――シングル『I Bet My Life(or Death)』発表時の前回インタビューから約半年。最新アルバム『Millionaire』は『I Bet My Life(or Death)』の踊れて暴れられるバンドサウンドの流れをくんだものですね。それはシングルのリリースツアーに手ごたえがあったからですか?
Ikki-Rodriguez (以下Ikki)「手ごたえ、ありましたね。バンドサウンドに重きを置いた『I Bet My Life(or Death)』をやる度に、やっぱりこの方向性でいいんや!っていうのがありました」
N'Eita(以下Eita)「『I Bet My Life(or Death)』をやると気分も上がるし、お客さんもついてきてくれる。前作のアルバム『THUNDER』の曲もやりながら『I Bet My Life(or Death)』をやったんですけど、ちょっと『THUNDER』の曲がセットリストから外れ出してて…。それは、もちろん『THUNDER』のサウンドも好きやけど、今自分たちがステージで出したい姿とちょっと乖離があったからなんです。そういうのはお客さんも感じていたのかなって思いますね。で、『I Bet My Life(or Death)』を出して、そのままアルバム制作に入ろうと思ったんですけど、その前になんか一度確認したかったんでしょうね。ほんまにこれでいいんやろうか?っていうのをツアーで」
Ikki「単純にテンポ感ですかね。あと、7曲目の『Neo』や10曲目の『Good-Bye. The End. So Long.』はエレクトロ重視の曲なんですけど、キックがドーンドーンドーンと入るのに対してわかりやすく跳ねやすい感じにしたり…。ま、どの曲にも言えるんですけど、制作の段階から、Taiちゃん(N'Taichi)と“ここは手をあげるところや”とか“ここは手を振るところやろ”とか“ここはジャンプや”とか考えて、『Be Louder』(12曲目)のサビがああいう(キャッチーな)フレーズになったものそういうの(ライブでの反応)を意識しながら制作したからですね。なので、曲調が変わっても一定ののれる感じが守られているのかもしれないです」
――もうツアーが見えているんですね。今作のリード曲『Up All Night』もパーティチューンで、ライブでの盛り上がりが目に浮かびます。でも、この曲がリードなのはちょっと意外でした(笑)。
Ikki「“パーリー&パーリー”できたぞ!…と(笑)。実は僕らも最初、悩んでたんですよ。ほかの曲でもリードいけるんちゃうか?って。でも『Up All Night』が一番“らしい”なっていう話になったんですよね」
Eita「できもいいなと思ったしね」
Ikki「実は『I Bet My Life(or Death)』の段階で、『Up All Night』もシングル曲候補だったんですよ。だから今回も最初からリード候補だったんです。それで、もう一回サウンドをよりアッパーにしてみたりとかして、あそこまでの“パーリー&パーリー”な仕上がりになったんですよ(笑)」
――話が脱線しましたが(笑)、『Millionaire』のことに戻るとラブソングがいくつかあるのも意外でした。それに『Nothing to Change』は自身のことを書かれているのかな?と。Eitaさんはどのように作詞されていますか?
Eita「曲によりますね。自分の頭の中で、ふんわりしていることを具体的にしていく感じです。『Nothing to Change』に関しては、自分の今の立ち位置というか自分のやってきたこととかを歌ってますね。今しか書けへんなっていうこと、あるじゃないですか。誰かを応援したいわけじゃないし、自分を鼓舞したいわけでもないけど、現状、こう思ってるんだぜ!っていうのを歌っているのが今回は多かったかな。制作時に作詞するので、どうしてもその時にやってることとか、プライベートのこととかが入ってくることが多くなりますね。あと、あまり抽象的なことは言わない。そういうのあるじゃないですか? シーラカンスとか……(笑)」
01. The World's End 02. The Wall 03. Up All Night 04. Crush Out 05. Nothing to Change 06. Upside Down, Inside Out 07. Neo 08. I Bet My Life (or Death) 09. A Heartbreak 10. Good-Bye. The End. So Long. 11. Flames 12. Be Louder
Profile
フェイブルドナンバー…2012年5月、N'Taichi(b)、N'Eita(g&vo)、Chii, pucchi(key)、Mr.Donuld Betch(ds)の4人で活動していた母体となるバンドに、それぞれ別バンドで活動していたMako-Albert(g)とIkki-Rodriguez(samp&prog、現・宗光-Rodriguez)が加入し、現在の体制に。2013年に初の全国流通盤『Might makes right』を発表すると、2014年には2nd『The DIE is cast』をリリース。大型フェスにも多数出演を果たす。また翌2015年にはMy Chemical Romanceのボーカリスト・Gerard Wayの単独日本公演でサポートアクトを務め、さらに同年には東名阪でのワンマンライブを全会場ソールドアウトで完走。加えて6か月連続の自主企画も成功させた。そして2017年2月にはアルバム『ILLUMINATE』でついにメジャーデビュー。同年11月には早くも2nd アルバム『THUNDER』をリリースし、勢いそのままに2018年には1stシングル『I Bet My Life (or Death)』を、2019年1月には3rdアルバム『Millionaire』を発表。コンスタントに作品を世に送り出し続けている。