昨年は、初の演劇公演『劇団☆春夏秋冬 艶姿河内六人娘』に挑戦したかと思えば、企画・撮影・編集までメンバー自らが行うYouTubeチャンネル『しゅかしゅんのバラエTV』(毎週火曜20:00更新)もスタート。さらには、約2年ぶりとなる2ndフルアルバム『BRAVE SOULS』(’20)のリリースや、大阪・万博記念公園にて開催された大型野外フェス『OSAKA GENKi PARK』に出演を果たすなど、コロナ禍をもろともせぬようなバイタリティで例年以上にギアが入った活動を展開した、大阪在住の6人組ダンス&ボーカルグループ、‟しゅかしゅん”こと大阪☆春夏秋冬。’21年も年明け早々に『新春単独ライブ「新春シュカシュン初モーDAY」』を成功させるなど、その勢いはとどまることのない6人を代表して、MANA、YUNA、そして、今年成人式を迎えた最年少のRUNAの3人が、悔しさの中で見つけた感動も、改めて確かめた気持ちも、新たな気付きと変化の過程もetc…激動と充実の’20年を振り返り、’21年の展望を熱く語るインタビューをお届け。“楽しい”を求めてトップスピードで突っ走る、しゅかしゅんは今年も止まらない!?
――YouTubeなんかは、まさにやるなら今というのもあったでしょうし。個人的にMANA×EON×RUNAさんの『#39「バケツバランスチャレンジやってみたwwwww」』の回は、めっちゃ笑いました(笑)。
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MANA 「うれしい〜! めっちゃ寒かったんですよあれ」
RUNA 「もうめっちゃ寒かった!」
――あれって場所はどこでやってたんですか?
MANA & RUNA 「スタッフさんの実家です(笑)」
(ここで仮の予定がビッシリと書かれた『妄想しゅかしゅん年間スケジュール2020!!!!』が届く)
――とは言え、本当ならもっとライブもやってたはずだし、フェス自体も去年はほとんどなかったですもんね。
YUNA 「でも、その中で関西の音楽業界の方たちが一致団結して徐々にフェスとかも始めて、“やるぞ!”という熱をすごく感じて。感染予防対策もちゃんと徹底した中でのライブを見たときに、やっぱり関西は強いなと思いました」
RUNA 「10月にその『OSAKA GENKi PARK』に出させてもらったとき、まさか’20年中に見られるとは思ってなかったすごい景色が見られて。メンバーとも“今日はすごかったね!”って話して…本当に楽しかったですね」
MANA 「ちゃんと制限を守りながら、音楽を届けていく場所をみんなで作ろうとしてるのを見て…こうやってみんなが協力して一つになれるのが音楽なんやなって感動して。そういう場所にいられたのも、みんなにちょっとでも音楽を届けられたのも、すごくうれしいなと思いました」
――そんなフェスにしゅかしゅんが呼ばれたのは光栄ですよね。大阪を拠点にしっかり活動してきたことが認められたからこそだと思いますし、他の出演者も本当にビッグなアーティストばっかりで。
YUNA 「いやぁ〜ホンマに! うれしかった」
MANA 「今までにいっぱい影響を受けた、勉強させてもらった方たちばっかりやったから、気合いが入りましたね」
この1年があったからこそ変わっていくもの、見つけたものがいっぱいある
――初の演劇公演『劇団☆春夏秋冬 艶姿河内六人娘』はやってみてどうでした? ライブとは何が違うのか、しゅかしゅんにとってどんな経験になりました?
YUNA 「まず、稽古の仕方とか時間の使い方が、私たちが今までやってきたリハーサルとはまた違って。私が想像してたよりも、繰り返し稽古するだけじゃなくて、そこで生み出されていくものがすごく多かったです。アドリブなのかアドリブじゃないのか、その瀬戸際で遊ぶというか。“うわぁ〜これが舞台の面白さか!”って思いました」
MANA 「同じセリフで同じ動きでも、練習するたびに間一つだったり、一歩踏み出す大きさがちょっと違うだけで、全然別のものになってくるので。本番でも、私たちが歌っているときに他のキャストさんがめっちゃ声を出して応援してくれたところなんかは、1回1回が生で違うんやなって。そこは音楽との共通点を感じました」
RUNA 「演劇は小屋入りのときに舞台を一から作るんですけど、それが初めての経験で。今までは会場に行ったらステージが出来上がってる状態でしかやってこなかったんで、“ここは何cmで”とか全部測ってステージを作っていくのを間近で見たとき、改めて舞台に立つことへの感謝を感じました」
――コロナ禍で音楽の楽しさを改めて味わったかと思えば、演劇でまた違うエンターテインメントの醍醐味を体験できた。何だか不思議な1年でしたね。
YUNA 「ホンマ不思議! あとちょっと日程がズレたら開催できへんかったし」
RUNA 「舞台が終わった瞬間にコロナやったもんな」
YUNA 「うんうん。舞台は大きかったなぁ」
MANA 「劇中でも何曲か歌わせていただいたんですけど、その曲に対する想いがメンバーの中で濃くなったので、(その後のライブで)ファンの方からも、“表情が今までと違う。前よりも伝わってくるものが大きくなった”と言っていただくことがすごく増えました」
YUNA 「’20年が、この1年があったからこそ変わっていくもの、見つけたものがいっぱいあると思う」
――そういう経験を通して改めて、リリースをしてライブするという今までは言わば当たり前だった行為が、愛おしく大切に思えたりしたんじゃないですか?
RUNA 「そうですね、やっぱり“ライブがない毎日ってつまんねぇ〜!”みたいな(笑)。ライブがメンバー1人1人の生きがいなんやなって感じましたし、普段のリハーサルとかも、やっぱりライブがないと…」
――発表の場がハッキリしてない、当てのない練習みたいなもんですしね。
MANA 「配信ライブを去年の6月からやらせてもらって、最初は無観客でやったんですけど、“どんなライブになるんやろう? TVの収録みたいな感じかな?”とか、初めてでちょっとワクワクしてる自分もいて。でも、いざやってみると、ライブハウスにお客さんが誰もいなくて、返ってくるものも何もないとき、歌って踊るのは好きやけど=自分を表現するのが好き、だけじゃないんやなって気付いて。やっぱりそれを受け取ってくれる人が目の前にいて、その人の喜んでる顔とか楽しそうな顔を見て、一緒に音楽と時間を共有することが私たちにとっての憩いの場であったり元気の源なんやって、改めて思いました」
――僕も配信でトークライブのお相手をしたことがあるんですけど、見てくれてる人のリアクションが分からないのが難しいなと思いました。ウケてるのかウケてないのかがイマイチ分からない(笑)。
YUNA 「確かに(笑)。人の温度も会わないと分からないですし」
RUNA 「トーク担当のEONちゃんも、最初はオンラインライブのときにちょっと苦戦してました(笑)。“ハハハ!”とか返ってくるものがあったら、“よし、このままいける!”みたいな感じで波に乗っていけるんですけどね。でも、最近はもうずっと喋ってますけど(笑)」
“いつかやろう”じゃなくて、“今やっていく”
――そういう意味では、今年は年明け早々に東京・TSUTAYA O-Crestにて 『新春単独ライブ「新春シュカシュン初モーDAY」』も 有観客で やれましたし、幸先が良いですね。
MANA 「そのライブのオープニングのSEをリーダーのMAINAが作ってくれたり、衣装のプロデュースをRUNAがしてくれたり、新しいアー写(=アーティスト宣材写真)をYUNAが撮ってくれたり…’20年に自分たちの中にため込んでたものを、その一発目のライブでは“バーン!”と爆発させられたんじゃないかな? この1年をかけて、どういう自分たちを皆さんに届けたいかを発信していく第一歩になったと思います」
RUNA 「今までのワンマンって1曲目とかSEでは、キメキメでカッコつけてたんですよ。でも、今回は1人ずつ今年の抱負を言いながら、それに合わせてジェスチャーをしたんです。例えば、ANNAちゃんは“口内炎ゼロ”、EONちゃんは“山﨑賢人さんにプロポーズされたい”とか(笑)。メンバーがプライベートで話すとき、こういうしょうもないことでいつも笑ってるんですよ。今年はそういう私たちの“楽しい”を、みんなで共有して広げていけたらいいなという想いもあって。もうめちゃくちゃ楽しかったです」
YUNA 「去年、ライブがちょっとずつできるようになってきてから…新しい何かをするための準備運動じゃないけど、そこに向かっていくための段階として1つ1つやってたなと思って。でも、’21年は準備運動じゃなくて、1本1本のライブでそれを結果として残していく。何かに向かうことも大事やけど、今年はそういう1年になるんじゃないかなと思ってライブをしてました。“いつかやろう”じゃなくて、“今やっていく”という。コロナでまたいつが最後のライブになるか、いつ会えなくなるかも分からへんので」
――それこそコロナ禍になった当初は、メンバーとも2カ月ぐらい会えなかったみたいですね。
MANA 「そうなんですよ! そんなの初めてで。リモートミーティングは毎日してたんですけど、2カ月ぶりにリハ―サルで会ったときは、RUNAがLINEで“ちょ、明日どんな顔して会えばいいんですか?”って(笑)」
RUNA 「会うのってめっちゃ緊張しなかった?」
YUNA 「緊張した! 何かもうずっと学校を休んでて、久しぶりに行くあの感覚(笑)」
RUNA 「分かる! リハーサルやのに、“ちゃんとお化粧して行った方がいいかな?”みたいな(笑)」
――近しい仲なのに、距離感がちょっと分からなくなる(笑)。
RUNA 「でも、会ったら一気に元の関係に!」
MANA 「うん、すぐやったな。そこから、2カ月の間、話したかったことを…」
RUNA 「めっちゃ話しました(笑)」
“最高やったな。楽しかったな。全部やり切れた!”って思える1年にしたい
――しゅかしゅんのアー写をYUNAさん自身が撮影した話が出ましたけど、最近はそれぞれの個性も色濃くなってるというか、特技を超えて深くなっていってますね。
YUNA 「ずっとライブカメラマンさんに憧れてはいたんですけど、ちゃんとしたカメラを自分で買おうと思ったきっかけは、音楽雑誌の『NEW ROCK SCENE IN KANSAI 2021』でヤユヨさんというバンドの撮影をさせてもらったときに、“うわ、楽しい!”って覚醒して。いろんなカメラマンさんに、“望遠のレンズはどれがいいと思いますか? 何を使ってますか?”とか聞いて、覚悟して買いました(笑)」
――普段は表舞台に立つしゅかしゅんですけど、そういう制作サイドの目線を持てるのも良い経験ですね。
MANA 「それこそ『OSAKA GENKi PARK』で生の音楽をたくさん聴かせてもらった後、誰かに書いてもらった曲、誰かが振り付けをしてくれたダンスに自分たちの感情を乗せるだけじゃなくて、“これからは自分たちの心の底からしたいこと、届けたいものをどんどんクリエイトして形にしていこう”っていう話をメンバーとしたら、“私もそう思った!”ってすごく共感してくれて。まだ全然ちょっとずつなんですけど、いろんな方の力を借りながら自分たちの想いを届けていこうとしているので、’21年はそんな1年になったらいいなと思います」
――’20年に受けた刺激が、自分たちの衝動に火をつけて。でも、そう思えるようになったのも、若い頃からプロの現場でいろんな方たちの背中を見てきたからでしょうね。
YUNA 「メンバーが作ったものとかへの信頼感は絶対なんで、誰かが“これでいこか!”と言ったら、全員が“よっしゃ!!”となっていくパワーは負けへんし、譲れへんかなと思います」
MANA 「あと、今年は自分たち自身が一番“楽しい”と思えるライブをして、それをお客さんに“楽しい”と共感してもらえるような…こういう状況やからこそ、みんなが一番笑っていられる場所がしゅかしゅんのライブになってほしいよなって話してて。“楽しい”の輪が広がるような場所を作っていきたいなとは思ってます」
――“カッコいい”とか“感動する”とか、ライブからもらえる感情はいろいろありますけど、そこが“楽しい”で統一されたなら、それこそすごいパワーが生まれそうですね。しかも人間は、“楽しい”ことって何回もやりたくなるので。
RUNA 「私はメンバーが作った歌で、フェスでファンの方と合唱するのが今年の目標ですね。有観客でみんなの姿が目の前にあってライブをするのはめっちゃ楽しいんですけど、やっぱり一緒に歌いたい欲が出てきちゃうんです。それができたらまた何かが変わると思いますし、改めて安心できると思うので、早く一緒に歌えたらいいですね」
YUNA 「今までは“全国ツアーがしたい”とか、“どこどこのライブハウスをソールドアウトしたい”とか具体的な目標があったんですけど、今年は違って。’21年が終わったときに、“最高やったな。楽しかったな。全部やり切れた!”って思える1年にしたいです。だからまた1年後に、“どうやった?”って聞いてください(笑)」
―― それでは最後に、そんな1年に向けたメッセージをそれぞれにもらって終わろうかと!
MANA 「今年はイヤなこと、しんどいこと、ちょっとお腹が痛いなと思うことも(笑)、全部忘れられるような場所を大阪☆春夏秋冬が用意して、それがファニーでもインタレスティングでもいいから、“はぁ〜今日は楽しかったな、面白かったな”と思って帰れるようにライブハウスで待ってますし、私たちからも会いに行けるように、ちょっとでも皆さんが笑顔になれるように頑張ります! なので、“ちょっとのぞいてみようかな? 友達と遊びに行こうかな?”ぐらいの感覚で、ライブに来てくれたらうれしいです」
YUNA 「ライブ=非日常と言いながらも、やっぱり仕事とか学校とかの関係性で、日常の感情ってなかなか頭を離れへんと思うし…だから、人のせいにも、自分のせいにも、誰のせいにもせんでいいから、とりあえずそんな感情も全部ライブに持ってきてほしいな。その方がきっと忘れられへんライブになると思うから。今年はそういう日をたくさん皆さんと作っていけたらなと思ってます」
RUNA 「改めて、成人のお祝いのメッセージ、ホンマにありがとうございます! こんなに祝ってもらえるんやと思えてすごくうれしかったです。最近は人生って何が起きるか分からんなと思ってて。コロナ禍になるなんて全然思ってなかったし、毎日マスク生活になるなんて想像もしてなかったので。だからこそこの先、予想もできないような楽しいことがきっと待ってるとも思うし、それを私たちが届けていきたい想いもあるので、これからも毎日を大切に、みんなが過ごしていけたらいいなと思います。そして、その毎日にしゅかしゅんをちょっと入れてもらえたらうれしいな。そのために今年は思いっ切り頑張ります! しゅかしゅんは止まらないので!!」
Text by 奥“ボウイ”昌史