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清水エイスケが語るデジタルシングル3部作
Age Factoryが地元・奈良から見据える景色 清水エイスケが語るデジタルシングル3部作
スリーピースロックバンド Age Factoryは、全国のライブハウスを爆発的なエネルギーで揺らしても尚、地元・奈良を離れることはない。聞けば、生まれ育った場所に留まるからこそ、その音楽性は研ぎ澄まされるのだという。彼らが3作続けて配信したデジタルシングル『CLOSE EYE』『HIGH WAY BEACH』『nothing anymore』では、清水エイスケ(vo&g)の体験や記憶が時に淡く、時にくっきりと作品の中に切り取られている。この3部作と、バンドがこれから迎えるフェーズについて、清水に話を聞くことができた。
「『CLOSE EYE』のジャケットは、詳しくは言えないんですが俺の家の近くで撮りました。『HIGH WAY BEACH』は、(奈良県生駒市にある)壱分インターチェンジで。『nothing anymore』のジャケットだけは東京のとある橋の下なんですよね、けっこうタイトなスケジュールの中で頑張って撮りました」
「エレクトロやテクノが多いかもしれません。どちらもトラックメイカーなんですけどロンドンのTourlistや、ノルウェーのCashmere Catを聴いています。どんな音楽も“自分の音楽にはどう活かせるのか”という興味を持って聴くので、何も考えずにリラックスしながら聴いて“最高~!”と思える音楽はあまりないかもしれないです。打ち込みの音楽でもサンプルで使われている音に“こんなの使ってるんだ”と思ったり、気になるポイントはどんどん増えていきます。ナオティーから勧められたThe Chemical Brothersの『Go』を聴いたときに、“なんでこのジャケットなんやろう? ミュージックビデオもライブも気になるな。”と思ったんです。興味を持った曲についてはとことん知らないと気持ち悪いし、知ったら知ったでそこから学習しなきゃと思っちゃうのでしんどいんですけど(笑)、好きだからつい探求してしまいます」
――なるほど、今後もジャンルをクロスオーバーさせたAge Factoryの作品が楽しみです。連続リリース第2弾『HIGH WAY BEACH』は、地元奈良の情景を描いた楽曲なのですね。
「これは、曲自体はずっと前からあったんですけど、初めて歌詞を友達と一緒に書きました。以前は誰かに歌詞を書いてもらうことに少し抵抗があったんですけど、誰かの力を借りていいものができちゃうと、認めざるを得ないですね。同じ奈良でARSKNというバンドをやっているRY0N4というやつの家が、高速道路の入口の近くにあるんですけど、RY0N4の家で夜通し一緒に曲を作っていると、深夜3時くらいになったら車がほとんど通らなくなって、音が少なくなるんですよ。ある日“この静けさ、海みたいやな”という会話から俺が発した『HIGH WAY BEACH』という言葉をRY0N4が覚えていて、別の日の同じ時間帯にまた二人で曲を作っていたときにこの言葉をRY0N4が挙げてくれて。そこから2〜3時間で一気に歌詞を書きました。朝方まで誰かと遊び尽くしたりして、この時間に僕と同じようなことを感じている人たちに向けた、世代に関わらずこの感覚を知っている人たちだけがわかる合言葉のような、そんな意味を持たせた曲です」
「今まで交流のなかった音楽性を持つ人たちとも幅広くやっていきたいですし、それができるだけの能力を僕らが身につけたいです。ジャンルは違っても、僕らが表現したいものを色んなアーティストに理解してもらえるように、濃いものを持っていたいと思いますし。もう一つ具体的な目標を言うと、ONE OK ROCKとツーマンライブをできるようなバンドになりたいです。東大寺に呼びます!(笑) 奈良でフェスも開催したいし、僕らの生まれた場所をますますフックアップしたいです」