西日本最大級のHIPHPOPの祭典『SPOTLIGHT2019』が
12/1(日)に味園ユニバースで開催！
韻踏合組合インタビュー

――大阪では既に恒例・人気の『SPOTLIGHT』、今年の一番のみどころは？

まず何より11月13日(水)にリリースする記念すべき10枚目のニューアルバム『マラドーナ』に収録された14曲、出来る限り全部会場でやり切りますよ。今年は夏にワンマンを開催しなかったので、僕らのエネルギーを全部12月1日(日)にブチこみます。中でも新曲『マラドーナ」は、ご存知サッカーのレジェンド・マラドーナが持つ「神の手」のように会場全員で手を挙げて騒ごうやって曲。当日はオーディエンス全員がピッチ上のファンタジスタになれる一体感をみんなで目指していきたいと思っています。さらに、ずっと開催してきた『SPOTLIGHT』のアンセムをいよいよ作りたいって考えがあって『Spotlight』という曲もお披露目します。今までのファンも、今年初めて『SPOTLIGHT』に参戦するという人も、是非一緒にノリまくってもらいたいナンバーです。

それから、もう一つの目玉は「サウンドクラッシュ」というレゲエ界ではお馴染みのバトルスタイルを、ヒップホップ界で初めてやっちゃおうと企画しました。DJとMCが、この日のために録音したダブ・プレートを使って、曲を掛けあい、MCなどで攻撃し合うのがサウンドクラッシュ。勝敗はオーディエンスの歓声で決まります。要は、選曲とアレンジ、MCのパフォーマンス、サウンドシステムすべてを融合させていかにオーディエンスの心をつかむかが勝敗を左右するバトル。『SPOTLIGHT 2019』ではずっと温めてきたこの企画をドアタマにやります。日本のヒップホップシーンでは滅多に見られないパフォーマンスなので、是非12月の大阪に全国から足を運んでほしい。




――アツいムーブメントを大阪からまた起こすんですね。常にチャレンジし続けるモチベーションはどこから生まれる？

僕らはそれぞれ20年近く活動してきましたが、昔から常に新しいことを求めて動いてきました。その方が楽しいから。それこそ、今ではテレビの企画でも採用されてお馴染みになったMCバトルも、そんなもの日本で誰もやってない時代からやり続けてきました。13年前から続けている『ENTER』というオーディションスタイルのフリースタイルMCバトルも同様です。最初の頃はエントリーが10組に満たないこともあったけど、腐らずにやり続けてきた結果が、1000人規模のイベントを完売させ、会場に入りきらないファンが押し寄せるようになった今ってことです。

「時代がようやく僕らに追いついた」と、ジョークではなく強く言いたいですね。マラドーナもきっと「神の手」を装備するまでには幾度も壁を乗り越えチャレンジし続けてきた。「僕らもいよいよ『神の手』を手に入れるところまでやってきた」ということです。

――みなさんの後を追い、意志を受け継ぐ若い世代のアーティストも着実に生まれてきていますか？

そうですね。面白いな、と思うのは僕らの音楽を「カッコいい」と感じてファンになってくれる世代は決して同世代だけでなく、10～20代の若い子までついてきてくれてます。もう、ヘタすると自分の息子の世代ですよ。若い頃、自分の親が聴いていた音楽をイケてると感じたことはあまりなかったけど、「カッコよさ」を下の世代へ引き継ぐことができているのは素直に嬉しいですね。

アーティストサイドでも同じ。才能ある若い世代のDJやMCはどんどん生まれていて、『ENTER』でそんな人材を発掘できるのも楽しい。よく「大阪のシーンはどうだ」とか「昔と比べてヒップホップ界の盛り上がりはどうだ」と聞かれますが、僕らに言わせれば大阪のシーンは昔も今もずっと変わらない。常に新しい奴が生まれて、常にどこかでチャレンジがあって、下の世代から突き上げられるようにヒップホップファンも増殖してきている。毎月開催している『ENTER』もいつも100組近いエントリーがあって、『SPOTLIGHT2019』でのパフォーマンスを賭けたバトルは400～500組の中から勝ち上がらなければならない熾烈さです。そんな大阪はやっぱり「アツい」と言わざるを得ないですよね。

――『SPOTLIGHT』は今後、どんな展開をみせていきそうですか？みなさんのビジョンは？

まず、『SPOTLIGHT 2018』に来られた方は既に感じて頂けたと思いますが、通常のバトルイベントとは違う「お祭りムード」がこのイベントにはありますね。年末というのもあるし、僕らを慕って全国から参戦してくれるゲストアーティスト、それにファンのみなさんとの一体感が本当に感じられる1日で。関わった全員が毎年「楽しかった！」と言って年を越すっていう。会場の味園ユニバースとのシンクロ率もとても高くて、アーティストとオーディエンスの距離が近くてとても良い。パフォーマンスが終わったアーティストが会場でみんなにまじってお酒を飲んでいる光景も良いし、世代をまたいでお祭り気分で騒いでいる楽屋も良い。この雰囲気をずっと出し続けていけるかが大事なイベントです。

今年はサウンドクラッシュという新たな試みを取り入れましたが、実はまだまだやりたいことがたくさんあります。今後それらを一つひとつカタチにしていって、ゆくゆくはライブも、MCバトルも、サウンドクラッシュも、さらにダンスイベントやドリンク・フードももっと充実させて、大阪で大規模なヒップホップのフェスをやりたい。屋外でやれたらお祭り感がさらに増して、新しい人たちももっとヒップホップに触れてもらうことができると思います。大阪から新しいカルチャー・大きなムーブメントを作れる力、僕らにはあると思いますよ。なにせもうすぐ「神の手」を手に入れますからね。

（2019年11月18日更新）