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揺らぎ・Miracoが伝えたいもの
1stフルアルバム『For you, Adroit it but soft』リリース!
“音は、言語に勝る言語” 揺らぎ・Miracoが伝えたいもの 1stフルアルバム『For you, Adroit it but soft』リリース!
6月30日、滋賀県発のバンド・揺らぎが、1stフルアルバム『For you, Adroit it but soft』をリリースした。前作EP『Still Dreaming, Still Deafening』以来、約3年振りとなる今作は、さまざまなアプローチで楽曲を制作。客演に英国在住日本人ビートプロデューサー・Big Animal Theoryを迎えたり、インディロックバンドのBearwearのボーカル・Kazma Kobanashiや、アメリカ生まれのアーティスト・singular balanceに作詞を依頼したりと、自分たち以外の要素を積極的に取り入れ、コンセプトに縛られない自由な表現を試みている。また、Miraco(Vo.&Gt.&Piano)は自らの体験や昨今の女性を取り巻く状況を歌詞に込めた。このチャレンジは、同世代の女性のみならず、性別や国を超えて多くの人に気付きを与えるだろう(そのことを強く願う)。ぴあ関西版WEB、2度目の登場となる揺らぎ。今回は、新作アルバム制作の裏側を、Miracoに聞いた。
「全部終わったのは、レコーディングの2〜3週間前ですね。アレンジも含めたらもっとギリギリまでやってました。たとえば1曲目の『While The Sand's Over』は、レコーディングスタジオで直接Kntr(Gt.&Synth.)が考えながら作ったり。なので、本能の赴くままに作った音が入っています」
「コーラスというよりは、私が歌った『That Blue, I’ll be coming』の声を素材に使って、彼なりの揺らぎを表現してくれました」
――『Underneath It All』(M-8)は、Bearwearのボーカル・Kazma Kobayashiさんが作詞されています。
「彼は帰国子女で、Bearwearも歌詞が情景的で、曖昧なニュアンスを詩的に表現するのがすごく上手なんです。そういう部分が揺らぎとマッチするんじゃないかと思って依頼したんですけど、上がってきた英詞も和訳も思った通りすごくマッチしていて、本当にお願いして正解でした。『While My Waves Wonder』(M-6)も彼が作詞してくれています」
「でも今はやっぱりすごく感謝してるから。自分が元気に生きて夢を叶えたり、生きてる姿を見せることが大事だと思いました。で、この曲がラストの『I Want You By My Side』(M-9)の歌詞に繋がってるんですね。これはsingular balanceが書いてくれたんですけど、“小さい頃、親や周りの人に大事にされて遊んだ何気ない風景がすごく心に残ってて、それが今でも私を支えてくれてるんだ”ということを彼に伝えて、その心情をもとに作詞をしてもらいました」
――そうなんですね。“沈む”と正反対の意味の“Floating”が『I Want You By My Side』の歌詞に出てきて、救われた気持ちになりました。罪悪感も解消された?
『For you, Adroit it but soft』 発売中 2530円(税込) FLAKES-246
《収録曲》 01. While The Sand's Over 02. Sunlight’s Everywhere 03. That Blue, I’ll be coming 04. Dark Blue (feat.Big Animal Theory) 05. An Atrium 06. While My Waves Wonder 07. The Memorable Track 08. Underneath It All 09. I Want You By My Side
Profile
2015年結成。1st Single『bedside』、1st EP『nightlife EP』を発売したのち、2018年8月、FLAKE SOUNDSより初の全国流通EP『Still Dreaming, Still Deafening』をリリース。映像ディレクターPennackyのディレクションの元、収録曲から「Unreachable」のMVを公開した。2019年2月、羊文学、No Busesの2組を迎え、自主企画”Wearing The Inside Out”を開催。2019年7月、FUJI ROCK FESTIVAL’19 ROOKIE A GO-GO出演。同年12月、初のリミックスEP『Still Dreaming, Still Deafening Remixes & Rarities』をリリース。リミキサーとして、ミニ・アルバム『feel a faint your mind』を発表した新鋭エレクトロ・ポップ・バンド sayonarablueから9:en、InstupendoのリミックスやPhoraのプロデュース、Lontaliusとの共作で知られるsingular balance、LORD APEXやRalphをゲストに迎え最新作『However Well Known, Always Anonymous』をリリースしたBig Animal Theory、Ryan Hemsworth主催レーベル"Secret Songs"所属カナダ在住プロデューサーのKogane、数々のWebCMの楽曲を手掛ける同バンドギタリストKntrの5名が参加した。これまでに、Turnover, Japanese Breakfast, Nothing, I Mean Us, Tigers Jaw等多くの海外アーティストのゲストアクトに抜擢され、今後も国内外での活躍が期待される。2021年6月30日に1st Full Album“For you, Adroit it but soft”をリリースすることが決定。同年、7月17日には渋谷WWWにて揺らぎ初のワンマンライブとなるリリースイベントが予定されている。