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「メンバー3人の関係性も今が一番良い!
再デビューして、止まらずに走っていきます!」
メジャー復帰第一弾となるニューアルバム『kolu_kokolu』を
リリース! 結成15周年イヤーを締め括る集大成ライブが
まもなく! LEGO BIG MORLインタビュー&動画コメント

昨年3月から15周年イヤーに突入! LEGO BIG MORLというバンドを一言で表現するのは難しいが、芯にあるロックな資質とポップなメロディーセンスや進化するトラックメイキング、あらゆるものを昇華するように澄んだ光沢を放つしなやかなボーカルに魅了される。また、非情な時代の荒波もさらりとかわしてしまう柔軟性とフットワークの軽さは15年のキャリアで培われた確かなバンドの土台があってこそ! 3月16日にリリースされた最新アルバムにしてメジャー復帰第一弾となる『kolu_kokolu』(コル・ココル)はフックの効いたアップチューンから心に刺さるバラードまで多様性と深みを増した渾身作となっている。今回は、15周年イヤーを締め括る地元大阪・なんばHatchのライブを前にバンドのフロントマン、カナタタケヒロ(vo&g)を直撃。15年の歩みを振り返ってもらいつつ、新作の制作背景、現在のバンドのモードについて訊いた。「自分たちがインディーを経てきたからこそ。メジャーというものをちゃんとわかった上で」という言葉も添えて、“再デビュー!”を明るく宣言するなど、今のバンドの好調さが存分に感じられるインタビューとなった。

“子供たちに歌ってもらえる曲にしたい”とか
一曲一曲にしっかりとテーマをもたせて具現化
 
 
――まずはじめに、結成から15年のバンド活動を振り返ってどんなことを感じていますか。
 
「正直、気づいたら15年やってきたんやっていう感覚ではあるんですけど。これまでメンバーそれぞれがすごいいろんな出来事があったので、その時々で、誰かのモチベーションが下がってても、誰かが引っ張ってくれるというような関係性をずっと保てたので…。だから止まらずにここまで来れたというのはありますね」
 
――15年の中で一番の転機となったのはどの作品だと思いますか?
 
「やっぱり明らかに変化したのは『NEW WORLD』(2014年作)ですよね。(タナカ)ヒロキが事故に遭って、(療養とリハビリで)スタジオに入れない状況の中、メンバーでは唯一、(ヤマモト)シンタロウがパソコンをめちゃめちゃ使えたので、Pro Toolsで音楽を作るという作業をどんどんレベルアップしていって。そういうやり方で曲が作れるんやというのを体感して、曲作りが変化してきましたね。スタジオセッションワークではなく、スタジオワークとして打ち込みで曲を作っていくいというやり方に」
 
――まさにピンチをチャンスに変えて、逞しく前進してきたんですね。
 
「そうですね。それまでは高いハードルを越えようとして、上ばかり見てたけど、ちゃんと足元を見るようになったというか。これがけっこう俺らの素の部分なのかもなぁ…みたいに、やりながら気づいていったところもありますね」
 
――では、3月16日リリースの最新作『kolu_kokolu』はどのように制作されたのですか?
 
「今作はシンタロウと僕が二人で合宿に行って、音作りをかっちり固めてからヒロキが歌詞を書いていくという流れですね。今やヒロキは合宿に来ないっていう(笑)。それがヒロキの考え方なんで。あまり余計なことを言って音楽性をぶれさせたくないっていう意図があるのかもしれないですね。なので、シンタロウと二人で思う存分やってきました。今はドラムも打ち込みで作るので、シンタロウの作業量が年々増えてるっていう状況になっています」
 
――曲作りはシンタロウさんとカナタさんが中心で、歌詞はその後にヒロキさんが書いていくというスタイルなんですね。
 
「ほとんどそうですね。たまに、僕がメロディー作るのに行き詰まってて何かヒント無いかな?とか、今みんなどんなこと考えてるのかなっていう時にヒロキに連絡するんです。歌う人間と歌詞を書く人間というのはやっぱりニコイチの密な関係で、ヒロキが今どう思ってるかっていうのが大事なので。彼が思っている方向性をヒントにしてます。『心とは~kolu_kokolu~』(M-4)もそうですけど、“心とはどこにあるの?”っていう1フレーズを元に作っていって。『ラブソングを聴いてしまった』(M-1)も、“ラブソングを聴いてしまった”っていうテーマがヒロキの中にあるんやっていうことが示された時に、僕はそこからハッとメロディーが閃いたりするんですよね。そういう感じで歌詞先の曲もちらほらあったりします」
 

 
――フックが効いたポップな遊び心もあれば、シリアスなメッセージ性を含んだ美しいバラードもあって、軽さと深みが共存しています。
 
「今作に関してはシンタロウが作ってくるトラックが半分ぐらい占めているので、そのイメージをメンバーで共有しました。この曲はこう聞かせたい!というところまで詰めてヒロキに投げたので。曲と歌詞との重なりが今までのアルバムよりも色濃くなっていると思います。それだけしっかり話し合って作れたアルバムです。例えば『タイムマシン』(M-10)だったら子供達に歌ってもらえるような曲にしたいとかね。そういう一曲一曲にしっかりテーマを持たせたうえでヒロキに歌詞を書いてもらいました。『分かつ』(M-9)やったら結婚式に合うようなものを目指したいなと思って…」
 
――それはウェディングソングをイメージしたということ?
 
「そう、そういうのをイメージして作ってますね」
 
――なるほどね。子供から大人まで、今まで以上に幅広い世代に届けたいという意識で?
 
「そうですね。今回はそこまで具現化しましたね。あんまりイメージ付けをし過ぎるとヒロキも書きにくいやろうなっていうのもちょっとあったけど。今回はメジャー(再)デビューのタイミングですし。ふわっとさせずに、ここはこう!と断言できるところまで決めて行こうっていう感じで、シンタロウと曲を作っていったんです。今回の初回盤にはインタビュー形式で各メンバーの語りが付いてます(※パーソナルロングインタビュー44P ブックレット付)。それも興味がある方はぜひ読んで欲しいです」
 
 
 
日常をテーマに、今じゃないと書けないものを意識
 
 
――リード曲でもある『心とは~kolu_kokolu~』はアルバムのタイトルともリンクしていて、一番軸となる一曲なのかなと感じました。コロナ禍になって、それまで当たり前にできていたことができなくなって。人と対面することもそうですが、お互いに距離ができることで、心と心の繋がりについて改めて考えて、その大切さを感じて作られたのかなと思いましたが、そのへんは?
 
「ああ、もちろんそれもリンクしてると思います。今、彼(ヒロキ)は“日常”というものをテーマにしているので。『愛を食べた』(M-8)もすごい日常の暮らしのエッセンスを含ませている。そういうものとちゃんと向き合って残していくというかね。今じゃないと書けないものを意識してると思います。だから、自問自答することもたくさんあって、矛盾に気づいたりして…。まぁ、あまり歌詞に関して、細かく会話することはあまりなんですけどね(笑)。だから、聴いた人それぞれが自由に受け取ってほしいし、それが全てという感覚なので」
 

 
――『心とは~kolu_kokolu~』のMVにもとても引き込まれました! ダンサーのパフォーマンスとメンバーの演奏が交差する構成で、意味深なドラマを感じる映像ですよね。バンドが込めたシリアスなメッセージが伝わってきます。
 
「うんうん、そうですね。だから、愛というものの表現のしかたにもいろいろあって、エグさ(汚さ)もあって綺麗が全てじゃないというかね…。だから、MVにもダンサーのパフォーマンスで首を締めるようなシーンも含まれてたりするんですけど…。愛というものをどう表現するのか…、殺したいぐらい好きとか…、それぐらいのものもあるよねっていうものも全て映像で表現したいなと思ったんです」
 
――人間というものは明るい面だけじゃなくて闇の部分もあるし、清濁併せ持つということが表現されているようにも思えます。それは他の曲にも感じましたが。毒のあるテーマや言葉にすると刺激的なことも、カナタさんが澄んだ声で歌うことで昇華されるように感じるんですが。ご自身で歌っていていかがですか?
 
「そうですね、うーん…、ヒロキも僕が歌うからこそ、という歌詞の書き方をするので。僕は何も考えずに歌ってるんですけどね。やっぱり僕のフィルターを通すことによって綺麗なものになるんだと思いますね。ヒロキが本人で歌うよりも。ヒロキが歌うと、ちょっと押し付けてしまうような感じになるのかな…? そんな話しをしたことはないんですけど。多分、ヒロキ自身もそう思ってるんじゃないですかね? だから歌詞のことも(僕に)説明したくないと思うんです。僕が自分なりの解釈で歌う方が聴いてくれる人たちに対して、幅広く受け取ってもらえるようなイメージなのかもしれないですね」

 
 
しっかりメンバーの顔が見える
人間味あふれた嘘の無いアルバムができた
 
 
――今作のレコーディングが終わったのはいつですか?
 
「年末ですね。12月30日ぐらいまでやってました」
 
――完成して、どんなアルバムに仕上がったと思っていますか?
 
「ああ、前作の『気配』は超えれたなと思います。毎回、アルバムが出るたびにそう思ってるんですけどね。今のLEGO BIG MORLというものをしっかり具現化できたなと思います! 『気配』でバンドの足場を固めて、今が一番メンバー3人の関係性も良いですし。そういう人間味あふれた嘘の無いアルバムができたなと思います。シンタロウも今作は、しっかりメンバーみんなの顔が見えるようなアルバムにしたいというテーマがあった上で曲作りをしてたんで」
 
――歌詞も結構ぶっちゃけてて、本音の部分を露にしているなと感じました。『Hello Stray Kitty』(M-2)で“良い子はもうやめにしたい 僕の本当を見せてもいい?”とか、『潔癖症』(M-3)で、“聖人を求めるなよ 正体はそうでもない”って歌ってますね。
 
「そのへんから、強がらなくてもいいみたいなニュアンスがどんどん入ってきたんですよね。“聖人を求めるなよ”って、“俺はこういう人間だよ”って言ってるのと一緒というか…。自分というものをもっともっと出していくっていうきっかけにもなっていると思うし、そうでありたいっていう意思表示がここにあるのかなと思いますね。うん。だから、広い世界ばかりを歌うんじゃなくて、半径30センチみたいな…、そういうところだけでいいっていうような、彼なりの引き算というものがあると思います。それは、自分たちが5年間ぐらいインディーでやってきたからこそだと思います。君だけは裏切らないというか、ここのファンだけは絶対失いたくない!っていう気持ちの現れだと思いますね」
 

 
――今作は再びメジャーに戻っての第一弾として、自信を持ってファンに届けたい!という一枚になったのでは?
 
「もちろんです! やっぱりメジャーをちゃんとわかった上で、この年になってようやくね(笑)。最初のデビューというのは本当にフラフラ~としてたんで(笑)。何が何やらようわからん状況でいろんな物事が進んでいったし…。ある程度大人になれたことで、ここで再デビューできるのはホントにチャンスやと思ってますね。これからまたやりたいことがいっぱい出てくると思います!」
 
――ファンやリスナーの皆さんの反応も楽しみですね!(※この取材はリリースの前日に行われた)
 
「そうですね! 店頭に並ぶわけですから、写真撮りに行って、自分のアルバムを一枚買ってきます!」
 
 
 
コロナ禍を乗り越えたら、ライブでまた大合唱したい!
 
 
――そして、なんばHatchで開催される15周年イヤーを締め括る集大成ライブが3月21日に迫っています!どんなライブになりますか。
 
「昨日も10時間ぐらいリハしてましたけど、いい感じっすよ! ぜひ期待してもらいたいなと。あとやっぱ15周年の締めくくりなので、今までの作品を振り返ったあの頃の曲というのも期待してもらえたらなと思ってますので。今までのアルバムだけじゃなくてシングルも! ぜんっぶ網羅して、聴いてきてください!」
 
――ちなみに会場のなんばHatchに対してどんな思いがありますか。
 
「僕自身もいろんなバンドを観に行った会場なので、すごい思い入れがありますね! あそこの音の鳴り方も照明もすごく好きなんですよ。以前、back numberと一緒にやりましたけど、なんばHatchでのワンマンは初めてなので。自分たちだけであの空間に立って成功させに行く!っていうすごいモチベーションが高い状態です。周年イベントって東京でやりがちなんですけど、今回は地元の大阪でやります。(コロナ禍で)こんな状況ですが、みんなが集まってくれて、楽しい時間を過ごせれたらなと思っています。我々の場合は(コロナ禍になってみんなが声を出せない代わりに作った)“鈴”という大ヒットグッズがありまして(笑)。そんなグッズを発想するのはベース(ヤマモトシンタロウ)なんですけどね(笑)。AB型の左利きはほんまにねぇ(笑)。それを一人一人が持って自分の気持ちを表現するという、ライブではそんな工夫をしたりしてます。ホンマは一緒に歌いたいんですけどね。コロナ禍を乗り越えたら、ライブでもまた大合唱したいですね。それに向けて頑張ります! LEGO BIG MORLは再デビューしたので。これからも止まらずに走っていきます!」

Text by エイミー野中



(2022年3月18日更新)


Check

Movie

Release

Album『kolu_kokolu』
発売中

【初回生産限定盤】(2CD)
5000円(税込)
CRCP-40637/38

【通常盤】(CD)
3300円(税込)
CRCP-40639

《初回・通常共通》
01. ラブソングを聴いてしまった
02. Hello Stray Kitty
03. 潔癖症 (Remastered version)
04. 心とは~kolu_kokolu~
05. Gradation~多様性の海~
06. 痛い春
07. アソビ
08. 愛を食べた(Remastered version)
09. 分かつ
10.タイムマシン

《初回盤のみ(ライブ音源)》
LEGO BIG MORL 15th Anniversary Tour 「十五輪」
at SHIBUYA CLUB QUATTRO

01. 取捨選択
02. 火のない所の煙が僕さ
03. ユリとカナリア
04. Call me
05. XXX(turkey)
06. 曖昧を愛そう
07. 溢れる
08. 傷
09. 気配
10. あなたがいればいいのに
11. 潔癖症
12. 天使くんと悪魔ちゃん
13. RAINBOW
14. HOW TO
15. 愛を食べた

Profile

レゴ・ビッグ・モール…ヤマモトシンタロウ(b)、カナタタケヒロ(vo & g)、タナカヒロキ(g)。2006年に4人編成で大阪にて活動を開始。2008年12月に1stシングル『Ray』をリリースし、翌2009年1月にリリースした1stフルアルバム『Quartette Parade』はオリコンデイリーチャート初登場10位を獲得。同年、SUMMER SONICや大型夏フェスイベントにも出演する。2013年2月、タナカヒロキが不慮の事故で右手首を骨折。療養とリハビリのため表立ったバンド活動は一時休止される。この期間、バンドの進化系となる新たなサウンドを追求して、LEGO BIG MORL第二章の始まりを告げる新曲が完成。翌2014年、約1年ぶりに始動して新曲『Wait?』を配信リリースしたのをはじめ、完全復活を遂げた。2019年9月にドラムのアサカワヒロが脱退して、現在の3人体制となる。2021年3月28日に結成15周年を迎え、15周年イヤーがスタート。同年、カナタがソロツアー『カナたび15th Anniversary Solo Live Tour 「十五輪」』を東名阪で実施。2022年、日本クラウンと契約し再メジャーデビューが決定。3月16日にメジャーデビュー復帰第一弾作品となるニューアルバム『kolu_kokolu』(コル・ココル)をリリース。3月21日(月・祝)に大阪なんばHatchで15周年イヤーを締め括る集大成ライブを開催する。

LEGO BIG MORL オフィシャルサイト
https://www.legobigmorl.jp/


Live

LEGO BIG MORL
15th anniversary SPECIAL LIVE
in なんば」

チケット発売中 Pコード:211-617
▼3月21日(月・祝) 17:30
なんばHatch
S席-5000円(ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。客席を含む会場内の映像・写真が公開されることがありますので予めご了承下さい。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

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