3rdミニアルバム『Thank God It’s Runny’s Day』の
リリースから1年余り。延期となっていた大阪と東京での
ワンマンライブがいよいよ開催迫る!
7/21(水)には亀田誠治プロデュース楽曲『Love & Peace』が
配信リリース決定! Runny Noizeインタビュー&動画コメント
お笑いコンビ、ラニーノーズとして人気の洲崎貴郁と山田健人がボーカルとギターでフロントに立つ4人組のパンクロックバンド、Runny Noize。バンドの結成は'08年で、お笑いよりも先にバンド活動を始めている。メンバーチェンジを経て、2013年にベースのフクシマテツヤとドラムの児玉とみー優也が加わり、現メンバーとなった。ライブではアグレッシブなパフォーマンスを繰り広げ、“音曲漫才師”としてのラニーノーズの時とは全く異なる激しさに圧倒される。芸人としても多忙な中、バンド活動との両立はどのように行なっているのか?バンドの近況も含めて、昨年7月1日にリリースされた3rdミニアルバム『Thank God It’s Runny’s Day』の楽曲を今一度振り返りつつ、大阪と東京でのワンマンライブ『ハナタレ2DAY's 大阪と東京でワンマンライブするで!!ラニーノイズが!!』に向けての意気込みなどを洲崎と山田に聞いた。
バンドの曲は普段の生活の中で
自分が思っていることを歌っている
――まずはバンドの近況から教えてください。
山田「今は新曲のレコーディングをやっています。スタジオはちゃんと換気して、感染対策も万全です!」
――それは次の新作に向けてのレコーディングなのですか?
山田「そうですね、前と同じ7~8曲のミニアルバムになる予定です。今のところ半分ぐらいできています」
洲崎「今までとはガラッと変わったものになると思います。もう、あっと驚くような(笑)」
――え、そうなのですか?
山田「いや結構、一緒やと思いますけどね(笑)。まー、変化はあると思いますが、それはまだ発表できないのでお楽しみに!」
――芸人の活動だけでも多忙だと思いますが、並行してバンド活動までやれるエネルギー源はなんですか?
洲崎「やっぱり好きなことだからですかね~。イヤイヤやってたらこんなに続かないですよね。僕らのことを好きな人は待ってくれてるやろうなと、信じてやっています!」
山田「とはいえ、スケジュール調整が大変なので(スタッフには)結構、迷惑はかけてますけどね…」
――芸人とバンド活動を両立させていくために、どうやって頭を切り替えているのですか?
洲崎「(お笑いの)ネタは山田が考えているので、僕自身は切り替えというのはあんまり無いんですけど…」
山田「うーん、そんなに切り替えてるつもりないんですけど、ネタの時はお笑いの動画を観てそっちのテンション上げて、音楽の時は好きなバンドのライブ動画を観てバンドのモチベーションを上げてるみたいなことはあるかもしれないですね」
――3rdミニアルバム『Thank God It’s Runny’s Day』の歌詞を聴いていると、等身大の思いをストレートに吐き出しているように感じます。ベースのフクシマテツヤさんが作詞作曲された『SNS(Social Networking Sick)』(M-4)は英語の歌詞ですが、SNSに依存し過ぎている人に向けた辛口のメッセージが込められているようですが。バンドの歌詞はどんなふうに書いているのですか?
山田「そうですね。バンドの曲では自分の普段の生活の中で思っていることを歌ってます。歌ネタは一般的に受け入れやすいラブソングになりがちなんですけど。例えばネタで、“戦争やめろ!”とかメッセージ性を出されたり、“イジメはやめろ!”とか歌われても笑い辛いと思うし(笑)」
洲崎「そうそう!バンドをやり始めた初期の頃は、“なにくそ!”みたいな気持ちばかり書いてましたね」
――それは何に対してそういう気持ちになっていたのですか?
洲崎「聴いてくれる方々に対してですかね…。周りに認めさせたいみたいな気持ちを強く感じていたので、Runny Noizeを聴いてくれへん人にも届くような気持ちからだと思います」
山田「基本的に、僕は芸人の方で感じてるストレスとかジレンマをバンドの曲で解消してるという感覚で作っています」
――ああ、なるほどね!
山田「芸人としてもっともっと有名になりたいし、その状況が変わらない限り(バンドで)歌ってる歌詞も似てくるのかなと思うことがあります。新しい曲も、突き詰めたら同じようなこと歌ってるから」
――芸人としてのハングリー精神がバンドの方でも良いエネルギー源になっているのですか?
洲崎「うん!うん!」
山田「そうですね、はい。バンドのライブではスベることがないんでね…。デカい音が鳴ってるから、スベっててもわかんないんで。芸人はネタでスベってたら完全にわかるんで。ネタとライブはそれぞれ違う楽しみ方なんですけど」
――実際、今のライブでネタをすることは?
洲崎「前は歌ネタをバンドバージョンですることもありましたけど」
山田「今はバンドの曲だけで、ネタはしないですね」
このバンドのことをもっと広めて
パンクロック好きな人にライブに来てもらいたい
――お笑いと音楽という異なる世界で活動していて、両方ともこれほど精力的にやっている方って他にあまりいないように思います。
洲崎「うん、今ガッツリやってる人はいないですね」
山田「どっちもゼロから始めて、同時にやっている人は他にいないかもしれませんね。だからやりがいはありますね。どっちも並行してやっていたら、こんな問題に当たるんやという発見もあって面白いです。僕らのライブのお客さんは、他のバンドの人たちとかなり違うんですよ。バンドだけやっていたら、純粋にパンクロックが好きな人が観にくると思うんですけど…」
――ライブもお笑いのファンの方が多いのですか?
山田「そうですね。自分たちのお笑いのファンは女の子が多くて、その子たちがライブハウスに観にきてくれるので、最初はライブのノリ方もよく分からない感じだったけど、だんだん飛び跳ねたりするようになってきて。ようやくみんなで楽しめるようになってきてます」
洲崎「前にワンマンライブした時、男性ファンが一人だけということもありましたね(笑)。僕たちがやっていることをもっと知ってもらって、パンクロック好きな人ももっとライブに来てもらいたいですね」
――実際のライブではパンキッシュに飛び跳ねて、かなり激しく熱いパフォーマンスをされてるんですよね?
洲崎「はい! そもそも僕らがそういうジャンルが好きなんでね」
山田「もっと音楽好きなファンの方が増えてほしいなと思っています」
フジロックやサマソニなど
大規模フェスにも出てみたい!
――そもそもこのバンドを結成されたのは2008年ですが、目指すところを100として、今はどういう段階にいますか?
山田「90ぐらいですかね…」
洲崎「(笑)行ってるなあ~。まだ半分も行ってないんちゃうかな。CD出すたびに、もっと結果を出してレベルアップしていきたいんですけどね」
――ライブの方はいかがですか?
洲崎「ワンマンの会場は徐々に大きくなってきてます」
山田「でもまだ大きなロックフェスに出演できてないので、まだまだだなと」
――どんなフェスを目標にしていますか?
洲崎「やっぱりサマソニとか」
山田「フジロックとかね」
――関西では、京都大作戦やRUSH BALLもありますね。
洲崎「イナズマロックフェスとかね。出たことないからなんでも出てみたいです!」
山田「ちなみに、音楽配信サイトのSpotifyでは、Runny Noizeを聴いてる人はサウジアラビアが一番多かったので、サウジアラビアのフェスに行きたいですね(笑)。日本では“芸人がバンドやってる”とか、“どっちか一つだけに集中しろ!”っていう批判があったりするし、ライブはお笑いファンがいっぱいきて、ほんまにパンク好きな人が行き辛いのかもしれないけど、サウジアラビアではそれが全く関係ないですからね。海外でめっちゃやってみたいですね」
――お二人が芸人となる以前、カナダでもバンド活動をされていましたし、そもそも影響を受けているのはNOFXとか、アメリカの西海岸のパンクロックのバンドなんですよね。やはり本場でライブもしてみたいという野望もあるのですか?
洲崎「そうですね。カナダのトロントに行ったのも、向こうでライブをするためですからね」
山田「元々、カリフォルニアに行きたかったんですけど、簡単にビザ取れな買ったので。ワーキングホリデイで行けるところを調べてみたら、トロントが一番好きなバンドが多くて、それで行くことにしました」
――そういう海外経験もあり、Runny Noizeでは英語で歌ってますからね。洋邦の壁を越えるポテンシャルもあるのでは?
洲崎「はい、それでサウジアラビアでも聴いてくれる人が多いんですかね?(笑)」
――(笑)楽曲に疾走感があって、演奏や歌も瞬発力があるので、聴いててとても痛快です!これからもメロコアをベースにしたスタイルを追求していくのですか?
山田「メロコアというか、パンクロックですね」
洲崎「やっぱりそれがずっと好きなので」
『光へ』は一歩踏み出せずに悩んでる人の
背中を押せたらなという気持ちで作った
――ところで、元々英語の曲を作っていたのに、日本語の曲を作るようになったワケは?
洲崎「2ndミニアルバム『Runny Noize is better than medicine』からプロデューサーの提案で日本語の曲を作るようになったんです」
山田「とりあえず一曲でいいって言われたんですけど、そこから日本語で作ることにハマって。毎回作るようになりました」
――日本語の曲といえば、『Thank God It's Runny's Day』のリード曲『光へ』(M-7)は、気分が沈みがちなコロナ禍で聴くと、とてもグッとくるポジティブなメッセージソングだなと感じました。この曲が出来たきっかけはなんだったのですか?
山田「これは、コロナ禍になる前に作った曲で、僕の友達のことを思って作った曲なんです。その友達はシンガーになりたかったんですけど、自分の夢に挑戦する勇気が出なくて。就職したものの、そこでイヤイヤ働いてるんですよ。歌も上手いし、才能があるから、“やりたいことをやれよ!”と、いつも話しているんですけど、僕が言っても変わらないので。そういうふうに夢に向かって一歩踏み出せずに悩んでる人の背中を押せたらなという気持ちで作ったんです。その友達にも聴かせたてみたらすごく感動してくれたんですけど、いまだに会社勤めしてるんですけどね(苦笑)」
――それはちょっと残念ですね…。でも、きっと何か感じることはあったんじゃないですかね。演奏面では、『Nothing』(M-6)でかなりテクニカルなことをされているようですが、レコーディングの時はいかがでしたか?
洲崎「これはフクシマテツヤが作った曲なんですけど、ホンマ、一番難しかったなっていうぐらい大変な曲でしたね」
山田「洲崎もかなり苦戦してて、夜中までかかってやっていたら、みんなもだんだんおかしくなってきて(笑)。ついにメンバー全員がギター取り出して練習し出したんです(笑)。ギターを触ったこともないドラム(児玉とみー優也)までやってましたからね。この日のレコーディングが終わった帰りに、ベースのテツヤは悔しくて泣いてました。それぐらい難しかったし、問題作でしたね」
――この曲をライブで弾く時はいかがですか?
洲崎「ライブではもう何回かやっているので、その頃よりは成長して弾けるようになってます! レコーディングは大変な作業なので、それを終えた時って研ぎ澄まされる感じがします」
梅田クラブクアトロは有観客では初のステージ
ずっと延期になっていたので、ほんまに早くやりたい!
――では最後に間近に迫る、大阪と東京でのワンマンライブ『ハナタレ2DAY's 大阪と東京でワンマンライブするで!!ラニーノイズが!!』についてお聞きします。ずっと延期になっていたライブですが、今回はどんなセットリストになりそうですか?
洲崎「『Thank God It's Runny's Day』の曲をメインに、今までの曲もやります」
山田「新曲もやるかもしれません」
――Runny Noizeのライブにまだ行ったことがない人にもメッセージをお願いします!
洲崎「ライブハウスに来ることを躊躇している人もいるかもしれないけど、今回、東京のライブは配信しますので、まずはそれからでも楽しんでいただければいいかなと」
山田「いや、ぜひ生で観にきてください! 配信では伝わらないこともあるので。または、生で観てもう一回観たい人は配信でもどうぞ(笑)」
――大阪の梅田クラブクアトロのステージはどんな印象ですか?
山田「前回クアトロでやった時は無観客だったので、お客さんがいないのは寂しかったですね…」
洲崎「今もまだ声は出せなかったりしますけどね」
――こういう状況だからこそ、溜まっていることをライブで吐き出したいのでは?
洲崎「そうですね。やっぱり無観客でやるのはちょっと寂しいですよね。100%発散できないし、やっぱりお客さんがいてのライブやと思っています。これはずっと延期になっていたライブなので、みんなも楽しみにしてくれていると思うので、ほんまに早くやりたいですね~。お互い溜まってることを発散しましょう!」
山田「声は出せないけど、笑ったりするのはOKなので。僕たちのライブを体感してもらって、パンクロックが好きな人は大いに楽しみに来てください!」
Text by エイミー野中
(2021年7月20日更新)
Check