう荒さは良くも悪くも出づらいんだけど、それをどうにか出そうと考えた秘策が“練習をしない”っていうことでした」
 
――練習をしないって理にかなっている気はしますが、大胆ですねぇ。
 
「(笑)。あとはテーマとしてガレージパンクは掲げつつ…実際に自分たちが一番影響を受けたのは60年代中期のガレージパンクなんですが、これを現代で再現しようとするとすごく音がスカスカに感じられると思うんです。これは伝わりにくいかなといろいろ考えてみたら、90年代ごろのガレージパンクならば今でもしっくりくるのでは?と思いました。MUMMIESとかあのあたりのバンドの音のイメージです。アメリカのバンドの荒さに加えて90年代がいいなと思ったのも、70年代・80年代のニューウェーブやパンクを経由してやっぱりコレだ!って戻ってきたガレージパンクというか、いろんなものを吸収したガレージパンクかつ、パンクの持つ厚みもしっかりあるのが90年代だったので、そこを目指したいなと」
 
――先ほどおっしゃった「60年代のガレージパンクをストレートにやると音がスカスカすぎて伝わらない」というのは、私たちの耳が重低音に慣れすぎてしまっているというのもありますか?
 
「それもあると思います。あと、当時とはレコーディング環境が全く違うのもあるし…。その頃はマイク1本でレコーディングしていたとも聞きますしね。ちなみに今回のレコーディングでは念の為全員分マイクを立てましたけど、結果的には1本だけで全員分の音を録りました」
 
――『FREAKS IN THE GARAGE – EP』を通して聞かせていただいた印象としては、メロディーはもちろんすごく音色にザラつきが感じられるというか、少しこもったような音で「本当にガレージで録ったのでは…」と感じられる臨場感がありました。
 
「それもマイク1本で録った効果だろうし、あとは音のかぶりを気にしなかったこともあります。普通は部屋を分けて他のアンプの音が入らないようにするけど、今回は回り込んだ音も含めて作品にするという感じで。それがひとつの部屋で鳴っているので、ガレージで鳴らしている感覚があるのかもしれないですね」
 
――現代でできることを敢えて削ぎ落として。あと、聞かせていただいたもうひとつの感想としては「これ、メジャーレーベルからリリースされる作品だよね? あれ? インディーズから?」と…。
 
「あはははははは! そうですよね。そうなんですよ!」
 
――それこそ『FREAKS IN THE GARAGE – EP』に収録されるドキュメンタリーDVDのトレーラー映像でTAXMANさんが「メジャーでこんなことやったら面白い」ってコメントされていたのもすごく印象的でした。
 

 
「そうですね。こういうことはなかなかメジャーではやらせてもらえないのが現実だと思います。会社としては今一番売れやすい音楽を売りたいと思うし、僕らは今の主流の音楽とは真逆のことをやろうとしている訳で…賭けでもありますよね」
 
――それも含めて、メンバーもスタッフも音楽をやることを全力で楽しもうとしているのだなということはすごく伝わります。
 
「ただ1点会社から言われたのは、アルバムに挑むのはちょっと待ってくれと(笑)。一旦シングルか4曲ぐらいのものを出して様子を見ようよって言われましたね」
 
――(笑)世の中の反応を見てみようと。
 
「そう。ただ僕らの持ち味としてポップさがあるものをつくるのはすごく得意なので、そういう曲も織り交ぜながら4曲ぐらいのEPにするのは面白いなと思いました。アルバムはもっとストーリーとかを考えないと思うのでもう少し大変かな」
 
――確かにそうですね。今回の『FREAKS IN THE GARAGE – EP』は4曲入りとかなりコンパクトなので、ぜひROYさん自身にそれぞれの曲の制作エピソードをお話しいただけたらと思うのですが。
 
「はい、ぜひ」
 
――まず1曲目の「ROCKIN' FROM THE GRAVE」からお願いします。
 
「これはタイトル、歌詞も含めて今回のテーマであるガレージパンクを全面的に打ち出したものになっています。まずROCKIN' FROM THE GRAVEというのは、実はガレージパンクの超有名コンピレーションのBACK FROM THE GRAVEいうアルバムにリスペクトを込めてつけました。BACK FROM THE GRAVEは世の歴史に埋もれてしまっている素晴らしい音楽を掘り起こして収録するというコンセプトのコンピレーションなので、そこになぞらえています。あと、歌詞の中でも言っているように、ロックンロールが死んでいるというのは実際そうなのかな…と。でももしそうだとしたら、墓場から掘り起こして、ゾンビとしてでもいいからみんなで楽しもうぜと。あとは、まだロックンロールに感染していない人がいるとしたら、ゾンビにさせてでもみんなロックンロールに巻き込んでいこうという意味合いも込めています。まさに今回のテーマを表した曲です」
 
――ちなみにサウンド面に関してはどうでしょう?
 
「サウンド面に関しては遊び心というか、いろんなオマージュを散りばめたので…自分でも忘れちゃうぐらいの数のオマージュが入っています。イントロはリッチー・ヴァレンスの「Come On Let's Go」のリフから入って、ガレージパンクといえど90年代のパンクも経由しているということで3コードのロックンロールのブルース進行ではなくラモーンズのコード進行を使ったり。あとサビの裏でThe Trashmenの「Surfin' Bird」のコーラスをJIMがひたすら歌っていたり、ソロにはThe Sonicsを取り入れたり」
 
――散りばめ方がすごく細かいですね。
 
「細かいんですよ~。実はまだまだあります。メンバー全員で好きなことをやっただけですけど。このコード進行でメロディーのせるから、好きなのを弾いてって」
 
――それこそバンドを始めた頃の好きなことやろうぜ的な感じというか。
 
「そうそう、そうですね。でもバンドを始めた頃の方が、ガレージパンクとはこうだ!って頭でっかちだったかもしれないです。とにかく憧れに寄せていたというか」
 
――では、2曲目の「STAND!」は。
 
「はい、これはスタイルとしては60年代中期のサイケデリックを含んだガレージパンクのイメージです。それに近い音にしたかった。当時の若者の売れなかったロックンロールを一括りに言うと「ガレージパンク」なんですけど、それも実は細分化するとサーフ系、ストーンズみたいにリズム&ブルースを荒々しくパンクにやっているバンドもいれば、サイケデリックっぽくやっている人たちもいたし、フォーク調の人たちもいて。できればいろんな形のガレージパンクを表現したいなとは思っていた中から、この曲はいわゆるサイケデリックガレージをやりました」
 
――なるほど。
 
「今までは僕がつくった曲をみんなでセッションしていくことが多かったんですけど、今回はJIMが楽曲を持ってきて僕にメロディーをつけてくれないかって言ってくれて。それがすごくかっこいいリフと雰囲気を持っていたので、このままいけるなと。さらにJIMからの注文としては、思いっきり叫んでほしいって言われたんですよ」
 
――JIMさんの中ではある程度イメージしながらつくったんでしょうね。
 
「そうだと思います。シャウト多め+ミッド60sみたいなメロディーをつけて、セッションしながらつくっていきました」
 
――じゃあレコーディングまでに結構時間をかけているんですか?
 
「本来の制作で言うとそうなんですけど、今回はそこもあえて省いたというか。レコーディング前に1回みんなで集まって、個々にどういうことをしようとしているかを一応確認したぐらいですね。ソロでいきなりふたりが弾き始めたら大変なことになるので、そういった役割を確認したぐらいでした。その後はせーの! でやっていく感じでしたね」
 
――そうなんですね。では次、3曲目の「PINCH ME」をお願いします。
 
「この曲、実は前のアルバムの時点でできていたんです。この曲はどちらかというとオールディーズっぽい曲なので、『BLAST OFF!』にはハマらなかった。なので、いつかこういうルーツに戻った作品の時に使いたいと思っていました。楽曲としてはガレージパンクというより、ドゥーワップ。オールディーズのコーラスグループのようなサウンドを目指しました。当時のThe Sonicsにしろ、その頃そんな言葉はなかったから“自分達はガレージパンクだ!”なんて思いながら音楽をやっていた訳ではないだろうし、みんな流行っていたものや好きだったものを取り入れて音楽を楽しんでいただけだと思うんです。そういう好きなものをごちゃまぜでやっていたのが当時のリアルなガレージパンクの人たちかなと思っていたので、そういう意味でドゥーワップをここでやるのもリアリティがあるかなと思いました」
 
――年代にズレはないですしね。
 
「はい。ただ、コーラスグループっぽくするのではなくて、ガレージバンドがやることによってそういう曲もビンテージテイストになるから、違和感がないのかなと」
 
――確かにもっと正統派のドゥーワップ曲は、より“聞かせる”イメージを強く感じます。
 
「もっとコーラス色が強めですよね」
 
――では、最後に「BIP BOP BOOM」を!
 
「はい。これはカヴァーなんですけど、1958年にミッキー・ホークスという人が残したロックンロールナンバーです。彼は白人なのですが、リトル・リチャードのヒットの影響を受けてブラックロックンロールとして世の中に放ったのだと捉えています。でもこの時代、白人の歌手はカントリーのバックボーンが色濃く出ているので、リズム&ブルースをやっても黒人が奏でるそれとはどこか違っているんです。ちなみにですが、僕の中にカントリーの要素はないんですよ。9割方リズム&ブルースでできている。だからこそ、僕がやった方がブラックミュージックっぽくなって面白いかなと思いました」
 
――逆転の発想的というか。
 
「同じところを目指しているけど違うルーツのミッキーさんと僕がいて、ミッキーさんが持っているカントリー色をうまく抜けるとしたら、リズム&ブルースになるのかなと。で、やってみようと」
 
――そういうことにチャレンジできるのがカヴァーの面白さですよね。
 
「そうそう。とはいえバンドでガシャっとやっただけで、大きなアレンジはしていません。でもルーツが違うだけでこうなると。でも実はこのカヴァーには裏話があって…」
 
――裏話?
 
「この曲は「BIP BOP BOOM」ですけど、もう1曲「BIP BOP BOP」っていうリトル・リチャードの弟子みたいな人が残したロックンロールがあるんです。こっちは黒人の音楽で、当初「BIP BOP BOP」をカヴァーしようと思っていました。ただ好きだったので。でもレコーディング前日の夜に、大人の事情でカヴァーできないことが分かりまして」
 
――急!
 
「キツいですよね。ならば! と、同じ路線で面白い曲はないかなって考えたのが「BIP BOP BOOM」でした。これなら僕も歌える曲だったしメンバーも散々やってきたコードを使っているから、いけるかなって。で、レコーディング当日の朝に曲を変更します! って全員に連絡して、できちゃった」
 
――変更から実施まで半日ないってスゴい…。
 
「でも実際のガレージバンドってそんな感じなのかなと。今回は勢いを大切にするっていうレコーディングだったし、ハマりました」
 
 
 
とにかく聞いてほしいから無料配布したいほど!

 
――今、EPのリリースから数日ですが反応はどうですか?
 
「すっごくいいんですよ! 今回は僕らの曲を初めて聞くという人にも届けたいという思いがありました。どうしても今の時代、新人の勢いあるバンドの曲は届きやすい環境にあると思うんです。でも僕らは十年以上やってきた分、勢いとかではなくて…。僕らはひとりでも多くの方に音楽を届けてその人に感動してもらうということを、たくさんつなげていかないといけない。その上で本当にロックンロールが大好きな人たちが“動く”ということが一番重要なのかなと思うんです。それを踏まえて僕らが尊敬する先輩や友人に、発売前にEPを送らせてもらったら、その人たちの反応がすごく良くて」
 
――へー! それは素晴らしいですね。
 
「KING BROTHERSのケイゾウさんやマーヤさん、ガレージパンク系の先輩にも送ったし、実際MUMMIESにも今回は影響を受けたので、MUMMIESのラッセルにも送ることができて。もう、嬉しいですよね。そういう作品になったからこそ、今までTHE BAWDIESを聞いてこなかった人にも聞いてもらいたいという気持ちが強いんです」
 
――ガレージパンクをよく知る人たちにはすごく分かってもらえるし、知らない人にとってはすごく刺さる作品だなと思います。すごく全方位型ですね。
 
「そうだと嬉しいです。今、僕らこの作品を無料で配って歩きたいぐらいなんですよ」
 
――というと?
 
「それは会社が許さないけど、チラシのように配ってとにかく聞いてもらいたいんです。聞いてもらえたらあなたの何かが変わるから! って。そういう気持ちでいます」
 
――そういう気持ちになれるのもやりたいことがやりきれた結果だと思いますが、2022年これから向かう先の景色は見えてきましたか?
 
「これをやらせてもらってこれだけの反応をいただけたので、(スタッフに目線を送りつつ小さい声で)この感じのこの方向で……(超小声)アルバムを……つくりたいです……」
 
――スタッフのみなさんが苦笑いされていますが(笑)、本人たちはそういう道に向かいたいと。その状態で、もうすぐにツアーが始まりますね。
 
「うん、そうですね。少しでも近い距離で味わってもらいたいという作品ができたので、今のこのロックンロールモードになっているTHE BAWDIESはライブハウスが合うだろうということで各地の会場が決まりました。大阪はBIGCATで開催します。まぁテーマがガレージパンクなので、目の前でガシャガシャやりたいというか。だからセットリストもそれに合わせて、収録した4曲にロックンロール多めの曲を加えて展開する予定です。いつもの曲も今の僕らのモードでやるとかなり変わるだろうし聞こえ方も違うと思うので、その辺りも楽しんでもらいたいと思います」

取材・文/桃井麻依子



(2022年6月 6日更新)


Check

Release

メジャー1st EP
『FREAKS IN THE GARAGE - EP』

【完全生産盤(CD+DVD)】
発売中 3520円
VIZL-2059
GettingBetter

《収録曲》
1. ROCKIN'FROM THE GRAVE
2. STAND!
3. PINCH ME
4. BIP BOP BOOM

Streaming&DL
https://thebawdies.lnk.to/freaksinthegarage

Profile

ザ・ボゥディーズ=小学校からの同級生のROY、JIM、MARCYと高校からの同級生、TAXMANによって2004年に結成。唯一無二の圧倒的なボーカルを武器に、メンバーが敬愛するリトル・リチャード/レイ・チャールズに代表されるリズム&ブルース/ロックンロールのルーツを昇華した楽曲と熱いパフォーマンスが各地で噂を呼ぶ。2006年にインディーズでの活動をスタートさせた後、海外でのツアーも好評を博す。2009年LOVE PSYCHEDELICOのNAOKI(Gt)をプロデューサーに迎え、1stアルバム『THIS IS MY STORY』をリリースしメジャーデビューを果たした。以降、現在までにメジャーで8枚のオリジナルアルバムを発表している。音源のリリースと同様にライブにも力を入れている彼らは、ライブハウスやホールはもちろん、アリーナやフェスまであらゆる場所でパフォーマンスを披露。コロナ禍でツアーが中断を余儀なくされてしまった後、2021年秋にいち早く全国27カ所でのツアーを再開させたことでもファンを喜ばせた。

THE BAWDIES オフィシャルサイト
https://thebawdies.com/


Live

「FREAKS IN THE GARAGE TOUR」

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:213-876
▼6月11日(土)・12日(日) 18:00
BIGCAT
全自由-5800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可(小学生以上はチケット必要)。
※会場内ではマスクの着用をお願い致します。
※入場時、検温をさせて頂きます。
※こまめな手指消毒をお願いします。
※大きな声での歓声・私語はお控えください。
※終演後は規制退場を行いますのでご協力ください。
※コロナ追跡システムへのご登録をお願いする場合がございます。
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人4枚まで。
[問]サウンドクリエーター
■06-6357-4400

【岡山公演】
▼6月18日(土) CRAZYMAMA KINGDOM
【福岡公演】
▼6月19日(日) DRUM LOGOS
【東京公演】
▼6月25日(土)・26日(日) LIQUIDROOM
【愛知公演】
▼7月2日(土)・3日(日) ボトムライン

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