「あとは前回のツアーと同じ会場でやらせてもらったりもして、そこに前よりもたくさんお客さんが来てくれたり、初めての土地でも“待ってたよ感”というか、AliAを短い期間の中でチェックして、各地でお客さんが待っててくれて。特に北海道は、札幌に加えて初めて旭川と帯広にも行ったんですけど、“ここにもこれだけの人が来てくれるんだ”って感動しました。ライブが日常になりつつある中でも、その1日を楽しみに来てくれる人たちの熱量は毎回新鮮なので、どんなところに行っても、“自分たちの音楽を届ける”ことは忘れずにやってこれたかなと思います」
RINA(vl) 「アルバムを出したときよりも、ツアーを通して曲が自分たちのものになってきたし、ライブごとに反応を見てノリ方を変えたり、アレンジが個々に変わったり…曲が育って、やっと完成した感覚がすごくありましたね」
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AliAが好きだという人がいる土地に僕らが行く
それは簡単なようで、すごく大事
――今回のツアーでは最初に台湾と香港にも行かれて、海外でもたくさんの方が集まってくれましたね。
SEIYA 「初日が台湾だったんですけど、サウンドチェック中にドラムのキックが鳴っただけで、現地のスタッフさんが盛り上がってくれて。“俺たち、台湾でバズったっけ?”ぐらいの熱量で(笑)」
AYAME 「日本語の曲なのにみんな歌ってくれるし、音楽の楽しみ方を分かってるなって。その経験があったからこそ、“日本にこの景色と熱量を持って帰ろう!”みたいな気持ちでツアーを始められたというか。今、思い返しても、やっぱりすごく楽しかった。自分たちがちゃんと先導して楽しんでもらえるようにしようという気持ちで、このツアーはやれたかな。最初の2本は、その先駆けだったかもしれない」
BOB 「しかも台湾の日はちょうど台風がぶつかって、前日まで開催が危ぶまれてたので。何とか無事に開催できたから、その分、“待ってました!”という雰囲気が」
――この2本がツアーの頭か最後かで、全然違ったでしょうね。海外の方からもYouTubeやSNSを通してAliAを知ってもらえているのは嬉しいですね。
SEIYA 「実際にその土地に行くという意味では、日本と変わらないと思うんです。AliAが好きだという人がいる土地に僕らが行く、それは簡単なようで、すごく大事というか。言ったら、結構な人数のお客さんが台湾でも来てくれたわけじゃない? そういう土地に行って他のバンドにはないインパクトをちゃんと届けられた自信が、また次につながっていくのかなって。楽器を背負って1人で行ける場所じゃないので、なかなか大変ですけどね(笑)。AliAが届けたいのは、演出も含めた立体的なステージなので」
――今回のツアーで変わったなと思うメンバーはいますか?
EREN 「AYAMEがボーカリストとしての深みを得たなって。隣でいつもMCを聞いてる僕がそれを一番言えるんじゃないかな? 圧倒的に変わった」
SEIYA 「AYAMEはもちろん、6人それぞれが変わったと思います。単純にダメなところがよくなっただけじゃなく、もっと広い意味で雰囲気もそうですし、MCとか、あと、こういう取材を受けさせてもらうときの発言も前はおぼつかなかったから(笑)。何か約束をしたとか、信頼していこうみたいな契約を交わしたわけじゃないですけど(笑)、いろんな経験をしてちゃんとお互いが、“こいつは僕・私の気持ちを分かってるから大丈夫!”って思える信頼関係ができました。そこがまた、僕らがこれから変わっていける大きな土台になってるかな」
――他のインタビューでも全員が主役、“AliAはアベンジャーズ”だと言ってましたもんね。ただ、『realize』の制作時はERENさんが中心となって、レコーディングも結構スパルタだったと(笑)。
EREN 「過ごした時間も短い中で、僕はみんなのよさが早めに分かってきた方だと思ったので、メンバーにオーダーするときも、それぞれが絶対に表現できる自信があって。だからこそ、レコーディング中に急に変えたいとか言い出して、イライラさせたり…(笑)。『realize』を作ってるときはまだ、自分のイメージが伝えられてないなと思うことがあったんですよ。それが今はツアーを回って…例えば『Discord』(M-2)だと、BOBは元々人間味のあるグルーヴを大事にするドラマーなんですけど、あえて(ドラムの振動を電気信号に変換する)トリガーを使ってちょっと人間っぽくない叩き方をしてもらって。最初はブツブツ言ってたのに、この前ドラムを褒められたときに、“あのトリガーがいいんですよ〜”って俺がいないところで言ってて(笑)」
BOB 「40本以上も回ってると、そりゃトリガーにも愛着が湧くよね?(笑)」
(一同笑)
BOB 「『Discord』に関しては、前回のツアーファイナルワンマンで初めてやってからレコーディングした曲で。ライブで化けるという意味では、全然違うものになってきてるかも。いまだに、“ここはこうした方がいいんじゃない?”とかそういう意見も出てきますし」
SEIYA 「まだ曲に進化の余地があるというか。“これでいいでしょ”みたいな感じはないね」
EREN 「あと、TKTと作った『joker』は球団とのタイアップソングですけど、とは言え、球団のための曲だけでは終わらせたくない。本来AliAがやりたいことをどこまで表現できるのか、そのバランスをどう取るのか…そういう試行錯誤は初めての経験で。しかも、短いスパンで仕上げなきゃいけない状況下から始まったその曲を、ツアーを通してみんなが自分のものとして昇華できたのは、チームとしてすごくいい経験だったなと。例え作曲していなくても、メンバーが自分のことのように弾いたり叩いたりできるのは、アーティストとして素敵なことだなと思いました」
AYAME 「ライブを40本以上もやってきて、いろんな曲を歌って…前作の『AliVe』もそうでしたけど、やっぱり想いが変わっていく。『realize』はAliAがやりたかったことがやっとできた作品だからすごく自信になったし、ツアーを通して“これがAliAだよ!”って伝えられた1枚になったなって。前回のツアーは、“まだできるんだよ”っていう気持ちが強いままライブをしてた印象もあったので、悔しいことも多くて。だけど今回は、1本1本“AliAを見せつけてやろう!”ぐらいの気持ちで全ヵ所やってこれたから。この曲たちのおかげでちゃんと伝えられたなって」
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渋谷で感じたあの可能性が、全国になって
今度は海外になっただけですから!
――今年ももう終わりますが、’19年を振り返ってどうでした?
EREN 「スケジュールを見ての通り、反省する暇もなくどんどん次に行くことが多いので、AliAは。だって来年も、年明けすぐにはアメリカ行きの飛行機に乗ってるからね(笑)」
SEIYA 「今年は1月からロサンゼルスでライブとMV撮影、2月には『Alive』を出してツアーが始まり、5月には渋谷CLUB QUATTROでの初ワンマンがあって。そこからがもうすごかった」
EREN 「7月に『realize』のレコーディングをして、8月からツアー。『鷹の祭典』と台湾、香港…そこでMVも撮ったし、あの頃は休みがなかったね〜(笑)。ライブも連日ですから」
BOB 「東京でライブして福岡に行って、帰って横浜でライブしてまた福岡に行って群馬に行って、みたいな感じで、今どこにいるか分からなくなって(笑)」
AYAME 「でも、面白かったね。充実してた! 本当に」
BOB 「いい1年でした!」
SEIYA 「やり切った甲斐はあったね」
――そして、’20年は新年早々から海外ツアー、春には初のワンマンツアーが容赦なく待ち構えていますが(笑)、海外ツアーに関してはアメリカ、ヨーロッパ、アジアと回る予定で。
EREN 「目指せ世界一周ですね(笑)。ただ、さっきSEIYAも言ってたけど、日本でライブするのとたいして変わらないというか、別に海外がすごいわけじゃなくて、距離があるだけだから。僕らも最初はお客さんが10人しかいないようなライブをやってたんですけど、初めてのツアーが決まって、半年後には渋谷CLUB QUATTROをソールドアウトできたから。渋谷で感じたあの可能性が、全国になって、そこが今度は海外になっただけですから!」
――それでは最後に、’20年以降のそれぞれのAliA像や目標を聞かせてください!
RINA 「どこに行ってもその地に染まるわけじゃなくて、AliAの音楽=うちらの志をちゃんと持って伝えていきたい。何かに寄せていくんじゃなくて、しっかりと自分を持ってAliAを伝えていきたい。できるだけたくさんの土地で、いろんな景色を観たいなと思います」
BOB 「来年から始まるワールドツアーもそうですし、日本でまたリリースやツアーもあると思うんですけど、今年伝え切れなかった部分とか届けたかったことをまた来年、イチからいろんな人に届けられるように頑張っていきたい。会場の規模が大きくなっていっても、変わらずに自分たちの音楽を信じて伝えていければいいなと」
TKT 「ただただカッコいいなと思うことをやり続けたいし、それに対してアイデアを出し続けたいと思ってます」
SEIYA 「さっき言ったように、海外だろうが日本だろうが、初めて行った土地で自分たちを伝えていくのは、すごく手間のかかる作業で。でも、その1つ1つがこれからのAliAを作っていく土台になると思ってるんです。楽曲制作やメンバー間のコミュニケーション1つ取っても、小さいことも見逃さずいい環境を地道に組み立てていく。何となく面倒くさくなったり、これでいいかっていう緩みが、ライブや楽曲の1音1音にはね返ってくるので。そういうことを押し付けがましくなく、全員がAliAをよくしていこうという気持ちで前向きにやっていければ、もうどこに行っても大丈夫だろうなって。そんなポテンシャルを持ってるメンバーとスタッフだと思ってるし、その全てがいい音楽、いいライブにつながっていくと思ってるので。ちゃんとAliAをもっともっといいバンドにしていけたらと思ってます」
AYAME 「AliAを待っててくれる人が前回のツアーの倍以上に増えていて、自分たちが好きでやってきた音楽が、たくさんの人たちのものになってきてるんだなっていう実感がすごくあって。AliAってやりたいことがまだまだすごくあるし、どんどん出てくるバンドだから。それを自分たちだけじゃなくて、待っててくれてる人、これから出会う人と共有して、今、思い描いてる景色を、来年は作っていきたいなと思います」
EREN 「AliAをやってなかったら感じることのなかった想いがいっぱいあるし、応援してくれる人やライブに来てくれる人が、観たことのない景色を作りたいなと強く思うようになってきて。海外に行くこともそうですけど、AliAが音楽シーンにビシッと名を残す最初のステップがいよいよ来たなと。初期衝動から歩み出すスタートラインに立ったと思うので、ここからみんなでどんどん攻めていきたいと思います!」