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「この作品はまるで千陽ちゃん(Gt./Vo.)の人生だと思った」
恋愛、生きること、居場所となったバンドの存在も歌う
nolalaの3人が見つけた新たな未来へ続く道

「私の居場所は音楽のあるこの場所だ」。この一文は、この12月にリリースとなった京都発のツインボーカル・3ピースバンド、nolalaの1st EP『sequence』のCDの帯やマスコミ向けの資料にもデカデカと印刷されている。2019年、nolalaの曲を手がける千陽(Gt./Vo.)が何気なくTwitterでつぶやいた「私は別れた彼氏を全員曲にするタイプです」というツイートとそこに貼り付けられていた「グッバイライアー」の20秒のMVが突如バズるという、この時代ならではの注目のされ方をした彼女たち。その後、紆余曲折を経てバンド活動を辞めると決意したタイミングで、今の所属事務所から声がかかり、nolalaとして活動を継続。そして今回1st EP『sequence』をリリースするという軌跡を描くこととなった。ツイートの件もあり、恋愛に関する面にフォーカスが当たってきたnolalaが今、連続・順序という意味を持つ『sequence』というタイトルのEPをリリースし、「私の居場所は音楽のあるこの場所だ」と宣言するに至ったのか。3人のこれまでの歩みや『sequence』の制作にまつわるインタビューから感じてもらえたらと思う。


とにかく売れたいという思いでやってきた

 
――今日はリリースされたEPのお話を伺いつつ、初めてぴあ関西版WEBにご登場いただくという機会でもあるので自己紹介と、音楽を聴く側から演奏する側になったきっかけを聞くところから始められたらと思っています。
 
3人:よろしくお願いします!
 
美寿々:ベース・ボーカルの美寿々です。小さい時から歌うことが好きで、浜崎あゆみさんに憧れてシンガーになりたいと思っていました。その後、高校の頃先輩に歌が上手い子がいるよって紹介してもらったのがきっかけで文化祭のバンドにボーカルで参加して、その流れで大学でも軽音楽部に入って本格的にバンドを始めました。
 
千陽:ギター・ボーカルの千陽(ちはる)です。3歳から中学までエレクトーンをしていて、中学からエレクトーンと入れ替わる形でギターを始めました。高校進学で5年間片想いしていた人と学校が離れるってわかった時に、同じ趣味を持てばまた会えると思って…その人がギターを始めたから自分も始めて、その人がバンドを始めたから自分も始めたっていう流れでした。そのまま大学の軽音楽部でもバンドを続けて、曲も作るようになりました。あと…元彼を見返すためだけに曲を作って演奏しているっていうところもありますね。
 
――「元彼を見返すため」というエピソードは、千陽さんのクリエイティブの源としてファンにはよく知られている話ですよね。
 
千陽:ふふふ。そうですね。今もいろんなパスワード、彼の誕生日も含めたものになっています。自分の大事な日と掛け合わせたりして(笑)。
 
――他人には解除できないパスワードですね(笑)。では、ひなさんお願いします。
 
ひな:ドラム・コーラスのひなです。高校の時に初めてバンドを組んで、演奏する側の方が楽しいなと思うようになりました。聴くよりやる方! って。
 
――みなさん演奏する側に立つようになって、その後どうやってnolalaにつながるんでしょう。
 
千陽:大学から続けていた前のバンドを社会人になるタイミングで辞めることにしたんです。それをお世話になっていたライブハウスの人に伝えたら「いい曲を作るのに辞めるのはもったいないから、別の形でもう一度やった方がいいよ」って言われて。ちょうど他にももっと歌いたいって言っている子がいるから、会うだけ会ってみなよって紹介されたのが美寿々さんでした。
 
――それが京都の…?
 
美寿々:GATTACAの山田さんですね。
 
千陽:その時はひなの前のドラムがいたんです。その彼女も前のバンドが解散するタイミングだったので急に3人がキュッと召集されて。
 
――山田さんはこの3人ならいけるぞ、と。
 
千陽:そうですね、山田さんが「今度紹介する子も声質が似ているから2人で歌ったらええやん」って。私はその頃はもう歌いたくないなと思っていたし、ガールズバンドも3ピースバンドもあんまりやりたいとは思っていなかったから、「可能性は低いけど会うだけ会ってみます」っていう感じで会ってみたんです。
 
――でも今のnolalaでの千陽さんは歌っているし、ガールズバンドだし、3ピースだし、避けていたものをやっているんですね。不思議!
 
美寿々:あはははは! ホントだ!
 
千陽:いざ顔を合わせて「とりあえず何かコピーしてみよう」って、この日までにこの曲を覚えてやってみようっていうことになったんですけど、練習していてもその曲にピンと来ていなかったからか全然楽しくなくて。じゃあいきなりだけど曲を作ってみようってサッと作って、初めてスタジオに入る時に持って行ったんです。ツインボーカルを想定して、3人で演奏するバンド用の曲でした。やってみたらめちゃくちゃ2人の声の感じもハマって綺麗で。
 
美寿々:うん、一発目でハマったっていう感じはありました。nolalaを始めた当時は、千陽ちゃんが「実はガールズバンドっていう形にピンときていなかった」ということを全く感じていなかったんです。私自身は歌が歌いたい、歌が歌える場所が欲しいっていう感じだったから、ガールズだろうが何だろうがバンドを組むことに対してはすごく軽やかでしたね。
 
――ひなさんは、後々合流されたんですよね。
 
ひな:そうですね。私はガールズバンドがやりたかったんです。バンドの音楽を好きになったきっかけが GO! GO! 7188やチャットモンチー、SCANDALで、女の人が憧れる女の人が好きなんです。私が前のバンドを抜ける時にGATTACAの山田さんに「どこかにいいバンドいないですかね?」って相談したら、nolalaのドラムが抜けるからやってみたら?って紹介してもらったんです。前にやっていたバンドとnolalaが対バンしたことがあったので、そこからはすんなりと。
 
――どこまでもGATTACAの山田さんからのパスがカギだったんですね。そうやって今の3人になった時、これからの方向性を話し合ったりは?
 
千陽:していないですね。方向性ってなんだろう? っていうほど。曲を作って演奏してみて、また曲を作って演奏してみての繰り返しで。イマイチ自分自身がどんな自分になりたいかもわからないし、どんなバンドになりたいかもわからない。最近もそれに対して葛藤していたんですけど…。でもバンドを始めたのが20代中盤で、バンドを始めた時期としては早くはなかったんです。
 
――確かに10代後半とか、よく聞きますよね。
 
千陽:スタートも遅かったし仕事と並行して活動していて時間もなかったから、とにかくやれることをやりながら最短で進んで行こうっていう意識は強かったかもしれないです。
 
――進んでいく先にイメージしていたものはあったんですか?
 
千陽:…売れたい。自分の存在価値として、人から必要とされたいんです。nolalaの曲を聴いて元気になりましたとか、ライブをしたらたくさんお客さんが来てくれてソールドアウトになってとか、売れっ子になりたかった。そういうマインドで曲を作り続けているんですけど、いろんな人に言ってもらうのは「いい意味で古臭い」っていう言葉かなぁ。
 
ひな:うん、言われてるね。
 
千陽:私的には一歩先の曲を作ったつもりでも、散々メロディーが懐かしいみたいなことを言われてきました。できるだけ新しくしていきたい、レベルアップしていきたいと思っているのであんまりnolalaらしさはこう!とかは考えていないんですけど、結局nolalaっぽくなって古臭さも出ちゃう。
 
ひな:メロディーとかコード進行が、メロディーに対して「懐かしい」って言われる理由かもなとは思います。
 
千陽:浜崎あゆみさん、大塚愛さん、aikoさんの作品をずっと聴いていた世代なので、そこを感じさせるものが曲に出ちゃうほど聴いてきたってことかなと。それが今、nolalaの曲に生きているなら耳に残りやすいメロディーが作れているのかな。懐かしいって言われるのも耳に残っているってことなのかなって思います。
 
 
 
実体験を書くのが当たり前だし、それしか歌えない

 
――今nolalaというバンド名をネットで検索すると、千陽さんのツイートに関連した話がたくさん上がってくる状態だと思います。あのツイートはどういう流れで?
 
千陽:私がつぶやく前にどこかのバンドマンの「お前ら俺と付き合ったら全員曲にされると思うなよ」みたいなツイートを偶然見て。それに反応して、私は全員曲にするけどな!っていうのをなんとなく書いたつもりがびっくりするぐらい反響があって…。
 
――そのツイートを最初に見た時の美寿々さんとひなさんは?
 
ひな:ツイート自体は彼女がいつも言っているような内容だし、珍しいことでもないのになんでこのツイートだけ…?とは思いました。
 
美寿々:こんなことあるんだな、っていう感じでしたよね。
 
ひな:バズったその日、たまたまGATTACAにいたんですけど会う人みんなに「バズった人や!」って言われて。いや、私じゃなくてバンドのメンバーがね!って。それだけたった1日でもツイートを目にしてくれた人が多かったってことなんだなと。
 
――話題になった分、今もいろんなところでこのツイートの話をされると思うんです。それについてはどう感じていますか?
 
千陽:ちょうど昨日、固定ツイートから外そうかと思ってたところです。自分も周りもちょっと縛られ過ぎているのかなって。
 
――そこから抜けてもいいんじゃないか、と。
 
千陽:そうですね。すがっている部分があるんだろうと思われているような気もして。結果的にあの言葉がバズったけど、だからといって元彼の曲ばかりを書くつもりもないし、その時に思ったことを曲にしているつもりです。でも今回のEPの曲を聴いてもらっても、誰しもが「また元彼の曲なんかな」って思うかもしれないですよね。でもそういうことじゃないし、伝えたいことがうまく伝えられなくなったら意味がないので外そうかなと思いつつ…。
 
――確かに、そういったことはあるかもしれないですね。
 
千陽:ただあのツイートは知っていても、それがnolalaだとは知らなかったという人もたくさんいるんです。何かのタイミングでnolalaの曲を聴いた人に、あのツイートの人かって思ってもらえることもありますよね。なので、外すのも惜しくて…難しいです。迷いつつ今はまだ置いたままにしています。
 
――あのツイートは恋愛主義なのかなと思わせるのと同時に、実体験を書くぞっていう宣言でもあるように見えたんですが…。
 
千陽:そこまでは考えていなかったですね。自分が面白い人生を歩んで来ているので、曲にできる要素がたくさんあると思っているんです。恋愛も家族も、それ以外のことについても。逆に実体験以外のことを書くと気持ちが離れるので歌えなくなるので、想いを込めるためにも実体験を書くのは当たり前という感覚です。
 
――今までのお話を聞いているとnolalaとしての歩みはトントン拍子だったのかなと思いきや、今年5月にリリースしたシングル「ルームメイト」を最後にバンドを辞めようとしていたと。
 
3人:そうですね。
 
――それが一転、今はEPのリリースプロモーションをされているわけで。
 
美寿々:私はバンドを続けたかったんですけど、主に曲を作っていた人(千陽)が辞めたいって言うならしゃあない…でもやりたいっていう感じで。でも千陽ちゃんがいなかったらnolalaはないし、成り立たないと思っていました。だからこそ、今こうなれてよかったです。
 
ひな:活動を認めてほしい人に認めてもらえていないという状況があるのは知っていたので、バンドを辞めたいというのもなんとなく彼女の本音ではないんじゃないかとは、個人的に感じていました。でもそこまで辛いなら…って納得しようとしていた時に、事務所から声がかかって。逆転ですよね。
 
千陽:でも事務所から声がかかってもバンドは辞めようと思っていました。2人に辞めたいって話をしたのは2年も前の秋だったんです。伝えた後はとにかく悔いのない人生にしたかったから、辞めるところに向かってとことんやろうという気持ちではあって。それで期限を決めて最後にリリースをと思っていたら、今の事務所から声をかけていただいたんです。それでも自信が持てなかったんですけど、2人にすごく説得されて。
 
――そりゃ、説得しますよ!
 
ひな:しますよね。
 
千陽:お世話になった人たちもみんな説得してくれて、最終的には気持ちが動きました。
 
――事務所が決まったことで、気持ちに変化は生まれました?
 
美寿々:私とひなっちは「やるしかないやろ!」っていう感じでしたね。
 
ひな:「この日解散!」みたいな具体的な話がなかったので、そこに対する実感がなかったおかげで私はやる気がキープされていたのは本当によかったと思っています。
 
千陽:私がやるって言ったら本当にやらないといけない。だからこそ「やる」って言うためにどう自分自身を説得させるかは悩みました。売れる売れるって周りに言われ続けてきた5年間だったし、ツイートはバズったけど何につながったの?と思うこともあったし、後輩バンドが売れていくのも見てきたし、そんな時代に今の年齢からガールズバンドを続けられるかも不安だったんです。でも私は音楽しかやってこなかったし、本当にいろいろ考えに考えて覚悟を決めました。
 
――その覚悟を下地に制作を始めたのが今回の『sequence』だと。
 
千陽:はい。
 
――気合いしかない、という作品なんですね。どういう形で制作は進んでいったんですか?
 
千陽:事務所の人には、とにかく自由に作っていいよって言っていただきました。「別れた彼氏の曲しばりとかにした方がいいですか?」とも聞いてみたけど、書きたいものを書いてくださいって。今年の4月に曲を作り始めて、5曲。改めてやるぞと決意してから作った曲だけを収録しています。
 
――それはなぜ?
 
千陽:自分的に自信のない曲を入れるのはナシだったのもあるし、バンドを辞めるつもりで曲作りも辞めていたので…。
 
ひな:ホント、曲のストックはなかったんです。
 
美寿々:ゼロから曲を作っていくしかない状況だったというのもあります。
 
――バンドを続けることに対して心が折れて気持ちが復活してからの曲作りって、今までと違いはありましたか?
 
千陽:1曲目はすんなりできたけど、2曲目は何度もボツにして、でも時間がないから書かなきゃ! でも嘘はつきたくない! って葛藤し始めて。でもそんな状態に追い込まれてから2時間ぐらいで完成まで辿り着いたり(笑)。
 
――今回の作品を聴かせていただいて、中でも1曲目の「生き辛い世の中だ」は、タイトル通りままならない人生について歌いつつもメロディーはすごくポップに仕上がっていて、このEPのリード曲なのかなとすぐに感じるほど特にパワーのある曲だなと思いました。
 
千陽:うん、それが2時間でできた曲です。順番としては「天秤」が一番にできて、その後「生き辛い世の中だ」が精神的に追い込まれた中でも2時間でできて、その後に残り2曲。最終曲の「結び目」は初めて美寿々さんに作ってもらいました。
 

 
――美寿々さんが初めて曲を作ろうという気持ちになれた理由はあったんですか?
 
美寿々:現状はほとんど千陽ちゃんが曲を作っていて、ツインボーカルなので歌う部分を振り分けてもらっていることもあって、彼女がメインで私がサブのボーカルみたいな見え方をしていると思うんです。そうではなくてツインボーカルとして同じ位置に立つには自分も曲を作って自分の想いも反映させたいと思ったのがきっかけですかね。それと、曲作って!って千陽ちゃんにも言われて(笑)。
 
――美寿々さんの初めての曲を聴いた時の印象って覚えていますか?
 
千陽:いやもう、ふざけんなよとは思いましたよね。何度も言っていますけど。
 
美寿々ひな:あはははは!
 
千陽:曲は作って欲しいけど、こんないい曲作ってこられたら今まで作り続けていた私の立場がないよ!って。めちゃくちゃいい曲を作ってこられて、家で「あ〜もう最悪や」ってなってました(笑)。いい意味でふざけんな〜って。
 
ひな:美寿々さんって本当にふんわりとした優しさを持っているけど、こだわるところはすごくこだわる芯の強さもあるんです。それが歌詞に出てるなって思いました。
 
――美寿々さんが作った「結び目」は、nolalaというバンドとメンバーへの想いを歌っている曲ですよね。愛しているんだなっていうのはすごく伝わりました。
 
美寿々:とにかく今のことを書こうという思いは強かったですね。
 
――ライブのすごくいいタイミングで披露されるのが、想像に容易いというか…。
 
美寿々:(笑)! その場にいる人をみんな味方にして歌いたいですよね。
 
――その歌詞の内容は美寿々さんから千陽さんとひなさんへのラブレターとも捉えられると思うんですが。
 
美寿々:実は勝手にひなっちも私と同じように思っているはず!というつもりで歌詞は書きました。気持ちの上では共作です。
 
ひな:そうそう。私も一緒に歌っているつもりでね。
 
千陽:最初に聴いた時から歌詞が少し変わっていて、レコーディングの時に今の歌詞を聴いて「これは私に向けている曲なのでは…」って気づいて恥ずかしくなって(笑)。
 
美寿々ひな:(笑)。
 
千陽:『sequence』のリリースインタビューが始まり出して、美寿々さんが「千陽ちゃんのことを想って書いた曲なんです」って言っているのをちゃんと聞いてまた…。
 
美寿々:でも私は普段から思っていることを言うタイプだと思っているので、「元々知ってたやろ?」ぐらいの感じですけどね。
 
千陽:私が言葉をストレートに受け止めないというか、ひねくれているから…。でも歌詞になって曲として聴いて初めて「マジで思ってくれてるのかも…!」って。人の言葉って素直に信じないといけないなぁ。
 
――そういうふうに今回EPに含む5曲を作ってみて、発見できたことや挑戦だったなと思ったことはありましたか?
 
千陽:挑戦だったのは「piece of」かな。nolalaっぽさを感じない人もいるかなと思うんです。エフェクターも普段使わないものを選んだり、コードも初めて使うもので弾いてみたり、いつもはベースやドラムをこんな感じで作って欲しいってイメージを伝えるんですけど、あえて完全に委ねてみたり。それでめちゃくちゃいいベースとドラムの音が仕上がってきました。
 

 
――委ねられたお2人はどんなイメージで?
 
美寿々:どの曲にも当てはまるんですけど、私は歌も歌わないといけないしメロディーを大事にしたいのもあって、基本ルートでいきたいと思っていたんです。でも今回は委ねてもらったので自由に作ってみて後で削ればいいかなと。でも持っていったものが丸々採用になったっていう…。
 
ひな:私は歌を邪魔しないようにっていうのがあるから、作りながら本当にこれでいいんかな?って思いも強くて。だから私はスタジオにいて、家にいる千陽ちゃんと電話しながら曲を作ったりしました。この感じでOK?って。
 
――試行錯誤を重ねて作り上げた5曲を総括するのが『sequence』というタイトルですが、これはどのような経緯で?
 
千陽:元々は美寿々さんの提案ですね。
 
美寿々:これまでは元彼の話とか恋愛の曲が多かったんですけど、今回は恋愛の歌ではないものも収録していて、まるで千陽ちゃんの人生やなって思ったんです。変な男と付き合ったりはもちろん、本当に人生いろいろ。いろんなことがあるということも人生としてまとまった形で見たら、編み物みたいにきれいに編めているということをイメージしたらどうだろうと。
 
千陽:それでいろいろ調べたら、『sequence』という言葉が美寿々さんの想いにピッタリだなということになりました。
 
――今、アルバムが完成してみて実感としてはどうですか?
 
千陽:不安…。
 
ひな:うん、不安はあるね。
 
千陽:CDと配信が同時なんですけど、果たしてCDを買ってくれる人がいるのだろうかとか、お客さんがついてきてくれるのだろうかとか、もういろいろ。でもライブをガンガンできるようになれば、やれることやってるから!っていう気持ちに切り替わるかもしれないなとも思います。リリース1週間前はもっとソワソワしていたけど、もう随分落ち着きました(笑)。
 
ひな:今までは自分たち3人でやってきたので自分たちのことだったんですけど、今回はいろんな人が関わってくれている分、たくさんの人の人生も関わっているから不安…ではありますよね。
 
千陽:マネージャーは「気にせず! 大丈夫なんで!」って言ってくれていますけど(笑)。
 
――そういう不安を一旦横に置いたとして、2022年に叶えたい夢はありますか?
 
千陽:人に優しくなりたいですねぇ。
 
ひな:それ、夢なの…?
 
千陽:来年はバンドの友達も欲しいし、メンバーやお客さんを思いやりながら、バンドありきの人生に振り切っていこうかなと思ったりしていて。ずっと応援してくれているお客さんを大事にしたり、ずっと運転してくれているメンバーを大事にしたり。全方位に対して思いやりを持って、全てのことを大切にしていきたいです。
 
ひな:今年『京都大作戦』の前夜祭に出演するはずだったんです。直前に開催中止になってしまったので、来年こそは出たいですね。
 
美寿々:私はアニメソングの主題歌とかCMソングを担当したり、わかりやすく「nolalaがキテる!」って思ってもらえる活動がしたいですね。いろんな人に、バンドをずっと続けてきてこんな形になってよかったねって言ってもらいたいというか。わかりやすいことができたら嬉しいです!

Text by 桃井麻依子



(2021年12月20日更新)


Check

Release

1st EP『sequence』
発売中 1650円(税込)
NCJD-10008
FAMILYPACK RECORDS

《収録曲》
01. 生き辛い世の中だ
02. 天秤
03. piece of
04. 大人になったら
05. 結び目

Profile

nolala(ノララ)…千陽(Gt./Vo.)、美寿々(Ba./Vo.)らによって2016年に結成された京都発の3ピースバンド。活動を続ける中で2018年にひな(Dr./Cho.)が合流し現在の形となる。実体験に基づいた心の移ろいをセンシティブに描写した歌詞に加え、千陽・美寿々のハイトーンで美しいツインボーカルも魅力。2016年10月に1stデモの発表以降、2018年に1stミニアルバム『harmony』、1stシングル「グッバイライアー」までコンスタントにリリースを続ける中、2019年に千陽による「私は別れた彼氏を全員曲にするタイプです」というTwitterでのつぶやきが約2万いいねに到達。関連ツイートにもなっていた「グッバイライアー」が発売からわずか5カ月で完売したことも話題となった。その後2019年に初の全国流通1st アルバム『from ex』、2021年5月に2ndシングル「ルームメイト」をリリースするなど活動の幅を広げている。

nolala オフィシャルサイト
https://nolala.jp/


Live

「sequence」リリースツアー

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:208-110
▼12月24日(金) 18:30
LIVE SQUARE 2nd LINE
前売-3000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[共演]3markets[ ]/AQMO
[問]LIVE SQUARE 2nd LINE
■06-6453-1985

【新潟公演】
▼1月15日(土)
GOLDEN PIGS BLACK STAGE
[共演]GOODWARP/SideChest

【長野公演】
▼1月16日(日) 松本ALECX
[共演]postman/ever youth/SideChest

【岡山公演】
▼1月22日(土) CRAZYMAMA 2nd Room
[共演]the cibo/LEODRAT/AQMO/UNFAIR RULE

【香川公演】
▼1月23日(日) 高松DIME
[共演]水になれば、/LEODRAT/AQMO

【宮城公演】
▼1月29日(土) 仙台FLYING SON
[共演]GOODWARP/ミイ

【北海道公演】
▼1月30日(日) 札幌SOUND CRUE
[共演]藍色アポロ/MoLse

【愛知公演】
▼2月8日(火) 名古屋APOLLO BASE
[共演]hananashi/POETASTER/シンガロパレード

【福岡公演】
▼2月11日(金・祝) Queblick
[共演]ソウルフード/the paddles/Mercy Woodpecker

【広島公演】
▼2月12日(土) ALMIGHTY
[共演]ソウルフード/アスノポラリス/the paddles

【東京公演】
▼2月19日(土) 渋谷TSUTAYA O-nest
[共演]GOODWARP/WALTZMORE/kalmia

【京都公演】
▼2月27日(日) KYOTO MUSE
※ワンマンライブ

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