「2018年がめまぐるしい1年だったんで その分厚みのある作品になった」 ヤングオオハラ2ndミニアルバム『YOUNG☆TONE』 リリースインタビュー! 初の全国ツアー開催!!
沖縄在住の4人組ロックバンド、ヤングオオハラ。2016年に遊び友達の4人で結成。沖縄の空のようにカラッとした陽気さの中に、人間味あふれる情緒と人懐っこさを閉じ込めたロックサウンドを鳴らす。2017年までは沖縄県内を中心に活動していたが、2018年からは全国各地でライブを行うようになり、大型フェスにも続々と出演。2019年には『スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2019』、『VIVA LA ROCK 2019』をはじめ、初の東名阪ツアー、沖縄で初ワンマンを完遂。今、注目度が爆上がり中のヤングオオハラが8月21日に2ndミニアルバム『YOUNG☆TONE』をリリースした。歌に重きを置いたという今作には、彼ららしさ満載のロックチューンはもちろん、ミドルテンポの楽曲が新鮮な全7曲が収録されている。音数はシンプルながら、前作よりも確実に成長を遂げた1枚になった。現在、自身初の全国ツアー『OOHARA EXPRESS 2019秋』真っ只中の彼ら。大阪公演は11月24日(日)梅田Shangri-laにて行われる。対バン相手はreGretGirl。何回りも成長した彼らのライブに是非触れてみてほしい。ぴあ関西版WEB初登場!
ナチュラルに集まった4人が沖縄で結成
――2016年に沖縄で結成されたということですが、皆さんはどういう関係性だったんですか?
ハローユキトモ(vo&g)(以下、 ユキトモ ) 「遊び仲間です」
ヨウヘイギマ(g)(以下、ヨウヘイ) 「ユキトモとミツキが高校同じで、前身バンドがあって、別のドラマーがいて、いろいろあって解散して、もう1回バンドやろうとなって彼(ノリバルカン/ds)が入りました」
ユキトモ 「いい感じに音楽できて、遊べたらいいよねーぐらいの感じだったよね」
ヨウヘイ 「1人辞めちゃったんで、最初はそれぞれ楽器変えてやろうとしてたもんね。僕がギターのままで、ミツキングがドラム、ユキトモがベースボーカルになろう、みたいな感じが一瞬あったんですけど、僕以外が新しい楽器になることになるんで、あえなく断念して。やっぱりドラムを入れようと、後輩のこいつ(ノリ)を誘って。前身バンドから“こういうバンドに変えてやろう”みたいなのはなかったかもしれないです。ただ“新しいバンドやろう”みたいな」
ミツキング(b) 「俺たちは進学もしないんで、フリーターするくらいならバンドやるか、ぐらいの感じだったと思います。売れたいとかもなかったと思います」
ユキトモ 「そうだね。でもお金は欲しかったよね」
――最初からオリジナルでされてたんですか?
ヨウヘイ 「はい。前身バンドもそうだったんで」
ミツキング 「ただ忙しくなってしまったという」
ユキトモ 「嬉しい話です」
――2018年に一気にライブの本数が増えましたよね。ほぼ毎週の遠征で、沖縄にいる時間の方が少ないんじゃないかと思ったんですけど。
ユキトモ 「マジそれ!(笑)」
ヨウヘイ 「制作の時期は沖縄にいる方が多いですけどね」
ユキトモ 「でも夏とかトータルで月の半分くらいはこっちにいますね」
――移動は飛行機ですか?
ヨウヘイ 「飛行機ですね。船乗るほど機材もないんで」
――忙しかった2018年を振り返ってみていかがですか?
ヨウヘイ 「忙しくなったけど、そこまで急でもなかったんじゃない? いつの間にか“あれ、ペースがおかしくなってきたぞ”、みたいな。最初は県外に出ることすら珍しかったはずなのに、うまいことできてますね」
ミツキング 「最初は1週間くらいだったのが、気づいたら2週間帰ってないな、みたいに」
ノリバルカン(以下、ノリ) 「なってますね」
――沖縄から出てみて何か変わったことはありました?
ミツキング 「変わりましたね、空気。あと沖縄とこっちは水が違います。だからシャンプーしても髪の質が変わります。貴金属が綺麗になるし、シルバーのくすみが取れる。沖縄だとくすむんですけど」
――え、何で!?
ミツキング 「沖縄はカルキが多いんですよ。那覇の水、髪ギシギシになるんだけどこっちはトゥルトゥルになりますよ」
ユキトモ 「気にしたことねえわ」
ヨウヘイ 「俺も気にしたことない(笑)」
ミツキング 「下水処理の方法ですかね(笑)」
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少しずつ変化してきた曲作り
――ヤングオオハラは楽曲を作る時、曲先ですか、詩先ですか?
ヨウヘイ 「今回だと詩先の曲が多いですね。基本はスタジオに入ってメンバーに“こうしてほしい”って伝えたり、セッションしたり。そこにできてた歌詞を乗せるとか。別行程で進んで、最後の最後で合体する感じですね」
――それぞれのパートの音はどうやって作っているんですか?
ヨウヘイ 「昔に比べたら任せることが多くなったかもしんないですね。とりあえず1回合わせてみようって言って、弾いて、叩いてもらって、そこから細かいところは言いますけど」
――今回の制作に入ったのはいつ頃ですか?
ヨウヘイ 「1月からレコーディングが始まって、結局ライブやなんやで忙しくて、全然沖縄帰れてなくて」
――2018年から2019年のカウントダウンもライブされてましたよね。
ヨウヘイ 「そうですね。元旦になって深夜2時とかの出番で、それから沖縄戻って、レコーディング始まって、どんどんギターやベース録っていこうとなってたら、俺とミツキがインフルエンザになっちゃって」
――ええ~!
ヨウヘイ 「それでまたライブの周期に入って、あんま帰れんくて、結局この時期になっちゃいましたね」
――1月にレコーディングをされたということは、それまでに曲は出来ていたということですよね。
ヨウヘイ 「出来てる曲と出来てない曲がありましたね。先にドラムだけ録っちゃってたり。大部分は出来てたけどアレンジがまだ進んでなくて、レコーディング中にちゃんと整えていったりですね」
――ライブの合間を縫って制作されていた。
ミツキング 「ですかね。結構スローなペースでやってました」
――配信で先にリリースされているものもありますが、新曲が多いですか?
ヨウヘイ 「前からあったのもあります。『中南海』(M-4)と『決勝戦』(M-7)と『MAGIC』(M-1)は新曲だけど、ライブでは昔からちょこちょこやってた曲です。あと『TV girl』(M-6)は編曲しまくって、もう全然違う曲です。元ネタは高校時代の前身バンドの曲で、アレンジしすぎてドラムしか残ってない(笑)」
――『TV girl』印象に残りました。この曲だけ少し毛色が違うというか。
ヨウヘイ 「作り方が違うんですよ。ドラム先に録っちゃってたんで、高校生の時にやってたアレンジで出来るかなと思ったんですけど、意外と今とスキルの差がありすぎて、全部変えちゃおうというので、メロディ動かして、展開と歌詞も変えて。もちろんリフも違うし、別の曲ですね。いつも僕が最後にレコーディングするんですけど、自分のギター録りながらドラム消したり、1回頭の方ゼロにしてギター2人のユニゾンみたいにしたり、新しく挑戦した曲ですね」
――歌詞については?
ヨウヘイ 「『ラジオスターの悲劇』という曲があって、そこからインスパイアされました。僕らそもそもラジオを聞いてなくて、どっちかというとテレビの方が馴染みあるし、YouTube見る方が多かったりするのでテレビにしました」
昔はメロディが良ければそれでいいじゃんって思ってた
――『ハセスとココロ』(M-5)の“ハセス”とは何ですか?
ユキトモ 「人の名前です」
――ユキトモさんのお知り合いですか?
ユキトモ 「そうです。少し前にちょっと好きな子がいて、その子がコザっていう沖縄の街に飲みにきてくれたんですよ。僕の家は那覇なんで、結構遠いんですよね。コザは外国人が多く飲み歩くような街で、ヤバい街なんですよ。で、好きな子に呼ばれてウキウキで行くじゃないですか。バーに入ったら、ちょっとヤバめな歳近い奴らがいて、好きな子そっちのけでそいつらと飲み始めて、めっちゃ意気投合して。“お前らほんとサイコーだから、お前らの曲書くよ!”って酔っ払って言ったのが始まりです。そこで一緒に飲んで騒いだ奴らの中にハセスとココロっていう男と女がいて、そのふたりを書いた曲ですね。で、最近久しぶりにココロに会ったんですけど、2人結婚したらしくて、子供も生まれたらしいです」
――そうなんですか! 実話なんですね。夜の街がコザですか。
ユキトモ 「そうです。ワガママ勝手なあいつらが好きだから曲を書いた感じです。あんまり説明することないですけど、恥ずかしいですね(笑)」
――ありがとうございます(笑)。ユキトモさんは歌詞を書く時は実体験が多いんですか?
ユキトモ 「だと思います。自分が感じたことを膨らませて歌詞にするか、嫌なことか、実話かどれかです」
――『決勝戦』は、ヨウヘイさんと2人で作曲されたんですよね。
ヨウヘイ 「今話に出たコザで、バンドバトルのコンテストがあったんです。その時はまだ別のドラムが叩いてたんですけど、決勝戦までいくと思ってなかったので曲がなくて、作りかけてた曲作ろうかって、決勝戦の当日楽屋で歌詞を1人で書いてて。最初の2行くらい書いて、ここから先何て書いていいのかわかんなくなって、俺がどんどん言葉を出して、ユキトモと一緒に歌詞はこうして、メロディはこうしてっていうので、頑張ってつなぎ合わせた気がしますね」
――そうか、昔の曲なんですね。
ヨウヘイ 「2016年の1月だから、3年半くらい前?」
ユキトモ 「そんな前か。高3だもんな」
――今演奏するのとどう違いますか?
ヨウヘイ 「この曲は頭の方だけアレンジ変わったよね。歌は変わってない。テンポが遅くなったよね」
ユキトモ 「昔の感じが残ってて、歌詞間違えるんですよね。“どっちがどっちだっけ”ってなっちゃって」
ヨウヘイ 「そこだけライブで目合うよね(笑)。コーラスの俺とユキトモが違う歌詞歌って、俺が間違えたみたいになっちゃうことよくあるんですよ(笑)。忘れるよね。前身バンドが、新曲をライブ前に完成させることが多くて。ぶっつけ本番みたいな」
――え、すごいですね!
ヨウヘイ 「そう、だから当時あんまり歌詞を大事にしてなかったんですよね」
ユキトモ 「メロディが良ければいいじゃんって、マジで思ってました」
ヨウヘイ 「だから1番までしか歌詞無い曲とかいっぱいあって。そこまで書きたいこともなかったし。当時はユキトモが歌詞を全部書いて、僕は曲だけ作って、完全分担みたいな感じだったんですけど、今のバンドになってからは僕が歌詞も書いてます」
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ある意味修行みたいなアルバムだった
――改めて今作はどんな作品になったと思われますか?
ヨウヘイ 「ミドルな曲が力を発揮してるアルバムだと思います。初期衝動はまだあるけども、テンポ的にもちょっと落ち着いてきたというか。前よりも少し音楽的になった1枚かもしれないですね。前回は楽器とかいろいろやってたんですけど、コーラスパートはすごい増えたし。今回は歌メインにシフトしたアルバムですかね。あんまり誤魔化してない感じがする」
――歌メインというところで、ユキトモさんは歌う時に意識したことはありますか?
ユキトモ 「このアルバム全部、ちょっとでもお酒飲んで喉が荒れてると、ライブで歌うとき大変なことになる曲ばっかりで」
ヨウヘイ 「(笑)。メロディがちょっと難しいんですよね。すごい意地悪なメロディが多い」
ユキトモ 「ある意味修行みたいなアルバムだった(笑)」
ヨウヘイ 「レコーディングもだいぶ苦戦したもんね」
ユキトモ 「そうなの。僕がちょっとでも風邪とか引いてると歌えないんで、“今日終わり!”ってなっちゃうんですよ(笑)」
ヨウヘイ 「今回歌が1番時間かかったかもね。永遠風邪ひいてたんですよ」
ノリ 「ドラムが1番早かった」
ヨウヘイ 「そうだね、1日で終わったからね」
ユキトモ 「俺いつもだったら適当に“はい終わりー。”って言われて終わりなんですけど、今回は“いやー、まだまだ終われないなー”みたいに思っちゃって」
ヨウヘイ 「今回はどっちかというと歌心がないと厳しい感じの曲が多いから。前作はロック調が多かった」
ユキトモ 「俺多分、めっちゃ歌上手くなってると思います」
――おっ。
ユキトモ 「間違いなく去年のアルバムより歌上手いっす!(笑)」
ノリ 「キーちょっと上がったっすもんね」
ユキトモ 「そうだよ。『アイラ・ビュー』(M-3)ってマジ意地悪な曲で、すごい良い曲なんですけど、風邪引いてた時、僕が全然歌えなくて。“これはまずいな”って感じになって、練習して。今でもちょっと酒で荒れたり調子悪かったら出ないんです。あと、『決勝戦』のレコーディングの“イエイ”と、今の“イエイ”はライブの方が高かったりするんですよ(笑)。そういうのがあったりして、歌の修行めっちゃやってます」
ヨウヘイ 「調子良い時“イエーイ”めっちゃ伸ばすんですよ」
ユキトモ 「伸ばしてるんじゃなくて、キーを上げてるんだよ」
ノリ 「上げて伸ばしてますよね。調子悪い時すぐ止まります(笑)」
――ミツキさんはどんな1枚になったと思われますか?
ミツキング 「皆が言ってる通り、去年がめまぐるしい1年だったんで、その分厚みのある感じになったんじゃないすかね」
ユキトモ 「厚み! それだ! 完璧じゃん!」
ヨウヘイ 「まとめ上手」
ミツキング 「だから次に期待できるんじゃないですか」
全員 「おお!」
ユキトモ 「良いこと言うじゃんか! 絶対それだよ!」
――10月からのツアーは、初の全国ツアーなんですね。
ユキトモ 「そうそう」
――どんなツアーにしたいですか?
ユキトモ 「健康第一ですね(笑)」
ヨウヘイ 「1番の目標」
ユキトモ 「俺らすぐ体調崩すから」
ノリ 「去年もそう言って、速攻体調崩しましたから(笑)」
ユキトモ 「列伝だ(笑)」
ヨウヘイ 「それで俺らインフルなったんだよね」
ユキトモ 「あーーー」
ミツキング 「ユッティ(ユキトモ)は年がら年中崩してる」
ヨウヘイ 「喉とかすぐやられるから」
ユキトモ 「扁桃腺腫れちゃうからなあ」
ヨウヘイ 「1番体調崩してるのはユキトモかもしれないですね」
ユキトモ 「酒の飲み過ぎなんでしょうね。それだと思いますほんとに」
ヨウヘイ 「まあ、健康管理に気をつけていければなと思いますね」
(2019年11月 5日更新)
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