「一回観てくれたら、絶対にハマらせる自信があります!
この日だけのライブを、ぜひ目撃しに来てください!」
初のフルアルバム『HAKKIYOI!!!!!』を携えワンマンライブを開催!
Runny Noizeインタビュー&動画コメント
一瞬で世界を変える! パワフルで即効性あるメロコア/ポップパンクを世に放つRunny Noize(ラニーノイズ)。お笑いコンビ、ラニーノーズの洲崎貴郁と山田健人が芸人となる以前から本格的に活動している4人組のバンドである。2008年に結成し、2013年から現メンバーとなった彼らが、4枚目のアルバムにして、ついに完成させた初のフルアルバム『HAKKIYOI!!!!!』を12月1日にリリースした。初タッグとなる亀田誠治がサウンドプロデュースする4曲を含む全15曲は、長引くコロナ禍で溜まりに溜まったストレスやネガティヴな気分をイッキに発散させてくれる。今回はメンバー全員にこのアルバムの制作秘話や完成後の心境、そして目前に迫るなんばHatchでのワンマンライブについて聞いた。パンキッシュでユーモラスな楽曲が自在に飛び出してくるアルバム同様に、バンドに懸ける真剣な眼差しと笑いが共存! 4人でわちゃわちゃ楽しいぶっちゃけトークを繰り広げてくれた。
新旧一体のセットリストみたいな
この一枚で聴けるワンマンライブのイメージで構成
――全15曲入りというボリュームのフルアルバム『HAKKIYOI!!!!!』がリリースされました。これまで3枚のミニアルバムを経て、ようやくフルアルバムを完成させた心境から聞かせてください!
山田健人(Vo/Gt. 以下、山田)「ようやくできた達成感とか安心感というのは今まで一番デカいですね。今作のリリースが決まってから、コロナ禍でスケジュールが変わったりしたので、制作期間が今までで一番長かったんですよね」
児玉とみー優也(Dr. 以下、児玉)「完成するまで1年半ぐらいかかりました」
洲崎貴郁(Vo/Gt. 以下、洲崎)「初めて聴く方にも、これでラニーノイズを知っていただける名刺替わりの一枚になっています! プロデューサーとして亀田誠治さんというビッグネームにご協力していただきまして。亀田さんと制作したのは4曲なんですが、僕らだけで作った曲も含めて、たっぷりと楽しんでいただけるラインナップになっていると思います!」
フクシマテツヤ(Ba. 以下、フクシマ)「新旧一体のラニーノイズのセットリストというか、アルバム全体として起承転結がある構成になっているので、この一枚で聴けるワンマンライブみたいなイメージですね」
――確かにそうですよね。この曲順のままでライブのセットリストになりそうです。
フクシマ「はい! スーパーセットリストです!」
洲崎「曲順はみんなで相談して決めました」
“外国にも発信していきたい!”という想いを込めて
相撲をモチーフにインパクトがある作品に
児玉「今までは曲ができたらすぐにレコーディングという状態だったんですが。今回はコロナ禍で制作が長引いたので、結果的に演奏面も楽曲としても、やりたいことが全部盛り込めたんじゃないかな。CDのアートワークも全て自分たちで考え抜いて作り込んだ一枚になっていると思います!例えば、僕がブックレットのイラストを描いていたり、メンバーのプライベートな写真を入れたりしてます」
山田「初回限定版の箱(中にCDとTシャツ入り)のデザインも僕らで話し合ってこういう形になりました。この箱はティッシュケースとしても使えますが、紙相撲として遊べるようにもなっています(笑)」
――へー、サステナブルで無駄なく使えて良いですね! そういった面も含めて、ラニーノイズならではの遊び心も感じさせつつ、楽曲もシリアスかつユーモラスな曲が存分に詰め込まれてます。ちなみに、ジャケットをはじめ、相撲がモチーフとなっているようですが、このアイデアは誰から?
洲崎「今までのアルバムもそうだけど、ジャケットの絵は山田のお兄ちゃんが描いてくれてるんです」
山田「今までのジャケットは過去に描いていた作品(絵)から良いなと思うものを使わせてもらってたんですが、今回は、このアルバムのために新しく描いてもらいました。この絵自体にすごく力があるし、実はアルバムの曲が出来るより先にジャケットの絵を描いてもらったんですよ。僕も最初は、なんで、相撲の絵なんやろう?と思ったんですけど…。お兄ちゃんは映画の撮影現場で働いてまして、1年以上、相撲を題材にした映画の制作現場に関わっていたからかも…。僕たち英語で歌ってる曲も多いし、外国にも発信していきたいと思っているので、日本の国技の相撲をモチーフしていたらインパクトがあって良いかなと思ったんです」
――なるほど! そういう流れから一曲目の『Yobidashi(Ushers)』に相撲の“呼び出し”のような和太鼓の音を入れたんですか?
山田「実はそれもお兄ちゃんが、“入れてみたら?”って提案してくれたので。確かに面白いかもなっていうことで、ギリギリで決めました」
児玉「そのために和太鼓もレンタルして、なんとか1stテイクでやりましたけど。実際、ホンマの“呼び出し”とはまったく違うので、怒られると思いますが(笑)。そこは雰囲気で楽しんで欲しいですね」
音を削ぎ落とす亀田イズムを継承
詰め込み過ぎずシンプルで格好良くなった
――亀田誠治氏をサウンドプロデューサーに迎えて制作された4曲はどのように決めたのですか?
フクシマ「この3人(山田、洲崎、フクシマ)で、事前に3曲ずつ新曲を書いたんですけど。亀田さんがラニーノイズのことを色々調べて考えて下さって、ラニーノイズにとって今後必要になってくるのはこういう曲だろうということでこの4曲を選んでくださったんです」
――亀田さんが携わることで、ここが進化したと実感しているところはありますか?
フクシマ「今までの僕たちは基本的にみんなで同じコードを弾いて厚みを増すスタイルだったんですけど、亀田さんは各メンバーが違う演奏をして、一つの音楽にしていくというやり方でした。それぞれの役割があってそれが全部、一曲の中に巧み組み込まれているんです」
山田「僕らは音の隙間があったら、そこに何か入れて埋めようとしていたところがあったけど、亀田さんは必要以上に音を詰め込まずに、削って行ってシンンプルにするんです。そこは新鮮でしたね」
――楽曲もより洗練されて説得力が増したのでは?
洲崎「そうですね。削ぎ落として、シンプルに格好よくしてくれましたね。ホンマ勉強になりました!」
山田「その4曲ができてから、今回の新曲を作ったんですけど、音を詰め込み過ぎてしまう自分たちのクセに気がついて。意識して削るようになりましたね。そこは亀田イズムを継承しています!」
――フクシマさんは元々亀田さんの大ファンだったんですよね?
フクシマ「はい。最初のきっかけは東京事変なんです。亀田さんはベーシストなので、(自分が)ベースを始めた時から亀田さんが弾いている曲を全部コピーしてました」
山田「だから、ラニーノイズには元々亀田イズムがあったんですね。今回亀田さんにアレンジしていただいた時も、この感じなんか知ってるぞ!って思ったんですよ。(フクシマ)テツヤが影響を受けてたから、元々そういう要素はあったんやなと」
――フクシマさんが10代の頃からファンだった亀田さんと、ここで繋がったんですね。
フクシマ「ほんまに! メチャクチャ嬉しかったですね」
『Days』はコロナ禍だからできた一曲
日本語の歌詞を入れて発散できるように
――ところで、歌詞の面でのこだわりや新たな試みはありますか?
山田「基本的に僕の歌はその時の境遇とかその時思ってることを書いているんですけど、今回、『I fell in love with a ZOMBIE~俺はゾンビに恋をした~』(M-4)に関しては、こんなゾンビ映画があったら面白そうやなと思って、物語仕立てで作りました。そこは新しい試みでしたね」
――遊び心満載な一曲ですが、ライブでどんなパフォーマンスするのかな?って興味がわいてきます!
山田「うん、色々遊べるかなと。ライブでも楽しみにしていただきたいですね(笑)」
――そんな曲があるかと思えば、コロナ禍で溜まりに溜まったストレスを吐き出させてくれるような曲もありますね!
洲崎「『Days』(M-3)がまさにそうですね。みんな色々溜まってることがあるやろうなと。サビで日本語の歌詞をあえて入れて、そこで発散できるように表現しました。これはコロナ禍やからできた曲ですね」
――なるほどね。この曲はイントロからベースが攻めてますね。
フクシマ「はい! フルチョッパーですね。僕らしいプレイスタイルで行こうと思ってやりました!」
――フクシマさんが書いた『Star Betray』(M-8)も熱いメッセージ性を感じますが、この曲ができた背景とは?
フクシマ「僕の書く歌詞は基本的にめちゃめちゃネガティヴなんですけど…、人生、どれだけ苦しい思いをしていかなければいけないんだっていうことをよく書いてます。これは自分の人生観がベースにあって…、僕、ほんまはX JAPANみたいなバンドでギターヒーローやってるはずやったんですよ(一同笑)。それがいつの間にかベーシストになってて(笑)。元々ハードロックをやろうと思ってたのが、ジャズやったりファンクやったりメロコアやったりして全然違うことやってるので…。この歌詞で引用してるのは『ピノキオ』で、神様にお願いしたら人間になれるっていうストーリーをモチーフにしつつ、絶対そんなことなれへん、自分でなんとか頑張った結果、自分らしく居る場所に辿り着いているんだよっていう曲なんです。(サビで、“Because I try again How much can take=今度は自分の力でやってみたいんだ”と歌っているように、)そこは一番大事なところですね」
――この曲は疾走感抜群で、特にサビが爽快ですね。あのハイトーンの声は洲崎さんですか?
洲崎「はい! めっちゃ高いですね!」
――この曲も亀田さんがアレンジしていますね。
フクシマ「当初、僕がめちゃくちゃ長いイントロをつけてたんですけど、バッサリカットされました(苦笑)」
山田「それは、“X JAPANはもう忘れなさい!”っていう意味やね(笑)」
歌っているメンバーに合わせて変えた
『音の鳴る方へ』の歌詞に注目!
――『音の鳴る方へ』(M-13)は前向きな気持ちにさせてくれる一曲です。
山田「そうですね、自分のこと歌ってる曲は最終的に前向きな形になっていく歌が多いですね。今の納得出来へん部分とかを歌ってますね。(※ここでフクシマに「かっこつけてるやん。ちゃんと答え~や!」と促されて…)いつもメロディーが先にできて歌詞を書くのが最後になるんですけど、今回は亀田さんにプロデュースしていただいたので、歌詞つける時にハードルも上がってるなと思って…。実は、どんな歌詞にしようかと…、なかなか思いつかなかったんですよ。でもリアルが大事だなと思ったんで、それをそのまま歌詞にしたら、“言葉の一つ一つをまだ掴めなくて”になったんです。まー、歌詞がなかなか思いつかへんというのを、カッコよく書いたっていうことですね(笑)」
児玉「(それを知って)“涙返せ!”って言ってるファンの方もいましたけどね。歌詞に感動したのに、実際は内容ペラペラやないかと(一同爆笑)」
山田「ペラペラかどうかは分からへんけどな。『音の鳴る方へ』は亀田さんが携わってくれた全てを歌にした感じで。亀田さんとラニーノイズの化学反応の結果、このサビになったって感じですね」
フクシマ「本音で言えば、“歌詞、全然出てこない~曲は良いのに~”っていうことですね(笑)」
――でも、“音の鳴る方へ”という言葉はライブのある場所を指しているようにも思えますし、曲調も疾走感があって良いですね!
山田「あ、そうですね。僕、芸人の部分で納得がいってへんことをバンドの曲にして歌ってることが多いので。その気持ちを歌にしてます」
フクシマ「この曲の歌詞に関しては亀田さんからもオーダーがあったんですよ。この曲のサビは(山田、洲崎、フクシマが)一人ずつ歌っているので、歌っているメンバーのことも考えて書いてみたらって」
山田「そうなんです。最初は全部同じ歌詞だったんですけど、それを歌ってる人に合わせて変えました。亀田さんから“メンバーに合わせて変えてみたら?”って提案されたので。だからテツヤが歌ってるところは、“~重なり合うこのメロディに打ち震えて 認めさせるから ここにいるから”にしました。テツヤはよくそういう思いを歌にしているので。この歌詞にして泣きそうになったらしいですよ(笑)」
フクシマ「震えたなぁ~、震えた」
――なるほどね。そこはライブでも聞き逃せないですね!
山田「そうですね」
洲崎「(山田が)歌ってる人のことを考えて書いたって、チョイチョイ言うんですけど、全然当てはまらないんですよ(一同爆笑)」
山田「そんなことないよ(笑)」
洲崎「俺が歌ってるところは? (一番の歌詞で)“今届けるから、叶えるから~”っていう…」
山田「だって、“叶えるから届けたい”と思ってるやろ? こいつミッキー(マウス)になりたいみたいなところあるんですよ。(洲崎は)全人類に好かれたいみたいな欲張りなやつなんで。(洲崎に向かって)夢を叶えたいと思ってるでしょ?」
洲崎「それは全員そう思ってるよ! 児玉が歌ってもいいやん(笑)」
初めて家族の曲を作りたいと思って作った
『The Name』
――『The Name』(M-14)は洲崎さんがお子さんのことを歌った曲だそうですね。
洲崎「これは完全に(自分の)家族に向けて作った曲ですね。今までは曲が先で歌詞は後から書いてたんですけど、これは初めて家族の曲を作りたいなと思って作り出した曲ですね。子供が産まれてから、絶対に子供に向けて歌を作ろう!って決めてたんです。ベタですけど改めて子供のことが大事だなと実感したので」
――普遍性もあるような気がします。お子さん=キッズに向けた歌として。
洲崎「確かに、個人的な歌を作ったけど、みんなにも当てはまるように意識して書きました。お父さんお母さんを含めて家族の歌として聴けるように」
――そんなハートウォーミングな曲『The Name』で終わらずに、ピー音が頻発する問題作『Thank you』(M-15)をあえてラストに入れたワケは?
フクシマ「僕が提案したんです。基本的に、(Runny Noizeは)その場を良い感じにしてそれをぶっ壊して終わるというのが多いから。『The Name』で終わるのはらしくないなと思って」
山田「これは10年前からある曲で、自主制作でタダで配ってたCDに入れてたんです。ほんまは“Fuck you”という曲なんですけど。制作サイドが自主規制して、“Thank you”になりました(一同笑)」
洲崎「あとからピーを入れられたんです。全部完成してからこうなりました」
山田「ライブではピー無しで聴けるんで。そこはライブに来て楽しんでください(笑)」
今回のライブは初めて演出にも凝っているのでお楽しみに!
――では最後に、12月28日に開催されるワンマンライブ『HAKKIYOI!!!!!なんばハッチッチであっちっちライブ』はどんなステージになりますか?
山田「僕らみたいなバンドって、今まで演出とか全くしてこなかったんですけど。今回はなんばハッチということで演出にも凝ってる部分があるので、そこも楽しみにしてもらいたいなと思います!」
フクシマ「今回初めてやることもあるし、今までよりは凝ってると思います」
児玉「今までなかったことでいえば、生ドラムの音だけじゃなくて、効果音を鳴らす機材を取り入れたりしてますので、そういうところも楽しんでもらえたらと」
洲崎「僕たちのお客さんの中には“ライブハウスに行くのが怖い”っていう人がいまだにいらっしゃるので。ライブの後に、行けばよかったなと思う人もいるみたいなんです。とにかく、一回観てくれたら、絶対にハマらせる自信があります! マジで一度来て欲しい! まだ僕らのことを知らない人にも届けたいんで。叶えたいんで(笑)(←『音の鳴る方へ』の歌詞につなげて再度アピール!)」
山田「芸人がやってるバンドっていうことで、コミックバンドなのかなとか、勘違いされてる人もいるかもしれませんが。一度ライブを観てもらったら、本格的にやっているのがわかってもらえると思うので。ほんまに音楽好きな人にも来て欲しいですし、メンバー同士で喋って楽しい空気感でやってたりもするので、お笑いが好きな人にも観て欲しいですし、もちろん相撲好きな人にも観て欲しいなって思います(笑)」
――今作のCDにはメンバーが相撲の格好をした写真も入ってますが(笑)。
洲崎「相撲は取らないです(笑)」
山田「会場には椅子席があるので、(相撲の話題に掛けて)座布団持ってきていただいてもいいですし(笑)。今回のライブは生配信はしないので、ぜひ会場に足を運んで、この日だけのライブを、ぜひ目撃しに来てください! 僕たちは予定調和のライブにはならないので」
Text by エイミー野中
(2021年12月24日更新)
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