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「新しい変化を報告し合えるような、
一歩前に進んだ姿を見せ合えるライブになればいいな」      
メジャー1stアルバム『PALETTE』を携えて
『BLUE ROSE TOUR 2022』が開催!
eillインタビュー&動画コメント

ジャンルレスなトラックと芯のある歌声で心を掴むシンガー・ソングライターのeill。TVアニメ『東京リベンジャーズ』のエンディング曲として書き下ろされた『ここで息をして』で昨年4月にメジャーデビュー。その後も、フジ月9ドラマ『ナイト・ドクター』のオリジナルナンバー『hikari』、映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』の主題歌としてあの竹内まりやの楽曲をカバーした『プラスティック・ラブ』など、注目度の高いデジタル・シングルを続々と送り出してきた。さらに、満を侍して完成した待望のメジャー・1stアルバム『PALETTE』が2月2日にリリース! 今作はアルバムバージョンとなった先行シングル曲やリード曲『いけないbaby』をはじめとした新曲を含むフルボリュームで収録。R&B、K-POP、HIPHOP、ジャズ、ロックなど多彩な音楽性を昇華して、eillならではの切なくも力強いボーカリゼーションで魅了する。今回のインタビューではアルバムが完成するまでに抱いていた悩みや心境の変化など、等身大の思いを率直に打ち明けてくれた。楽曲の背景から垣間見える彼女の素顔から『BLUE ROSE TOUR 2022』への意気込みまでたっぷりどうぞ!

自分のことを初めて肯定してあげられたアルバム
 
 
――メジャー1stアルバム『PALETTE』が完成して、どんなことを実感していますか。
 
「すごくカラフルなアルバムになったなと思います。メジャーデビューしてシングルカットをしてきた曲は、一曲一曲のカラーが本当に違うので、“すごくジャンルレスな音楽だね”と、いろんな方におっしゃっていただきました。実はそれでちょっと悩んだ時期もありました。器用貧乏なのかな? 私の一色ってなんだろう? eillらしさってなんだろう?って…。でも、いろんな色があるのが私だし、それが自分の強みなのかなと思って。自分のことを初めて肯定してあげられたアルバムになりました」
 
――完成することで一つ自信を得られたのですね。
 
「そうですね。何も怖くないなって思えるようになりました!」
 
――フルアルバムだけあって聴きどころがたくさんある中で、『いけないbaby』をリード曲にしようと思ったワケは?
 
「自分がこれからどんな曲を歌っていきたいのか、それがみんなに伝わるようにこの曲をリード曲にしました。元々、人生を切り開いていく系の曲が多くて、ラブソングがすごく少なかったので。2022年のeillは“恋の歌を歌っていくんだよ!”と宣言ができたらいいなと思って」
 
――eillさんの歌声やメロディーも含めて、とても切なく胸に響いてくる楽曲ですね。こういう感情はどこからくるのかなって。
 
「基本的に自分の経験したことや、友達に聞いた恋の話とか、いろんな感情を元にしてて。自分の恋を振り返ったり、周りの友達の恋の話を聞いたりしているうちに、それって、“いけないbaby”じゃんって思ったんです。冒頭の1フレーズ、5行ぐらいまでは2020年頃にデモとして作っていて。それを改めて2022年バージョンで作ったという感じです」
 
――“いけない”というワードは、不思議と人を惹きつけますよね。eillさん自身はどういうことを思い描いて作ったのですか?
 
「聴いた人それぞれが心にずっと残ってる人とか、寒い帰り道に会いたい人を思い浮かべながら聞いて欲しいな。23歳になって、友達とご飯に行ったりした時に恋愛の話をよくするようになったんです。今まであんまりそういう話をすることはなかったんですけど…。今、恋人がいたとしても、“実は前の人の方が好きだった”とか。心に残っている誰かの話をすることがすごく増えてきて…。自分にとってそういう人って誰だろう?とか、自分の恋はどうなんだろう?って、すごく考えさせられたんです」
 
――歌詞の中で特に大事にしたことは?
 
「聞いている人の背中を押してあげられるように、救いをちゃんと残したいなと思いました。例えば、“友達を好きになっちゃった…。今までの関係が崩れちゃうのは怖いけど、その気持ちを伝えたい”っていう手紙をファンの方にいただいたりするんです。葛藤しつつも最後に自分の思いを伝えられる人もいれば、伝えられない人もいるなと。でも、“あなたが好きになることを私は肯定するよ”って、言ってあげたいなと思ってこの歌詞を書きました」
 
――なるほどね。今現在そんな苦しい状況にいる人はもちろん、恋することからちょっと遠ざかってる人の記憶を呼び覚まして胸にズキンとくるような曲ですね。
 
「うん、そうだったらいいな」
 
 
 
今までで一番やりたいことができて、
私らしい私になれている
 
 
――このアルバムには『ここで息をして』『hikari』といった先行シングル曲も収録されていますが、半分は新曲ですね。昨年、インタビューした時にアルバムの制作をしていることにもちょっと触れていて、“HIPHOP色が強い曲もある”というお話しをされていましたが、それは『ただのギャル』(M-8)ですか?
 
「そうですね。その時話してたのは『ただのギャル』のことだと思います。この曲はトラップでタイトルもヤバいし(笑)。ボーカルにここまでガッツリ、オートチューンをかけるのは初めてなんです。このアルバムはすごく自由に作らせてもらったので。今までで一番やりたいことができて、私らしい私になれている作品になったんじゃないかな」
 
――ちなみに、この曲ができたきっかけは?
 
「これは、まだクラブとかで歌っていた二十歳ぐらいの時にできた曲です。ライブで歌った後、楽屋でいかついお兄ちゃんたちに、“そんなにギャルっぽいのに、自分で曲を書いているの? マジで?”って言われて(笑)。その頃、私の髪の毛はピンクで、衣装もすごくギャルっぽかったんですけど。そんなこと言われて、すごくムカついて(笑)。ただのギャルだと思って舐めんなよ!って、この曲を書きました」
 
――あーなるほどね! だからちょっとタフな感じの楽曲になっているんですね。『honey-cage』もこれまでのシングル曲にはない、アルバムならではの濃い目のナンバーですね?
 
「割とシンプルだけどビートがしっかり効いているR&Bナンバーになったかな。個人的にはK-POPを意識して作った曲です」
 
――アルバムタイトル曲『palette』(M-4)はどのような思いを込めて作りましたか?
 
「アルバムで伝えたいことを詰め込んだ曲になりました。実はアルバムのタイトルは最初から考えていたものではなくて、レコーディングが残り1ヶ月になった時、“PALETTE”にするゾ!ってやっと決めたんです。パレットっていろんな色がのるもので、いろんな色の曲が出来たけど、私の中で必要不可欠な二色と思える曲が無いことに気づいて。新たに2曲増やさせてもらったんです。それが『letter』(M-11)と『palette』です。『palette』は最後にレコーディングしながら歌詞を書いていました…」
 
――それは大変な作業でしたね。
 
「そうですね。でもすごく楽しかったんです。今の自分が一番表現したいことや伝えたいことを、重たくならないように本当に明るい言葉を乗せていくような感覚でハッピーに書けて、スタジオでも大爆笑していましたね(笑)」
 
――その中でも特にeillさんがお気に入りのフレーズというのは?
 
「“毎秒ごとにね 好きな色が変わっていく ねぇやっと気づいたの 欲張りに生きてたこと”って始まって、“やめられない”って歌ってます(笑)。それが、まさに私の人生そのものっていうか…。だからこそ、(自分の)音楽にもいろんな色があるのかなって。それでやめられないなら、もうそれで良いんだ!って、すごく自分を肯定してあげられた歌詞だなって思います」
 
――それは今回のインタビューでeillさんが最初に話していた言葉に繋がりますね。
 
「そうですね。これまでジャンルレスに音楽を作ってきたっていうのは、自分の性格がもともとそうだったからなんだなって。改めて思いましたね」
 
――パレットっていろんな色をのせて使うものですけど、その色というのは感情や想い(思い)だったりするのかなって。
 
「そうですね。一曲一曲、一色一色、全然違う感情が乗っかっているけど、軸は一つなんです。『いけないbaby』でも『ただのギャル』でも、自分が歌を歌っていく上でずっと大事にしていることは、“自分の人生の主人公は自分だ”、“自分自身で何もかも変えられるんだよ、だってあなたの人生なんだから”というメッセージはずっと変わらない。一曲一曲にちゃんとその思いを込めていて、最終的にはそこが着地点になるような歌詞を書いているつもりです」

 
 
ツアータイトル“BLUE ROSE”に込めた
青い薔薇の花言葉=夢を叶える
 
 
――アルバムに収録されている『片っぽ』(M-10)はアコースティックバージョンになっていて、ピアノの弾き語りですね。
 
「自分の部屋で曲を作っている感じが伝わればいいなと思って。私がピアノを弾いて、デモの感じを再現しています」
 
――『letter...』はアコースティックギターのみでシンプルなアレンジが印象的です。
 
「これはすごく言葉を伝えたくて。ファンの方からお手紙をよくいただくので、そのお手紙にお返事をするような感覚と、いつも支えてくれている大切な方達に向けた手紙みたいな感じで書きました。シンプルに言葉が伝わるようにギターと私だけで録りました。もう4年ぐらいずっと弾いてもらっているギタリストなんです。今回のアルバムでは、一緒に作ってくれている息も今まで以上に合うようになって。一緒に過ごしてきた時間と絆がちゃんと一曲一曲の音の中に刻み込まれているなと思います。それが、この『letter...』にも反映されていると思います」
 
――こういう生っぽさを感じさせる曲は、ライブでもぜひ聴いてみたいですね。
 
「そうですね。ライブで歌ったら泣いちゃいそう…うふふふ。次のツアーでもきっと歌うと思います」
 
――いろんなタイプの曲が入っているなかで、『HARU』(M-12)はとても軽やかな風を感じさせてくれる一曲ですね。コロナ禍でしんどい空気が続いていて、まだ寒いし、早く春がきてほしいと思っている時期に聞くとホッとします。
 
「良かったです。この曲は2019年頃に北海道で作った曲が元になっているんです。当時、リハと本番前の空き時間にスタジオに入って、3曲作ったうちの一曲です。たとえどんな季節でも、自分が春と感じた季節や、自分が何か始めた時を春と呼ぼうという曲。そんな感じでルンルンと、アレンジも歌詞もすごく楽しく書きました!」
 
――このアルバムはどんなふうに聴いてほしいですか?
 
「全曲、自分で色は決めているんですけど。それを限定したく無いので、聴いてくれる人が思い思いに決めてくれればいいなと。本当にいろんな曲があるので、どれか一曲でも、聴いてくださる方の心に寄り添える曲があるんじゃないかなと。そんな曲になればいいなと思って心を込めて作ったので、お気に入りの曲を教えてくださると嬉しいです!」
 
――ちなみに、アルバムジャケットはインディゴブルーのような素敵な色合いですが、今回のツアータイトル『BLUE ROSE TOUR 2022』にも、“BLUE”が入ってますね。
 
「ジャケットの写真は私の手のネイルがいろんな色になっていて、それがパレットを表現しています。ツアータイトルにつけた“BLUE ROSE(青い薔薇)”の花言葉は、“不可能を可能にする“とか、“夢を叶える”という意味があるんです。いろんな色を持ってる私だけど、“今はすごく青の気分…”で、青っていう色が自分をもっと強くしてくれる、自分の夢を叶えてくれるんじゃないかと。そんな意味を込めて青いジャケットになっています。2019年にも『BLUE ROSE TOUR 』というタイトルでツアーをしているのですが、3年経って少し大きなキャパで同じ東名阪をできることがすごく嬉しいです!」
 

 
1月からダンスのレッスンを始めて
めっちゃ練習しています!
 
 
――どんなステージになりそうですか?
 
「アコースティックゾーンもあれば、ちょっと激しめの『ただのギャル』を歌うゾーンもあったりして、いろんな面が観れるホントにカラフルなライブになるのかなと思っています。アルバムの新曲はもちろん、今まで歌ってきた曲も、また新しいアルバムを作ったeillとして届けられたらなと」
 
――バラードからダンサブルな曲まで振り幅が大きくて、アルバム同様に見どころ盛りだくさんな展開になりそうですね!
 
「そうですね。実は1月からダンスのレッスンを始めたんです。まだアップとダウンで、初歩的な段階ですが(笑)。めっちゃ練習しています! ちょっとだけダンスをかじったeillを垣間見れて、いろんな色を楽しんでもらえるライブになると思います!」
 
――コロナ禍でのライブはどんなふうに感じていますか?
 
「今は客席から声を出せないのですが、みんなの熱量が伝わらないと思ったことは一度も無いですね。ステージの方を向いて、みんなが目で訴えてくるのがわかるんですよ! 前回のツアーに来てくれた方もいらっしゃると思いますし、今回が初めてという方もいらっしゃると思います。(“BLUE ROSE”の花言葉は“夢を叶える”ということで)“私の夢を叶えるツアー”みたいに思われるかもしれませんが、そうじゃなくて、来てくれる人たちがツアーにくるたびに、何か新しい変化を、お互いに報告し合えるような。“髪を切ったよ”とか、“明日試験があるけどライブに来るために頑張ったよ”とか、なんでもいいので、お互いが素敵な形で一歩前に進んだ姿を見せ合えるライブになればいいなと思っています。そう思ってこのタイトルをつけました。みなさんがどんなことを持ってきてくれるのか、すごく楽しみです!」

Text by エイミー野中



(2022年2月 9日更新)


Check

Movie

Release

Major 1st Album『PALETTE』
発売中

【CD+Blu-ray】
4500円(税込) PCCA.06105
【CD】
3300円(税込) PCCA.06106

《収録曲》
01. いけない baby
02. ここで息をして
03. 23
04. palette
05. hikari
06. 花のように
07. プラスティック・ラブ
08. ただのギャル
09. honey-cage
10. 片っぽ – Acoustic Version
11. letter…
12. HARU
13. ここで息をして – Extended Version
※パッケージにのみ収録

《Blu-ray 収録内容》
eill Live Tour2021「ここで息をして」追加公演@Zepp Diver City

Profile

東京出身。ブラックミュージックを下地にした音楽性と、甘さ/切なさ/艶感/力強さが共存した歌声で魅了するシンガーソングライター。15歳から歌い始め、同時にPCで作曲も開始。2021年4月にTVアニメ『東京リベンジャーズ』のED主題歌に起用された「ここで息をして」でメジャーデビュー。2022年2月2日には、「アクエリアス」のTVCMソングに起用されたタイトル楽曲「palette」などの大型タイアップ楽曲が多数収録されたメジャー 1st ALBUMとなる「PALETTE」をリリース。東名阪で開催される『BLUE ROSE TOUR 2022』が2月6日からスタートしている。さらに2022年3月にはジャニーズWESTの8枚目のフルアルバム『Mixed Juice』に「ブルームーン」を楽曲提供も決定している。

eill オフィシャルサイト
https://eill.info/


Live

BLUE ROSE TOUR2022

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:207-243
▼2月11日(金・祝) 17:30
なんばHatch
全席指定-6050円(ドリンク代別途要)
※販売期間中はインターネットでのみ販売。1人4枚まで。チケットの発券は2/9(水)朝10:00以降となります。
※未就学児のみでの入場不可。4歳以上はチケット必要。
※客席を含む会場の映像・写真が公開されることがあります。予めご理解の上、ご来場ください。
[問]サウンドクリエーター
■06-6357-4400

【愛知公演】
▼2月12日(土) 18:00
ダイアモンドホール

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