FM802とNovelbrightがタッグを組み
大阪城のふもと、大阪城西の丸庭園特設会場で開催された
ワンマンライブのロングレポートが到着!
ライブ音源のオンエアも決定!!
大阪出身の5人組ロックバンド・Novelbrightが11月4日、地元大阪のラジオ局・FM802とタッグを組み、大阪城西の丸庭園特設会場にてバンド初の野外ワンマンライブ「Novelbright GO TO 20210711 SPECIAL ONEMAN LIVE-Road to Osaka Castle- FM802 LIVE SQUARE」を開催。前回、ライブ直後の速報をお届けしたが、今回は本編の詳細をたっぷりとお届けしたい。
開演前、会場では新型コロナウイルス感染拡大防止のために様々な対策が取られていたため、開場時間はゆとりをもった運営が行われていた。早くから会場に駆け付けたファンはグッズの購入や各地から届いた祝いの花と写真を撮影したりと、思い思いの時間を過ごしている。中でも、大阪城を背景に、グッズタオルを掲げて記念撮影をする人がよく目立つ。「来年はあそこ(大阪城ホール)でライブとか、めっちゃヤバい! 今日のライブめっちゃレアやん‼」なんて、まだ9か月近く先の公演に早くもテンションが高まっている様子に、見ているこちらが思わず微笑んでしまう。また、FM802のDJ大抜卓人が開場中のDJとしてNovelbrightのオリジナル楽曲はもちろん、ストリート時代に演奏していたONE OK ROCKやあいみょんなどを流し、会場を温める。「(コロナ禍で)色々あった彼らが今日のために届けたい、数えきれない思いがある。それを受け止めてほしい」と思いを託すと、いよいよステージは本編へ。
スクリーンに大阪城が大きく映し出され、拳を掲げながら歩む沖聡次郎(Gt)を先頭に、メンバーがゆっくりと登場する。最後に竹中雄大(Vo)が駆け寄り「お待たせしました! Novelbrightです!」と、声高らかに叫ぶと、1曲目「Walking with you」からライブがスタート! 冷え込んできた夜空に、雄大のハイトーンボイスが突き抜けていく。「寒い夜を灼熱の夜にしていくんで!」と気合も十分に、「Count on me」へ進むと軽快なリズムで観客の体を揺さぶっていく。山田海斗(Gt)の華のあるギターに誘われ、気づけば観客はみな総立ちに。続く「フォーリン・ヴィーナス」では変幻自在なロックサウンドを打ち鳴らし、バンドの引出しの多さを見せつけると、雄大も繊細な歌声から迫力ある歌声と、1曲の短い時間の中にも様々な表情を見せていく。ライブ開始からたった数曲でバンドの多彩さに驚かされてしまう。
MCでは「今日はヤバイ1日を作りにきました!」と、初の野外ワンマンライブ、そして久しぶりの有観客でのライブに気合い十分な雄大。…のはずが、張り切りすぎてマイクを忘れてステージに登場したことを告白!(駆け寄ったのは急いでマイクを取りに行ったから…) そして10月中旬に知らせが届いた、バンドメンバー全員が新型コロナウイルスに感染したときの状況についても観客の前できちんと言葉にして報告する。もちろん、メンバーは完全復活でこの日のステージに挑んではいるものの、まだまだ落ち着かないコロナ禍の中で集まってくれた観客に感謝の気持ちを伝えつつ、「期待を越えられる1日にしたい!」と、改めてイベントに懸ける思いを叫ぶ。さらにライブでお馴染み、声が大きいねぎ(Dr)による生声でのあいさつも♪ 会場後方までしっかりと声が聞こえるか、ばっちり確認できたところで次の楽曲へ。
「夜空に舞う鷹のように」では海斗が感情高ぶるギターで会場の雰囲気をぐっと引き締めると、次曲「夢花火」では聡次郎が渋みを効かせたメロを奏で、そこに雄大が柔らかさを増した歌声で観客の心を包み込んでいく。続く「Photo album」では、アカペラで歌う雄大の歌声が力強さを増すなか、メンバーそれぞれが打ち鳴らす音色が寄り添いつつもそれぞれの存在感をしっかりと打ち出していく。野外の会場で響く壮大な楽曲、これを大阪城ホールで聴くともっと気持ちいいんだろう…、楽曲に耳を傾けながら想像した人は少なくないはず。
ライブ中盤、夜の野外ということもあり会場は芯から冷える寒さになっていた。観客の体調を気遣いつつ、メンバーは野外での路上ライブ時代を思い返す。そして、広い特設会場でライブが出来るようになった今も、まだまだ夢の出だしに過ぎないと、さらなる高みを目指すと約束し次の場面へ。
アコースティック編成で披露したのは「また明日」「Sunny Drop」、「Walking with you」。いつもならバンドスタイルで盛大に盛り上がる楽曲を柔らかな音色を以て、バンドが描く世界観を丁寧に届ける5人。演奏中はスマホでの動画撮影も許可され、観客はみなカメラを掲げて特別なライブの一幕を記録に留めていく。その映像は「#ノーベルパパラッチ」のハッシュタグのもと、ショートムービープラットフォーム「TikTok」で動画が拡散され、ライブに集まった観客はもちろん、日本中、世界中に彼らの姿が届けられていく。さらに、ライブ後は観客それぞれが映像を加工したり、思いを言葉にしたりと無数の動画が拡散され、同アプリでは70万以上の再生回数に。SNS動画をきっかけに知名度が高まった彼ららしい仕掛けに観客は拍手で応える。
ライブはその後、アグレッシブなロックナンバー「ランナーズハイ」や「Morning Light」へと続いていく。圭吾(Ba)、ねぎ(Dr)の軽快なリズムが観客の体を大きく揺さぶり、会場からは大きなクラップが鳴り止まない。この日の大阪でのワンマンライブは実に10か月ぶりという彼ら。オーディエンスが高く掲げる拳やタオルはもちろん、見えないはずのマスクの下に隠れた笑顔も気持ちも伝わっているはず。メンバーも渾身のパフォーマンスで応え、その往来で会場の熱気がぐっと高まっていく。次曲「時を刻む詩」は次なる道へと挑んでいく決意を音にした楽曲。ライブハウスで体感する高揚感もたまらないものがあるが、この楽曲もアリーナクラスの会場で聴けば、さらに気持ちがいいだろう。スクリーンに映るメンバーもそれを眺める観客も、とても晴れ晴れしい表情を見せている。
本編最後のMCでは雄大がバンドへの思いを切々と語る。今年は彼らにとってデビューイヤーという大切な節目となる年。地元大阪を飛び出て上京、明るい未来が待っていると思いきや、コロナ禍の影響で思うようなバンド活動ができず、悔しい思いをすることの連続。ファンはおろか、メンバーにすら会えない日々は自分自身を見つめ直すきっかけになったという。そしてそこで生まれた思いは「バンドを続けたい」というシンプルなもの。路上ライブ、ライブハウスと地道に活動を続け、少しずつ自分たちの力でたくさんの人に作品を届けていきたいと思いを語る。そしてもう一度ロックバンド、ライブバンドたる姿を見せつけ、来年の大阪城ホール公演へと繋げたいと、来月12月に東名阪でのZeppワンマンツアーを開催することを告知すると、会場からは歓声の代わりに大きな拍手が届けられた。そのままライブは最終曲、「拝啓、親愛なる君へ」へ。共に歩む人へ思いを届けるように、エモーショナルなロックサウンドを打ち鳴らすと、アンコールを含む全13曲を駆け抜け、ステージを後にした。
12月に開催されるZeppワンマンツアーのほかにも、デジタルソング「あなたを求めただけなのに」(テレビ東京系ドラマ『共演NG』主題歌)の配信リリースなど、着実にステップアップを重ねている彼ら。本イベント終了後もすでに様々な情報が告知され、来年もさらなる活躍が期待できそうだ。
なお、この日のライブ音源は大阪のラジオ局FM802、11月16日(月)21時からの「ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-」と17日(火)6時からの「on-air with TACTY IN THE MORNING」で一部オンエア予定となっている。
ライブの熱量を、オンエアからも感じ取ってほしい。
Text by 黒田奈保子
Photo by ハヤシマコ
(2020年11月16日更新)
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